• 検索結果がありません。

被災者実態調査結果の概要

ドキュメント内 炎害対策法政策の総合的研究 (ページ 175-196)

第1 調査日的

この調査は、平成15年7月26日に発生した「宮城県北部地震」によって、被災した世帯を対象に 行った前年度調査を引き継ぎ、被災後一年以上が経過した現在、どのような被災者が(所得、年齢、

世帯の構成等)被災後の住居確保に対してどのように対応したのか、それぞれが生活の再建、住居の 確保に際し苦労したこと、または現在再建に際し障害となっていること等を把握し、現行制度上の問 題点と、改善点の方向を検討するための資料を得ることを目的として実施した。

なお、前回調査(全壊・半壊世帯対象)とは異なり、今回調査で全壊世帯のみを調査の対象とした。

その理由は、一般的に全壊世帯は半壊世帯よりも再建した場合、かかる費用が多大であり、支援の必 要性が高いと思われることに加えて、前回調査から、全壊した住宅を修繕して住み続けている者が少 なからず存在していることが分かっており、こうした者は資金的にも大きな障害を抱えていることが 予想されるため、対象を限定して調査を行う方が調査対象、調査票の構成も明確になるのではないか

と考えたためである。

第2 調査の方法

本調査は、平成16年10月下旬から11月上旬までの、土曜日と日曜日を利用して計7日 間(うち再訪予定日は2日)で行なった。

調査は、二人一組の4チームで、対象世帯280世帯(鳴瀬町145世帯、矢本町1 35 世帯)を訪問し、被災者から直接ヒアリングする形で行った。調査票はあらかじめ対象世帯 に郵送する留め置き回答方式をとった。また再訪日を2日設け、留守世帯等に再度訪問し、

不在の場合は返信用封筒と返信依頼状を添えて、郵便受けに投函した。

第3 調査結果の概要

Ⅰ 調査対象数と回収率

調査対象世帯を決定するにあたっては、両町の協力を得て、全壊した世帯の中から2 8 0 世帯を無作為に抽出した。

回収した調査票は合計220票(鳴瀬106、矢本113、地区不明1)であり、回収率 は、約79%である。その内訳は、表1の通りである。

所得や、保険金額等、金銭的なプライバシーに関わるものが含まれていたためか前回調査 (回収率81,4%)よりも若干低い数値となったが、町の協力、被災世帯の協力を得て、比較 的高い回収率を達成することができた。

(表1)

町名  霎ikツ 回収件数 

矢本町(93) 佇ygケ&霎b 48  小松地区 

大曲地区 

赤井地区  b

大塩地区 途

鳴瀬町(106) 傅ノnノ&霎b 20  根古地区 迭 高松地区 

新田地区 澱

西福田地区  2

川下地区 迭 上下堤地区 

牛網地区  r

浜市地区 迭 浅井地区 

新東名地区 釘

野蒜地区  b

不明 

合計  220 

Ⅱ 萌査結果から指清できること

以下に、調査結果から主なものを選んで、その結果と解説を行う。

1.訴査対象世帯の概要

① 被災時に住んでいた建物の種類 (無回答: 1) (表2)

木造  8ス 鉄骨  ク,ノ 計 

世帯数  R

割合 涛ゅ"R 0.5%  1.4%  R

今回の調査においても、前回同様、被災した建物に占める木造建物の比率は圧倒的であった。

② 主な所得者の職業 (無回答:2) (表3)

会社員 佰ik 自営業 僖霎 農水業  リ6y9 無職 佗b

世帯数 都b 16  r 47  2 免ツ 218  割合  B纈R 7.3%  "紕R 21.6%  r纈R 0.9% 迭 R 100.0% 

調査対象地域が都市域と農村域とにまたがった地域であるため、会社員と公務員で約4割強、自営

一′

業を加えて55%、農林業と年金生活者で約4割となっており、主な所得者の職業も混在した結果とな

っている。

③ 世帯総所得分布 (無回答:32) (表4)

世帯総所得別世帯分布く総数1 88)

調査対象被災者の所得分布を見ると、比較的低所得の者の比率が高く、総所得300万未満の者が約 30%、 600万未満の者が全体の3分の2を占めている。

④ 主な所得者の年齢分布 (無回答:32) (表5)

総所得  # 30‑34  R簽3 40‑44 鼎RモC 50.‑54 鉄RモS 60‑64 田Rモc 70‑74 都Rモs 80‑ 佗b

世帯数 迭 9 免ツ 16  " 27  14  2 19 免ツ 12 

割合  縒R 4.8% 迭纈R 8.5% 澱紕R 14.4%  R紕R 7.5%  " R 10.1% 迭纈R 6.4%  R

㌔㌔〆㌔〆申㌔♂♂♂㌔㌔ qd'

