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(出典)『 殖産 局 出版 』153号(台 湾総督 繊 珊 殖 醐 ・ 玉916年)・ 『殖産 局 出版S188号 て爾 薦 編 繭 殖 爾;一 画 勇 翫 『噴 繭 閥 痴 一頭1釈 醜 総 督 府民 級 部

終章 結論

本 論 文 は 、 日本 統 治 時 代 中期 に お け る 台 湾 糖 業 の発 展 を 、 品 種 改 良 を 中心 に 考 察 し た も の で あ る 。

第1章 に お い て は 、 台 湾 に お け る 糖 業 事 業 を考 察 して き た 。 第1節 で は 、 日本 領 台 前 に お け る 台 湾 糖 業 を 『台 湾 糖 業 概 観 』 の 台 湾 糖 輸 移 出 量 の 変 化 に 基 づ い て 考 察 した 。 日本 領 台 前 の 全 島 に お け る 甘 薦 生 産 量 は 最 大 で1億614万8600斤(106万1486ト ン)生 産 さ れ て お り、 明 治17年(1884)以 前 の 主 な 台湾 糖 輸 出 先 は 、 ア メ リカ 、 カ ナ ダ 、 オ 」 ス トラ リ ア で あ っ た 。し か し、清 仏 戦 争(1884)の 結 果 、安 平 と高 雄 の港 を 封 鎖 され 、明 治19 .年(1886) の 暴 風 雨 に よ っ て 台 湾 糖 は 不 振 に 陥 り台 湾 糖 の 品 質 的 価 値 が 下 が った た め 、 明 治17年 以 後 は 中 国 本 土 、 香 港 、 日本 へ の 輸 出 に 限 定 され る よ う に な っ た 。 ま た 、 台 湾 糖 輸 移 出 量 を 領 台 前 と領 台 後 とで 比 較 す る と、 領 台 後 の 方 が 大 幅 に 増 加 し て い た こ と が 明 らか に な っ た 。 台 湾 糖 輸 移 出 量 が 大 幅 に増 加 した の は 明 治39年(1906)で あ る が 、そ の 年 か ら初 め て 、ハ ワ イ か ら輸 入 した ロ ー ズ バ ンブ ー を 多 く栽 培 す る よ う に な っ た 。 従 っ て 、 品 種 の 改 良 が 台 湾 糖 業 発 展 の 大 き な 要 因 で あ っ た こ とが 明 らか と な っ た 。

新 渡 戸 稲 造 が 、領 台 前 の 台 湾 糖 業 を参 考 に して 「糖 業 改 良 意 見 書 」 を執 筆 した た め 、第2 節 で は 、 「糖 業 改 良 意 見 書 」 と 日本 統 治 時 代 初 期 の 台 湾 糖 業 を考 察 した 。 第4代 台 湾 総 督 の 児 玉 源 太 郎 と 民 政 長 官 の 後 藤 新 平 は 、 台 湾 の 財 政 独 立 を 目指 す た め に 糖 業 に 目 を 付 け た 。 そ こ で 、 児 玉 ・後 藤 の 二 人 は 新 渡 戸 稲 造 を 台 湾 糖 業 の 改 良 に抜 擢 し、 新 渡 戸 は 明 治34年

