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       図19 荒川下流におけるゴマギーハソノキ群集の内部。

InneresdesViburno s量ebQldii−Alnetum japonicaeamUnterlaufdesArakawa−Flusses

とから土壌は窩栄養の状態にあるものと考えられる。

 ゴマギーハンノキ群集はハンノキ,セリ,キヅタに よって区分されるハンノキ亜群集と,特別な区分穐を もたない典型亜群集に区分される。ハンノキ亜群集は さらにコヤブラン,チョウジソウ,ミゾソバによって チョウジソウ変群集が典型変群集から区別される。一 方典型亜群集からはアズマネザサ,ヤブガラシ,ハナ ウドによってアズマネザサ変群集が識別された。これ らの下位区分は地下水位の差に対応している。ハンノ キ亜群集,チョウジソウ変群集はもっとも湿生立地に みられ,典型亜群集,アズマネザサ変群集はもっとも 乾姓な地下水位の低い立地シこ生育する。

 ゴマギーハンノキ群集の分布は荒川下流の河霧にそ った高水敷を中心に,一部は支流にも点在している。

利根川流域では,渡良瀬川遊水池付近に小林分が点在 するイ也は,残存林分はきわめて少ない。

   o)上級単位

 上に述べた2つのハンノキ群落は互に毬組成約に見 ても,立地の性格を見てもかなりのへだたりがある。

オニスゲーハソノキ群集は河川の後背湿地,丘陵間に 開析された小谷,ため池の奥部などの停滞水域に生育 し,いわゆる本来のハンノキ林の一植生単位である。

 ハンノキ林の植物社会学的な体系はまだ確立されて はいないが,欧州におけるAlnetea glutlnosaeに対 応するクラスに所属する確率が高い。わが国における

ハンノキ林はブナクラスのハンノキ群落との種組成の 比較によって,今後体系を諭議したい。

 一方のゴマギーハンノキ群集は,河川の下流部の肥 沃な沖積二上に生育し,構成種も豊蜜である。相観上 はハンノキが優籍するが,エノキ,ムクノキ,クヌギ

(植栽)などの夏緑高木や,マユミ,カマツカ,エゴ ノキ,ヤマウコギなどの夏緑低木などを生ずる。

 ゴマギーハンノキ群集の組成は,次にのべられるヒ メヤブランーアカマツ群集,およびコクサギーケヤキ 群集と,エゴノキ,ノカンゾウ, トボシガラ,アケ

ビ,マユミ,ムクノキ,アズマネザサなどの共通種を もっている。さらに広域的に出現する種ではあるがエ ノキ,イボタ,ノイバラ,アマチャヅル,スイカズ ラ,ヘクソカズラなどの種群も共通している。

 これらの3つの植生単位は共通の上級単位を持つも のと考え,エノキームクノキ群懇が設立された。

 エノキームクノキ群団の上級単位については今後の 問題としたい。

p.アカマツ林及びケヤキ林

 河川の中流部において砂礫におおわれた中州や河原 にはしばしばアカマツ林が成立する。すでに香川1941 によって東北地方の河川敷に先駆的に生ずるアカマツ 林を記録している。利根川の本流や支流の吾妻川にも 比較酌自然状態で生育するアカマツ林が調査された。

     図20 利根川中流部の砂礫地上に発達するヒメヤブランーアカマツ群集。

Liriopo−Pinetum densifloraeaufkiesigemBodenamTone−FluB(100mU,M.).

  63.ヒメヤブランーアカマツ群集(新)(表51)

    Lir董opo・Pinetum dens田orae ass. nov,

 利根川の中流部の前橋付近および,吾妻川の支流に 位鐙する中ノ条付近の河川敷においてアカマツ林が調 査された。このアカマツ林は高さ(6)10〜18mに達し,

高木護の植被率は低いが下暦の発達はよく,構成騒騒 も多い。高木層にアカマツが位i置し,ときに優占鍾と なるが,多くの場合コナラ,エゴノキ,エノキなどの 夏緑広葉購を交える。また植栽地から逸出したニセア カシヤが繁茂している。低木層にはコナラ,ツルウメ モドキ,ネム,ニシキギ,ムクノキ,エゴノキ,クヌ ギなどの二次林の横隊が多い。草本1忍は植被率が低

