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バックボーン情報通信インフラの積算方法

1.海底光ファイバーケーブル

(1)海底光ファイバーケーブルの現状・構成

現在、通信事業者が離島部など条件不利地域で提供しているブロードバンドサービスとしては、ADSL が中心であり、離島から本土間、近接離島間の通信設備としては、海底光ファイバーケーブルによる設 備、伝送無線や衛星無線による設備が主流となっている。

海底光ファイバーケーブルの建設にあたっては、「海底ケーブルの陸揚げ地やケーブルルートの選 定」、「海底ケーブル敷設ルート設計」、「漁業協同組合との折衝」、「敷設ルート確定のための詳細調 査」、「敷設のための海底面調査」、「ケーブル埋設のための海底下調査」、「敷設工事」などを考慮する 必要がある。また、海底光ファイバーケーブルを建設後、安定した通信サービスを確保するためには、

「ケーブルの修理や故障を未然に回避するための予防保全」、「設備情報の維持管理など迅速に対処 できる運用・保守体制」が不可欠となる。

海底光ファイバーケーブルを使用した伝送システムでは、回線断の可能性の高い浅海部分で外装ケ ーブルを、回線断の可能性の低い深海部分で無外装ケーブルを使用することが一般的である。さらに、

伝送距離が長距離の場合には、信号を正確に伝達するための中継器等機器が必要となる。

図表 3-1.海底光ファイバーケーブルを使用した伝送システムの構成イメージ

外装ケーブル 無外装ケーブル

本土側 ネットワーク 島内側

ネットワーク

島内 海底光ファイバーケーブル 〔積算範囲〕 本土

中継器 1 0 0 km

外装ケーブル

局舎 局舎

ケーブル接続

外装ケーブル 無外装ケーブル

本土側 ネットワーク 島内側

ネットワーク

島内 海底光ファイバーケーブル 〔積算範囲〕 本土

中継器 1 0 0 km

外装ケーブル

局舎 局舎

ケーブル接続

(2)海底光ファイバーケーブルの積算方法

海底光ファイバーケーブルの建設費用・運用保守費用の積算方法を以下に示す。建設費用につい ては、施工費用と物品費用の各項目を積算し、算出3する。また、運用・保守費用については、その形 態と諸条件をもとに算出する。なお、海底光ファイバーケーブルでは調査に多大な費用がかかる場合が あるため、工事とは別に調査費用も計上している。

○イニシャルコスト

①海洋調査 海底面の調査費用。磁気調査等が必要となる。

②線路敷設工事 敷設工事費。埋設方式と非埋設方式がある。

③漁業補償 漁港がある場合、補償費用が発生する場合がある。

④海底ケーブル 海底光ファイバーケーブル。外装ケーブルと無外装ケーブルがある。

⑤中継器 敷設距離が長距離の場合、中継器を設置する必要がある。

○ランニングコスト

⑥保守・運用費用 イニシャルコストとは別に駆けつけ条件による設定を考慮する必要があ る。また、専用線利用料が必要となる場合がある。

①海洋調査

海底光ファイバーケーブルの建設では、ケーブルを敷設する海底面や海底下など調査・分析が必 要となる。海底面の調査では、海底の地形や海底表面の土質分布等を、海底下の調査ではケーブ ル埋設が必要な区間の海底下の地層分布や堆積層の厚さ等を調査する。また、ケーブルの陸揚げ 地やルート選定など調査結果をもとに、詳細な設計が必要となる。

費用積算においては、調査方法および船舶種別を離島毎に設定の上、調査・解析費用と設計費 用を積算し、算出を行う。

○イニシャルコスト

●算出方法

「調査費用(一般、磁気探査調査)」+「調査解析・設計」

一般的調査:平面測量、ルート測深、海底面・海底下などを調査

磁気探査調査:海底に埋設されている金属類、ケーブル等の位置などを調査 調査解析・設計:調査データの解析、ルート設計

3 海底光ファイバーケーブルの陸揚げ作業に伴う陸上における土木費用等については、諸条件による変動幅が大きいため積算 対象から除外する。

●計算方法

○「調査費用(一般、磁気探査調査)」

「調査単価*1」*「調査日数*2

*1.「調査単価」:

条件 1.一般海洋調査*1-1で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場 合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。

