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視点情報の共有機能

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 43-46)

D‑ABDUCTORログデータ蓄積

3.3.3 視点情報の共有機能

視点情報の共有化は,参加者すべての視点に関する情報を共有化する機能であり,図3.9 の例のように各参加者のディスプレイ上に任意の参加者の視点情報を必要に応じて随時表 示させることができる.参加者は自分はもちろん他の参加者の情報をウィンドウを開いて 参照することができる.この場合,参加者が増えるに従いウィンドウの画面管理の必要性 が高くなる.そこで,本システムではXウインドウ・システム上の仮想ウィンドウマネー ジャFVWMを利用してウインドウ空間を参加者別あるいは表示内容の種類に応じて適宜 分類して使用する.

3.9: 視点情報の共有表示例

3.3.4

コンフリクトの抽出機能

参加者は,視点の共有ウィンドウを通して他の参加者との視点の違いを把握し,評価項 目の重要度のレベルで視覚的にコンフリクト部分を抽出することが可能である.しかし評

価構造が複雑な場合は,コンフリクトの認識および操作も面倒となり,利用者の負担が増 すことになる.

そこで,参加者間のコンフリクトの強弱関係を参加者間の視点の重要度のユークリッド ノルム2を用いて式3.1のように定義する.

e(x;y;k) = jjc(x;k)0c(y;k)jj (3.1)

ここで,c(x;k)は,参加者xの評価項目kに直属する評価項目間の重要度ベクトルであ る.同様にc(y;k)は,参加者yの評価項目kに直属する評価項目間の重要度ベクトルであ る.すなわち,e(x;y;k)は他者との価値観の隔たりの大きさを表していることになり,合 意形成に向けて部分交渉を試みる評価項目を絞り込む際の判断における参考情報として用 いることができる.

3.4

利用例

以下にシステムの利用例を3.2節で述べたグループ意思決定支援手順に沿って,画面例 を用いて説明する.例題には,各都道府県の行政課題である「住みやすさ」[経済企画96]

について各参加者の都道府県評価の順位のばらつきをまとめるテーマを用いた.

1. 評価構造の作成

3.10D-ABDUCTORを用いて評価構造を作成した例を示す.作成したデータは

本システムに直接読み込まれ,木構造表示に変換される.

2. 視点情報の算出

視点の外在化機能を利用して各自の意思決定問題に対する視点を算出する(図3.11).

3. 視点情報の共有

算出された視点情報は共有されており,参加者は任意の他の参加者の現時点での視点 を同様のウィンドウを開いて表示させることができる(図3.9).図3.9において,画 面中央後ろのウィンドウは自分の視点,左下および右下のウィンドウは他の参加者の 視点を表示している.またそれぞれのウインドウ内に表示されている子ウィンドウは

3.10: D-ABDUCTORによる評価構造の作成例

部分的な視点を表している.この子ウィンド ウの重要度グラフからもわかるように

「住みやすさ」に関する三者のそれぞれの視点はまったく異なっている.

4. コンフリクトの抽出

参加者は,視点情報の共有ウィンドウを通して他の参加者との視点の違いを把握し,

評価項目の重要度のレベルでコンフリクト部分を抽出する.

5. 重要度の修正

一般には,評価構造において複数のコンフリクト部分が存在することが考えられる.

そこで一つ一つのコンフリクト部分について合意に向けた部分交渉を積み重ねてい く.具体的には,部分交渉を行うコンフリクト部分を協議して決定する.つぎにその 部分の視点情報表示ウィンド ウを参照しながら,一対比較ウィンド ウを呼出して重 要度の修正を行う.参加者の修正結果は,直ちに視点情報の共有ウィンドウに反映さ れる.

6. 合意判断

全参加者の代替案の重要度ランキングが一致した段階,あるいは最高得点の代替案が 一致した段階で合意と判断する.

3.11: 視点情報の算出例

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