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米国損害保険の種目別状況

住宅所有者保険の落雷による保険請求件数の多い州上位 10 州:2014 年

落雷

 米国海洋大気庁のデータによれば、2014 年の落雷による死者数は 26 人で史上最も少なかっ た 2013 年の 23 人との比較では増加している。しかし、過去 10 年間の平均である 33 人は 10 人下回っている。

住宅所有者保険における落雷による損害:2010 年~ 2014 年

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

増率(%)

2013年~

2014年 2010年~

2014年 保険金支払

件数 213,278 186,307 151,000 114,740 99,871 -13.0 -53.2

付保損害額

(百万ドル) 1,033.5 952.5 969.0 673.5 739.0 9.7 28.5 1件当たりの支

払保険金(ドル) 4,846 5,112 6,400 5,869 7,400 26.1 52.7 出典:米国保険情報協会、State Farm® 社

住宅所有者保険の落雷による保険請求件数の多い州上位 10 州:2014 年

順位 州 保険金支払件数 付保損害額

(百万ドル) 1件当たりの支払保険金

(ドル)

1 フロリダ 10,440 73.9 7,075

2 ジョージア 9,805 62.2 6,341

3 テキサス 5,622 60.0 10,671

4 ルイジアナ 5,007 25.1 5,009

5 ノースカロライナ 4,886 28.8 5,891

6 アラバマ 4,853 39.2 8,079

7 イリノイ 4,049 25.7 6,348

8 ペンシルバニア 3,960 21.7 5,491

9 テネシー 3,638 31.2 8,583

10 インディアナ 3,262 22.3 6,832

出典:米国保険情報協会、State Farm® 社

米国損害保険の種目別状況

洪水保険

米国損害保険の種目別状況

全米洪水保険制度

 洪水による損害は、標準の住宅所有者・借家人保険では免責とさ れている。洪水保険は、全米洪水保険制度(NFIP)や一部の民間 保険会社で別途加入することが可能である。

 1968 年、連邦議会は、税金を財源とする洪水被害者のための災 害救援費用の増加および洪水による被害額の増大に対応して、NFIP を設立した。将来の洪水損害を軽減するための氾濫原管理条例の採 択、施行に同意した地域では、NFIP によって連邦政府の支援による 洪水保険を入手することができる。NFIP は平均的な損害にとどまる 年については、これまで制度内で収支を賄ってきた。つまり、広範に 及ぶ災害が発生した場合を除き、事業経費および洪水保険金は洪水 保険契約の保険料によって賄われることになる。

 NFIP は、家屋構造物に対して最高 25 万ドル、個人の動産に対し て最高 10 万ドルまで補償する。民間洪水保険は、この基本補償を 上回る追加補償(上乗せ補償)を必要とする者や、地域が NFIP に 加盟していない者向けに販売されている。一部保険会社は、高額資 産専用保険を導入しており、非沿岸地域の家屋向けの補償や、従来 の洪水補償を拡張した補償を提供している。自動車保険の包括部分 は、洪水による損害の補償を含んでいる。

 米国保険情報協会が 2015 年に実施した調査によれば、全米住 宅所有者に占める洪水保険の購入者の割合は 14%で 2009 年以降 は毎年、ほぼ同水準である。洪水保険の購入者の割合は南部で最も 高く21%で前年の 20%から上昇している。北東部では 2015 年は 11%と前年比横ばいであった。他方、西部では前年の 8%から 9%

へと上昇、中西部でも 7%から 10%へと上昇している。

n 1983 年 に 始 まった 民 間会社引受プログラム

(Write Your Own プロ グ ラ ム、WYO) に は、

2015 年 10 月現在、保 険会社 79 社が参加して いる。同プログラムでは、

連邦政府に代わって保 険会社が保険証券を発 行し、洪水保険金の査 定を行う。

n 2015 年 8 月現在、洪水 保険の 67%が 1 世帯住 宅向け、21%がコンドミ ニアム向け、6%が業務 用施設およびその他の 非居住用物件向けであ り、2 世 帯 ~ 4 世 帯 住 宅およびその他の居住 用物件が残りを占めてい る。

n 2012 年 10 月に発生し たスーパーストーム・サ ンディー により、2015 年 10 月現在で NFIP は 80 億ドルの支払を行っ ている。これは 2005 年 のハリケーン・カトリー ナによる支払額 163 億 ドルに次ぐ金額である。

洪水保険

米国損害保険の種目別状況

n 2015 年 10 月現 在、 スー パーストーム・サンディーに よる NFIP 保険金請求件数 は 129,360 件、 平 均 支 払 額は 61,809ドルであった。

