第 5 章 総合評価
5.5 総合評価実験
5.5.5 被験者の行動分析による定量評価
名の被験者間のコミュニケーション行動回数が遠隔地間のコミュニケーション行動回数 を補完する形でかなり増大していることが分かる。これは、遠隔参加者だけでなく会議 室内の参加者にとっても、遠隔地間のコミュニケーションが会議室内でのコミュニケー ションに比べて負担が大きいことを示している。また、代理人ロボットを利用した提案 遠隔会議形態においても若干ではあるがこの傾向が確認できる。
表 5.3 各グループの被験者のコミュニケーション行動回数
行動方向 行動 設計 組立 設計 組立 設計 組立 発話 7 12 3 1 4 2 ジェスチャー* 5 3 0 0 0 0 顔表示モニタ旋回* - - - - 2 5 レーザポインタON* - - - - 2 1 発話 12 14 9 3 14 10 ジェスチャー* 3 3 0 0 0 0
発話 19 16 20 19 20 22 ジェスチャー* 4 8 5 7 6 4
(*:発話しながらの行動も含む)
行動方向 行動 設計 組立 設計 組立 設計 組立 発話 4 4 7 13 2 1 ジェスチャー* 0 0 3 5 0 0 顔表示モニタ旋回* 3 5 - - - -レーザポインタON* 3 0 - - - -発話 13 9 15 16 7 4 ジェスチャー* 2 0 2 0 0 0 発話 23 13 18 15 23 20 ジェスチャー* 4 9 6 7 8 8
(*:発話しながらの行動も含む)
行動方向 行動 設計 組立 設計 組立 設計 組立 発話 1 0 2 2 3 7 ジェスチャー* 0 0 0 0 3 6 顔表示モニタ旋回* - - 5 11 - -レーザポインタON* - - 2 0 - -発話 9 5 14 10 15 18 ジェスチャー* 0 0 1 0 2 1
発話 32 28 24 16 24 18 ジェスチャー* 5 9 5 7 2 6
(*:発話しながらの行動も含む)
提案遠隔
被験者Z→
被験者X,Y 被験者X,Y
→被験者Z 被験者X-Y間 グループC
課題3 提案遠隔 対面会議 従来遠隔
課題1 課題2 課題3 対面会議 従来遠隔
課題1 課題2 課題1 課題2
従来遠隔 提案遠隔 対面会議 課題3
被験者X,Y
→被験者Z 被験者X-Y間 グループA
被験者Z→
被験者X,Y グループB
被験者X,Y
→被験者Z 被験者X-Y間
被験者Z→
被験者X,Y
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
設計 組立 設計 組立 設計 組立
対面会議 従来遠隔 提案遠隔
コミュニケーション行動回数
レーザポインタON*
顔表示モニタ旋回*
ジェスチャー*
発話
図 5.17 被験者Zから被験者X,Yへのコミュニケーション行動回数
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
設計 組立 設計 組立 設計 組立
対面会議 従来遠隔 提案遠隔
コミュニケーション行動回数
ジェスチャー*
発話
図 5.18 被験者X,Yから被験者Zへのコミュニケーション行動回数
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
設計 組立 設計 組立 設計 組立
対面会議 従来遠隔 提案遠隔
コミュニケーション行動回数
ジェスチャー*
発話
図 5.19 被験者X-Y間のコミュニケーション行動回数
ここで、上述した被験者の行動分析による定量評価データと、5.5.4 の提案手法による 定量評価データとの間に相関関係があるかどうかを考察する。「グループ C・課題2・提 案遠隔会議」でのデータに着目すると、図 5.12 に示した提案手法による各システムでの 累積作業時間の推移に関しては、他の条件下に比べて作業時間が長くなっていることが 分かる。一方、表 5.3 に示した被験者のコミュニケーション行動回数に関しても、同条 件下のデータは、やはり他の条件下に比べて代理人ロボットの顔表示モニタの旋回動作 回数が多いことが分かる。すべての記録ビデオを再度分析した結果、この相関関係は遠 隔参加者の旋回動作に反応して、会議室内の被験者が議論や作業を一時中断するという 行動パターンが、グループ C で頻繁に発生していることが分かった。つまり、この現象 はグループの個体差が主要因で発生したと考えられる。この現象は、代理人ロボットの 顔表示モニタの旋回動作が同じ会議室内にいる参加者の行動に大きな影響を与えること を示しており、無駄な旋回動作は会議の進行を妨害する大きな要因になるということも 示している。