(1901)に 「糖 業 改 良 意 見 書 」 を提 出 し た 。 「同 意 見 書 」 に は 台 湾 糖 業 の 衰 退 の理 由 や 台 湾 糖 業 の 改 良 方 法 が 述 べ られ て い る 。 台 湾 糖 業 の 改 良 方 法 は 農 業 面 と工 業 面 の 両 面 が 書 か れ て い る 。 中 心 は 洋 式 性 の 機 械 を 導 入 し砂 糖 生 産 を 向上 さ せ よ う と い っ た 工 業 面 で あ っ た が 、 農 業 面 に つ い て の 改 良 方 法 で1番 初 め に 書 か れ て い る の が 品種 の 改 良 で あ っ た 。 台 湾 で は 、 在 来 種 で あ る 竹 薦 と 呼 ば れ る 生 産 性 の 低 い 品 種 が 栽 培 され て い た が 、 新 渡 戸 は ハ ワイ 産 で あ る ラ ハ イ ナ 種 を 栽 培 す る べ き で あ る と述 べ で い る 。 新 渡 戸 は 、 早 くか ら外 国 産 の 品 種 を 輸 入 し栽 培 す る べ き で あ る と考 え て い た こ と が 明 らか に な っ た 。 実 際 に は 、 ラ ハ イ ナ は ロ ー ズ バ ン ブ ー に 比 べ て 病 害 に対 して 弱 か っ た た め 、 ロー ズバ ンブー よ りも普 及 しなか った。

第2章 にお い て は 、 日本 統 治 時 代 中期 にお け る 台 湾 糖 業 を 、 品 種 改 良 を 中 心 に 考 察 して き た 。 第1節 で は 、 領 台 初 期 か ら植 民 地 支 配 が 終 わ る ま で の 甘 庶 品 種 の 変 遷 を考 察 し た 。 甘 薦 品 種 は 竹 庶 、 ロ ー ズ バ ンブ ー 、 ジ ャ ワ細 茎 種 、 ジ ャ ワ大 茎 種 の 順 に 変 化 して い っ た こ

とが 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 台 湾 独 自 の 品 種 で あ る 台 湾 実 生 種 も育 成 さ れ 栽 培 さ れ る よ う に な っ た が 、 あ ま り普 及 し な か っ た こ と もわ か っ た 。 甘 庶 品 種 を 改 良 し な け れ ば な らな い 理 由 と し て 、 耐 風 性 や 耐 病 性 に対 す る 強 化 と い っ た 内 的 現 象 が 大 き い が 、 そ れ 以 外 に も 経 済 上 に よ る 小 費 多 穫 品 種 の要 求 や 従 来 の 品種 の 生 産 事 情 に満 足 で き な い と い っ た 外 的 現 象 に も左 右 さ れ 、 時 代 の 要 求 に 応 え る こ との で き る 新 品 種 を求 め 、 旧 品 種 を 改 良 しな け れ ば

な らな い と い っ た 理 由 も あ る こ とが 明 らか に な っ た 。

甘 庶 栽 培 に 関 して 日本 統 治 時 代 の 申期 と い う 時 期 は 、 ジ ャ ワ細 茎 種 と呼 ば れ た 甘 庶 を栽 培 して い た 時 期 の こ と を指 す 。 そ こ で 、第2節 で は 、 ロ ー ズ バ ン ブ ー と ジ ャ ワ細 茎 種 とを 比 較 し、 ロ ー ズ バ ン ブ ー か ら ジ ャ ワ細 茎 種 へ と 変 化 した 理 由 を詳 し く考 察 し た 。 ロ ー ズ バ ン ブ ー と ジ ャ ワ細 茎 種 を 比 較 す る も の と して 風 折 茎 数 率 、 甲 当 た り庶 茎 収 量 、 甲 当 た り可 製 糖 量 の3つ と した 。 ま ず 風 折 茎 数 率 にお い て は 、 ロ ー ズ バ ン ブー は ジ ャ ワ細 茎 種 と比 較 す る と 風 折 茎 数 率 が 高 い こ とが わ か り、 ロ ー ズ バ ン ブ ー は 耐 風 性 に 乏 し い こ と が 明 らか に な っ た 。 次 に 甲 当 た り薦 茎 収 量 に お い て は 、 気 候 条 件 が 悪 か っ た 年 も 比 較 的 よ か っ た 年 も ロ ー ズ バ ン ブ ー の 甲 当 た り庶 茎 収 量 は ジ ャ ワ細 茎 種 と比 較 す る と、 非 常 に悪 い と い う こ と が 明 らか に な っ た 。 最 後 に 甲 当 た り可 製 糖 量 に お い て は 、 ジ ャ ワ細 茎 種 で あ る36POJと ロ ー ズ バ ン ブー と比 較 して み た 。36POJは 明 治43年(1910)か ら大 正8年(1919)ま で の 10年 間 で 甲 当 た り平 均 可 製 糖 量 が 最 も多 か っ た 品種 で あ っ た 。36POJの 甲 当 た り可 製 糖 量 は ロー ズ バ ン ブ ー の 甲 当 た り可 製 糖 量 に 対 して53%も の 増 収 を 示 して い る こ とが わ か っ た 。 他 の ジ ャ ワ 細 茎 種 と ロ ー ズ バ ン ブ ー の 甲 当 た り可 製 糖 量 を 比 較 して み て も 、 ジ ャ ワ 細 茎 種 の 方 が 優 良 な 成 績 を残 して お り、 ロ ー ズ バ ン ブ ー よ り ジ ャ ワ細 茎 種 の 方 が 優 良 な 品種 で あ る こ とが 明 らか に な っ た 。 これ ら の こ と か ら 、 甘 薦 品 種 が ロ ー ズ バ ン ブ ー か ら ジ ャ ワ細 茎 種 へ と 変 化 して い っ た こ とが わ か っ た 。

