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結   果

ドキュメント内 問題と目的 (ページ 51-54)

1 .絵本共有時間についての分析

生後9ヶ月,12ヶ月それぞれの時点において,各群

Table 1 自由遊び課題場面で用いた指標の定義

指標 行動の定義 一致率

母親の反応

 賞賛 子どもが達成した認識可能な結果に対して行ったことを条件として,いくらかの

熱意と感情を持って声をかけること(例えば「いいね」「すごい」など)。 0.88

子どもの反応   母 子

 ほほえみ 口角が上っている。 0.86 0.97

 母親を見る 頭や身体の方向を変えて,母親の方向を見つめること。 0.79 0.98 母子相互作用

 遊びの  先導者

母親が言葉で行動を先導した場合(例えば,「あなたが大きな塔を作れるかどう か見ていてあげるわ。」)は 「母親が先導した遊び行動」 というコードにし,それ 以外は 「子どもが自主的に決めた遊び行動」 というコードにした。

– –

. 一致率の項における「母」,「子」は,それぞれ「母親が先導した遊び行動」,「子どもが自主的に決めた遊び行動」に付随した

反応の指標の一致率を示す。

における1週間あたりの絵本共有時間の平均値を求めた

(Table 2)。なお,手続き上の不備により質問紙を郵送 できなかった母子および質問紙を返送しなかった母子の データについては欠損値として扱った。

分布の偏りがあったため,絵本共有時間を対数変換 した後,その値を従属変数,月齢と群を独立変数とし て,2要 因(2×2) の 分 散 分 析 を 行 っ た。 そ の 結 果,

月齢 × 群の交互作用が有意であった(F(1, 17)= 5.79,

p < .05)。各要因における単純主効果を分析した結果,

絵本群における月齢要因の単純主効果が有意であり,

絵本群は生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時に有意に長く 絵 本 共 有 を 行 っ て い た(F(1, 34)= 5.30,p < .05)。 ま た,生後12ヶ月時における群の単純主効果が有意であ り,生後12ヶ月時においては統制群に比べ絵本群の方 が有意に長く絵本共有を行っていた(F(1, 17)= 5.02,

p < .05)。月齢および群の主効果は有意でなかった。

2 .「母親が先導した遊び行動」回数比率についての分析 自由遊び課題場面においては,「母親が先導した遊び 行動」回数と「子どもが自主的に決めた遊び行動」回数 を合計した回数を自由遊び10分間の「全遊び行動」回 数とした。両群における「母親が先導した遊び行動」回 数および「子どもが自主的に決めた遊び行動」回数,「全 遊び行動」回数の平均値,さらに「全遊び行動」回数 に対する「母親が先導した遊び行動」回数の割合を求 め,その平均値を算出した(Table 3)。これらのデータ の分布には偏りがあったため,対数変換を行い,月齢と 群を独立変数として2要因(2×2)の分散分析を行っ た。分析の結果,「母親が先導した遊び行動」回数につ いては,月齢の主効果が有意であり,生後9ヶ月時に比

べ12ヶ月時の回数が有意に多かった(F(1, 26)= 23.39,

p < .01)。また,群の主効果および月齢 × 群の交互作 用は有意でなかった。「子どもが自主的に決めた遊び行 動」回数については,月齢および群の主効果が有意であ り,生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時の回数が有意に多く

(F(1, 26)= 12.47,p < .01),統制群に比べ絵本群の回数 が有意に多かった(F(1, 26)= 5.60,p < .05)。また,月 齢 × 群の交互作用は有意でなかった。「全遊び行動」回 数については,月齢の主効果のみ有意であり(F(1, 26)

= 21.48,p < .01),生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時の回 数が有意に多かった。群の主効果は有意傾向であり(F(1, 26)= 3.80,p < .10),統制群に比べ絵本群で多い傾向に あったが,月齢 × 群の交互作用は有意でなかった。「全 遊び行動」回数に対する「母親が先導した遊び行動」回 数の割合については,月齢および群の主効果,月齢 × 群の交互作用,全てにおいて有意でなかった。

3 .母親による賞賛回数についての分析

「母親が先導した遊び行動」に付随した賞賛回数と「子 どもが自主的に決めた遊び行動」に付随した賞賛回数を 合計したものを「賞賛」回数とした。全遊び行動回数に 対する「賞賛」回数の割合を算出し,その平均値を求め

た(Figure 1)。分布に偏りがあったことから,これらの

Table 2 各群における1週間あたりの「絵本共有時間」(分)

群 9ヶ月 12ヶ月

絵本群(n = 11) 60.32(100.02) 97.82(73.77) 統制群(n = 10) 60.63 (68.94) 35.00(35.04)

注.( )内はSDを示す。

Table 3 各群における「母親が先導した遊び行動」回数,「子どもが自主的に決めた遊び行動」回数,「全遊び行動」回数,

および「全遊び行動」回数に対する「母親が先導した遊び行動」回数の割合の月齢別変化

「母親が先導した 遊び行動」回数(回)

「子どもが自主的に決めた

遊び行動」回数(回) 「全遊び行動」回数(回) 「母親が先導した 遊び行動」回数の割合

9ヶ月 12ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 9ヶ月 12ヶ月

絵本群 2.00 7.21 9.86 18.79 11.86 26.00 0.16 0.26

(n = 14) (2.51) (6.41) (9.05)  (6.96)  (9.51)  (9.47) (0.20) (0.18)

