第 2 節 vigiGrade を用いた JADER の質評価
2. 結果
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42 2.3 項目欠損の状況
本研究の解析対象である副作用報告427,797件のうち、33,580件(7.9%)で年齢に 関する情報が欠損しており、11,510件(2.7%)が年齢層ではなく世代による記載のみ であった。また、21,247件(5.0%)で患者性別に関する情報が欠損しており(“不明”
も含む)、被疑薬の投与量、副作用の転帰、被疑薬の使用理由はそれぞれ133,299件
(31.2%)、98,136件(22.9%)、57,090件(13.4%)で欠損していた。報告者の職種の
情報は17,541件(4.1%)で欠損していたが、報告の種類に関する情報は解析対象のう
ち全ての報告に含まれていた。被疑薬の使用開始から副作用発現までの期間(“time-to-onset”)について、174,255件(40.7%)が被疑薬の使用開始日(154,110件, 36.0%)
または副作用発現日(137,140件, 32.1%)の情報がないために算出不可能であり、
10,385件(2.4%)で被疑薬の使用開始と副作用発現との間隔が±1ヶ月以上であった。
Table 6に報告元で分類した項目毎の情報の欠損について示した。医療機関報告と比較
し、企業報告では各項目における欠損情報の割合が有意に高かった。特に、“time-to-onset”が算出不可能であった報告の割合は、医療機関報告では1,228件(14.9%)であ
ったのに対し、企業報告では173,027件(41.2%)と、企業報告で有意に高かった(カ イ二乗検定、p<0.0001)。
2.4 ‘well-documented report’の割合の年次推移
JADER において、副作用報告件数は年々増加傾向である一方で、‘well-documented
report’の割合は減少傾向を示した(Figure 15)。Figure 16 は報告者の職種別に‘well-documented report’の割合の年次推移を示したものである。報告者に医師を含む報告、そ の他の職種による報告では年々減少傾向であったのに対し、報告者に薬剤師を含む報告、
報告者に医師と薬剤師の両方を含む報告ではわずかに減少傾向を示したのみであった。
Figure 17は報告元別で分類した‘well-documented report’の年次推移を示したものである。
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医療機関報告における‘well-documented report’の割合は調査期間中約70-80%を維持して いたのに対し、企業報告では時間経過とともに約75%から約30%へと低下していた。
2.5 ‘well-documented report’ の特徴
JADER201903データベースの副作用報告561,122件のうち、第一被疑薬が特定可能で
あった557,707件について、‘well-documented report’と‘not well-documented report’の基
礎属性を比較し、Table 7に示した。‘well-documented report’は307,450件(55.2%)と、
上記で解析対象にした自発報告、調査完了のみのデータセットよりも高い割合で認められ
た。‘Well-documented report’と‘not well-documented report’を比較 した時に 、‘
well-documented report’における医療機関報告の割合が高く(2.0% vs 0.8%, p<0.0001)、調査 中の報告の割合は低かった(0.2% vs 0.5%, p<0.0001 )。報告者別に見た場合、’well-documented report’はその他の報告者(看護師、弁護士、消費者など)からの報告の割合が 低く(4.8% vs 16.1%)、報告の種類は試験報告の割合が高かった(28.2% vs 7.9%)。
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Figure 12. 解析対象におけるvigiGrade completeness scoreの分布 (n=427,797)
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Figure 13. 企業報告または医療機関報告における‘well-documented report’の割合 (n=427,797)
*カイ二乗検定
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Figure 14. 報告者の職種別 ‘well-documented report’の割合 (n=427,797)
47 Table 6. 各項目の情報欠損割合 (n=427,797)
項目 医療機関報告 (n=8,257)
企業報告
(n=419,540) p値*
Time-to-onset (n, %) 1,228 (14.9) 173,027 (41.2) <0.0001
副作用の発現日 (n, %) 76 (0.9) 137,064 (32.7) <0.0001 被疑薬の開始日 (n, %) 1,183 (14.3) 152,927 (36.5) <0.0001 被疑薬の中止日 (n, %) 1,270 (0.7) 186,486 (44.5) <0.0001 被疑薬の使用理由(n, %) 650 (7.9) 56,440 (13.5) <0.0001 転帰 (n, %) 297 (3.6) 97,839 (23.3) <0.0001 性別 (n, %) 27 (0.3) 21,220 (5.1) <0.0001 年齢 (n, %) 36 (0.4) 33,544 (8.0) <0.0001 投与量 (n, %) 902 (10.9) 132,397 (31.6) <0.0001 第一報告者(n, %) 13 (0.2) 17,528 (4.2) <0.0001 報告の種類(n, %) 0 (0) 0 (0)
*カイ二乗検定
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Figure 15. 副作用報告件数と‘well-documented report’の割合の年次推移(n=427,797)
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Figure 16. 職種別 ‘well-documented report’の割合の年次推移(n=427,797)
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Figure 17. 報告元別 ‘well-documented report’の割合の年次推移(n=427,797)
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Table 7. ‘Well-documented report’と‘not well-documented report’の基礎属性の比較 (n=557,507)
Well-documented (n=307,450) Not well-documented (n=250,057) p値*
報告元
製薬企業 301,210 (98.0%) 248,040 (99.1%)
<0.0001 医療機関 6,240 (2.0%) 2,017 (0.8%)
報告の種類
自発報告 212,192 (69.0%) 217,044 (86.8%)
<0.0001 試験報告 86,800 (28.2%) 19,772 (7.9%)
その他 8,445 (2.7%) 13,225 (5.3%)
不明 13 (0.1%) 16 (0.1%)
報告の状態
調査完了 306,810 (99.8%) 248,719 (99.5%)
<0.0001
調査中 640 (0.2%) 1,338 (0.5%)
報告者職種
医師を含む 258,901 (84.2%) 166,477 (66.6%)
<0.0001 薬剤師を含む 17,066 (5.6%) 33,372 (13.4%)
医師と薬剤師を含む 16,723 (5.4%) 9,889 (4.0%)
その他 14,760 (4.8%) 40,319 (16.0%)
*カイ二乗検定
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