第 6 節
第2章 消防防災の組織と活動
第2-6-1図 消防防災ヘリコプターの保有状況
0機 1機 2機 3機以上
1 平成23年9月1日現在配備状況 70機(45都道府県、54団体)
○消防庁保有ヘリコプター 2機(東京消防庁、京都市消防局無償使用中)
○消防機関保有ヘリコプター 30機(東京消防庁、15政令指定都市)
○道県保有ヘリコプター 38機(38道県)
2 未配備県域数 2県域(佐賀県、沖縄県)
北海道 北海道
青森 青森
岩手 秋田 岩手 秋田
宮城 山形 宮城 山形
福島 新潟 福島 新潟
茨城 茨城 栃木 群馬 栃木 群馬
千葉 千葉 埼玉 埼玉 東京 東京 神奈川 山梨神奈川 山梨 静岡 静岡 長野 長野 岐阜 岐阜 富山 石川 富山 石川 福井 福井
愛知 滋賀 愛知 滋賀 三重 三重 京都 京都 大阪 大阪
奈良 奈良 和歌山 和歌山 兵庫 兵庫 鳥取 鳥取 岡山 島根 岡山 島根
広島 山口 広島
山口 香川香川 徳島 愛媛 徳島
愛媛 高知高知 大分
大分 福岡 福岡
熊本 熊本
宮崎 宮崎 鹿児島 鹿児島 佐賀 佐賀 長崎 長崎
沖縄 沖縄 千葉市消防局2 北海道1札幌市消防局2
兵庫県1神戸市消防局2
消防庁1京都市消防局1 岡山県1岡山市消防局1
広島県1広島市消防局1
福岡市消防局2 北九州市消防局1
大阪市消防局2
愛知県1名古屋市消防局2
静岡県1静岡市消防局1 浜松市消防局1
横浜市消防局2 川崎市消防局2 消防庁1東京消防庁6
仙台市消防局2
(平成23年9月1日現在)
援実施要綱」に基づき、都道府県域を超えた応援活 動が展開されており、平成22年中は、16件の広域 航空消防応援が実施された(第2−7−1表)。
2 今後の取組
(1) 航空消防防災体制の整備
大規模災害及び複雑多様化する各種災害並びに救 急業務の高度化に対応するため、消防庁では、従来 から消防防災ヘリコプターの全国的配備を推進し、
平成23年9月現在、2県域を除いて45都道府県域 消防防災ヘリコプターは、消防活動に幅広く活用
されており、平成22年中の出動実績は7,207件、
その内訳は、救急出動3,938件、救助出動1,959件、
火災出動1,141件、その他の出動169件となってい る(第2−6−2図、第2−6−3図)。
また、消防防災ヘリコプターの総運航時間は 18,565 時 間 で、 内 訳 は 災 害 出 動 が 5,781 時 間
(31.1%)、訓練出動が 10,332 時間(55.7%)、そ の他の業務が 2,452 時間(13.2%)となっている
(第2−6−4図)。
なお、大規模災害時には、昭和61年5月に定め られた「大規模特殊災害時における広域航空消防応
消防庁ヘリコプター「JA02FD」
(京都市消防へリポート)
消防庁ヘリコプター「JA01FD」
(総務省屋上へリポート)
第2-6-2図 消防防災ヘリコプターによる災害活動状況(平成15〜22年)
平成15 16 17 18 19 20 21 22
(件数)
(年)
火災 救助 救急 その他 合計
(備考) 1 「消防防災・震災対策等現況調査」より
2 「その他」とは、地震、風水害、大規模事故等における警戒、指揮支援、情報収集等の調査活動並びに資機材及び人員搬送等、火災、救 助、救急出動以外の出動をいう。
(各年中)
850 1,248 1,161 1,073 1,238 1,273 1,350 1,141
1,403 1,605 1,480 1,562 1,720 1,671 1,898 1,959
2,087 2,356 2,492 2,762
3,167 3,276
3,710 3,938
252 483 222 209 224 276 169 169
4,592
5,692
5,355 5,606
6,349 6,496
7,127 7,207
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500 8,000
消防防災の組織と活動第
2
章第Ⅱ部 消防を取り巻く現状と課題について
に京都市消防局に消防庁ヘリコプター1機の配備を 行った。さらに、平成24年の埼玉県への配備も決 定しており、東日本大震災において被害を受けた宮 城県にも順次配備予定である。
大地震により道路等が寸断されても、迅速かつ確 実に情報を取得するためには、消防防災ヘリコプ ターを活用して、上空から情報収集活動を行うこと が極めて有効であり、地上からのアプローチが困難 な場合でも確実に救助活動に着手できることは、先 般の東日本大震災で立証済みである。また、大規模 な林野火災等においても、消防防災ヘリコプターを で配備されている。平成21年3月には「消防防災
ヘリコプターの効果的な活用に関する検討会」の報 告書(参照 URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/
topics/houdou/2103/210326-2_3.pdf)において、
①全ての災害活動機に係る安全対策等の構築、②空 中消火技術のより効果的な活用体制の構築、③救急 活動への積極的な活用推進体制の構築、④365日・
