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行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律等の施行に伴う国際課税関係の改正

㈡ 外国法人の欠損金の繰越控除

九   行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律等の施行に伴う国際課税関係の改正

Ⅰ 改正の背景等

 平成25年の第183回通常国会において、「行政手 続における特定の個人を識別するための番号の利 用等に関する法律(平成25. 5 .31法律第27号)」

とともに、「行政手続における特定の個人を識別 するための番号の利用等に関する法律の施行に伴 う関係法律の整備等に関する法律(平成25. 5 .31 法律第28号。以下「番号整備法」といいます。)」

が可決・成立し、同年 5 月31日に公布されていま す。

 この番号整備法及び次の関係政省令によって、

非居住者や外国法人が租税特別措置法の特例や租 税条約の適用を受けるために提出する書類の記載 事項等に個人番号又は法人番号を追加する等の措 置が講じられています。なお、番号制度の趣旨や 概要については、後掲の「行政手続における特定 の個人を識別するための番号の利用等に関する法 律の施行に伴う国税通則法等の改正(平成28年 1 月マイナンバー利用開始)」を参照してください。

⑴ 行政手続における特定の個人を識別するため の番号の利用等に関する法律及び行政手続にお ける特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に 関する法律の施行に伴う財務省関係政令の整備 に関する政令(平成26. 5 .14政令第179号)

⑵ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関 する省令の一部を改正する省令(平成26. 7 . 9 総務省・財務省令第 4 号)

⑶ 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する 省令(平成26. 7 . 9 財務省令第51号)

⑷ 所得税法施行規則の一部を改正する省令(平 成26. 7 . 9 財務省令第53号)

⑸ 法人税法施行規則等の一部を改正する省令

(平成26. 7 . 9 財務省令第54号)

⑹ 遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二 重課税の回避及び脱税の防止のための日本国と アメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続 税法の特例等に関する法律の施行に関する省令 の一部を改正する省令(平成26. 7 . 9 財務省令 第57号)

⑺ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租 税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正 する省令(平成26. 7 . 9 財務省令第64号)

⑻ 行政手続における特定の個人を識別するため の番号の利用等に関する法律及び行政手続にお ける特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に 関する法律の施行に伴う財務省関係政令の整備 に関する政令の一部を改正する政令(平成 27. 3 .31政令第155号)

⑼ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関 する省令の一部を改正する省令(平成27. 3 .31 総務省・財務省令第 3 号)

⑽ 所得税法施行規則等の一部を改正する省令

(平成27. 3 .31財務省令第22号)

⑾ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租 税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正

する省令(平成27. 3 .31財務省令第29号)

⑿ 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する 省令(平成27. 3 .31財務省令第30号)

Ⅱ 租税特別措置法関係

1  改正前の制度の概要

⑴ 非居住者又は外国法人が、租税特別措置法に 定める次の特例の適用を受ける場合には、非課 税適用申告書、異動申告書、特例適用申告書等 の書類(以下「非課税適用申告書等」といいま す。)に、その者の氏名又は名称及び住所その 他の事項を記載して、利子の支払をする者等の 納税地の所轄税務署長に提出しなければならな いこととされています。

① 振替国債等の利子の課税の特例(措法 5 の 2 )

② 振替社債等の利子等の課税の特例(措法 5 の 3 )

③ 民間国外債等の利子の課税の特例(措法 6 )

④ 振替割引債の差益金額等の課税の特例(措 法41の13の 3 )

⑤ 外国組合員に対する課税の特例(措法41の 21)

⑥ 外国金融機関等の店頭デリバティブ取引の 証拠金に係る利子の課税の特例(措法42)

⑦ 外国金融機関等の債券現先取引等に係る利 子の課税の特例(措法42の 2 )

⑵ 免税芸能法人等が芸能人等の役務提供に係る 対価の支払を受ける場合には、その支払の際の 源泉徴収の税率は、20%ではなく15%とするこ ととされています。この特例の適用を受けよう とする場合には、免税芸能法人等は、所定の事 項を記載した書類を、対価の支払をする者を経 由して税務署長に提出しなければならないこと とされています(措法41の22③、措令26の32③、

措規19の14)。

⑶ 移転価格税制の更正又は決定を受けた者が、

条約相手国等との間の租税条約に規定する協議 の申立てをした場合には、税務署長等は、その 者の申請に基づき、相互協議の期間中に限り、

その更正又は決定に係る法人税及び地方法人税 の額並びにその加算税の額の納税の猶予をする ことができることとされています。納税の猶予 を受けようとする者は、所定の事項を記載した 申請書に一定の書類を添付して、税務署長等に 提出しなければならないこととされています

