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提案する電波暗箱の構造

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第5章 所望の QZ レベルを得るための

5.1 提案する電波暗箱の構造

目標のQZ レベル -30 dB 以下の領域を実現する電波暗箱を得るためには,電 波吸収体の特性を十分引き出す必要がある。このため斜入射を極力削減(入射角

を50度以下(2))した構造を基本とすることが重要である。よって波源を無指向性

の線状アンテナであるモノポールアンテナから,ある特定の方向に鋭い指向性 を持ったホーンアンテナに変更した。これにより,直接波の多くを垂直入射と なる対面の電波吸収体に入射させることができる。次に,電波暗箱の構造面で は,斜入射による一次反射波が発生しやすい壁面の影響を少なくするために,

第3章で電波暗箱のシミュレーションに用いた図3-1の電波暗箱のサイズに 比べ,伝搬方向に垂直な断面となるy, z方向の寸法を広げ,極力,斜入射によ

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-る一次反射波を抑えることを図った。また,波源側は,アンテナの放射を妨げ ないように,アンテナ周辺の面は,平板型電波吸収体を敷き詰めた構造とした。

更に,移動通信端末の評価では,基地局からの受信信号を想定するため,受信 信号の波面は,平面波である。このため波源をホーンアンテナに変えることは,

電波暗箱内の反射波の影響を低減するだけでなく,平面波に近づけることも目 的としている。図5-1に,上部から内部を見た,新たにモデリングした電波 暗箱構造図を示す(3)。この図から内寸法は,Sx=1050 mm,Sy=500 mm,Sz=500 mm である。外寸法は, 適用するピラミッド型電波吸収体の高さによって決まり,

この場合,高さが 200 mm であるので(図2-12を参照),x 方向 1300 mm,y

方向900 mm,z方向900 mmとなる。波源であるホーンアンテナの開口面は,こ

の図において,左側面の中心であるy=z=450 mmに開口面の中心を配置した。こ のため,これまでの電波暗箱とは異なり,影像法が適用できない構造となる。

図5-1. 新たにモデリングした電波暗箱構造図(Internal View)

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尚,図5-1において,上部は,便宜上,内部構造を示すために,上部に設 置するピラミッド型電波吸収体は除いている。シミュレーションおよび評価時 に,上部は,下部と同様にピラミッド型電波吸収体が配置される。以降,同様 の状態にして,全ての電波暗箱の電磁界解析シミュレーションを実施している。

次に, 図5-2に,ホーンアンテナの寸法図を示す。ここで,λg は導波管 の管内波長である。検討を行う各周波数(700 MHz, 1.5 GHzそして3.0 GHzの3 周波数)における導波管サイズとビーム幅を表5-1に示す。図5-1に示す新 構造の電波暗箱内の電界分布等を求める電磁界解析シミュレーションでは,こ の表に示す各周波数の導波管サイズを適用している。また,各周波数のビーム 幅を比べると,700 MHzのビーム幅がより広い特性を示しているので,低周波ほ ど斜入射による側面からの一次反射波の影響が大きいと考える。

図5-2. ホーンアンテナ寸法図

表5-1. 各周波数の導波管サイズとビーム幅

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-本研究は,電波暗箱を適用した多周波および広帯域の同時測定が可能な評価 環境の提供を目的としているため,ホーンアンテナの開口面寸法は,固定とし た。実際に,基地局からの信号を受信する場合,その受信信号の波面は,平面 波であることから,いかに測定する全周波数において,平面波に近づけられる かを考慮しつつ,測定の利便性を確保することが重要である。ホーンアンテナ の開口面寸法は,それにより指向性が変化するため,各周波数において,適切 な寸法の可能性も考えられるが,本論では基礎検討として,最低検討周波数で ある700 MHzの導波管サイズを考慮して300 mm × 300 mmに固定した。

尚,ダブルリッジホーンアンテナを適用すれば,1つのアンテナで全周波数の 測定が可能であると考える。このダブルリッジホーンアンテナについては,6.1 節で触れる。

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