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ル小体や筋紡錘よりも有意に低下しており,姿勢制御は前方推移の方略となることが示さ

れた.さらに,体幹のファーターパチニ小体の感受性が低下し,姿勢制御が前方推移の方

略となる者程,背筋力が低下していることが示された.一方,体幹の筋紡錘の感受性が低

下し,姿勢制御が前方推移の方略となる者程,主観的な痛みが増悪していることが示され

た.

これは,ファーターパチニ小体の感受性低下と背筋出力低下が体幹の姿勢不安定性に

影響を与え,さらに,筋紡錘の感受性低下と疼痛の増悪が体幹の姿勢不安定性に影響を及

ぼす結果を示す可能性を示唆するものである.

したがって,病態に応じて応答周波数を変えて,体幹および下腿に対する局所振動刺

激を与えた際の姿勢動揺の評価によって,詳細に体幹および下腿のどちらの固有感覚低下

が,姿勢不安定性を招く要因となりやすいのかを検証することが可能になると 解釈でき

る.

次に,第2章ではRPWの応答周波数の違いが傍脊柱筋断面積と関連性があるのかを先

行研究の結果から検証した.先行研究では,体幹の筋紡錘の感受性が低下している者程,

L1/L2 の脊柱起立筋断面積が萎縮しており関連性が認められるが,慢性腰痛を有する対象

者は,すべての固有感覚と傍脊柱筋断面積に関連性は認められなかった.これは横断的な

結果であるものの,慢性腰痛を有する高齢者の場合,傍脊柱筋断面積の萎 縮が体幹の固有

感覚低下に伴う姿勢不安定性の要因にはならないと 解釈できる.

これまで,体幹と下腿に局所振動刺激を与えた際の姿勢動揺の評価を,慢性腰痛を有

する腰部脊柱管狭窄症および変形性脊椎症と診断された 高齢者に応用する試みは,ほぼ見

46 当たらない.

本研究の結果から,慢性腰痛を有する高齢者の姿勢不安定性の因子は,体幹のファー

ターパチニ小体の感受性低下である可能性が示唆された.また,マイスネル小体や筋紡錘

よりも姿勢制御は前方推移の方略となることが示された.以上のことから,先行研究で多

く用いられている筋紡錘への機械的振動刺激のみならず,ファーターパチニ小体への機械

的振動刺激を与えることで,慢性腰痛を有する腰部疾患に罹患した高齢者の体幹の姿勢不

安定性を詳細に検証することができるであろう.

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