4. 予備観察
4.3 結果
4.3.1 対話の概要対話の概要対話の概要対話の概要
まず以下に収録した
4
つの対話を数量的な側面からまとめたものを示す。表中の数 字は秒数欄以外、すべて出現回数を示す。(高1・高 2
は高年齢層群のデータ、低1・
低
2
は低年齢層群のデータである。)表 4.1(UU数・DU数)
UU数 DU数
分析時間
総数 A B 総数 「承認」なし キャンセル
高1 5分3秒 164 89 75 61 9 4
高2 3分6秒 114 48 66 36 0 0
低1 4分53秒 236 117 119 89 3 1
低2 3分24秒 184 87 97 76 2 0
表 4.2(「承認」の内訳)
「承認」総数 多重承認 承認なし
高1 55 3 9
高2 45 8 0
低1 87 1 3
低2 79 0 2
表 4.3(繰り返しの数)
継続 承認 修理 修理要求 始動
高1 5 7 2 1 0
高2 2 4 2 0 1
低1 0 8 0 0 0
低2 0 2 0 0 0
※すぐ前の発話中に、あるいは、その一つ前の発話中に、現発話中に含まれる単語が50%
以上現れるときを「繰り返し」とした。割合はモーラ数で数えた。
表 4.4(沈黙の数と秒数・フィラーの数)
沈黙
始動 秒数 承認 秒数 継続 秒数 フィラー
高1 8 9・8・9・3・6・6・15・6 2 2.5・0.75 0 − 0
高2 4 2・32・11・2 0 − 0 − 0
低1 0 − 0 − 1 2 4 低2 0 − 0 − 0 − 3
※「始動」「承認」欄の数字は、すぐ前の発話が終わってから、「始動」または「承認」ま での回数である。「継続」欄の数字は、自発話中の「継続」から「キャンセル」までを示 す。
4.3.2 「承認」に関する特徴「承認」に関する特徴「承認」に関する特徴「承認」に関する特徴
[高
1]において、
「承認」を欠くために基盤化できないDU
が9
つあった。「承認」がないままに沈黙に移行する、「承認」を行わずに「始動」を行う、の
2
通りがあっ た。[低1]
[低2]における「承認」を欠く例は、対話以外のことに気を取られたた
め、「承認」せずに発話するというものと、同時発話が起こったため、片方の「始動」に対する「承認」がなくなってしまったものである。
「承認」が多重に繰り返されるという現象は、すでに基盤化が行われたにもかかわ らず、さらに「承認」を行うというものである。「承認」に対する「承認」を多重「承 認」とした。すでに「承認」が終わった段階で出される「ふーん」というような発話 はフィラーに分類した。
4.3.3 繰り返しに関する特徴繰り返しに関する特徴繰り返しに関する特徴繰り返しに関する特徴
「継続」欄の繰り返しとは、言い直しのことである。ここに数えたものの他、高年 齢層群では発話を小さく区切り、言い直しながら対話を行う傾向があった。
繰り返し語を使った「承認」は高年齢層群にも、低年齢層群にも見られたが、後者 の繰り返しは、タレントの名前などの固有名詞、その対話の文脈から発生したローカ
ルな名詞(「にせあゆ」=浜崎あゆみによく似た人など)、普通名詞であった。高年齢 層群の繰り返しは動詞を含む比較的まとまりのある文の繰り返しであった。
「修理」「修理要求」での繰り返しには、同じ文をそのまま繰り返す場合があった。
4.3.4 沈黙に関する特徴沈黙に関する特徴沈黙に関する特徴沈黙に関する特徴
高年齢層群によりも長い沈黙が出現した。高年齢層群のデータは、複数の人がいる 比較的騒がしい環境でなされたので、必ずしも途切れることなく話す必要はなかった のかもしれない。しかし時間が長いものがあり、また
1
秒程度の沈黙についても数回 あった。環境あわせて検証する必要がある。低年齢層群には目立つ沈黙はほとんど見られなかった。話題の途切れ目などには
「ふーん」などのフィラーが見られた。
4.3.5 その他の特徴その他の特徴その他の特徴その他の特徴
高年齢層群には次のような例が見られた。
・話し手が途中で言い止めたところで「承認」を行う(1例)。
・聞き手が先取りして言う(1例)。
・協力して完成させる(1例)。
低年齢層群には、他人の発話に「継続」するような例があった。