77
4.5.2 表示下限値を健全鉄筋部における差分値の最大値に設定した場合
78
(1)C50T(2)C50W
1 列配置,無筋部参照,下限値を健全鉄筋部の最大値に指定
(b)T150 (a)健全鉄筋
図 4.5-5 結果一覧(C50T,C50W 供試体)
(c)T100
(e)T150 左半分
(d)T50
(b)W150 (a)健全鉄筋
(c)W100
(e)W150 左半分
(d)W50
79
(1)C30T(2)C30W
1 列配置,無筋部参照,下限値を健全鉄筋部の最大値に指定
(b)T150 (a)健全鉄筋
図 4.5-6 結果一覧(C30T,C30W 供試体)
(c)T100
(e)T150 左半分
(d)T50
(b)W150 (a)健全鉄筋
(c)W100
(e)W150 左半分
(d)W50
80
(1)C50T(2)C50W
2 列配置,無筋部参照,下限値を健全鉄筋部の最大値に指定
(a)健全鉄筋 (b)T150
図 4.5-7 結果一覧(C50T,C50W 供試体)
(e)T150 左半分
(c)T100 (d)T50
(a)健全鉄筋
(e)W150 左半分 (c)W100
(b)W150
(d)W50
81
(1)C30T(2)C30W
2 列配置,無筋部参照,下限値を健全鉄筋部の最大値に指定
図 4.5-8 結果一覧(C30T,C30W 供試体)
(a)健全鉄筋
(e)W150 左半分 (c)W100
(b)W150
(d)W50
(a)健全鉄筋 (b)T150
(e)T150 左半分
(c)T100 (d)T50
82 まとめ
本章では,ビニルテープおよびラップを鉄筋に巻き付けることで鉄筋の付着 切れを模擬した版状供試体にて,衝撃弾性波法と開口合成法を組合せた手法に よる鉄筋付着切れの検出手法について検討した.得られた知見を以下に示す.
1)加速度計 8 個をコンクリート表面の鉄筋直上に 1 列に並べ,センサ間を基 本とする 9 箇所の弾性波入力点から弾性波を入力して得られた測定波形と,
同様にして得た無筋部での測定波形を差し引いた差分波形を,開口合成法 の入力波形として供試体断面内の各要素における累積差分値を算出し,断 面画像として出力することにより鉄筋を可視化することができた.しかし,
測定結果には供試体側面からの反射波の影響が含まれる可能性があり,今 後供試体の寸法などの条件を変えた検討を行う必要がある.
2)ビニルテープやラップによる付着切れ区間では健全鉄筋部での測定結果に 比べ,累積差分値の最大値が大きくなった.これは,付着切れ区間に巻き 付けたビニルテープやラップの音響インピーダンスが鉄筋やコンクリート より小さいことにより,付着切れ区間から強い反射が得られたことに起因 すると考えられる.
3)付着切れ区間での累積差分値には鉄筋の反射波の影響も含まれるため,健 全鉄筋部を参照部とすることで付着切れ区間を検出する手法を検討した.
その結果,1列配置による測定では,供試体側面の影響を含まないと考えら
れる 150mmの付着切れ区間での結果で,反射像の水平位置が付着切れ区間
の水平位置と概ね一致した.また,2列配置による測定でも同様の傾向が見 られた.よって,本手法により付着切れ区間を検出できる可能性が示唆さ れた.
4)無筋部を参照部として付着切れ区間で計測した結果において,健全鉄筋部 での累積差分値の最大値を表示下限値に設定することで,付着切れ区間を 検出する手法を検討した.その結果,1 列配置による測定では 150mm の付 着切れ区間の水平位置が一致した.よって,本手法により付着切れ区間を 検出できる可能性が示唆された.なお,2 列配置による測定ではかぶり 30mmの供試体でのみこの手法が有効であった.
83 参考文献
1)たとえば,岩立次郎,田中雅人,舘石和雄,三木千壽:回転探触子を用い た開口合成システムによる超音波探傷の分解能向上の試み,土木学会論文集,
Vol.1995, No.507/I-30, pp.121-127, 1995.1
2)大野健太郎,内田慎哉,岩野聡史:衝撃弾性波法による部材厚 8m のRC 供 試体の反射源可視化への開口合成法の適用,コンクリート工学年次論文集,
Vol.41, No.1, pp.1787-1792, 2019.7
3)渡辺健,橋本親典,大津政康,水口裕之:インパクトエコー法における鉄 筋の影響に関する考察,コンクリート工学年次論文集,Vol.27, No.1, pp.1699-1704, 2005
第 5 章 鉄筋腐食を生じた梁供試体における開口合成法の適
用
85
鉄筋腐食を生じた梁供試体における開口合成法の適
用
はじめに
鉄筋腐食によるひび割れ発生後の供試体において上記 4 章の手法の適用性に ついて検討した.供試体は, 1460×80×140mm の梁状とし,内在塩分配置箇 所の異なる 3 体(塩分下中央,塩分下両端,塩分下全体,全て載荷試験済み)
と比較対象として健全供試体(塩分なし,載荷試験なし)の計 4 体とした.供 試体側面コンクリートの鉄筋直上に加速度センサを配置し,鋼球打撃による衝 撃弾性波法により弾性波を検出した.塩分供試体鉄筋直上での測定波形と健全 供試体鉄筋直上での測定波形の差分を開口合成法の入力波形とし,供試体断面 内の累積差分値を出力し,可視化した結果から適用性を検討した.
86 実験概要
衝撃弾性波法による測定方法や,測定波形の開口合成処理,計測対象断面内 のコンター図の生成方法などは,基本的に4章で示した方法と同様である.