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自由空間法

ドキュメント内 導電性・電磁波遮蔽性を有する (ページ 75-78)

第5章 炭素粉末を添加したモルタルの電磁波遮蔽性

5.2 各試験の概要

5.2.2 自由空間法

簡易試験に用いた電子レンジの周波数は

2.45GHz

で,携帯電話や無線

LAN

に近いものの,一つ の周波数のみの実験結果であること,さらには電子レンジの出力は

700W

で,携帯電話の出力(1W 程度)と比較すると非常に大きく,一般的に使用されている電子機器の電磁波吸収性を評価する には適性上の問題が残る。そこで,一般的な電子機器の電磁波を対象とした電磁波吸収性として,

電磁気学的試験方法である自由空間法を用い,広範囲周波数帯におけるモルタルの電磁波吸収性 を定量的に評価することを試みる。

写真-5.2.3 赤外線サーモグラフィー

自由空間法に用いた供試体は縦

300×幅 300mm

の平板形状で,厚さの異なる

3

種類の供試体を 作製した。通常,自由空間法で使用される電磁波吸収試験体はシート状の試料で,厚さ

10mm

以 下のものが多く,自由空間法によるモルタルの電磁波吸収試験を行った供試体も厚さは

10mm

を 超える報告例はない。供試体の厚さは電磁波吸収性に影響を及ぼすと予想されるので,ここでは 供試体厚さは製作可能な

t=10,25,50mm

3

水準とした。また,自由空間法では電磁波の入射 角度によって吸収特性に違いが出ることが予想されるので,供試体に対する電磁波入射角度を

0

度(垂直入射)と

15

度の

2

水準を設定した。

モルタルに選定した試験要因は,水セメント比,炭素粉末添加率で,簡易試験と同様に水セメ ント比は

3

水準(W/C=50,

60, 70%),炭素粉末添加率は 5

水準(0,

5, 10, 15, 20%)とした。

図-5.2.2に自由空間法に用いる供試体の試験フローを示す。電磁波吸収性は供試体中の含水状態 によってその結果が異なることが予想される。そこで,自由空間法においても供試体の含水状態 をパラメータとし,材齢

28

日まで水中養生を施した供試体を水中から取り出した状態を湿潤状態 として

1

回目の測定を行い,その後,恒温恒湿室で乾燥させ,質量変化が収束した時点(乾燥開始 から

14

日後)を気乾状態として 2 回目の測定を行った。その後,

110℃の炉乾燥による乾燥を開始

し,質量変化が収束した時点(乾燥開始から

28

日後)を絶乾状態として

3

回目の測定を行った。な お,供試体は試験条件ごとに

1

体を供した。

2)

使用材料および示方配合

使用材料およびモルタルの示方配合は3.3.4

2)

と同一である。

3)

モルタルの練混ぜ

モルタルの練混ぜは,3.3.4

3)

と同様にして行った。

図-5.2.2 試験フロー(自由空間法)

材齢1日 材齢28日 質量一定 質量一定

水中養生 気中保存 乾燥

脱型 1回目測定

(乾燥0日)

2回目測定

(乾燥14日)

3回目測定

(乾燥28日)

20±2℃,60±10%

恒温恒湿室にて保存 110℃乾燥炉にて乾燥

湿潤状態 気乾状態 絶乾状態

4)

供試体作製方法

自由空間法に使用した供試体は,各配合で縦

300×幅 300mm×厚さ 10,25,50mm

の平板で,

その概略を写真-5.2.4に示す。

写真-5.2.4 自由空間法測定供試体

5)

自由空間法

図-5.2.3に自由空間法の概要を,写真-5.2.5に自由空間法の測定環境を示す。自由空間法は送 信アンテナ,受信アンテナ,ベクトルネットワークアナライザーで構成され,試験装置付近には

図-5.2.3 自由空間法の概要

(測定環境全景) (供試体設置台)

写真-5.2.5 自由空間法測定環境 送信アンテナ 受信アンテナ

床 面

供試体 金属板

Er : Es 反射波 

: 入射波 

ベクトルネットワーク アナライザ

送信アンテナ 受信アンテナ

ベクトルネットワーク アナライザー

床面

t=10mm t=25mm t=50mm

電磁波の回折による影響をなくすために電磁波 吸収材を設置している。供試体は空気の比誘電 率に近い発泡スチロール(比誘電率=1.1)の台 座を使用し,台座の上に電磁波を完全反射させ るために供試体と同様の寸法(縦

300×幅 300mm)の金属板を置き,その上に供試体を設

置した。試験は,供試体表面から約

1.4m

離れた 円周上の

1

点に設置された送信アンテナより 電磁波を照射し,受信アンテナで供試体および 金属板から反射される電磁波の強さ(電界)を

測定して反射率(反射減衰量)Rsを算出するものである。図-5.2.4に自由空間法の反射概念図を 示す。なお,反射率Rsとは,式(5.2.1)で示されるように反射波の電界と入射波の電界の比をデ シベル値で表示したものである。したがって,反射率の値が-20dBの場合,Er/Es=0.1であり,

入射電磁波エネルギーの

90%が試料に吸収されていることを示している。

20

(5.2.1) Rs:反射率(dB)

Er:反射電界(裏面に金属板を設置した供試体から反射される電界)

Es:入射電界(金属板のみから反射される電界)

5.2.3 透過試験

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