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キイゲ群集に区分される草本植物群落が生育してい る。これら琉球列島の海岸砂丘植生は,日本各地およ び隣接する東アジアの同位の植生と比較検討の結果,
クロイワザサ,コウライシバ,ツキイゲを群団標徴種 および区分種としてハマニガナークロイワザサ群団に 上級単位がまとめられる。琉球列島のハマニガナーク
ロイワザサ群団に対して,九州から北海道にかけては ハマグルマーコウボウムギ群集,ハマニンニクーコウ ボウムギ群集,ハマグルマーケカモノハシ群集,ハマ グルマーオニシバ群集などコウボウムギ群団Cari.
cion kobomugi(Tx.1966)Ohba, Miyawaki et Tx.1973にまとめられる植生の生育域となってい る。ハマニガナークロイワザサ群団は,さらに,ハマ ヒルガオ,ハマニガナ,ハマボウフウなどを標徴種ま たは区分種としてハマボウフウオーダ_Glehnie.
talia littoralis Tuxen1966,ハマボウフウク ラスGlehnietea littoralisOhba,Miyawa.
ki et Tx・1973にまとめられる。
51.キダチハマグルマ群集
Wedelietum biflorae(Ohba, Miya−
waki et Tx.)Miyawaki et K. Suzuki 1976 Synonym:VVedelia biflora.Gese]lschft Ohba,
Miyawaki et Tx.1973
キダチハマグルマ群集は,被度・群度4・4〜5・5で優 占するキダチハマグルマの生育により標徴される。沖 縄本島および喜界島で植生調査資料が得られている
(M工YAwAKI et K・SuzuKI 1976 a Tab.5参照)。
海岸砂丘低木林であるアダン群集に接した汀線側にソ デ群落Saumgesellschaftとしてキダチハマグルマ群 集は生育する。したがってハマアズキーグンバイヒル
ガオ群集ハマボウフウーツキイゲ群集の内陸側に細 長い帯状に生育域をもつ。植被率が80%をこえ,キダ チハマグルマが高い被度で繁茂するため,出現種数は 2〜5種と少ない。また,常在度の高い種は,キダチ ハマグルマを始めクロイワザサ,グンバイヒルガオな どつる植物で占められている。
52. クロイワザサーハマゴウ群集
Thuario・Viticetum rotu皿difo−
riae]Miyawaki et K. Snzuki 1976 Synonyln:ハマゴウ群集(宮脇1961)Tab. Jap.,
ハマゴウ群落(宮脇他1974),ハマゴウ群落(新 納他1974)
ハマアズキーグンバイヒルガオ群集の内陸側の海岸 砂丘上には,群落の高さ20cm,植被率60〜80%でハ マゴウの優占する低木林が生育している。ハマゴウ楼
性低木林は,本州中部以南の東アジアの海岸砂丘に広 く分布している。中部日本のチガヤーハマゴウ群集 Imperato cy]indricae.V三ticetum ro−
tundifoliae,北日本のウンランーハマゴウ群集 Linario−Viticetum rotundifo]iaeに
対し,琉球列島のハマゴウ繧性低木林は,クロイワザ サの生育によって区分されるクロイワザサーハマゴウ 群集にまとめられる(MIYAwAKI et K. SuzuKI
lg76 Tab.6参照)。
クロイワザサーハマゴウ群集は,優占するハマゴウ の下層,クロイワザサ,グンバイヒルガオ,ハマニガ ナ,イリオモテアザミなどが高い常在度で生育する。
53. クロイワザサーハマゴウ群団
Thuario−Viticion rotundifoliae
Miyawaki et K. Suzuki 1976
.、,.tハマアズキーグンバイヒルガオ群集の内陸側で,ア ダン群集の林縁植生として生育するのがキダチハマグ ルマ群集およびクロイワザサーハマゴウ群集である。