く,ヒメヤブラン,チヂミザサ,ノカンゾウ,ノガリ ヤス,ホソバヒカゲスゲ,ヒカゲスゲ,チョウセソガ

リヤスなども見られる(図20)。

 このような特徴的な種組成をもつアカマツ林を,ネ ムノキ,ニシキギ,キハギ,ヒメヤブラン,チョウセ ンガリヤス,クモキリソウ,ムクノキなどを標微種お よび区分種として,ヒメヤブラソーアカマツ群.集にま とめられた。

 河辺に自然状態で生育するアカマツ林の存在は断片 的に報じられているが,種組成の比較による群集記載 は現在のところ見当らない。また,アカマツ,コナラ を主とする植分は,定期的な伐採ンこよる二次林として の記載(例クヌギーコナラ群集など)の報告が多いが,

河辺に生育しているものについての資料はほとんどな

い。

 ヒメヤブランーアカマツ群集は,ヤマツツジーアカ マツ群集やクヌギーコナラ群集とは,チヂミザサ,ノ カソゾウ,アマチャヅル,ツユクサ,ムクノキなどの 適潤地生の種群を多く含むことによって区分される。

アカマツ林に一般的に多いッッジ科の種類は出現しな い。常緑広葉樹ではシラカシの芽生えが常在的である。

 ヒメヤブランーアカマツ群集の土壌は大きい円礫を 主に,河成のあらい砂や微砂が混在している。

 ヒメヤブラソーアカマツ群集は,トボシガラ亜群集 とヒカゲスゲ亜群集をこ区:分される。トボシガラ亜群集 はトボシガラ,アズマザサ,アオイスミレ,カキドオ シなどで区分され,吾妻川などの.と流域の乾麺で不安 定な砂礫地に生育する。ヒカゲスゲ亜群集はノガリヤ ス,ヒカゲスゲ,ホソバヒカゲスゲ,チョゥセンガリ ャスなど多くの種群で区分され,群集立地を代表する。

 ヒメヤブランーアカマッ群集の分布は,利根;目など の上中流域の扇状地地形上に集中して分布する。本州 では長野県の降水量の比較的少ない地域の河川敷にも 生育している。これらの組分と麺組成の比較が行なわ れれば,さらに他の群集の存在も考えられうる。

 64.コクサギーケヤキ群集

    Or玉xa 3aponica・Zelkova serrata・Ass.

   Miyawaki et H. Tohma 1975

 コクサギーケヤキ群集が最初宮脇・大場!966によっ て提唱されたが,種組成が示されていなかったため,

仮称とされがら最:近までその実体は明らかではなかっ た。事実ローム層の開折した斜面や,肥沃な低地は過去 長い年月の間,人為的な影響を強く受けているために,

残存林はきわめて乏しいか,不完全なものであった。

 最近になって宮脇・藤間1975によりコクサギーケヤ キ群集が組成表ととにも報告されている。

 コクサギーケヤキ群集は,植生高が25m内外に達す る夏緑広葉樹林である。高木層にはケヤキが多く,ム クノキ,ミズキなどが生育し,低木/轡にはコクサギ,

ヤマグワ,アオキ,シロダモなどが見られる。草本層 には春植物とよばれるニリンソウ,イチリンソウ,ジ μボゥエンゴサクなどの地中植物が生育するのが特徴 的である。

 コクサギーケヤキ群集の立地をみると,地形的には 火出灰土壌の堆積した台地が,侵食によって凹状とな り,葡行土が堆積した肥沃地である。しかも土壌は適 潤で止水がよい・傾斜メ角は20〜30.で鉗肚は灘こ不 安定℃ある。

