主なクリーニング対象事項
・フォローアップの未登録: 未発症者は毎回、既発症 者は診断されたとき及びその1回前
・対象者・伝聞⾎縁者の分類ミス: 対象者、伝聞⾎縁 者、対象外受診者
・バリアント名の記載ミス
・⽣年⽉⽇、⼿術年齢 等の時系列不備
3,2019年度の指定・公募演題 指定課題
1.「HBOC症例でのRisk-reducing mastectomyの⽇
本での実態の解析」
四国がんセンター 乳腺科:⼤住省三
2.「本邦におけるRRSOの現状とOccult cancerにつ いて」
聖マリアンナ医科⼤学 産婦⼈科:鈴⽊ 直 公募課題
1.「我が国における乳癌発症患者におけるBRCA遺伝
⼦変異検出リスク予測モデルの開発と妥当性の検証」
昭和⼤学医科学部乳腺外科:⼩松奈々
2.「⽇本におけるBRCA遺伝⼦変異と卵巣癌発症リス クの相関」
新潟⼤学 産婦⼈科:関根正幸
登録事業の検討課題
1.多くに施設に参加していただくための⼯夫
1)保険適⽤、コンパニオン診断など、BRCA遺伝学的検査実施例が急増して 毎年の症例をすべて登録することは⼤変な労⼒を要することになっている
⇒Myriad Tableはほぼ毎年変動がない、保険収載の基礎データはもう少し 検証すればよいので、今後、陰性例の登録は省略するなどの効率化が必要。
⇒来年度より変異陽性者(+VUS)の登録のみとする(ほぼ決定)。
多遺伝⼦パネル検査も⾏われるようになり、その他の乳癌卵巣癌の易罹患性 にかかわる遺伝⼦変異もデータを蓄積する必要性がある。
2)IC取得のプロセスが診療業務の負担となる
⇒倫理委員会が承認した医療機関では「同意書なし⼝頭同意+診療録記載」
とする
(2021年度より。その他の医療機関では当⾯は従来法で。データベースで
⻑期データ使⽤するにあたり、やはり当事者の理解、協⼒は不可⽋)
3)登録継続できなくなった医療機関(辞退)への対応
⇒現時点でのルールなし。スタッフの⼈事等の理由で⼀定期間の休⽌はあり得る。
その期間の登録管理料は徴収しない。オプトアウトは各医療機関の責任で⾏う。
今後の予定
2020年12⽉8⽇より2021年度の登録オープン 2021年3⽉末⽇:基本データ完成
5⽉:JOHBOC学術総会
(今年は時期未定)
指定演題の決定、公募開始
基本データの公開は4⽉以降
研究計画書の改訂
2.保険収載後に BRCA 遺伝学的検査を受検した 乳癌卵巣癌発症者における遺伝学的検査および
その後の医療対応に関する意識調査
パーソナリティ 傾向の調査票
図1 BRCA遺伝学的検査の流れ
遺伝相談外来などで遺伝医療の担当医
が⾏う従来型の遺伝カウンセリング 保険適⽤で⾏うBRCA遺伝
学的検査(HBOCの診断) PARP阻害薬使⽤時
(コンパニオン診断)
・基準を満たさない場合は⾃費診療1)
・基準を満たす場合は保険適⽤ ・基準を満たす
・本⼈の意思を確認 ・分⼦標的薬の適応を検討
プレテストカウンセリング
・遺伝性腫瘍のリスク評価2)
・必要な遺伝学的検査病態の説明
・クライエントの意思確認
・同意取得
陽性の場合は、HBOCの診断 条件を満たせば保険適⽤
・フォローアップ検査
(MRI検査や超⾳波検査など)
・リスク低減⼿術
プレテストカウンセリング
・BRCA遺伝学的検査の事前説明
・同意取得 必要に応じて
BRCA検査3)4) BRCA検査
ポストテストカウンセリング
・検査結果の説明
・結果の解釈
・陽性時フォローアップ検査などの 診療科受診のマネジメント・
⼼理社会的⽀援
ポストテストカウンセリング
・検査結果の説明
・遺伝医療に関する情報提供 結果の詳細な
説明など必要に応じて
陽性の場合
・HBOC家系のフォローアップ
・⾎縁者のキャリア診断
(未発症者は⾃費診療)
VUSの場合
・解釈の変更があれば、再度説明
陽性の場合は、
分⼦標的薬の処⽅
がんクリニカル シークエンス
・標準治療修了
・進⾏再発がん
BRCA⽣殖細胞 系列変異が 疑われる場合
必要に応じて 確認
継続的な⽀援
(US Preventive Services TASK FORCE, 2013)
⽬的
2020年4⽉に保険収載された後にBRCA遺伝学的検査を受けた⼈の 意識調査を⾏い以下の事項を明らかにすることを⽬的とする。
