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総需要曲線・総供給曲線  5―1  総需要関数

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      総需要関数  財貨に対する需要と物価水準の関係を表す。

IS、LM曲線のうち、物価の変 動(p1→p2)によりLM曲線がシフ ト(LM1LM2)するのに応じて、I S、LM曲線の交点がどのように移 動するのかを見ることにより得られ る。

・  総需要曲線の性質

物価の下落によりLM曲線が右に シフトすることから、物価が下降す るにしたがって国民所得が増加する ので、右下がりの曲線が引かれる。

総需要曲線の傾きは、LM曲線と IS曲線の傾き、そして投資乗数に 依存する。

総需要曲線の形状

① LM曲線の傾きは、貨幣需要の利子弾力性に依存し、弾力性が大

きい時には曲線の傾きは小さい。

② IS曲線の傾きは、投資の利子弾力性に依存し、弾力性が大きい

時には曲線の傾きは小さい。

さらに、IS曲線の傾きは、投資乗数の大きさにも依存し、投資

乗数が大きい時には曲線の傾きは小さくなる。

利子率

物価 国民所得

国民所得 Y

Y O

O

LM LM

IS i

P i i

P P

1 2

1 1

2 2

Y1 Y2

総需要曲線のシフト

  投資意欲の増大、貯蓄意欲の減少、流動性保有意欲の減退、名目貨幣

供給量の増大は、いずれも総需要曲線を右にシフトさせる。

―2  総供給曲線の導出

  総供給曲線は、物価と生産量の関係を表すが、生産量は生産要素である 労働市場における均衡条件から導き出される。

1  労働市場

・労働需要曲線

「実質賃金は、労働の限界生産力 に等しい」−古典派の第一公準 雇用量にたいする総生産量は、雇 用を増やすにしたがってしだいに増 加する。しかし、その増加分、すな わち限界生産力は、しだいに低下す る。

しかるに、限界生産力曲線は、右 下がりに引ける。

この限界生産力と企業の決める賃

金率の格差がプラスである限り限界利潤は正であり、限界生産力と賃金率 がひとしい場合に利潤が最大となる。

・  労働供給曲線

個人は、一定の賃金率のもとで、最大の効用を実現する労働時間と余暇 時間を組み合わせる。

通常、賃金が高くなるにしたがって、より多くの時間を労働に投ずるよ うになるため、労働供給曲線は、右上がりの曲線となる。

賃金率 生産力

雇用量 W,Y

WP

N 利潤最大雇用量

N*

実質賃金 限界生産力

代替効果 P→Q

代替効果は、賃金が上昇すると 余暇が減少するので、負。

所得効果 Q→R

賃金が上昇すると、余暇が上級 財とすると、余暇は増加する。

  代替効果>所得効果の場合に、

労働供給曲線は右上がりとなる。

・  労働市場の均衡

労働需要曲線と労働供給曲線の交点 が労働市場における均衡点となり、さ らにこれが完全雇用を保証する雇用量 となる。

これが古典派の考える労働市場にお ける需給調整メカニズムである。

2  短期的な総供給曲線

  ケインズ派は、労働市場におい て賃金は下方硬直的であり、賃金 が需給均衡の調整役とはならない と考える。

  労働供給曲線は水平であり、そ の水準は実質賃金率に固定される。

実質賃金率は、労働市場の需要曲 線・供給曲線の縦軸で、物価の逆 数に比例する。

  横軸の雇用量は国民所得に比例するので、総供給曲線もまた水平となる。

  現実においては、賃金は長期的には可変的であるので、このモデルは短

実質賃金

O

WP 労働需要曲線 労働供給曲線

雇用量 R

Q P

W 所得

労働供給 余暇時間 O

実質賃金

O

WP 労働需要曲線 労働供給曲線

雇用量 実質賃金

O

WP 労働需要曲線 労働供給曲線

雇用量

*

期において有効であるという考え方が一般的である。

  また、労働供給曲線が水平となるため、均衡雇用量は完全雇用量を下回 ることになり、非自発的失業者を発生すると考える。

3  長期的な総供給曲線

  新古典派は、労働市場では賃金が柔軟に変化することで、つねに均衡が 保たれるという考え方をするため、労働市場では常に均衡状態にあり、そ の時の国民所得は、完全雇用国民所得で変化しないと考える。そのため、

労働市場均衡を反映する総供給曲線は、完全雇用国民所得で垂直線である とする。

  ただし、現実には、このような労働市場で均衡が成立するにはある程度 時間が必要であると考えるのが妥当であるので、このような垂直な総供給 曲線は、長期における総供給曲線とするのがふさわしい。

4  一般的な総供給曲線

生産関数は、一般的に労働と資本の投入量と生産量の関係を示すが、

短期においては、その定義から労働のみが可変投入要素となり、そのため 限界的な生産量に対する労働の限界投入量が総供給関数を示すことになる。

・  総供給曲線の導出

限界生産力が逓減することから、生産量が増加するにしたがって、同じ 生産量をあげるために必要な雇用量は増加する。

この必要な雇用量は、生産量の増加に必要な追加(限界)費用を示す。

このことから、限界費用曲線である供給曲線が右上がりに引ける。

・  総供給曲線の性質 総供給曲線の形状

生産関数における限界生産力逓減の程度に依存する。

総供給曲線のシフト要因

貨幣賃金率の変化が重要なシフト要因である。

貨幣賃金率が下がった場合は、下方にシフト。

貨幣賃金率が上がった場合は、上方にシフト。

5−3  物価と産出量の同時決定

ミクロ経済学の場合と同様に、

マクロの物価水準もまた需要と 供給の一致するところで決定さ れる。

ただし、この点は短期的な均 衡(Y*)を意味するに過ぎず、

長期的には労働市場における均 衡を保証する完全雇用産出量

(完全雇用国民所得)で長期的 均衡点となる。

物価

O

P 総需要曲線

総供給曲線

国民所得 *

第6章  動学的総需要曲線・総供給曲線 

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