第3節 で は 、 甘 薦 品 種 試 験 成 績 と して 大 目 降試 験 場 や 台 湾 各 地 の 製 糖 会 社 試 験 場 、 農 事 試 験 場 に お い て 行 わ れ た 甘 薦 品 種 試 験 の 結 果 を基 に優 良 な 品 種 に つ いて 考 察 した 。 明 治43 年 か ら大 正8年 ま で は 、甘 庶 品種 試 験 は主 に大 目降 試 験 場 の1箇 所 で 行 わ れ て い た 。大 正9 年 か ら は 、 地 方 品 種 試 験 と して 台 湾 各 地 の 製 糖 会 社 で 品 種 試 験 が 行 わ れ た 。 大 目降 試 験 場

に お け る 品 種 試 験 と 各 製 糖 会 社 にお け る 品種 試 験 と を 比 較 す る と、 優 良 な 品 種 は 地 域 的 に 差 異 が あ る こ とが わ か っ た 。 次 に、 地 域 的 に差 異 が あ る こ と が わ か っ た た め 、 地 域 別 の 気 候 条 件 や 土 壌 に 目 を 向 け て 考 察 した 。 気 候 条 件 に つ い て は 、 悪 条 件 な 年 に の み 優 良 な 成 績 を 残 す 品 種 も あ れ ば 、 平 年 にお い て の み 優 良 な 成 績 を 残 す 品 種 も あ っ た 。 一 方 、 悪 条 件 な 年 、 平 年 に か か わ ら ず 優 良 な 成 績 を残 す 品種 も あ る こ と が 明 ら か にな っ た 。 土 壌 に っ い て は 、 砂 質 土 と埴 質 土 に 分 け て 比 較 を行 っ た 。 砂 質 土 は 、 気 候 条 件 が よ け れ ば 甲 当 た り平 均 庶 茎 収 量 、 平 均 可 製 糖 量 の 成 績 は よ い 。 し か し 、気 候 条 件 が 悪 い と成 績 も悪 か っ た 。 埴 質 土 は 、 気 候 条 件 の 善 し悪 しに か か わ らず 、 安 定 し た 成 績 を 残 して い た 。 土 壌 は 、 砂 質 土 よ り埴 質 土 の 方 が よ い と言 わ れ た 理 由 は 、 砂 質 土 は気 候 条 件 に左 右 され る が 埴 質 土 は さ れ な い か らだ と い う こ と が わ か っ た 。 気 候 条 件 や 土 壌 を 基 に 晶 種 試 験 を行 っ て き た が 地 域 に よ っ て 優 良 な 品 種 が 異 な っ て い る こ と が 明 らか にな っ た 。台 北 州 はF19、234POJ、 ロ ー ズ バ ン ブ ー と い っ た 品 種 、 新 竹 州 にお い て は ロー ズ バ ン ブ ー 、 読 谷 山 、 ス トラ イ プ ドチ ェ リボ ン 、 台 中 州 で は36Mi、234POJ、 読 谷 山 、 台 南 州 で は36POJ、161POJ、143POJと い っ た 品 種 が 優 良 な 成 績 を 残 して い る こ とが わ か っ た 。 最 後 に 、 地 方 品 種 試 験 成 績 と実 際 に 栽 培 され た 品 種 と 比 較 した 。 台 湾 製 糖 株 式 会 社 台 北 製 糖 所 に お い て は 、 地 方 試 験 で は ロ ー ズ