ハリケーン・カトリーナでは 保険金請求件数は 167,970 件、平均支払額は 97,140 ドルであった。

n 2014 年の洪水保険の平均 保険金額は 241,736ドル、

平均保険料は 665 ドルで あった。

n 2014 年の洪水保険金支払 額 は 平 均 29,033 ドルで、

スー パ ーストー ム・ サン ディーによる被害が発生し た 2012 年 の 60,488 ド ル から減少している。

n NFIP の既 経 過 保 険 料は、

2013 年 の 35 億 1,000 万 ドルから、2014 年には 35 億 6,000 万ドルへと微増し ている。

n 10 月末現在、連邦政府は 洪水 26 件を 2015 年の大 規模洪水に指定している。

2014 年は通 年で 31 件で あった。

洪水保険の損害

 全米洪水保険制度(NFIP)の保険金支払額は年によって大きく 異なる。2014 年の洪水損害支払額は 3 億 5,100 万ドルと 2013 年の損害 4 億 8,900 万ドルを下回り、スーパーストーム・サンディー による被害が発生した 2012 年の 91 億ドルを大幅に下回ってい る。2005 年には 178 億ドルと過去最大を記録しており、これには ハリケーン・カトリーナ、ハリケーン・リタおよびハリケーン・ウィ ルマによる損害が含まれている。洪水保険損害についての情報は、

151 ページを参照のこと。

 2005 年のハリケーン・カトリーナが広範囲に引き起こした洪水 により、NFIP の改革をめぐって議論が起きている。2012 年ビッガー ト・ウォーターズ洪水保険改革法は保険料に対する補助金を廃止 する等により連邦洪水保険プログラムの独立採算性を高めることを 目的としたものであった。同法により洪水保険に手が届かなくなる という苦情に応えて、2014 年 3 月、議会は同法を撤回、修正し、

保険料率引き上げの多くを無効にしている。

全米洪水保険制度:1980 年~ 2014 年

年末時点の

保有契約件数

支払済みの損害

件数 金額

(千ドル)

1980 2,103,851 41,918 230,414

1985 2,016,785 38,676 368,239

1990 2,477,861 14,766 167,897

1995 3,476,829 62,441 1,295,578

2000 4,369,087 16,362 251,721

2005 4,962,011 213,515 17,768,904

2007 5,655,919 23,183 614,007

2008 5,684,275 74,852 3,487,554

2009 5,700,235 31,027 780,115

2010 5,645,436 29,152 774,689

2011 5,646,144 78,057 2,427,308

2012 5,620,017 149,808 9,061,580

2013 5,568,642 18,046 488,815

2014 5,350,887 12,105 351,446

出典:米国国土安全保障省、連邦緊急事態管理庁

洪水保険

米国損害保険の種目別状況

米国の洪水保険:2014 年1

全米洪水保険制度

(NFIP)直受 民間会社引受プロ

グラム(WYO)引受 NFIP/WYO合計 契約件数 保有金額2

(百万ドル) 契約件数 保有金額2

(百万ドル) 契約件数 保有金額2

(百万ドル)

アラバマ 10,964 2,185.3 45,429 10,410.0 56,393 12,595.3

アラスカ 794 171.7 2,220 580.8 3,014 752.5

アリゾナ 6,650 1,505.2 29,639 7,046.0 36,289 8,551.2

アーカンソー 3,730 550.6 16,251 2,652.0 19,981 3,202.6 カリフォルニア 39,609 10,149.8 194,699 53,352.4 234,308 63,502.3

コロラド 4,757 1,106.0 18,887 4,743.2 23,644 5,849.3

コネティカット 2,913 649.7 38,941 9,825.6 41,854 10,475.3 デラウェア 5,012 1,308.6 20,023 5,394.9 25,035 6,703.6

ワシントンD.C. 97 25.9 2,338 438.6 2,435 464.5

フロリダ 163,567 41,853.7 1,783,937 425,872.4 1,947,504 467,726.1 ジョージア 18,494 4,457.0 74,251 18,913.4 92,745 23,370.4

ハワイ 2,540 563.5 58,116 12,651.4 60,656 13,214.9

アイダホ 1,204 271.0 5,365 1,241.0 6,569 1,512.0

イリノイ 12,859 2,204.2 34,246 6,706.7 47,105 8,910.9

インディアナ 6,797 1,055.4 21,179 4,026.3 27,976 5,081.7

アイオワ 3,065 465.3 12,576 2,422.6 15,641 2,887.9

カンザス 2,879 444.0 9,221 1,631.7 12,100 2,075.8

ケンタッキー 3,912 548.3 19,572 3,137.6 23,484 3,685.9 ルイジアナ 127,531 30,062.3 345,011 83,712.7 472,542 113,775.0

メイン 699 139.2 8,479 1,942.2 9,178 2,081.4

メリーランド 7,583 1,803.6 64,702 14,569.0 72,285 16,372.6 マサチューセッツ 5,646 1,242.3 53,505 14,429.4 59,151 15,671.7

ミシガン 4,897 727.1 19,726 3,638.3 24,623 4,365.4

ミネソタ 2,145 452.9 9,845 2,179.8 11,990 2,632.7

ミシシッピ 16,514 3,764.6 54,121 12,456.4 70,635 16,220.9

ミズーリ 4,681 730.7 19,850 3,582.0 24,531 4,312.7

モンタナ 1,044 199.4 5,070 1,004.2 6,114 1,203.6

ネブラスカ 2,642 386.6 9,277 1,687.8 11,919 2,074.4

ネバダ 2,433 546.8 10,885 2,793.4 13,318 3,340.1

(続く)

