ひとりぼっち
第 6 章
こどもセックス(ティヴァイ語る)
両親のかつての家の前で、ティーンエージの野郎が二人、愛情こめて抱き合ってた。そ して離れた。
ス ク ワ ッ ト
不法占拠の家のドアが開いた。入り口のタイルとカーペットづたいに夜明けが流れこ む。はだかの少年とはだかの少女が床に寝てた。血と卵の黄身みたいな太陽が、二人のほ とんど死んだみたいな目を刺激して起こした。
数時間にわたって、メイドだった若い女は大きなわらの椅子で寝てた。太陽光線が、鳩 みたいにタイルを行ったり来たりして、それから毛深い脚を這い上った。女は目をさま し、立ち上がりかけて、台所の流しによたよた近づき、太ももの半ばあたりまで覆ってい るボロきれを、ベルト代わりのボロの下に押しこみ、かつては台ふきんだったものをつか み、顔とマンコのびらびらを氷水でこすった。水が女の太ったももをつたい、彼女は冷た さで身震いした。ボロの下で、女の二本の脂肪の柱はこすれあって、太陽の熱と見まごう ほどの熱を起こす。
夜になると、革命的アルジェリア兵たちは売春宿で死ぬほど飲んだ。宿は海に面した大 通りに建ってる。ここでティーンの野郎どもは兵隊を探す。見つけると、畏怖のあまりそ のマンコ野郎をぶちのめす。少なくともそうしようとはした。兵隊をぶちのめせないや つ、つまりほとんどのやつらは、見かけたわずかな女を追い回した。ほんとは女なんかど うでもよかったんだけど。女の群れを捕まえると、ロープで縛り上げて窒息させた。それ から地べたに押しつけた。
野郎たちの数人は、ひざをついたり押し倒したりしないでも女を強姦できた。駅弁スタ
イルで強姦する。足はしっかりと通りを踏み締め、手は水夫みたいに腰にあてる。ほかの 野郎どもは感嘆した。
この男の子たちは親切じゃなかった。自分より若い連中はぶちのめす。一人二人は殺し たほど。赤ん坊だと小突きまわしてちいさなチンポコをひっぱたいた。ジャックナイフで 女の子の髪を切る。柔らかなブラウスを引き裂き、靴のヒールをむしり取り、ぴっちりし たジーンズを肉ごと切り裂く。
革命後のこと。
新革命アラブ警察のジープ6台
が若い子供たちのグループの前で停車。おまわりたちは拳銃の握りで子供たちをつつい た。ガキどもは鈍重な警察を取り囲んで、おまわりたちをジープのてっぺんに追いつめ た。それから黒青血みどろの子たちも、ジープの間で押しくらまんじゅうをする。ほかに することもなかったから、みんなかつての乳母のところに帰っていった。乳母たちは子供 たちのひざを洗い髪を切り靴下をつくろう。この果てしない夜通し。
半分はだかで胸に赤チンをたらした子供がベッドにすわってた。
どこかよそで、白いコットンのスリップ一枚で、聖ブブが仰向けになっている。ひざを 抱えて。
アブホールの妹オードリーが少年のすぐ隣で眠っていた。右手は少年の太ももに置かれ ている。それがスリップの下にすべりこむ。それから尻にかかる。まだ眠っていたけれ ど、聖ブブは片目を開けてオードリーの上に乗った。
オードリーは目をさまし、その気で手を相手のスリップの下に差し入れた。それを眠り で重く熱い二人のからだの間でこちょこちょさせると、やがて聖ブブがそれをもがく魚で あるかのように捕まえた。体重だけで娘の股を割る。このため、少年の手は女の白いブラ ジャーをつかんでいた。
片手が片方のカップを揉みしだく。かすかに下へ引き下ろす。手は小さな乳房を発見。
さわる。獣をつかむ。目覚めさせる。
娘のマンコ汁がはやくも少年の右ひざをつたい落ちていた。
歯で聖ブブは娘のトレーニング・ブラをはずす。永久歯は二本だけ。ブラは片方のおっ
ぱいの下にすべり落ちて少年のおなかをくすぐる。このくすぐりの結果を感じた娘の顔 は、その目の隅っこほどにも白くなった。わかったのだ。「ドン、あいつのこと忘れてた」
非在になるほど蒼白化。「あいつのことは二度と言わないで。あれは……あの時は本当の 道徳性と愛の時代だった。いまじゃ道徳性も愛も死んだわ。もう見ないもう泣かないも う愛さない。誰も。あんたでさえも。二度と泣かないし微笑まないんだ。コンクリートだ もの」
