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結果および考察 結果および考察 結果および考察 結果および考察

Pd contents (at %)

4.3 結果および考察 結果および考察 結果および考察 結果および考察

4.3.1 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 Pd-Ni-P 金属ガラスの熱分析 金属ガラスの熱分析 金属ガラスの熱分析 金属ガラスの熱分析

図1には,リン組成を20 at%に固定し,パラジウム組成を変化させた電析Pd-Ni-Pである(a) Pd32Ni48P20,(b) Pd40Ni40P20,(c) Pd55Ni25P20のDSC測定結果を示した。(a) Pd32Ni48P20のガラス転 移温度(Tg)および,結晶化温度(Tx)は,Tg=568K,Tx=645 Kであり,金属ガラス形成能を表す指 標である過冷却液体の温度幅(∆Tx= Tx - Tg)は∆Tx =77Kであった。バルクPd-Ni-P金属ガラスの 中で最もガラス形成能が高いPd40Ni40P20と同じ組成である(b) Pd40Ni40P20は,Tg=568K,Tx=651K,

Tx =83Kであった。また,(c) Pd55Ni25P20は,Tg=573K,Tx=636K,∆ Tx =63Kであった。

図2には,図1で得られた結果をまとめた。結晶化温度は,(b) Pd40Ni40P20が最も高くTx=651K であった。(b) Pd40Ni40P20と比較してパラジウム組成が8at%低い(a) Pd32Ni48P20Tx=645 Kであ り,(b) Pd40Ni40P20よりもTxは6 K低かった。また,(b) Pd40Ni40P20と比較してパラジウム組成 が15at%高い(c) Pd55Ni25P20Tx=636 Kであり,(b) Pd40Ni40P20よりもTxは15 K低かった。パラ ジウム組成と結晶化温度の関係については,結晶化温度が最も高い(b) Pd40Ni40P20を中心として パラジウム組成の差が大きくなるほど,結晶化温度は低くなることが確認できた。

また,ガラス形成能についても,(b) Pd40Ni40P20が最も高く∆ Tx =83Kであった。(b) Pd40Ni40P20

と比較してパラジウム組成が8at%低い(a) Pd32Ni48P20は∆Tx =77Kであり,(b) Pd40Ni40P20よりも

Tx =は6 K低かった。また,(b) Pd40Ni40P20と比較してパラジウム組成が15at%高い(c) Pd55Ni25P20

は∆ Tx =63Kであり,(b) Pd40Ni40P20よりもTxは20 K低かった。パラジウム組成とガラス形成能 の関係については,ガラス形成能が最も高い(b) Pd40Ni40P20を中心としてパラジウム組成の差が 大きくなるほどガラス形成能は低くなることが確認できた。

- 79 -

450 500 550 600 650 700 750

(c) (b) (a)

E x o th er m ic ( a rb .u n it s)

Temperature (K)

Fig.4-1 電析電析電析電析Pd-Ni-P金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスのDSC測定結果測定結果測定結果測定結果 (a) Pd32Ni48P20,(b) Pd40Ni40P20,(c) Pd55Ni25P20

30 35 40 45 50 55 60

620 630 640 650 660

60 70 80 90 100

T x (K)

Pd concentration (at%)

∆∆∆∆T x (K)

Fig.4-2 パラジウムパラジウムパラジウムパラジウム組成と組成と組成と組成とTxおよびおよびおよびおよび∆ ∆ ∆ ∆ Tx

500 550 600 650 700 (c)

(b) (a)

Exothermic (arb.units)

Temperature (K)

- 80 -

4.3.2 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 パラジウム組成に着目した電析 Pd-Ni-P 金属ガラスの 金属ガラスの 金属ガラスの 金属ガラスの等温 等温 等温保持 等温 保持 保持 保持

図1の結果を基に,電析Pd-Ni-P金属ガラスである,Pd32Ni48P20,Pd40Ni40P20,Pd55Ni25P20を 銅基板上に電析させ,過冷却液体領域である603 Kで等温保持した後のXRD測定結果を図3~

図5に示した。尚,XRD測定結果より,金属ガラスの特徴であるアモルファス状態を保持でき た時間から,金属ガラスの過冷却液体領域における熱安定性を明らかにすることを目的とした。

図3には,電析Pd32Ni48P20金属ガラスのXRD 測定結果を示した。(a)は等温保持を行ってい ない試料であり,2θ = 30~50 °の範囲にブロードなピークが見られ,アモルファス状態である ことを確認した。(b)は603 Kで等温保持を50分間行った試料であるが,アモルファス状態の ままであることが確認できた。(c)および,(d)は等温保持を60分間および,240分間行った試料

である。(c)において,Pd5P2の結晶化ピークが見られたことから,60分間等温保持することで,

結晶化することが分かった。尚,(d)においては,Pd5P2以外にもNi3Pの結晶化ピークも見られ たことから,保持時間が長くなることで結晶化が進行していることが確認された。