統制群 2.07 4.64 7.07 11.00  9.14 15.64 0.25 0.28

(n = 14) (2.67) (3.63) (6.12)  (6.40)  (8.04)  (8.28) (0.35) (0.18) 注.( )内はSDを示す。

Figure 1 各群における「全遊び行動」回数に対する「賞

賛」回数比率

     注.( )内はSDを示す。

n n

値を対数変換し分散分析を行った。その結果,月齢の主 効果が有意であり,生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時の割 合が高く(F(1, 26)= 15.10,p < .01),群の主効果はな かった。また,月齢 × 群の交互作用が有意であった(F(1, 26)= 10.58,p < .01)。各要因における単純主効果を分 析した結果,生後12ヶ月時における群要因の単純主効 果が有意であり,統制群に比べて絵本群の賞賛割合が有 意に高かった(F(1, 26)= 7.77,p < .01)。また,絵本群 における月齢要因の単純主効果が有意であり,生後9ヶ 月時に比べて12ヶ月時の絵本群の賞賛割合が有意に高 かった(F(1, 52)= 25.48,p < .01)。

4 .「子どもが自主的に決めた遊び行動」に付随した「子 どもの反応」の分析

Stipek et al.(1992)によると,子どもが自主的に決め た遊び行動後,賞賛が多い母親の子どもは比較的多くほ ほえむ傾向にあり,多く遊びを先導する母親の子どもは あまりほほえまず,母親を見上げる傾向にあるという。

よって,本研究でも分析の対象とする「子どもの反応」は,

「子どもが自主的に決めた遊び行動」に付随したものに 限ることにする。

「子どもが自主的に決めた遊び行動」回数に対するそ れぞれの「子どもの反応」の割合を求め,その平均値を 算出した(Table 4)。割合の分布に偏りがあったため,

対数変換後,同様の分散分析を行った。

まず「ほほえみ」について分析した結果,月齢の主効 果が有意であり,生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時の比率 が高く(F(1, 26)= 17.00,p < .01),群の主効果は有意 でなかった。また,月齢 × 群の交互作用が有意であっ た(F(1, 26)= 12.75,p < .01)。各因子における単純主 効果を検定した結果,絵本群における月齢の単純主効 果が有意であり(F(1, 52)= 29.61,p < .01),生後9ヶ 月時に比べ12ヶ月時の割合が高かったが,統制群の単 純主効果は有意でなかった。また,生後12ヶ月におけ る群の単純主効果が有意であり,生後12ヶ月時では絵 本群の比率が統制群よりも高かった(F(1, 26)= 10.51, p < .01)。

続いて「母親を見る」行動について分析した結果,月 齢の主効果が有意であり,生後9ヶ月時に比べ12ヶ月 時の比率が高かった(F(1, 26)= 5.27,p < .05)。また,

月齢 × 群の交互作用が有意傾向であったが(F(1, 26)

= 3.63,p < .10),群の主効果は有意でなかった。

さらに,「母親を見る行動」に対して「ほほえみ」が 同時生起した回数を「ほほえみながら母親を見る」回 数とした。「子どもが自主的に決めた遊び行動」に付随 した「母親を見る行動」回数に対して「ほほえみなが ら母親を見る」行動回数の割合を求め(Figure 2),こ れまでと同様,対数変換を施した後,分散分析を行っ た。その結果,月齢の主効果が有意であり,生後9ヶ 月時に比べ12ヶ月時の比率が高かったが(F(1, 26)=

12.23,p < .01),群の主効果は有意でなかった。また,

月齢 × 群の交互作用が有意であった(F(1, 26)=29.24, p < .01)。各因子における単純主効果を検定した結果,

絵本群における月齢の単純主効果が有意であり(F(1, 52)= 39.65,p < .01),生後9ヶ月時に比べ12ヶ月時の 比率が高かったが,統制群の単純主効果は有意でなかっ た。また,生後9ヶ月時および12ヶ月時における群の 単純主効果が有意であり,生後9ヶ月時では絵本群より も統制群の割合が高く(F(1, 26)= 6.25,p < .05),生後 12ヶ月時では統制群よりも絵本群の割合が高かった(F

(1, 26)= 14.02,p < .01)。なお,本研究における統計処 理は全て,SASW Statistic 18統計パッケージを用いてな されている。

Table 4 各群における「子どもが自主的に決めた遊び行動」回数に対する「子

どもの反応」の生起比率の月齢別変化

指標 絵本群 (n = 14) 統制群 (n = 14)

9ヶ月 12ヶ月 9ヶ月 12ヶ月

ほほえみ 0.15 (0.21) 0.58 (0.26) 0.25 (0.23) 0.28 (0.23) 母親を見る 0.05 (0.14) 0.21 (0.21) 0.10 (0.14) 0.11 (0.13)

注.( )内はSDを示す。

Figure 2 各群における「母親を見る」行動回数に対する

「ほほえみながら母親を見る」行動回数比率      注.( )内はSDを示す。

n n    母親を見る回数

ドキュメント内 問題と目的 (ページ 51-54)

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