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6 生殖発生毒性試験

6.2 胚・胎児発生に関する試験

6.2.1 妊娠マウス10日間経口投与用量設定試験

(4.2.3.5.2.1試験番号DN08014[参考資料]、概要表2.6.7.11) 妊娠CD-1マウス(各群8~12匹)にアスナプレビルを0(媒体対照),60, 125, 250及び500 mg/kg/day の用量で妊娠6~15日に1日1回経口投与した。投与容量はいずれも5 mL/kgとした。トキシコ キネティクス測定用サテライト群(各群12匹)を別途設け、同様に投与した。母動物の生死及び 一般状態観察、体重及び摂餌量測定を実施し、妊娠18日に帝王切開して黄体数、着床後胚死亡、

同腹児数及び吸収胚数を計測し、胎盤の異常、胎児の体重及び外表を観察・測定した。また、最 終投与日(妊娠15日)のトキシコキネティクスを測定した。

妊娠15日におけるアスナプレビルのAUCは、60~250 mg/kg/dayでは用量比を上回って増加し、

250~500 mg/kg/dayでの増加は用量比を下回った(表6.2.1-1)。

表6.2.1-1 妊娠マウス10日間経口投与用量設定試験におけるトキシコキネティクス値

アスナプレビル投与量 (mg/kg/day)

測定項目 採血日 60 125 250 500

Cmax

(μg/mL) 妊娠15日 18.9 91.8 203 180

AUC(0-24)

(μg•h/mL) 妊娠15日 57.8 603 1810 2380

主試験群の 500 mg/kg/dayでは母動物の妊娠率が低く、着床後胚死亡が顕著であったため、サ テライト群の母動物を主試験の母動物数が各群8~12匹となるよう再割り付けした。

アスナプレビルの投与に関連した死亡例はみられなかった。60 mg/kg/dayで母動物1例が妊娠 18日の帝王切開前に自然分娩したため試験終了前に剖検した。250及び500 mg/kg/dayで母動物 に脾臓の腫大がみられた(それぞれ対照群の+10%及び+44%)。500 mg/kg/day では、排糞量の減 少、妊娠13日及び18日の母動物体重の減少(−5%~−14%、顕著な着床後胚死亡を反映)、妊娠 6日の摂餌量減少(−45%)、着床後胚死亡率上昇(対照群9.3%に対し46.3%)が認められた。着 床後胚死亡率の上昇は、母動物12例中5例で全吸収がみられたことによるものと考えられた。他 の用量では全吸収はみられなかった。

以上より、アスナプレビルは選択的発生毒性を示さなかった。250 mg/kg/day以上の用量で母動 物毒性が認められたが、発生への影響は500 mg/kg/day(AUC:2380 μg•h/mL)のみで認められた。

125 mg/kg/day(AUC:603 μg•h/mL)以下での用量では忍容性は良好であった。

6.2.2 マウス胚・胎児発生に関する試験

(4.2.3.5.2.3 試験番号DN08022、概要表2.6.7.13A) 妊娠CD-1マウス(各群22匹)にアスナプレビルを0(媒体対照),10, 50, 250及び500 mg/kg/day の用量で妊娠6日~15日に1日1回経口投与した。投与容量はいずれも5 mL/kgとした。トキシ コキネティクス測定用サテライト群(各群24匹)を別途設け、同様に投与した。生死及び一般状 態観察、体重及び摂餌量測定を実施した。妊娠18日に帝王切開して黄体数、着床後胚死亡、同腹 児数及び吸収胚数を評価し、胎児の外表、内臓及び骨格の異常を検査した。また、妊娠15日のト キシコキネティクスを測定した。

妊娠15日におけるアスナプレビルのAUCは、10~250 mg/kg/dayでは用量比を上回って増加し、

250~500 mg/kg/dayではおおむね用量に比例して増加した(表6.2.2-1)。

表6.2.2-1 マウス胚・胎児発生に関する試験におけるトキシコキネティクス値

アスナプレビル投与量 (mg/kg/day)

測定項目 採血日 10 50 250 500

Cmax

(μg/mL) 妊娠15日 0.250 6.39 69.6 117

AUC(0-T) a

(μg•h/mL) 妊娠15日 0.851 19.1 737 1740

a T = 投与後8時間(10 mg/kg/day)又は投与後24時間(50250及び500 mg/kg/day

500 mg/kg/dayの1例を状態悪化(活動性低下、半眼、立毛、振戦、呼吸数減少、外皮温低下及

び脱水)により妊娠7日の投与前に安楽死させた。本死亡例の剖検所見(空腸内の水様消化物及 び胸腺左葉の暗色領域)から状態悪化の原因は特定できなかったが、アスナプレビルの投与に関 連した症状と考えられた。本例以外に母動物及び胎児への影響はいずれの用量でも認められなかっ た。