(措法66の 4 の 2 ①、68の88の 2 ①、措令39の 12の 2 ③、措令39の112の 2 ③)。

2  改正の内容

⑴ 上記1⑴①から⑦までの特例の適用を受ける ために提出しなければならないこととされる非 課税適用申告書等について、その提出をする者 が個人番号又は法人番号を有する場合には、そ の非課税適用申告書等に、その者の個人番号又 は法人番号を記載しなければならないこととさ れました(措令 3 ②、 3 の 2 ⑲、26の20、措 規 3 の18②③⑤⑫⑭、 3 の19①⑬、 3 の20①、

19の 7 ①⑬、19の12①④、19の13①、19の14の 2 ④⑨、19の15②⑦)。

 また、非課税適用申告書等を提出する者は、

個人番号又は法人番号を有する場合には、その 提出の際に経由する金融機関等の営業所の長等 にその者の番号確認書類を提示し、確認を受け なければならないこととされました(措令 3 ⑮、

3 の 2 ⑲、 3 の 2 の 2 ⑪、26の20、26の30⑪、

27④、27の 2 ⑪、措規 3 の18⑯⑰、 3 の19⑬、

3 の20②③、19の 7 ⑬、19の12⑥⑦、19の14の 2 ⑪⑫、19の15⑧⑨)。

(注) 「番号確認書類」とは、次の①及び②に掲げ る者の区分に応じそれぞれ次の①及び②に定 める書類とされています。

① 個人番号を有する者 官公署から発行さ れ、又は発給された書類その他これらに類 するもの(特定振替機関等の営業所等の長 又は適格外国仲介業者の特定国外営業所等 の長等に提示する日前 6 月以内に作成され たものに限ります。)及び行政手続における 特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律の規定による通知カード及び 個人番号カード並びに情報提供ネットワー クシステムによる特定個人情報の提供等に 関する省令第15条に規定する還付された通 知カード又は同令第32条第 1 項に規定する 還付された個人番号カード

② 法人番号を有する者 次に掲げるいずれ かの書類

イ 法人番号通知書(行政手続における特 定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律施行令第38条(同令第39条 第 4 項において準用する場合を含みま す。)の規定による通知に係る書面をいい、

外国法人の名称、本店又は主たる事務所 の所在地及び法人番号の記載があるもの に限ります。ロイにおいて同じです。)で、

特定振替機関等の営業所等の長又は適格 外国仲介業者の特定国外営業所等の長等 に提示する日前 6 月以内に作成されたも の

ロ イ又はロに掲げる書類及びその外国法 人の官公署から発行され、又は発給され た書類その他これに類するもの(特定振 替機関等の営業所等の長又は適格外国仲 介業者の特定国外営業所等の長等に提示 する日前 6 月以内に作成されたものに限 り、イ及びロに掲げるものを除きます。)

イ 法人番号通知書(上記イに掲げるも のを除きます。)

ロ 行政手続における特定の個人を識別

するための番号の利用等に関する法律 第58条第 4 項の規定により公表されて いるその外国法人の名称、本店又は主 たる事務所の所在地及び法人番号を電 子情報処理組織(国税庁の使用に係る 電子計算機(入出力装置を含みます。)

と当該外国法人の使用に係る電子計算 機とを電気通信回線で接続した電子情 報処理組織をいいます。)に係る電子計 算機を用いて出力することにより作成 した書面(特定振替機関等の営業所等 の長又は適格外国仲介業者の特定国外 営業所等の長等に提示する日前 6 月以 内に作成されたものに限ります。)

 なお、 非課税適用申告書等を受理した金融 機関等の営業所の長等は、その金融機関等が個 人番号又は法人番号を有する場合には、その非 課税適用申告書等に、その金融機関等の個人番 号又は法人番号を付記するものとされました

( 措 規 3 の18⑱、 3 の19⑬、 3 の20④、19の 7

⑬、19の12⑧、19の14の 2 ⑬、19の15⑩)。

 上記の改正のほか、金融機関等は、非課税適 用申告書等を提出する者が個人番号又は法人番 号を有する場合には、その備え付ける帳簿に、

その者の個人番号又は法人番号を記載しなけれ ばならないこととされるなど、番号制度導入に 伴う所要の整備が行われています。

⑵ 上記1⑵の源泉徴収税率の特例を受ける免税 芸能法人等が提出する書類に、その対価の支払 を受ける者の法人番号を記載しなければならな いこととされました(措規19の14①)。また、

その書類を受理した対価の支払をする者は、そ の書類に、その対価の支払をする者の個人番号 又は法人番号を付記するものとされました(措 規19の14②)。

⑶ 上記1⑶の移転価格税制の更正又は決定を受 けた者が納税の猶予を受けようとする際に提出 する申請書に、その提出をする者の法人番号を 記載しなければならないこととされました(措 令39の12の 2 ③、39の112の 2 ③)。