バ ン ブ ー は 優 良 な 成 績 を 残 して い な か っ た が 、 ロー ズ バ ン ブ ー は 中 北 部 にお い て 生 育 し や す い と い う試 験 結 果 が 、台 湾 各 地 で 行 っ た 試 験 結 果 に 出 て い た た め 栽 培 され て い た 。ま た 、 36POJは 南 部 に 下 る に 従 い 甲 当 た り可 製 糖 量 は 増 加 す る と い う試 験 結 果 が 、 台 湾 各 地 で 行 っ た 試 験 結 果 に 出 て い た た め 、 台 南 州 に 製 糖 所 が あ っ た 東 洋 製 糖 株 式 会 社 北 港 製 糖 所 に お い て36POJは 栽 培 さ れ ず 高 雄 州 に製 糖 所 が あ っ た 台 湾 製 糖 株 式 会 社 後 壁 林 製 糖 所 に お いて は36POJが 栽 培 さ れ て い た 。 これ ら の こ とよ り、各 製 糖 会 社 は 自 分 の 製 糖 会 社 に お け る試 験 結 果 の み を 実 際 の 栽 培 に反 映 さ せ て い る わ け で は な い こ とが わ か っ た 。1つ の 試 験 結 果 に と らわ れ る こ と な く全 島 の試 験 結 果 に も 目を 向 け て 栽 培 し て い た こ と が 明 ら か にな っ た 。

本 論 文 で は 、 日本 統 治 時 代 申期 にお け る 品 種 改 良 事 業 を 中 心 に 考 察 し て き た 。 大 目 降 試 験 場 に お い て は 明 治43年 か ら品 種 試 験 が 行 わ れ 、各 製 糖 会 社 の 品 種 試 験 は 、筆 者 の 手 元 に あ る 資 料 に よ れ ば大 正2年 か ら行 わ れ て いる 。 品 種 試 験 で は 、 地 域 別 、 気 候 条 件 、 土 壌 別 に 試 験 を行 っ て い る 。 こ れ は 、 台 湾 の環 境 は 地 域 的 に 違 い が あ る か ら だ と考 え られ る 。 長 い 年 月 を か け て 晶 種 試 験 を行 い 、 台 湾 の 土 地 や 農 業 事 情 を調 査 し、 台 湾 の 薦 作 に 最 も適 応 す る 優 良 品 種 を選 定 した と い う こ と は 、 従 来 の 先 行 研 究 で は 言 及 が な さ れ て い な か っ た こ

とで あ る 。

台 湾 総 督 府 の 糖 業 政 策 は 財 政 独 立 の た め に進 め られ て き た 。 台 湾 にお け る 甘 庶 の 品 種 改 良 は 砂 糖 の 生 産 量 を 大 幅 に 増 加 さ せ 、 台 湾 が 世 界 に誇 る こ との で き る産 業 に ま で 発 達 した 。 そ の 結 果 、 台 湾 の 財 政 は 独 立 し、 こ こ に 台 湾 糖 業 にお け る 品 種 改 良 の 持 つ 意 義 が あ っ た と 言 え る 。

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