第5章 所望の QZ レベルを得るための
5.6 第5章のまとめ
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-これまでと同様に,移動通信端末のサイズを直径150 mmの円と仮定した場合 の円を同図に点線で示す。これらの結果から振幅で ±0.20 dB,位相で ±2.55 度以内の変化に収まっており,送信アンテナ近傍で,振幅,位相分布のみの評 価であるが平面波に近い理想的なフィールドが,この700 MHzにおいても得られ ていることが確認できる。また,電波暗箱の外形寸法(1.4 m × 1.55 m × 1.55 m)は,目標とした最大外形寸法(2.0 m × 1.5 m × 1.5 m)に対して,y, z 方向で,50 mm超えているが,目標の最大体積は,十分満足している。
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で評価が可能でなく,限定した領域ではあるが,スマートフォンサイズの評価 に,十分適用できる領域を確認した。更に,この領域は,タブレットサイズま で対応可能である。
次に,移動通信端末の受信評価には,基地局からの受信信号を想定するため,
受信信号の波面は,理想的には平面波に近いフィールドで行う必要がある。こ のため,電界振幅および位相分布を求め,移動通信端末のサイズを直径 150 mm の円と仮定した場合,中心と直径150 mm間の差は,それぞれ,振幅で ±0.55 dB,
位相で ±5.40度以内に収まっており,送信アンテナ近傍においても振幅,位相 分布のみの評価であるが平面波に近い理想的なフィールドが得られていること を確認した。以上の結果から本構造の電波暗箱を移動通信端末の受信評価環境 として,適用の可能性を示した。
更に,評価周波数の最低周波数である700 MHzに関して,1.5 GHzで適用した ピラミッド型電波吸収体の反射係数では,所望の QZ レベルが得られないため,
1.5 GHzの検討から得られた電波暗箱の内寸法を維持して,700 MHzで反射係数
が,-37.7 dB 得られるピラミッド型電波吸収体に置換えて,電磁界解析シミュ レーションにより同様の検証を行った結果,測定可能領域は,400 mm × 650 mm
× 450 mm,波面特性は,振幅で ±0.20 dB,位相で ±2.55 度以内が得られ,
700 MHzでも移動通信端末の受信評価に耐えうる環境が得られることを確認した。
また,700 MHzと1.5 GHzの双方で検討した電波暗箱の体積は,1.2節で,目標 とした最大外形寸法から求めた最大体積を十分満足している。これにより,実 験による検証が必要であるが,これまで提案してきた受信評価が可能な電波暗 箱構造として,波源にホーンアンテナを適用して,電波暗箱内部で,伝搬方向 に垂直な断面となる y, z 方向の寸法を広げることで (図5-10および図5
-16を参照),側面からの反射波を抑え,対面の電波吸収体による反射波を主
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-とする考え方が,目指す方向として正しいと言える。今後,これらの検討結果 を実験により検証し,この考え方を発展させ,評価対象物の寸法形状も考慮に 入れ,最適な寸法形状を求めることが,今後の検討項目として残る。
次章では,本章での検討結果を基に,広帯域化について,アンテナを中心に 触れ,小型化および特性改善の可能性についても記述する。
参考文献
(1) 小林一彦・村山健太郎・保田麻耶・三枝健二:「次世代無線携帯端末向け 受信評価用電波暗箱の基礎検討」,電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部 門誌)Vol. 137, No.1, pp.34 - 45 (2017-1).
(2) W.D.Burnside, I.J.Gupta and T.-H. Lee : “Indoor antenna measurements”, Antenna Engineering Handbook, 4th ed. (Ed. by J.L.Volakis), McGraw-Hill, chapter 50 (2007).
(3) 村山健太郎・保田麻耶・小林一彦・三枝健二:「携帯端末の無線通信特性 評価用電波暗箱の広帯域化の検討」,信学技報,EMCJ2015-128, pp.23 - 28 (2016-3).
(4) 安斎弘樹・才川亮・水本哲弥・内藤喜之 : 「ピラミッド形電波吸収体の 特性解析 -近似モデルと TE 波への適用-」,電子情報通信学会論文誌 B-II 研究速報, Vol.J78-B-II No.3, pp.191 - 199 (1995-3).
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