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考 察

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 121-124)

D‑ABDUCTORログデータ蓄積

Alternative 2 Alternative m

5.4 システムへの実装

5.6.5 考 察

5.18: 両実験における発話の種類の比較 グループ1 グループ2 異なる評価構造 共通の評価構造

質問(個) 9 7

回答(個) 9 7

説得(個) 14 17

妥協(個) 9 13

追認(個) 19 9

合計(個) 60 53

5.19: グループ1の構造化した発話履歴の一部

論点 行為 使用者 発話内容

: : :

省スペース 質問 学生 省スペースはなんだっけ? 省電力と...

(サイズ,省電力) 応答 技官 サイズですね.

質問 学生 これはなぜ重視したのですか? 応答 技官 たとえば大きいと動かしにくいし

あまりにスペースが無いと.. 追認 学生 そういう意味ですか

妥協 技官 重いとやだけど,サイズならわりと妥協できるので,

サイズと省電力は下げてもいい.

追認 学生 実質的にはそんな考え方ですかね.

追認 技官 じゃあ,それでやってみますか.

: : :

いの評価項目の関連を再確認するためのものであった.またグループ2の方が合計発話数 において少ないにもかかわらず,説得と妥協の発話数は,グループ1よりも多いことが分 かる.これより,グループ2の方が密度の濃い交渉を行っているものと推察できる.この 理由としては,グループ2ではKJ法的に共通の評価構造を作りあげたため,グループ1 に比べて事前に共通認識が形成された効果と考えられる.ただし,被験者ペアの発話スタ

5.20: グループ2の構造化した発話履歴の一部 論点 行為 使用者 発話内容

: : :

サイズと省電力 妥協 学生 保守を軽視し過ぎたので省電力の余計な分を回します.

質問 学生 サイズと省電力どちらを重視しますか? 回答 技官 うーん,サイズかな.

説得 学生 サイズは広い部屋があればいいと思わないんですか.

追認 技官 あ,そうか.

説得 学生 JAISTってわりと広いですよね.

追認 技官 省電力かなあ.

説得 学生 サイズと省電力どっちが大事?

妥協 技官 省電力かなあ.大事な気がしてきたぞ.

説得 学生 自分は保守をもっと重視しますから省電力を重視 してください.

: : :

イルによる影響も考えられるので今回のデータから断言することはできない.

また,グループ2では,表5.20に見られるように2つの評価項目間でのトレードオフを 意識した交渉が全般に行われていることが分かった.これは,お互いが評価構造に対して 共通の認識を持ち,かつ評価項目間の独立性を無意識のうちに前提として合意形成に望ん でいるためと推察される.

一方,グループ1では,表5.19に見られるように関連度表のイメージがそのまま発話内 容全般に渡って影響していることが分かった.また説得あるいは妥協の活動の際に,お互 いの評価項目の関連づけに関して再度確認し直す発言(表5.19の冒頭の質問と回答),ある いはグループ2の約2倍の追認の個数をともなっている.これらの発言のやりとりによっ て,お互いの立場が異なることをふまえて,共通認識の再確認を行ったものと考えられる.

被験者からのコメントも考え合わせると,今回の対照実験からは,評価構造の作成形態 の違いによる共通認識の形成への差異が,合意形成段階における発話内容しいては交渉活 動に影響を与えていることが分かった.

また共通の評価構造を利用する場合は,共通認識が得られやすい反面,それぞれの立場

が異なる者にとっては評価構造が冗長なものとなる可能性があることが分かった.

一方,異なる評価構造を利用する場合は,事前に十分な共通認識を得るための工夫が必 要であるが,自分自身の立場に主体性を置いて評価構造をとらえ,合意形成に望むことが できる利点がある.したがって本質的に立場が異なるメンバー(たとえば,今回の実験例 のように保守義務があるセンター技官と快適に使いたい学生,あるいは製品を使う立場の ユーザと製品を製作する立場の開発者)間で共通の評価構造を利用することに抵抗感が強 い場合に有効な方法と思われる.

また相互理解のもとで合意を得るという目的については,表5.16の結果から見る限りは,

相互理解度および合意結果に対する満足度に関して十分な評価が得られている.しかし,

合意形成プロセスに対する満足度については,若干の差が見られ,グループ1では2人と も「やや満足」,グループ2では2人とも「普通」となっている.これはグループ2では,

KJ法的に評価構造を作成して共通認識を得た段階を経てから交渉に入っているが,グルー プ1では,共通認識の形成が交渉の段階に入っても含まれたために相対的に満足度が高く なったものと考えられる.ただし,評価点の与え方の個人差も含まれるので,合意プロセ スに対する満足度の違いを評価するためには,同一の被験者による対照実験が必要である.

5.7

ANPを応用した関連度行列の相互評価に基づく重要度

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