海岸砂丘低木林Kttsten−Dttnen Gebttscheとして琉 球列島に生育するキダチハマグルマ群集およびクロイ
ワザサーハマゴウ群集は,本州,四国,九州に分布す るケカモノハシーハマゴウ群団lschaemo−Vi−
ticion rotundifoliae Ohba, Miyawaki et Tx・1973に対し,クロイワザサーハマゴウ群団にま
とめられる。クPイワザサーハマゴウ群団は,さら に,ケカモノハシーハマゴウ群団とともに,ハマゴウ を標徴種としてハマゴウオーダー Viticetalia rotundifoIiae Ohba, MiyawakietTx.1973,
ハマゴウクラスViticetea rotundifoliae
Ohba, Miyawaki et Tx.1973 ノ上級単位がまとめら
れる。
54.アダン群集
Pandanetum tectorii Miyawakiet
al.1974
琉球列島の海岸砂丘低木林として,アダン群集が生 育する。アダンを標徴種とするアダン群集は,高さ4
〜15m,植被率80〜98%でアダンが被度・群度5・4−
5・5で優占している。アダンが太い枝を分岐し,多数 の支柱根を垂らしたジャングル状を呈するため,優占 ぺ
するアダンの下層には,ソテツ,ヘクソカズラ,ツワ ブキなどが限られた被度,常在度で生育するにとどま る。出現種数1−7種(平均種数3.7種)と少ない。
アダン群集は,ハマアズキーグンバイヒルガオ群集 などハマニガナークロイワザサ群団の内陸側に,クロ イワザサーハマゴウ群集などをマント群落として生育
林,飛砂防止林として現在まで良く残されている。ア ダン群集の分布は,奄美大島赤崎,大浜での生育の報 告(宮脇他1974)を行って以来,沖永良部島,与論 島,沖縄本島,西表島,与那国島で植生調査資料が得 られている。琉球列島のアダン群集は,本州〜九州の クロマツ林(ヒメヤブランークロマツ群集),北海道 のカシワ林(エゾノヨロイグサーカシワ群集)とほぼ 同一の生態的位置一海岸砂丘植生の後部一を占めてい
る。
55. クロミノオキナワスズメウリーオオハマボウ 群集
Melothrio・Hibiscetum tiliacei
]Miyawaki et K. Suzuki 1976
海岸砂丘の後背地は,砂岩頁岩や隆起サンゴ礁など.
の基盤の上にサソゴ砂が堆積した立地となっており,
オオハマボウの高木,亜高木林が生育する。このオオ ハマボウ林は,クロミノオキナワスズメウリとオオハ マボウを標徴種および区分種としてクロミノオキナワ スズメウリーオオハマボウ群集にまとめられる。発達 した林分では5m前後の群落高に生長し,オオハマボ ウが被度・群度5・5〜3・3で優占し,アダン,ギンネム を混生する。高さ0.5m前後の草本層は,クロミノオ キナワスズメウリ,ハマダイコン,シマアザミなどが 限られた被度で生育するにとどまる。
クロミノオキナワスズメウリーオオハマボウ群集 は,沖縄本島および西表島で植生調査資料が得られて いる。海岸砂丘のアダン群集の後背地で,有機質の堆 積と水分の供給が十分に満される立地にクロミノオキ ナワスズメウリーオオハマボウ群集は成立する。有機 質に富む砂の堆積がみられる。クロミノオキナワスズ メウリーオオハマボウ群集は,さらに,海岸隆起サン ゴ礁の後背地,中小河川沿いの水分にめぐまれた砂礫 地にも生育する(MIYAwAKI et K・SuzuKI 1976 a Tab.9,10参照)。
56.オオハマボウーアダンクラス
Hibisco・Pandanetea ]Miyawaki et K.Suzuki 1976
琉球列島の海岸砂丘の内陸側には;高さ3〜6mの アダン林,オオハマボウ林が,海岸線に沿って帯状に 生育している。ミクロネシア(金平1933),海南諸島
(正宗1943)を始め東アジアの亜熱帯〜熱帯にタコノ キ属PandanUS,フヨウ属HibiSCUSの海岸林が広く みられる。