主な所得者の年齢分布を見ると、 50歳未満の青壮年世代に属するのが全体の3割弱、 65歳以上の 高齢年世代に属するのが全体の3分の1強、 50歳から65歳までの間の世代が最も多く4割弱となっ ている。

2 被災建物の状況

① 被災建物の築年数

(表6) 今回の調査結果 (無回答:4)

一一10  モ# 20‑30  計 

世帯数 澱 21 田 129  b 割合  繧R 9.7%  r繧R 59.7%  R

(表7) 前回の調査結果 (無回答:6)

〜10  モ# 20‑30  計 

世帯数  2 33 都 102 

割合 澱 R 15.1%  " R 46.8%  R

被災建物の築年数は、全体のほぼ6割が築30以上の古い住宅で、築10年未満のものは3%未満で ある。全壊世帯のみ調査した今回の調査では、全半壊世帯を調査した前回の調査より、築30年以上 の家の占める割合が10%程度高く、築30年未満の各階層では、全て前回調査の方が、割合が高くな

っている。

② 再建修繕の有無

(表8) 調査対象世帯の再建修繕の有無 (無回答: 2)

有 冖2 計  世帯数  22 

割合 塔偵坦 10.1%  R

今回の調査は、被災後1年以上経っている時点で行われたため、全体の9割が何らかの形で既に再 建・修繕を行っており、何もしていないというのは全体の1割であった。

前回の調査結果と比較すると、前回は被災後約半年の時点で、何らかの形で再建・修繕済みか再建・

修繕中のものの合計は63.5%であった。

(表9)再建修繕した被災者(表8の「有」)の内訳

再建済 俐Hノゥ(b 購入済  9 Xワ 修繕中 佗b

世帯数 都 98  196 

割合  R縒R 2.0%  絣R 50.0%  縒R 100.0% 

表9は表8において「有」と答えた被災者の内訳を示したものである。調査対象世帯の再建・購入 を選択した者と修繕を選択した者の割合は、約4 : 6となっている。

③ 高齢者世帯の再建修繕状況     *65歳以上を高齢者としている。

(表10) 高齢者のみの世帯(世帯構成員の年齢が全員65歳以上)の再建修繕状況

再建 做9 R b 未定 佗b

世帯数  32  44 

割合  "縒R 72.7% 釘綯R 100% 

平均額  SC 332 

※ なお、高齢者のみの世帯では、 「再建中」 「購入済」の者はいなかった。

(表11) 高齢者のいない世帯の再建修繕状況

再建.購入 做9 R 未定 佗b

世帯数  24  53 

割合  R繧R 45.3%  ゅ坦 100% 

二つの表(表10、表11)を比較すると、高齢者世帯では、圧倒的に修繕を選択した割合が多く、高 齢者のいない世帯では、再建を選択した世帯と修繕を選択した世帯との間にさほど大きな差が生じて いない。この二つの表だけでは必ずしも明確ではないが、高齢者世帯では、建物が全壊認定を受けて いても修繕で対応しようとする傾向が強いことが推定される。

また、高齢者のみの世帯の再建・修繕の平均額を見ると、後に示す全体の平均額(再建2370.9万、

修繕450.2万)に比べて、相対的に低額なことが分かる。このことから、高齢者のみの世帯は、被災 住居に関して何らかの手当をしているものの、比較的小規模な再建・修繕にとどまっていることが分

かるo

④ 再建修繕の時期

(表12)再建・購入修繕の時期(不明:5)

※計の累積の分母は、再建・購入、

する。

修繕の時期を答えた191人と未定者を合わせた213人を100%と

(図1)再建・購入、修繕の時期の累計グラフ(総数:213)

被災後三カ月の時点では、修繕者の7割(70・1%)以上が修繕を決行しているのに対し、再建に着 手できているのは再建者の4割(37・8%)に過ぎない。なお、再建者の7割以上が再建したのは、被 災後半年以上経った時点のことであるo多額の費用を要する再建の場合は、決断に相当の時間がかか るのは当然といえるが、概ね1年程度で、住居の再建・修繕に関する決断をおこなっていることがわ

かる。

⑤ 再建修繕を行わない被災者の現状、現在の住まい (表13)被災時の住居の現状

更地  ク,ネ‑ネ‑ツ 売却  ク,ノ 計 

世帯数 釘 15  "

