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1.平均費用比較

第 2 章、第 3 章において各情報通信インフラの積算方法について説明したが、本章では、その算出結 果について詳述する(単純積算結果については、個々の離島でみた場合、実際の費用と大きく異なる 可能性があるため、平均費用で検討を実施する)。

まず、各情報通信インフラ各々で全ての離島に構築した場合の費用比較を行う。

(1)ラストワンマイルの費用

ラストワンマイルのイニシャルコストの平均費用は、以下のようになる。

図表 4-1.ラストワンマイルイニシャル平均費用

146,103 114,305

34,644

311,179 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 FTTH

無線LAN ADSL

CATV

(千円)

イニシャル

FTTH 無線LAN ADSL CATV

イニシャル 146,103 114,305 34,644 311,179

CATV がもっとも高く、約 3 億 1,200 万円となっている。次いで FTTH が約 1 億 4,600 万円、無線 LAN が約 1 億 1,400 万円と続き、ADSL が約 3,500 万円でもっとも安価となっている。利用料や容量を検討対 象としなければイニシャルコストは ADSL がもっとも推奨されることとなる。

図表 4-2.ラストワンマイルランニング平均費用

7,209 8,558 3,183

20,301

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

FTTH 無線LAN ADSL CATV

(千円)

ランニング保守費/年

FTTH 無線LAN ADSL CATV

ランニング保守費/年 7,209 8,558 3,183 20,301

ランニングコストの平均だけを見た場合も、ADSL が約 320 万円ともっとも安価である。ただし、FTTH は 約 720 万円と無線 LAN の約 860 万円よりも安価となっており、FTTH と ADSL との差も約 4.2 倍から約 2.3 倍へと縮小している。ランニングコストの観点だけからみると FTTH も比較的安価な部類に入る。

図表 4-3.ラストワンマイル 1 世帯あたり月額

27.55 23.18 22.28

69.29

0 10 20 30 40 50 60 70 80

FTTH 無線LAN ADSL CATV

(千円)

1世帯月額(ランニング)

FTTH 無線LAN ADSL CATV

1世帯月額(ランニング) 27.55 23.18 22.28 69.29

続いて、1 世帯あたりのランニングコストをみてみると、FTTH、無線 LAN、ADSL ともにほぼ差はなくな ってくる。他と比較して無線 LAN が安価となり、ADSL が高額となっている。これは、無線 LAN は世帯数 に応じて費用が大きく変動するが、ADSL は世帯数が極端に少ない場合に応じた費用の変動割合を低 く設定しているためである(ADSL は DSLAM のスロット数が変わる場合、費用は変動するが、10 世帯以 下の離島の平均値が極端に高くなるため、全体的に平均値が上昇している)。

図表 4-4.ラストワンマイルイニシャル込 1 世帯あたり月額

80.22 60.93 59.99

190.44

0 50 100 150 200

FTTH 無線LAN ADSL CATV

(千円)

1世帯月額(イニシャル込)

FTTH 無線LAN ADSL CATV

1世帯月額(イニシャル込) 80.22 60.93 59.99 190.44

補助事業の処分制限期間を用いてイニシャルコストをランニングコストに換算した場合の 1 世帯あたり の月額費用は、無線 LAN と ADSL がほぼ同額となっている。すべての離島に無線 LAN を構築した場 合と ADSL を構築した場合の平均費用は同額と考えることができる。

以上、ラストワンマイルに関しては、イニシャル・ランニングコストともに ADSL が突出して安価となってい るが、1 世帯あたりの費用で比較した場合、ほぼ同額となる。世帯数が少ない離島では、無線 LAN の費 用が安価であり、世帯数の多い離島では ADSL が安価であることがうかがえる。

(2)バックボーンの費用

バックボーンのイニシャルコストの平均は、以下のようになる。

図表 4-5.バックボーンイニシャル平均費用

371,220 34,195

100,804 34,072

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 海底光

衛星ベストエフォート 衛星専用線 FWA

(千円)

イニシャル

海底光

衛星ベストエフォート

衛星専用線 FWA イニシャル 371,220 34,195 100,804 34,072

FWA が約 3,400 万円ともっとも安価となっている。次いで僅差で衛星ベストエフォートが続いている。

海底光ファイバーケーブルは約 3 億 7,100 万円と他と比べ格段に高くなっている。利用料や容量を検討 対象としなければイニシャルコストは衛星ベストエフォートと FWA がもっとも推奨されることとなる。

図表 4-6.バックボーンランニング平均費用

40,772 25,419

15,472

37,043 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 海底光

衛星ベストエフォート 衛星専用線 FWA

(千円)

ランニング保守費/年

海底光

衛星ベストエフォート

衛星専用線 FWA ランニング保守費/年 40,772 25,419 15,472 37,043

ランニングコストでは、イニシャルコストで 2 番目に高かった衛星専用線が約 1,500 万円でもっとも安価 となっている。次いで衛星ベストエフォートが約 2,500 万円で続いている。FWA は、ランニングコストは高 額となり、海底光ファイバーケーブルとほぼ同様の約 3,700 万円となっている。

図表 4-7.バックボーン 1 世帯あたり月額

206.62 29.00

92.89

208.62

0 50 100 150 200 250

海底光 衛星ベストエフォート 衛星専用線 FWA

(千円)

1世帯月額(ランニング)

海底光

衛星ベストエフォート

衛星専用線 FWA 1世帯月額(ランニング) 206.62 29.00 92.89 208.62

1 世帯あたりのランニングコストの月額では、衛星ベストエフォートが極端に安価となっている。次いで 衛星専用線となり、海底光ファイバーケーブルと FWA はほぼ同額となっている。衛星専用線・FWA は 世帯数に応じて、あまり費用が変動しない積算方法であるが、衛星ベストエフォートは世帯数に応じて、

