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表面磁石型磁気歯車の渦電流防止磁極片の開発 表面磁石型磁気歯車の渦電流防止磁極片の開発 表面磁石型磁気歯車の渦電流防止磁極片の開発 表面磁石型磁気歯車の渦電流防止磁極片の開発

ドキュメント内 博士学位論文 (ページ 99-102)

5.2.1 表面磁石型表面磁石型表面磁石型表面磁石型磁気歯車の構造磁気歯車の構造磁気歯車の構造磁気歯車の構造

図5-1に標準的な表面磁石型磁気歯車の構造を示す。なお、図中の矢印は永 久磁石の磁化方向を示している。表面磁石型磁気歯車は、高速ロータが回転す るとギャップ中に発生する磁束のうち、低速ロータの磁極間隔と等しい空間高 調波成分が減速して回転することによってトルクが伝達される。また減速比は、

本論文の第3章の 3.2.1項で述べたように、高速ロータと低速ロータの極対数 の比で決まることから、図 5-1(a)の場合、減速比は高速ロータの極対数 4、 低速ロータの極対数22で速比1/5.5となり、それぞれのロータは逆方向に回転 する。一方、図5-1(a)において低速ロータとした外側磁石を固定し、固定し ていたステータ歯車を低速ロータとした図5-1(b)の場合、減速比は高速ロー タの極対数4、低速ロータとしたステータ歯車の磁極片数26で速比1/6.5とな り、それぞれのロータは同じ方向に回転する。

5.2.2 高剛性渦電流防止磁極片高剛性渦電流防止磁極片高剛性渦電流防止磁極片高剛性渦電流防止磁極片

本論文の第3章では、ステータ歯車の磁極片を電磁軟鉄製のはり状構造とし ていた。そのため、ステータ歯車に大きな渦電流が発生し、3000rpmでの高速 回転下では、ステータ歯車は約 60 秒程度で室温から 100℃にまで達するほど に渦電流による損失が大きく、この構造のままで実用化するのは難しい。渦電 流を低減する磁極片として、平田ら[14]は、歯を切った薄い電磁鋼板を積層す る方法を提案している。しかし、磁極片の剛性が小さく共振振動数が低いため、

高速安定性を確保できず、最高回転数は500rpm程度に止まっている。また、

隣り合う磁極片同士の内周あるいは外周を繋いだ形の電磁鋼板を積層してお り、この形状では磁極片が短絡された形となり、本論分の第4章でも報告した ように短絡部よりの磁束の漏洩が発生し、伝達トルクが低下するという欠点も ある。

本研究では、ステータ歯車を構成する複数の磁極片に短絡部を設けず、それ ぞれの磁極片が切り離された状態で薄い電磁鋼板を積層して形成し、それを樹 脂で固めることでステータ歯車を製造する方法を提案する。図5-2は、本章で 提案するステータ歯車の製造を含めた概要を示したものである。このステータ

(a) 外側磁石が低速ロータ (b)ステータ歯車が低速ロータ 図5-1 表面磁石型磁気歯車の構造

低速ロータ(外側磁石)

ステータ歯車(固定)

高速ロータ 外側磁石(固定)

低速ロータ 高速ロータ

(ステータ歯車)

歯車は、電磁鋼板を積層して形成された磁極片が所定の間隔を開けて複数配置 されており、その磁極片間に埋めた磁極片を補強する樹脂とで構成されている。

このような構造では、実際に製造可能であることが重要であるので、以下に ステータ歯車の製造方法について詳述する。

(a) 電磁鋼板の成形 (b) 電磁鋼板の積層

(c) 樹脂成形 (d) 不要部の切削除去 図5-2 高剛性渦電流防止ステータ歯車の製作方法

(1) 電磁鋼板を磁極片の内径側を繋いだ状態で、プレスもしくはワイヤー カット等で形成(図5-2(a))

(2) 形成された電磁鋼板を積層(図5-2(b))

(3) 積層した電磁鋼板とステータ歯車の非磁性材でつくられた保持器と を樹脂で一体成型(図5-2(c))

(4) 磁極片を繋いだ内径部とステータ歯車外径の不要な樹脂部を切削除 去(図5-2(d))

電磁鋼板を積層すれば、絶縁被覆した鋼板間のわずかな空隙で渦電流を遮断 できるので、モータや変圧器の鉄心は積層電磁鋼板で作られている。渦電流は 板厚に比例し、渦電流による損失は板厚の二乗に比例する。そのため積層した 電磁鋼板を用いたステータ歯車は、積層していないものに比べ、渦電流による

損失を1/50000程度まで抑えることができ、低速回転時には渦電流による温度

上昇をほとんど無くすることができる。但し、渦電流は周波数の二乗に比例し て上昇するので、5000rpmを超えるような高速回転する場合には、さらに板厚 を薄くするなどの改良が必要となる。

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