洪水保険

米国損害保険の種目別状況

米国の洪水保険:2014 年1(続き)

全米洪水保険制度

(NFIP)直受 民間会社引受プロ

グラム(WYO)引受 NFIP/WYO合計 契約件数 保有金額2

(百万ドル) 契約件数 保有金額2

(百万ドル) 契約件数 保有金額2

(百万ドル)

ニューハンプシャー 683 139.2 8,356 1,801.3 9,039 1,940.5 ニュージャージー 22,333 4,319.5 215,025 53,344.0 237,358 57,663.5 ニューメキシコ 2,602 464.7 12,645 2,492.2 15,247 2,957.0 ニューヨーク 26,773 5,642.4 162,099 45,052.0 188,872 50,694.4 ノースカロライナ 16,024 3,910.3 119,487 28,737.5 135,511 32,647.8 ノースダコタ 2,168 552.7 10,110 2,608.1 12,278 3,160.8

オハイオ 8,127 1,155.8 31,911 5,732.7 40,038 6,888.4

オクラホマ 3,782 662.5 12,740 2,484.4 16,522 3,146.9

オレゴン 6,966 1,587.7 25,055 5,945.1 32,021 7,532.8

ペンシルバニア 10,786 1,712.2 58,476 11,797.8 69,262 13,509.9 ロードアイランド 612 145.7 14,884 3,896.9 15,496 4,042.6 サウスカロライナ 25,622 6,893.4 164,848 44,629.5 190,470 51,522.9 サウスダコタ 1,037 211.6 4,212 938.6 5,249 1,150.2

テネシー 5,920 1,328.3 25,356 5,930.4 31,276 7,258.7

テキサス 111,070 29,459.2 489,540 127,863.4 600,610 157,322.6

ユタ 718 158.8 3,525 867.2 4,243 1,026.1

バーモント 378 65.8 3,937 854.3 4,315 920.1

バージニア 19,040 4,657.3 93,116 23,382.9 112,156 28,040.2 ワシントン 6,669 1,457.0 35,941 8,716.2 42,610 10,173.2 ウェストバージニア 5,120 575.0 14,315 2,059.6 19,435 2,634.6 ウィスコンシン 2,276 359.2 13,107 2,461.1 15,383 2,820.4

ワイオミング 464 101.0 1,839 430.6 2,303 531.7

米領サモア 1 0.0 0 0.0 1 0.0

グアム 168 31.0 68 15.5 236 46.5

北マリアナ諸島 5 0.4 2 1.0 7 1.4

プエルトリコ 145 16.5 13,464 1,856.2 13,609 1,872.7

バージン諸島 295 55.1 1,417 266.1 1,712 321.2

全米 745,442 175,233.2 4,522,836 1,097,206.2 5,268,278 1,272,439.4

1 NFIP 直受と WYO 引受の合計は四捨五入の関係で一致しない。

2 全保有契約の責任限度額合計。

出典:米国国土安全保障省 、 連邦緊急事態管理庁

地震保険

米国損害保険の種目別状況

地震保険:2005 年~ 2014 年

(単位千ドル)

正味収入保険料1 増率(%) コンバインド・レシオ2 変化率3

(ポイント)

2005 1,106,671 0.7 50.9 2.3

2006 1,315,423 18.9 40.4 -10.5

2007 1,246,538 -5.2 30.0 -10.4

2008 1,259,872 1.1 33.5 3.5

2009 1,288,353 2.3 36.3 2.8

2010 1,443,598 12.0 41.4 5.1

2011 1,467,372 1.6 55.8 14.4

2012 1,593,451 8.6 36.3 -19.5

2013 1,586,985 -0.4 30.3 -6.0

2014 1,641,847 3.5 34.1 3.8

1 再保険取引後、州基金を除く。

2 契約者配当後。コンバインド・レシオの低下は改善を表し、上昇は悪化を表す。

3 四捨五入前のデータから算出。

出典:SNL Financial 社

 標準的な住宅所有者保険、借家人保険および企業保険では、地震に起因する損害は担保さ れないが、特約または別契約により担保することができる。地震保険は揺れや衝撃による建造 物および家財の損害を担保する。地震に起因するものであっても、ガス管や水道管の破裂によ る火災や水濡れなどは、標準的な住宅保険や企業保険で担保される。地震保険は、主として 民間の保険会社が提供している。カリフォルニア州では、住宅所有者はカリフォルニア地震公社

(CEA)から加入することもできる。カリフォルニア地震公社は、民間が資金を拠出し公的に運 営されている機関である。カリフォルニア州の住民で地震保険に加入している者は、現在、約 10%のみである。この数字は、カリフォルニア州ノースリッジで地震が発生してから 2 年後の 1996 年には、30%程度であった。

 米国保険情報協会が 2015 年に住宅所有者を対象に行った調査によれば、回答者の 10%が 地震保険に加入していた。この比率は西部で最も高く18%、以下、北東部が 9%、中西部が 8%、

南部が 7%であった。地震保険損害についての情報は 155 ページを参照のこと。