少年はこの戦時顔、この血の太陽、このミルク、このちくちくアリをキスした。唇はこ の透明性にあこがれた。右手が引っ張り、それから引きずり出したのは、二人のセックス の間にすべり落ちたスリップ。
娘は自分の足元まで少年を引き下ろす。少年は這いあがって女の頭をつかみ、揺さぶ る。青い髪が揺れ、枕の上に広がった。隣のアパートでは、女の子たちがかつてのメイド たちとしゃべっていた。元メイドの一人が手にした糸を歯で切った。歯の間でバランスを とっていた指ぬきの冷たさが彼女の唇を震わせる。聖ブブはオードリーの右と左の頬につ いた髪の毛をなめた。毛はかれの唇にくっつく。
「ブブ……あたし、ときどきママのこと考えるの。あたしをあったかくしてくれるのは ママだけだったわ。
その思い出はほとんど消えちゃった……もしかしてホントの思い出じゃないのかも……
その思い出はほとんど消えちゃった……
ドン。あたしのお兄ちゃん。海に向かって頭が落ちるくらいおもいっきり叫ぶような やつ。お高いやつでさ。口が悪くて。悪口辞典までつくっちゃったくらい。砂浜で、いっ しょにからだに砂をかけたっけ。しばらくは、小さなキャビンを見つけて、二人でそこに 住んでたの。食べなくてもよかったし寝なくてもよかった。愛し合ってた。愛し合ってた から、死なないはずだった。
ほかの子たちみんなも、兵隊たちも、ほっといてくれたわ。
服は海草とジーンズやスリップや貝殻やブラジャーやコンドームの切れっぱし。はだか の子供たちだったわけ。
パパはと言えば、パパはもう死んだわ。たぶん地獄にいるんだ、あのクソ。とうとうホ ントの家だけは手に入れたってわけ。それに引きかえこっちはと言えば、戦争とともにあ ちこち流れてったわ。行く先々で誰かしら男の子に会って、その子があたしにしたい放題
しまくった。あたしは自分のことを気にしないことで生き延びたんだ。スベタどもはあた しを理解してくれる。あたしも向こうが理解できた。あたしは娼婦だったことないけど さ、ね、でも人生が教えてくれたことがあって」とアブホールの妹は説明。「いつだって 娼館には家が見つかるってこと。何も誰も気にしない限り生き延びられるってこと。人に なんて言われようと。幾つの手があたしにさわろうと。自分が感じる肉体的な苦痛も。何 が起きても。
あんたといっしょだと、あたしは自分が何かを感じるのを許しちゃったんだけど。で も、それはまちがってるのよ」と娘。
「娼婦だってのは、セックスと感情を分けるってことね。セックスは金と同じくらい無 意味な活動。あたし、すごい娼婦になれると思う。一財産つくれるかも」と娘は叫ぶ。「た だ、あたしのマンコがこんなヒリヒリしなかったら! 肉体的によ。コーマンすんのもが まんできないくらい。立て続けに一発以上やったら、マンコがあざになって、病気をうつ されちゃう。もし娼婦だったら、死ぬわ」
聖ブブは返事をしなかった。
「ドンお兄ちゃんはあたしの毛をむしろうとした。それからひざであたしを押す。自分 のひざが鉄砲だって信じてたから。上体が前に倒れる。鉄砲があたしの脚の間にすべりこ む。囚人になったみたいな感じで、『言うとおりにしないと撃つぞ』ってお兄ちゃんが冷 たく告げる。あたしは服を脱ぐ。でも、この真の命令者を、あたしのからだだけで命令か ら切り放すのは無理だった。だって、お兄ちゃんは官能性のことなんか気にしなかったか ら。あたしたち二人とも、他人の肉体にさわれなかったの。さわるために、お兄ちゃんは 命令しなきゃならなかった。あたしに命令したわ。いろんな体位を。世界を創りあげてあ たしが疲れきってもう遊べなくなると、命令に従えなくなると、お兄ちゃんはあたしを抱 きしめて、鼻ヅラをこっちの腋の下に突っ込んだ。それから甘く濡れた鼻を、ほっぺたに 押しつけた。歯でチンポコの先っぽをかじってやったわ。痛がって泣き出したから笑っ ちゃった。
お兄ちゃんとあたしは二人で一人前だったもんで、いまじゃあたしのと同じくお兄ちゃ んの心臓は切りとられて消えてんの。あたしと同じく、ドンも未練たらしく自分の心臓を 見つめる。あたしたち、そいつを、自分たち自身を踏みにじる時、自由になんのよ、ブブ」
聖ブブやオードリーみたいな子供と、水夫とジプシーが、戦後のこの時期、みんなして