割合  ゅ"R 68.2%  13.6%  R

この表は、再建・修繕等を行っていない被災者が、被災した自分の住居をどうしているかを表したも のである。

「被災したままの状態で、手を加えていない」との回答が約7割(68.2%)を占めている。 「取り壊し、

更地にしてある」というものは約2割(18.2%)であった。

また、 「その他」の者は、 「一部を修理して居住している」 「屋根瓦を補修して住んでいる」 「手を加え、

住むのに支障の出ない状態に戻した」と回答している。

なお、売却した者はいなかった。

(表14)現在の住まい

被災住宅  ノ メ 納屋 冕 ュI, メ その他 佗b

世帯数  b 22 

割合 都"縒R 13.6% 釘絣R 4.5% 釘絣R 100.0% 

この表は、被災住宅の再建・修繕等を行っていない被災者が、現在どこに住んでいるかについて聞 いた結果を示したものである。彼らの現在の住まいに関しては、 「被災した住宅に住み続けている」と 回答した者が、 22人中17人と、再建・修繕等を行わない被災者の8割近く(77.2%)が、被災後一 年半以上が経過した現在においても、依然として、全壊認定を受けた住宅に住み続けていることがわ

かる。

なお、世帯民間賃貸住宅等の借家があまり存在しない地域であるためか、 「新たに借りた民間賃貸住 宅に住んでいる」 「民間賃貸住宅以外の新たに借りた住宅に住んでいる」は全体の一割(4.5%)にも 満たない。

⑥ 再建修繕を行わない被災者の今後の予定・障害・望まれる支援 (表15)被災した住居の敷地の今後の予定 (無回答: 2)

再建.修繕に使用 僣Hキ uノ. 買い手不在 冰ノ. R その他 佗b

世帯数 迭   10  20 

割合  R R   R R 50.0%  R 100.0% 

表15は、再建・修繕等を行わない被災者が、被災した住居の敷地に関して、今後どのような予定が あるか聞いた結果を示したものである。

被災住居の敷地の予定に関して「特に予定はない」というものが5割(50.0%)、 「被災した住宅の

再建、修繕に使用する」 「売却したいが、買い手が見つからない」というものが4割(40.0%)で、被 災住居の敷地に関して予定の立たない者と、何らかの形で利用しようと考える者とで二分されている。

なお、売却の目処が立っている者はいなかった。

(表16)今後の予定 今回の調査結果

今後の予定 俐Hノ「 修繕 俎y?ツ 民間賃貸 佰h 未定  ク,ノ 計 

世帯数 割合  22 

4.5%  b紕R 4.5% 釘絣R 13.6%  "縒R 13.6%  R

前回の調査結果 (無回答:36)

未定  ク,ネ‑ネ‑ツ その他 俐Hノ「頡9 R 購入 冕 ュI, 公営住宅 佗b

世帯数  47  111 唐 1 釘 192 

割合 湯纈R 24.5%  R 57.8% 釘 R 0.5%  R 100.0% 

表16は、再建・修繕等を行わない被災者に対して、今後どのような予定があるのか聞いたものであ る。これを見ると、 「未定」 「その他」は8世帯であり、昨年の調査の時点で今後の予定を聞いた結果 は「未定」 「被災住宅にそのまま住み続ける」 「その他」を合わせた68世帯と比べて、格段に減少し ている。

このことは、寮災から1年以上経過したことにより、多くの者が再建できたこと、また、多くの支 援策の終了が近づいている、或いは終了されたため、自分で可能な範囲の修繕を行ったためと考えら

れる。

(表17)持ち家を回復すると回答しなかつた者の今後望む支援(無回答‥1) 

家賃補助 佰h 防セ ククケWB y疫ィ 仮設延長1その他 剏v 

世帯数  2 迭 1 免ツ

割合 湯 R 18.2% 鼎R絣R 9.1% 湯 R 9.1%  R

※これについては、データを記すにとどまるo 

3 再建修繕費用について

① 再建修繕に要した費用

(表18) 住宅の再建総額 (不明:5)

f最大額 剄ナ小額 兌リシ 世帯数 

再建.購入 鼎c 350  3ッ綯 74 

修繕  3 10 鼎S 116 

プレハデ小屋200 剪

住宅の再建・購入に要した費用の平均は、約2400万円である。前回の調査では、全壊住宅の再建 に約2500万円を要していることから見ても、この地域における再建費用はおおよそ2400‑2500万

ドキュメント内 炎害対策法政策の総合的研究 (ページ 175-196)

関連したドキュメント