図4には,電析Pd40Ni40P20金属ガラスのXRD 測定結果を示した。(a)は等温保持を行ってい ない試料であり,アモルファス状態であることを確認した。(b)は等温保持を120分間行った試 料であるが,アモルファス状態のままであることが確認できた。(c)および(d)は,等温保持を130 分間,240 分間行った試料である。(c)および(d)ともに Pd5P2,Ni3P の結晶化ピークが見られた ことから,130分間等温保持することで結晶化することがわかった。

図5には,電析Pd55Ni25P20金属ガラスのXRD 測定結果を示した。(a)は等温保持を行ってい ない試料であり,アモルファス状態であることを確認した。(b)は等温保持を 10 分間行った試 料であり,アモルファス状態のままであることが確認できた。(c)および(d)は,等温保持を 20 分間,240 分間行った試料である。(c)および(d)ともに Pd5P2,Ni3P の結晶化ピークが見られた ことから,20分間等温保持することで結晶化することがわかった。尚,バルクPd-Cu-Ni-P金属 ガラスを過冷却液体領域内の温度で等温保持した場合,Pd15P2,Ni3P,NiP,Ni12P5,Pd5P2など の結晶が同定されているが,電析Pd-Ni-P金属ガラスを等温保持した際に生成した結晶は,Ni3P,

Pd5P2であり,バルク金属ガラスと同様な結晶が含まれていることが分かった[8][9]。

図6には,図3~図5の結果より,電析Pd-Ni-P金属ガラスのパラジウム組成に着目し,過冷 却液体領域である603 Kで等温保持した後にアモルファス状態を保持できている時間をまとめ た。アモルファス状態を保持できる時間は,電析Pd40Ni40P20金属ガラスが最も長く120分間で あった。電析Pd40Ni40P20金属ガラスと比較してパラジウム組成が8at%低い電析Pd32Ni48P20金属

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ガラスでは 50 分間であり,電析 Pd40Ni40P20 金属ガラスよりも 70 分短かった。また,電析 Pd40Ni40P20金属ガラスと比較してパラジウム組成が15at%高い電析Pd55Ni25P20金属ガラスは10 分間であり,電析Pd40Ni40P20金属ガラスよりも110分短かった。パラジウム組成と等温保持し た際にアモルファス状態を保持できる時間については,電析Pd40Ni40P20金属ガラスを中心とし てパラジウム組成の差が大きくなるほど,アモルファス状態を保持できる時間は短くなること が分かった。

図7には,図3~図5の結果より,電析Pd-Ni-P金属ガラスのガラス形成能に着目し,等温保 持した後にアモルファス状態を保持している時間をまとめたが,ガラス形成能が高いほど,ア モルファス状態を保持できる時間は長いことが分かった。また,早乙女らによると,P t基金属 ガラスのインプリントを実施した際,過冷却液体領域での加工時間は400秒で検討したと報告 されている[10]。図3,図4,図5から,電析Pd-Ni-P金属ガラスであるPd32Ni48P20,Pd40Ni40P20, Pd55Ni25P20は,過冷却液体領域である603Kで400秒以上保持していても結晶化していなかった。

特にガラス形成能が最も高い Pd40Ni40P20は,120分間等温保持しても結晶化しなかったため,

実際には,インプリント時の荷重による影響等を考慮する必要があるが,粘性流動を利用した 加工品への応用が期待できる。

30 40 50 60 70 80

(d) (c) (b) (a)

× ×

×

In te n si ty ( a rb . u n it s)

2

θθθθ

(degree)

Fig.4-3 電析電析電析電析Pd32Ni48P20金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスのXRD測定結果測定結果 測定結果測定結果

603Kでの保持時間:(a)未処理,(b)50分間,(c)60分間,(d)240分間

△Pd5P2,◆Ni3P,×Cu substrate

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30 40 50 60 70 80

×

× ×

(d)

(c) (b) (a)

In te n si ty ( a rb . u n it s)

θ θ θ (degree)

Fig.4-4 電析電析電析電析Pd40Ni40P20金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスのXRD測定結果測定結果 測定結果測定結果

603Kでの保持時間:(a)未処理,(b)120分間,(c)130分間,(d)240分間

△Pd5P2,◆Ni3P,×Cu substrate

30 40 50 60 70 80

×

×

×

(d) (c) (b) (a)

In te n si ty ( a rb . u n it s)

θ θ θ (degree)

Fig.4-5 電析電析電析電析Pd55Ni25P20金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスの金属ガラスのXRD測定結果測定結果 測定結果測定結果

603Kでの保持時間:(a)未処理,(b)10分間,(c)20分間,(d)240分間

△Pd5P2,◆Ni3P,×Cu substrate

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30 35 40 45 50 55 60

0 20 40 60 80 100 120 140

Hold time (min.)