以上より、アスナプレビルを妊娠マウスの器官形成期に投与した結果、選択的な発生毒性は認 められなかった。250 mg/kg/day以下の用量ではアスナプレビルの忍容性は良好であった。投与と の因果関係は明らかでないが、500 mg/kg/dayでは1例の早期安楽死例がみられた。母動物の一般 毒性に関する無毒性量は250 mg/kg/day(AUC:737 μg•h/mL、ヒトAUCの200倍)、胚・胎児発 生に関する無毒性量は500 mg/kg/day(AUC:1740 μg•h/mL、ヒトAUCの472倍)と考えられた。

6.2.3 妊娠ウサギ13日間経口投与用量設定試験

(4.2.3.5.2.2試験番号DN08021[参考資料]、概要表2.6.7.11) 妊娠NZWウサギ(各群6匹)にアスナプレビルを0(媒体対照),50, 100, 200及び400 mg/kg/day の用量で妊娠7日~19日に1日1回経口投与した。投与容量はいずれも2 mL/kgとした。生死及 び一般状態観察、体重及び摂餌量測定、臨床病理学的検査を実施し、妊娠29日に帝王切開して黄 体数、着床後胚死亡、同腹児数及び吸収胚数の評価並びに胎盤の異常及び胎児の外表観察を行っ た。また、妊娠18日のトキシコキネティクスを測定した。

妊娠19日におけるアスナプレビルのAUCは、いずれの用量でも概して用量に比例して増加し た(表6.2.3-1)。

表6.2.3-1 妊娠ウサギ13日間経口投与用量設定試験におけるトキシコキネティクス値

アスナプレビル投与量 (mg/kg/day)

測定項目 採血日 50 100 200 400

Cmax

(μg/mL) 妊娠19日 0.062 0.122 0.549 0.861

AUC(0-24)

(μg•h/mL) 妊娠19日 0.760 2.11 5.02 10.6

アスナプレビルの投与に関連した死亡及び母動物の変化はいずれの用量でも認められなかった。

胎児への影響は、400 mg/kg/dayで胎児体重の減少(対照群の−13%)がみられたのみであった。

なお、対照群を含むすべての群でそれぞれ1~3例の死亡発見例又は安楽死例がみられたが、これ らの例の状態から、媒体中のPEG-400の影響によるものと考えられた。

以上より、アスナプレビルを妊娠期間中に 13 日間投与したウサギにおいて、最高用量

400 mg/kg/day(10.6 μg•h/mL)まで忍容性は良好であった。

6.2.4 ウサギ胚・胎児発生に関する試験

(4.2.3.5.2.4試験番号DN08056、概要表2.6.7.13B) 妊娠NZWウサギ(各群22~32匹)にアスナプレビルを0(媒体対照),50, 100及び200 mg/kg/day の用量で妊娠7日~19日に1日1回経口投与した。高用量は、アスナプレビルの媒体に対する溶 解性に基づく投与可能最大量及び試験施設の推奨するウサギにおけるPEG-400の最大1日投与量 に基づいて選択した。投与容量は用量設定試験の2 mL/kgから減量し、いずれも1 mL/kgとした。

生死及び一般状態観察、体重及び摂餌量測定を実施した。妊娠29日に帝王切開して黄体数、着床

後胚死亡、同腹児数及び吸収胚数を評価し、胎児の外表、内臓及び骨格の異常を検査した。また、

妊娠19日のトキシコキネティクスを測定した。

妊娠19日におけるAUCは、いずれの用量でも概して用量に比例して増加した(表6.2.4-1)。

表6.2.4-1 ウサギ胚・胎児発生に関する試験におけるトキシコキネティクス値

アスナプレビル投与量 (mg/kg/day)

測定項目 採血日 50 100 200

Cmax

(μg/mL) 妊娠19日 0.128 0.341 0.511

AUC(0-24)

(μg•h/mL) 妊娠19日 1.17 2.79 4.40

いずれの用量でも母動物への影響及び発生毒性は認められなかった。

以上より、アスナプレビルを器官形成期に投与した妊娠ウサギにおいて、選択的発生毒性は認 められず、200 mg/kg/dayまで忍容性は良好であった。母動物の一般毒性及び胚・胎児発生に関す る無毒性量は、いずれも200 mg/kg/day(AUC:4.40 μg•h/mL、ヒトAUCの1.2倍)と考えられた。

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