クロミノオキナワスズメウリーオオハマボウ群集
オキナワスズメウリーオオハマボウ群団Melothrio−
Hibiscion MiyawakietK. Suzuki1976に所属 される。アダン群集は,アダンを標徴種としてアダン 群団Pandanion tectorii(Ohba1973n・n・)
Miyawaki et K Suzuki 1976にまとめられる。クロ ミノオキナワスズメウリーオオハマボウ群団とアダン 群団は,海岸砂丘林としてのまとまりであるオオハマ ボウ_アダンオ_ダーHibisco−Pandanetalia tectorii MiyawakietK.Suzuki1976,オオハマ ボウ_アダンクラスHibisco−Palldanetea
Miyawaki et K. Suzuki 1976に上級単位がまとめら
れる。
1.海岸隆起サンゴ礁上植物群落
Pflanzengesellschaften der Korallenbauten 琉球列島の海岸を特徴づける植生として,段丘状を なす隆起サンゴ礁上に生育している植物群落がある。
汀線から内陸にかけて数段の段丘状を形成している隆 起サンゴ礁上には,イソフサギ,イソマツ,ソナレム
グラなどの生育する海岸前線の植生からクサトベラ,
モンパノキなどの生育する低木林まで,細かな立地条 件の差異に応じた配列をなす植物群落が生育している
(MIYAwAKI et K SuzuKエ1976 a T ab.12−19参照)。
57. イソフサギ群集
Philoxeretum wrightii Miyawaki
et K. Suzuki 1976
イソフサギ群集は,イソフサギを標徴種とし,海岸 最前線でたえず海からの塩分を含んだ水,風を受ける 立地あるいはタイド・プールの周辺などに生育する。
植生調査資料は奄美大島,沖永良部島,沖縄本島,西 表島で得られている。高さ2〜5cmのイソフサギが 凸凹に富む隆起サンゴ礁上にわずかに堆積した有機物 上に小塊状に生育する。出現種数1〜3種(平均種数 1.6種)であり,標徴種のイソフサギの他にコケミズ,
コゥライシバなどを混生するにとどまる。直射日光に よる乾燥,塩水の供給,土壌の欠除など極端できびし い立地条件下に生育するのがイソフサギ群集である。
イソフサギ群集は,琉球列島の隆起サンゴ礁上の最 前線に生育する植生として独立性が強く,イソフサギ
群団Philoxerion wrightiiMiyawakietK・
Suzuki 1976,イソフサギオーダーphiloxereta−
1ia wrightii Miyawakiet K・Suzuki1976,イ
ソフサギクラスPhiloxeretea wrightii
Miyawaki et K. Suzuki 1976に上級単位がまとめら
れる。
58. イソマツーモクビャッコウ群集
Limonio wrightii・CrossosteH phietum(Miyawaki 1967)Miyawaki
et K◆ Suzuki 1976
琉球列島の海岸隆起サンゴ礁の最下位段丘面,つま り海岸最前線で凹状地に大小の塩沼地を生む立地に は,イソマツ(ウコンイソマツを含む),モクビャッコ ウを標徴種および区分種とするイソマツーモクビャッ コウ群集が生育している。植生調査資料は,喜界島,
徳ノ島,沖縄本島,与那国島などで得られている。イソ マツーモクビャッコウ群集は,高さ8〜60cm,植被率 20〜80%でイソマツ,モクビャヅコウ,ソナレムグラが 高い被度で優占する。出現種数が1〜5種と少ない。
生育地は,満潮時に部分的な冠水をみたり,塩沼地 を生じる比較的新しい隆起サンゴ礁上であり,特有の 凸凹に富む立地となっており,比較的低い植被率でイ
ソマツなどが株立ちして生育している。
59. ソナレムグラーコウライシバ群集
Hedyoti・Zoysietum tenuifoliae
Miyawaki 1967
