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乾き流量曲線とバブルポイント圧力

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 74-78)

4.3 結果と考察

4.3.3 乾き流量曲線とバブルポイント圧力

対向櫛形流路は拡散層内に蓄積した生成水を高圧流路から低圧流路に圧力差によっ て押し出すことを期待しているので,圧力差によるフラッディング軽減の程度を明確に しておく必要がある.そこで乾き流量曲線

(100)

とバブルポイント圧力

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について検討す る.乾き流量曲線とは乾いたGDLを用いて空気の供給圧力と透過量の関係を示す曲線 であり,バブルポイント圧力とはGDL中の最大の細孔に閉塞した水を押し出すのに必 要な圧力差である.乾き流量曲線は乾燥した拡散層を対向櫛形流路セルに組みこみ,無 発電状態で高圧流路乾燥ガス圧力を高めていき,セル前段につけた圧力計とマスフロー メータを用い拡散層リブ部面方向(In-plane)透過ガス流量を計測することで得られる.

図4.6に実験装置の概略図を示す.

次に使用する拡散層を水を満たした容器内に沈め,この容器ごと真空脱気装置に入れ て,脱気後常圧に戻すことにより,拡散層の空孔内に水を充填する.この拡散層をPEFC に組み込んで濡れ流量曲線を得る.図4.7に24BCの乾き流量曲線と濡れ流量曲線を示 す.

マスフローメータの制約上,流量の上限が0.5l/minとなっている.図4.7より,濡れ 流量曲線がゼロから立ち上がりはじめるバブルポイント圧力は約15kPaである.

図4.8はカソード入口圧力と出口圧力の差圧を示している.利用率30%の場合は電流 密度0.7~1.2A/cm2で約15kPaで一定,1.4~1.6A/cm2で約20kPaで一定値となっている.

利用率40%の場合は0.8A/cm2で極大値となった後,圧力差は一旦減少し,約15kPaで 一定値をとるなど不安定な変化を示している.

図4.9(a)に乾き流量曲線と利用率30%における電流密度とカソード入口と出口の圧力

差の関係を示す.電流密度 0.7~1.2A/cm2で圧力差がプラトーとなり,同一電流密度に おける圧力差が乾き流量曲線の示す圧力差に近づいていることから水の排出が進行し ていると考えられる.加えてプラトーの圧力差が約15kPaとバブルポイント圧力と等し い値を示していることから基材部細孔から水が排出されていると考えられる.その後の 電流密度では圧力差が線形に上昇し,同一電流密度における圧力差が乾き流量曲線の示 す圧力差を大きく上回っている.これは再び拡散層への水の閉塞が進んでいることを示 唆している.電流密度 1.4~1.6A/cm2において,再び圧力差の上昇は緩やかとなりプラ トーとなる.圧力差がバブルポイント圧力を超えていることから基材部における閉塞の 程度は小さいと考えられる.従ってこのプラトー領域ではGDLのMPLからの水の排出 が行われていると考えられる.MPL は基材部よりも透気度が小さく細孔径も小さいた めに水を排出するための圧力差が大きくなったと考えられる.図4.9(b)にはカソード利 用率 40%の場合における乾き流量曲線と圧力差のグラフを示す.電流密度約 0.4A/cm2 から圧力差が上昇し,同一電流密度における圧力差が乾き流量曲線の示す圧力差を大き く上回っていることから,水の閉塞が進んでいると考えられる.圧力差が約18kPaでピ

第4章 対向櫛形流路の発電性能 ークとなった後,約15kPaで一定となっている.これはバブルポイント圧力と一致して いることから拡散層基材部細孔からの水の排出が進行していることを示唆している.電

流密度約 1.6A/cm2 で乾き流量曲線と同じ圧力差を示した後,再び圧力差は上昇してい

る.電流密度約1.7A/cm2で圧力差は再び17kPaで一定となっている.これは利用率30% の場合と同様に,MPLからの水の排出が行われていると考えられる.図4.5(b)に示すIR 過電圧の傾きが1.7A/cm2において大きくなっていることからもMPLにおける水の排出 が進行しているもと推察できる.その後の電流密度で再び圧力差は上昇し,乾き流量曲 線の示す圧力差より大きくなる.これは水の閉塞が進行していることを示唆している.

第4章 対向櫛形流路の発電性能

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Fig.4.7 Dry and wet flow characteristics of the tested GDL.

.

Fig.4.8 Pressure drops between inlet and outlet channel of the interdigitated flow channel.

MFM

Air PEFC

MFM

Air PEFC

Fig.4.6 Schematic drawing of the system to measure air flow rate and inlet pressure.

0 500 1000 1500 2000

0 20 40 60 80

p (kPa)

Q (cc/min)

Dry Wet

0 5 10 15 20 25 30

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

i (A/cm2)

p (kPa)

30%

40%

第4章 対向櫛形流路の発電性能

Fig.4.9 Comparison of pressure drop for operating condition with dry condition.

(a) Utilization rate; 30%

0 5 10 15 20 25 30

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

i (A/cm2)

p (kPa)

40%

Dry

(b) Utilization rate; 40%

0 5 10 15 20 25 30

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

i (A/cm2)

p (kPa)

30%

Dry

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