 関東地方においては神奈酒断の酒勾川や,相模川流 域および多摩;目の中流部に記録さオ駕ている。利根川水 系や関策北部にも存在可能と考えられるが未調査であ

る。

 B 河辺植生の特徴とその配分   a。 沖積平野の植生の特徴

 今までのべられたように,関東地方の沖積平野に存 在する植物群落はきわめて多岐にわたり,その植生形 態も浮水論物群落のウキクサ群落から斜面のケヤキ林 にいたるまで,相観的にも群落組成的にもきわめて異 なる。これらの群落を所属する最上級の群落単位のク ラス毎に記せば以下のようになる。すなわち,コウキ クサクラス,ヒルムシロクラス,ウラギククラス,オ カヒジキクラス,短i生イグサクラス,タウコギクラ ス,イネクラス,シロザクラス,ヨモギクラス,オオ バコオーダー,ヨシクラス,ノイバラクラス,オノエ ヤナギクラス,ハンノキクラスおよびエノキームクノ キ群団があげられる。これらのクラメ・はいずれも多か れ少なかれ,自然および人為的な影響によって持続す る持続群落である。このように,河辺の冠水地や後背 湿地,河口の塩沼地などの植生はそれぞれの地域にお いて,糧々なクラスの複合と見なすこともできる(宮 脇・奥田・石坂1967,宮脇・奥田1970他)。

  b.河床植生の配分

 関東平野における河床植生の帯状分布として多摩lq の中流部と下流部における植物群落の帯状分布の例が 報告されている(Miyawak斑. Okuda l972,Fl郎6〜171。

 湾床部で水流の影響をもっとも強く受ける不安定地 で,常に水にっかるが,夏季には干上がる立地にはア ゼトウガラシ群集が生ずる。そのすぐ後方で早くから 干上がる泥湿地にはカワジサ群集が見られる。これら の群集よりやや高い砂質地はミゾソバ群集,オオクサ キビーヤナギタデ群集,コァカザーオオォナモミ群 集,アキノエノコログサーコセンダングサ群集が生育 している。これらのうち,オオクサキビーヤナギタデ 群集とアキノエノコログサーコセンダングサ群集は,

中流部の小乱と砂土の多いところで比較的優勢であ る。利根川中流域の場合はアキノウナギツカミーヤナ ギタデ群集が発達する。

 中水位で年に十数回水流によって洗われる岸辺に は,多年生草本植物群落のナガバギシギシ一蹴シギシ 群集が帯状に配列する。さらに背後にはセリークサヨ シ群集が相応して分布している。両者とも下流域の富 栄養立地では優勢である。ツルヨシ群集は中流域の急 流の礫質土壌に特徴的に生育し,下流部では少ない。

もっとも地下水位が低く,雨乞や糧砂の多い乾性立地 はマルバヤハズソウーカワラノギク群集と,カワラヨ モギーカワラサイコ群集が分布する。もっとも安定地 で多かれ少なかれ粘質砂土が堆積しているところで は,イヌコリヤナギ群集が生育する。

 下流部の流水が比較的ゆるやかな水辺樹まサンヵク イ群落(サンカクイーコガマ群集の断片)が斑紋状に 見られる。夏季干上がる水際の泥湿地には多摩川では アゼトウガラシ群集,利根川ではアオテソツキ群集が 分布する。水際の不安定地はミゾソバ群集,ナガバギ シギシーギシギシ群集,セリークサヨシ群集が帯状に 分布する。過窒素化の進んだ多摩川ではとくにナガバ ギシギシ一統シギシ群集の心病が目立つ。中水位と高 水位の間に位置するもっとも岸側には,中流部のツル ヨシ群集と対照的にオギ草原が発達する。多摩川の場 合は多かれ少なかれ人為的影響を受け,ヤブガラシー オギ群落となるが,利根川ではとくに発達し,ハナム グラーオギ群集が広い面積で存在する。オギ草原より 安定な立地ではタチャナギ群集が配分し,利根川下流 に分布している。

 欧州における河辺植生は多くの研究者によって解明 されている。Moor 1969はスイスの河川について,

河辺植生の欝状分布を植物遷移との関係において言及 している。わが国の場合と欧州の場合とを比較する と,群集の種類の違いはあるが,植生配分は基本的に はきわめてよく似ていることが指構される。

 このような多彩な群落の配列は一定の立地条件,と くに洪水時の水位と物理的な土壌条件にきわめてよく 対応している。

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