費用が大きく変動する積算方法であるため、少数世帯の離島における費用が他と比べて安価となる(全 体費用も安価となる)ためである。1世帯あたりの平均費用比較では、衛星ベストエフォートがもっとも推 奨されることになる。

図表 4-8.バックボーンイニシャル込 1 世帯あたり月額

470.92 35.11

179.79 235.64

0 100 200 300 400 500

海底光 衛星ベストエフォート 衛星専用線 FWA

(千円)

1世帯月額(イニシャル込)

海底光

衛星ベストエフォート

衛星専用線 FWA 1世帯月額(イニシャル込) 470.92 35.11 179.79 235.64

1 世帯あたりのイニシャル込ランニングコストの月額でも、傾向はほぼ同じである。ただし、海底光ファイ バーケーブルはランニングだけでは FWA よりも安価だったが、イニシャルコストも含まれた場合は、FWA の約 2 倍の費用となる。

以上、バックボーンに関しては、どの項目においても衛星ベストエフォートが比較的安価であり、海底 光ファイバーケーブルが高額となる。FWA は、イニシャルコストは安価であるが、ランニングコストでは比 較的高額となる傾向にある。コストの観点からみた場合は、衛星ベストエフォートがもっとも推奨される情 報通信インフラになる。

(3)バックボーン+ラストワンマイルの費用

ラストワンマイルとバックボーン回線を組み合わせた場合の比較は以下のようになる。

図表 4-9.ラストワンマイル+バックボーンイニシャル平均費用

517,323 485,526 405,864

682,399 176,667

145,107 68,375

340,261 180,298

148,500 63,215

345,374 246,907 215,109 129,824

411,983

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 海底光+FTTH

海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV 衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH 衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

(千円)

イニシャル

海底光+FTTH海底光+無線LAN海底光+ADSL 海底光+CATVFWA+FTTH FWA+無線LANFWA+ADSL FWA+CATV 517,323 485,526 405,864 682,399 176,667 145,107 68,375 340,261

衛星ベスト+FTTH衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV衛星専用線+FTTH衛星専用線+無線LAN衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

180,298 148,500 63,215 345,374 246,907 215,109 129,824 411,983

ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合のイニシャルコストの平均値では、衛星ベストエフ ォート+ADSL がもっとも安価である。次いで、FWA+ADSL、衛星専用線+ADSL であり、全般的にラストワ ンマイル側の費用に影響を受けている。なお、ADSL は衛星との組み合わせのみ離島中心から海底光 ファイバーケーブル陸揚地点等への専用線敷設費用が必要ないと規定している。このため、その次に 安価な組み合わせは、FWA+無線 LAN となっており、無線 LAN、FTTH、CATV との組み合わせでは衛 星ベストエフォートよりも FWA の方が安価になっている。

図表 4-10.ラストワンマイル+バックボーンランニング平均費用

47,981 49,330 43,955

61,073 44,084

45,307 40,198

57,127 32,629

33,978 28,321

45,720 22,682

24,031 18,374

35,773

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 海底光+FTTH

海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV 衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH 衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

(千円)

海底光+FTTH海底光+無線LAN海底光+ADSL 海底光+CATVFWA+FTTH FWA+無線LANFWA+ADSL FWA+CATV 47,981 49,330 43,955 61,073 44,084 45,307 40,198 57,127

衛星ベスト+FTTH衛星ベスト+無線LAN衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV衛星専用線+FTTH衛星専用線+無線LAN衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

32,629 33,978 28,321 45,720 22,682 24,031 18,374 35,773

ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合のランニングコストの平均値では、衛星専用線 +ADSL がもっとも安価である。次いで、衛星専用線+FTTH であり、ランニングコストも全般的にバックボ ーン側の費用に影響を受けている。

図表 4-11.ラストワンマイル+バックボーン 1 世帯あたり月額

234.17 229.80 228.89

275.91 236.50 232.01 231.18

278.84 56.55

52.18 49.49

98.29 120.44 116.07 113.39

162.18

0 50 100 150 200 250 300

海底光+FTTH 海底光+無線LAN 海底光+ADSL 海底光+CATV FWA+FTTH FWA+無線LAN FWA+ADSL FWA+CATV 衛星ベスト+FTTH 衛星ベスト+無線LAN 衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV 衛星専用線+FTTH 衛星専用線+無線LAN 衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

(千円)

1世帯月額(ランニング)

海底光+FTTH海底光+無線LAN海底光+ADSL 海底光+CATVFWA+FTTH FWA+無線LANFWA+ADSL FWA+CATV 234.17 229.80 228.89 275.91 236.50 232.01 231.18 278.84

衛星ベスト+FTTH衛星ベスト+無線LAN衛星ベスト+ADSL 衛星ベスト+CATV衛星専用線+FTTH衛星専用線+無線LAN衛星専用線+ADSL 衛星専用線+CATV

56.55 52.18 49.49 98.29 120.44 116.07 113.39 162.18

ラストワンマイルとバックボーンを組み合わせた場合の 1 世帯あたりのランニング月額では、衛星ベスト エフォート+ADSL がもっとも安価となっている。以降も衛星ベストエフォートとの組み合わせであり、1 世 帯あたりのランニングコストでもバックボーン側の費用が影響を与えているが、衛星ベストエフォートが最 安価上位4つを全て占めていることから、ランニングコストの時よりもさらに顕著にバックボーンの影響を 受けているといえる。

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