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水バランス解析

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 125-128)

無加湿運転においてはセルに供給される水分(生成水)を適切に利用することが重要 である.そこで水バランス解析によりセル内の水分移動量を検討した.

水バランス解析法において考慮すべき水分は図7.1に示すように①アノード加湿器に よりセル内部に流入する水,②カソード加湿器によりセル内部に流入する水,③電気化 学反応により生成する水,④アノード出口から流出する水,⑤カソード出口から流出す る水,⑥電気浸透によりアノードからカソードへと流出する水,⑦逆拡散によりカソー ドからアノードへと流入する水の7種類である.このうち,①,②,④,⑤の水の量は 第2章に示した温湿度センサをセルの両極の入口,出口の計4箇所に設置することで得 ることができる.③は電気化学反応式により決定される.⑥と⑦に関しては直接的な測 定が不可能であり今回の水バランス解析には利用していない.

①はアノードへ供給する水素の流量とバブラーの設定温度,水素供給圧力から求める ことができる.①の質量流量 (g/min)は次式で表すことができる.

ここで は使用するマスフローコントローラーの設計諸元圧力である.これは通常

1atmに設定してある. はマスフローコントローラーに入力する流量値である.

は各マスフローコントローラーに設定してある標準温度である.したがって,この 計算式を使用する際はマスフローコントローラーの標準温度を確認しておくことが重 要である.式(7.1)の右辺第1項は流入する水素のモル流量を示す.第2項は水蒸気の分 圧比を示す.第3項は水の分子量を表す.ここで は水蒸気圧である. は水素 供給圧力である. はWagnerの式

(107)

により以下のように求められる.

ここで である.②のカソード加湿器から

供給される水分量も同様に計算でき,

と表される.

③のアノード出口からの流出水量は①と同様に計算で求めることができる.③の質量

流量 (g/min)は次式で与えられる.

, an in

w

(7.1)

pmfc

2, H mfc

q Tmfc

, an in vapor p

p

vapor

p

(

1.5 3 6

)

ln vapor c 7.76451 w 1.45838 w 2.7758 w 1.23303 w

c dew

p T

p T

λ λ λ λ

 

= − + − −

 

  (7.2)

22120(kPa), 647.3(K), 1

c c w dew c

p = T = λ = −T T

2, ,

,

mfc H mfc vapor 18

an in

G mfc an in vapor

p q p

w = R T × p p ×

, ,

, mfc air mfc vapor

18

ca in

G mfc ca in vapor

p q p

w = R T × p p ×

(7.3)

, an out

w

2, ,

,

2 18

mfc H mfc vapor

an out

G mfc an out vapor

p q I p

w R T F p p

 

=    −    × − ×

(7.4)

第7章 両極無加湿運転における発電性能

115

この式中の も式(7.2)を用いて求めることができる.④のカソード出口からの流出 水量も同様に次式で与えられる.

生成水量 は

である.

セルが定常状態で運転されている場合,流入する水の量と生成水量の和は流出する水 の量と等しくなる.したがって以下の式が成り立つ.

アノードからカソードへの水分移動量は前述の①と④の差として,以下の式で表され る.

また,②,③,⑤からも同様に表現できる.

測定により得られた結果が式(7.7)を満たす時,式(7.8)と式(7.9)で求めた値は同じとなる はずである.しかしながら本研究ではセルから液水で排出される水は温湿度センサで検 知できないことが原因で式(7.7)が成り立たなかった.したがって式(7.8)と式(7.9)の平均 値を取ることでアノードからカソードへの水分移動量を評価した.加えて,この値を移 動するプロトンの数で割ると逆拡散を考慮した見かけの電気浸透係数 λ を求めること ができる.

両極無加湿運転の場合,前章に示したアノード加湿,カソード無加湿の場合とは異なり セルへの水分供給源は生成水のみである.さらに,生成水はカソード側で発生するので カソード側に比べ,アノード側のほうが乾燥しやすいと考えられる.アノード側の乾燥 を防ぐにはカソードにおける電気化学反応による生成水をアノードへ逆拡散させるこ とが重要である.なお,両極無加湿運転においてはカソードからアノードへの水分移動 が生じると考えられる.したがってλの値が負となると考えられる.本章における式(7.7) による水バランス計算から求めた誤差は発電状態を維持できたものに関しては+5%以 内に収まっている.

vapor

p

, ,

,

4 18

mfc air mfc vapor

ca out

G mfc ca in vapor

p q I p

w R T F p p

 

=    −    × − ×

2 18

prod

w I

= F× (7.6)

wprod

, , , ,

an in ca in prod an out ca out

w + w + w = w + w

, ,

a c an in an out

w

= ww

, ,

a c ca out ca in prod

w

= www

a c

I w λ = F

(7.5)

(7.7)

(7.8)

(7.9)

(7.10)

第7章 両極無加湿運転における発電性能

Anode Cathode

, ca in

w

, ca out

w

, an out

w

, an in

w

w prod

GDL MEA GDL

w a c

w ele

w back

Fig.7.1 Schematic diagram of water balance in a PEFC.

.

第7章 両極無加湿運転における発電性能

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