ソナレムグラーコウライシバ群集は,海岸の隆起サ ンゴ礁上の草本植物群落であり,ソナレムグラとコウ ライシバを群集標徴種および区分種とする。高さ2−
40cm,植被率40−goe,(,コウライシバが被度・群度 2・2−5・5で優占し,ソナレムグラ,ナハエボシグサ,
テッポウユリ,ホソバワダン,シオカゼテンツキ,ハ マエノコロなどを混生する。出現種数は2−8種を数
える。
ソナレムグラーコウライシバ群集は,琉球列島の海 岸隆起サンゴ礁上でイソマツーモクビャッコウ群集の 内陸側に生育する。満潮時にも冠水をみない立地,隆 起サンゴ礁の第2段丘面を中心に,奄美大島など琉球 列島北部では土壌の堆積を欠く海岸断崖地にも生育が みられる。さらに,クサトベラーモンパノキ群集,ナ ガミボチョウジークスノハカエデ群団を潜在自然植生 とする立地でも放牧を行なうことにより,二次的に代 償植生としてソナレムグラーコウライシバ群集とほぼ 同一の種組成の植生の生育がみられる。
ソナレムグラーコウライシバ群集は,イソフサギ群 集,イソマッーモクビャッコウ群集よりわずかである が,海から塩水の飛沫を直接に受にくい。自然植生と してのソナレムグラーコウライシバ群集は,隆起サン ゴ礁の小暗部に堆積した有機質・土壌を基盤に葡旬性 のコウライシバなどが根系を延ばしている。代償植生 としてのソナレムグラーコウライシバ群集は,土壌の
堆積が十分にあるが踏圧が加えられることにより他の 植生の生育を限定し,持続群落を形成する。
60. ミヤコジマハマアカザ群落
Atriptex mαximoωicziαna・Gesellschaft 沖縄本島南部の河口付近の氾濫原で定期的に塩沼地 を生じる暗部には,ミヤコジマハマアカザ群落が生育 する。ミヤコジマハマアカザの他に,コウライシバ,
イソノギクを混生し,出現種数2−3種(平均2.2種)
を数える。
61. ソナレムグラーイソマツクラス
Hedyoti・Limonietea Miyawakiet
K.Suzuki 1976
イソマツーモクビャッコウ群集は,海岸の隆起サン ゴ礁上の最前線に生育し,種組成および立地的に独立 性の強い植生である。したがって,イソマツーモクビ
ャッコウ群集は,群集標徴種の(ウコン)イソマツとモ クビャッコウを,同時に群団標徴種としてモクビャッ
コウーイソマツ群団Crossostepho.Limonion
Miyawaki et K Suzuki 1976にまとめられる。
ソナレムグラーコウライシバ群集は,西九州の男女 群島で報告があるオキナワマツバボタンーコウライシ バ群落(外山他1967),伊豆諸島,神奈川県の天神島,城
ケ島のイソヤマテンツキ群集Fimbristylietum ferrugineae Ohba1970などとともに,ソナレ ムグラとコウライシバを群団標徴種および区分種とし てソナレムグラーコウライシバ群団Hedyoti.
Zoysietum tenuifoliae Miyawaki et K.
Suzuki 1976にまとめられる。
ソナレムグラーコウライシバ群団は,さらに,モク ビャッコウーイソマツ群団とともに,イソマツ,コウ ライシバ,ソナレムグラなどを標徴種および区分種と してソナレムグラーイソマッォーダt−一・Hedyoti、
Lim・ni・t・1i・Miy・w・ki・t K. S・・uki・1976,
ソナレムグラーイソマツクラスHedyoti.Li−
monieteaMiyawaki et K Suzuki1976に上級 単位がまとめられる。
62.ハリツルマサキーテンノウメ群集
Mayteno・Osteomeletum anthy−
11idifoliae]Miyawaki et K.Suzuki 1976 Synonym:オキナワギクーハリツルマサキ群集
(宮脇1967)Tab. Jap., Ostemomeles an thylli一 切協α一comm. Miyawaki et a1.1977
海岸隆起サンゴ礁上で,ソナレムグラーコウライシ バ群集の内陸側,モンパノキークサトベラ群集のマン