1)BRCA遺伝学的検査が保険適⽤になった後の受検者の意識を調 査する。受験の動機、⾎縁者に結果を伝えるのか、変異が⾒つかっ た場合の医療対応(予定も含む)、検査を受けたことに対する満⾜
度を調べる。
2)BRCA遺伝学的検査に伴う不安や抑うつなどの⼼理社会的指標 の変動を調査する。
3)BRCA遺伝学的検査を受けた⼈のパーソナリティ調査を⾏い受 検者のパーソナリティ分析を⾏う。
⽅法
BRCA検査時
① BRCA検査開⽰後
②
BRCA検査後6か⽉
③ 基本属性
〇 動機
(アンケート) 〇
理解度・知識
(評価シート) 〇
パーソナリティ
(アンケート) 〇
今後の健康管理
(アンケート) 〇 〇
⾎縁者への結果伝達
(アンケート) 〇 〇
満⾜度
(アンK−ト) 〇
POMS-2(短縮版)
(評価シート) 〇 〇 〇
基本属性:年齢、性別、結婚・⼦
供の有無、閉経の状況、⼿術後経 過年数(or術前)、癌の既往歴、
家族歴(外来時に家系図を作成)
(①)
BRCA 遺 伝 ⼦ 検 査 を 受 け た 動 機 (①)
BRCA検査の理解度調査(②)
パーソナリティに関するアンケー ト調査(①)
今後の健康管理や⾎縁者への結果 伝達に関するアンケート(②③)
BRCA遺伝⼦検査を受けたことに 関する満⾜度などのアンケート
(③)
抑うつ、不安などの感情の変化:
POMS2(短縮版)質問⽤紙(①
②③)
観察点は、BRCA遺伝⼦検査時(①)、結果 開⽰時(②)、検査終了後6か⽉前後の乳腺 科受診時(③)の3点。
POMS2(Profile of Mood States 2
ndEdition)
欧⽶の報告では、遺伝⼦検査前の遺伝カウンセリングは、癌発症の⼼
配、不安、抑うつを軽減してリスク認知の正確さを増加させる。また 遺伝⼦検査は、リスク認知を増加させるが変異陽性であった場合には がん発症の⼼配や不安が増加する、という傾向がみられる。
わが国ではBRCA検査前後の⼼理社会的評価はいまだなされていない。
全35項⽬(短縮版) 所要時間5分程度
【怒り−敵意】【混乱−当惑】【抑うつ−落ち込み】【疲労−無気⼒】【緊張−不安】
【活気−活⼒】【友好】の7尺度と、ネガティブな気分状態を総合的に表す「TMD得 点」から状態を評価。
所定の時間枠における気分状態を評価
実態調査・知識・満⾜度
BRCA遺伝⼦検査を受けた動機(①)
検査を受けることはどのように決めたか、保険収載されていなければ検査を受けなかったか など
BRCA検査の理解度調査(②)
BRCA遺伝⼦の検査について正しいものを選択式で出題
今後の健康管理や⾎縁者への結果伝達に関するアンケート(②③)
家族に結果について伝えたか、今後の健康管理について考えていること
BRCA遺伝⼦検査を受けたことに関する満⾜度などのアンケート (③)
検査を受けて良かったと思ったか
これまで⾃費診療としてBRCA遺伝学的検査を実施した事例と、4⽉より保険収載 してからBRCA遺伝学的検査を実施したケースではその背景、遺伝⼦検査に対する 受け⽌めや期待、変異があった場合の医療対応(リスク低減⼿術の受診率)などの 基本的な情報は不明である。
NEO-FFI (NEO Five Factor Inventory)
① 外向性:活動性、社交性、積極性
② 情緒不安定性:不安になりやすさ、⼼配しやすさ、動揺しやすさ
③ 開放性:経験に対する柔軟性、吸収⼒、好奇⼼の強さ
④ 誠実性:責任感、勤勉さ、粘り強さ
⑤ 調和性:協調性、愛他性、穏やかさ
パーソナリティの5因⼦理論―5つの特性次元に収束し、それぞれ⽣物学的な基盤を持っていると仮定している
NEO-FFIはNEO PI-R(240項⽬)の短縮版で質問項⽬が60項
BRCA遺伝学的検査受験者のパーソナリティ傾向を調査
精神傾向との相互性も確認できる
遺伝カウンセリングへの応⽤
5特性
対象
①同意取得時において年齢が20歳以上
②本研究への参加にあたり十分な説明を受 けた後、十分な理解の上、研究対象者本人 の自由意思による文書同意が得られた方
③「HBOC診療の手引き」CQ1の以下のいず れかの項目を満たしている乳癌患者(この 基準を満たしている場合、原則としてBRCA 遺伝学的検査が保険適用となる)
1)45歳以下の乳癌者
2)60歳以下のトリプルネガティブの乳 癌発症
3)2個以上の原発乳癌発症
4)第3度近親者内に乳癌または卵巣癌 発症者が1名以上いる
⽬標症例数:
本学で30例