24時間運航体制の構築について検討結果がとりま とめられた。このうち、西日本における365日・
24時間運航体制の構築のため、消防組織法第50条 の無償使用制度により、新たに平成23年8月9日
第2-6-3図 消防防災ヘリコプターの災害出動件数の内訳(平成18〜22年)
火災出動件数内訳
平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
建物火災 686 719 810 792 742
林野火災 269 402 339 443 301
その他 118 117 124 115 98
合計 1,073 1,238 1,273 1,350 1,141
686 719 810 792
269 402 339 443
118
117 124 115
平成18 19 20 21 22 (年)
その他 林野火災
建物火災
0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600
(件) (各年中)
742 301 98
救助出動件数内訳
平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
火災 0 2 3 1 0
水難 585 589 531 674 643
自然災害 20 23 18 28 7
山岳 706 839 823 901 1,070
その他 251 267 296 294 239
合計 1,562 1,720 1,671 1,898 1,959
平成18 19 20 21 22 (年)
3 2
0 1
その他
山岳 自然災害 水難 火災0
(件)
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500
585 589 531 674 643
20 23 18 28 7
706 839 823 901 1,070
251 267 296
294 239
救急出動件数内訳
平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
水難 48 61 67 68 65
交通事故 168 206 219 220 182
労働災害 110 98 134 141 162
一般負傷 545 601 557 629 665
急病 258 371 353 478 555
転院搬送 1,403 1,495 1,428 1,442 1,437
医師搬送 135 205 417 631 741
その他
火災 14 8 18 8 8
自然災害 4 5 4 6 1
運動競技 6 13 6 5 7
加害 2 1 2 0 4
自損行為 31 33 39 38 42
その他の救急 38 70 32 44 69
その他 計 95 130 101 101 131
合計 2,762 3,167 3,276 3,710 3,938 平成18 19 20 21 22 (年)
48 61 67 68
その他 医師搬送
転院搬送
急病 一般負傷 労働災害交通事故
(件)
水難65 0
500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500
168 206 219 220 182
110 98 134 141 162
545 601 557 629 665
258 371 353 478 555
1,403135 1,495 1,428 1,442 1,437 205 417
631 741 95
130 101
101 131
(備考) 「消防防災・震災対策等現況調査」により作成
一方で、平成21年9月に岐阜県の北アルプスで 救助活動中の消防防災ヘリコプターが墜落し、搭乗 していた3名が死亡する事故が、また、平成22年 7月には埼玉県秩父市の山中で救助活動中の消防防 災ヘリコプターが墜落し、搭乗していた5名が死亡 する事故が発生している。これらの事故を受けて消 防庁では、「消防防災ヘリコプターによる山岳救助 のあり方に関する検討会」を平成22年10月に立ち 上げ、運航重量や出動判断等について検討を行って おり、消防防災航空隊の活動時における安全確保を 推進していくところである。
活用し、地上での消火活動が困難な区域に、空中か ら消火活動を実施することで、火災の延焼防止・早 期の鎮火を図ることができる。
このため、消防庁では、緊急消防援助隊として出 動する消防防災ヘリコプター、ヘリコプターテレビ 電送システム、赤外線カメラ等の高度化資機材、消 火用タンク及びヘリコプター用衛星電話の整備に対 して補助金を交付し、大規模災害時等における航空 消防防災体制の充実強化を図っている。
これらに合わせて、ヘリコプター動態管理システ ムの整備を進めることにより、活動現場における消 防防災ヘリコプター間のネットワークを構築すると ともに、大規模災害時の消防庁におけるオペレー ションを確実かつ機動的なものに進化させていると ころである。
また、悪天候時でも消防防災ヘリコプターの広域 応援を行ううえで、低高度のIFR(計器飛行方式)
幹線ルート網の構築は重要な課題である。消防庁で は、新潟・福島間に開設された災害対応専用の RNAV(広域航法)経路の検証飛行を平成22年6月 に実施したところである。
(2) 消防防災ヘリコプターの安全な活動の 確保に向けて
消防防災ヘリコプターの出動回数は年々増加して おり、近年の大規模災害においては、多くの消防防 災ヘリコプターが緊急消防援助隊として出動し、そ の高速性、機動性を活かした迅速な情報収集、指揮 支援、消火・救急・救助活動を実施するなど、大き な役割を担っている。
第2-6-4図 平成22年消防防災ヘリコプター の運航時間の内訳
自隊訓練7,162
その他の業務 2,452(13.2%)
ヘリコプター消防防災 総運航時間
(18,565時間)
単位:時間
(平成22年中)
(備考) 1 「消防防災・震災対策等現況調査」により作成
2 「連携訓練」とは、管轄区域内の地上部隊等との連携訓練等 3 「自隊訓練」とは、操縦士の操縦訓練及び航空救助隊員を対をいう。
象とした通信・救助訓練等をいう。
4 「応援訓練」とは、相互応援協定及び緊急消防援助隊等に基 づく出動を想定した訓練をいう。
5 「その他の業務」とは、試験・検査のための飛行、調査・撮影業 務及び行政業務等をいう。
連携訓練2,778 管内出動5,205
災害出動5,781
(31.1%)
10,332(55.7%)訓練出動
応援出動 576
応援訓練 392
東京消防庁航空隊ヘリコプター「ゆりかもめ」
(東京消防庁提供)
消防防災の組織と活動第
2
章第Ⅱ部 消防を取り巻く現状と課題について
1 消防の広域応援体制
(1) 消防の相互応援協定
市町村は、消防に関し必要に応じて相互に応援す べき努力義務があるため(消防組織法第39条第1 項)、消防の相互応援に関して協定を締結するなど して、大規模な災害や特殊な災害などに適切に対応 できるようにしている。
平成23年4月1日現在、消防相互応援協定の締 結状況は、同一都道府県内の市町村間では1,737、
異なる都道府県域に含まれる市町村間では574で あり、全国の合計は2,311である。
現在、すべての都道府県において都道府県下の全 市町村及び消防の一部事務組合等が参加した消防相 互応援協定(常備化市町村のみを対象とした39協 定を含む。)が結ばれている。
さらに、特殊な協定として、高速道路(東名高速 道路消防相互応援協定ほか)、港湾(東京湾消防相 互応援協定ほか)や空港(関西国際空港消防相互応 援協定ほか)などを対象としたものがある。
(2) 消防広域応援体制の整備
大規模な災害や特殊な災害などに対応するために は、市町村あるいは都道府県の区域を超えて消防力 の広域的な運用を図る必要がある。
このため、消防庁では、2に述べる緊急消防援助 隊の充実強化を図るとともに、大規模・特殊災害や 林野火災等において、空中消火や救助活動、救急活 動、情報収集、緊急輸送など消防防災活動全般にわ たりヘリコプターの活用が極めて有効であることか ら、その運用をより効果的に実施するため、「大規 模特殊災害時における広域航空消防応援実施要綱」
を策定して、応援要請の手続の明確化等を図り、消 防機関及び都道府県の保有する消防防災ヘリコプ ターによる広域応援の積極的な活用を推進している
(第2−7−1表)。
平成23年7月の新潟・福島豪雨では、福島県消 防防災航空隊並びに同要綱の規定に基づき出動した
茨城県消防防災航空隊、栃木県消防防災航空隊、東 京消防庁航空隊及び横浜市消防航空隊により、福島 県において孤立した住民を62名救助するなどの実 績を挙げている。
また、同年春先から夏にかけて、西日本を中心と して林野火災が多発したが、中でも8月に香川県井 島で発生した大規模な林野火災に際して、香川県防 災航空隊に加えて岡山県消防防災航空隊、徳島県消 防防災航空隊及び高知県消防防災航空隊が空中消火 活動を行い、被害の拡大防止と早期鎮火に貢献し た。
さらに、平成23年9月、日本に上陸した台風第 12号に伴う災害活動では、京都市消防航空隊、愛 知県防災航空隊、神戸市航空機動隊、福井県防災航 空隊及び名古屋市消防航空隊が三重県、奈良県及び 和歌山県へ出動し、捜索救助活動、救急活動及び物 資搬送等を実施した。
今後とも、消防防災ヘリコプターの広域的かつ機 動的な活用を図るため、臨時離着陸場の確保並びに 情報収集活動を行うためのヘリコプターテレビ電送 システム、可搬型ヘリコプターテレビ受信装置、可 搬型衛星地球局の整備等を推進し、全国的な広域航 空消防応援体制の一層の充実を図る必要がある。
2 緊急消防援助隊
(1) 緊急消防援助隊の創設と消防組織法改 正による法制化
ア 緊急消防援助隊の創設
緊急消防援助隊は、平成7年(1995年)1月17 日の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、国内で発生 した地震等の大規模災害時における人命救助活動等 をより効果的かつ迅速に実施し得るよう、全国の消 防機関相互による援助体制を構築するため、全国の 消防本部の協力を得て、平成7年6月に創設された。
この緊急消防援助隊は、平常時においては、それ ぞれの地域における消防責任の遂行に全力を挙げる 一方、いったん、我が国のどこかにおいて大規模災