条件 2.一般海洋調査で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)

における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。

条件 3.一般海洋調査+磁気探査調査*1-2で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。

条件 4.一般海洋調査+磁気探査調査で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30 m以深の場合)における海洋調査単価を離島状況を鑑み設定。

*1-1.「一般海洋調査」:磁気探査調査が不要な場所に適用

*1-2.「一般海洋調査+磁気探査調査」:瀬戸内エリアや海上保安庁に特に指摘された場所に適 用

*2.「調査日数」:

区間長(最近接陸地距離)×8(側線数)÷調査可能距離/日+その他(準備、回航、出帰港にかか る日数)について個別に設定し計上。一般海洋調査と一般海洋調査+磁気探査調査で調査可能 距離は異なる。

○「調査解析・設計」

「基本料*3」+「基本単価*4」*「区間長」

*3.「基本料」:

一般的な費用を離島状況を鑑み設定。

*4.「基本単価」:

1km あたりの解析費用を設定。一般海洋調査と一般海洋調査+磁気探査調査で基本単価は異な る。

②線路敷設工事

海底光ファイバーケーブルの敷設では、ケーブルの敷設エリア、特に沿岸部や漁場付近では、大 型船の錨や底引き網によるケーブル損傷などが発生しやすいため、その方法を考慮する必要がある。

敷設方法には、主に埋設方式と非埋設方式があり、ケーブル損傷が発生しやすいエリアでは埋設方 式によるケーブル敷設が一般的である。

また、敷設工事においては、ケーブルの敷設規模(ケーブル長や移動距離等)に応じた船舶の採

用(大型・小型船舶等)、防護壁等敷設工事の安全確保のための対策も必要となる。

費用積算においては、敷設方式および船舶種別を離島毎に設定の上、敷設費用と防護費用を積 算し、算出を行う。

○イニシャルコスト

●算出方法

「敷設費用(埋設/非埋設)」+「防護費用」

埋設方式:ケーブルの損傷予防のため、海底に設置のケーブル類を埋設

非埋設方式:埋設方法が採用できない場合、深海または急傾斜の場合などに適用

●計算方法

○「敷設費用(埋設/非埋設)」

「敷設単価*1」*「施工日数*2

*1.「敷設単価」:

条件 1.埋設*1-1で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場合)における 敷設単価を離島状況を鑑み設定。

条件 2.埋設で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)における 敷設単価を離島状況を鑑み設定。

条件 3.非埋設*1-2で小型船舶:最近接陸地距離が 10km未満の場合(水深 30m以浅の場合)にお ける敷設単価を離島状況を鑑み設定。

条件 4.非埋設で大型船舶:最近接陸地距離が 10km 以上の場合(水深 30m以深の場合)における 敷設単価を離島状況を鑑み設定。

*1-1.「埋設」:水深 500m 以浅、かつ埋設可能な場所に適用

*1-2.「非埋設」:埋設方式が不可な場所に適用

*2.「施工日数」:

工事日数(小/大型船舶):区間長/km÷施工可能距離/日+その他(準備、回航、出帰にかかる日 数)について個別に設定し計上。埋設と非埋設で一日あたりの施工可能距離が異なる

○「防護費用」

「基本単価*3」*「防護日数*4

*3.「基本単価」:

一般的な費用を離島状況を鑑み設定。

*4.「防護日数」:

北方・本土・瀬戸内・南方エリア別に防護日数を設定。

③漁業補償

海底光ファイバーケーブルの建設では、関係各所との対応を図り、ケーブル敷設ルートの確定に 際する諸問題を解消する必要がある。特に、海底光ファイバーケーブルを敷設する際に、漁業権等 の制限(一定期間漁業禁止区域となる場合)、消滅(漁業禁止区域となる場合)による生活保障の問 題(漁業補償)を考慮する必要がある。

費用積算においては、参考費用を設定し、積算を行う。

○イニシャルコスト

●算出方法

「漁業補償」

●計算方法

○「漁業補償」

一般的な費用から離島状況を鑑み漁業補償費を設定。

④海底光ファイバーケーブル

海底光ファイバーケーブルを敷設する際には、敷設場所や環境、敷設距離などの諸条件に応じて ケーブルを選択する必要がある。特に沿岸部など浅海部分や漁場付近では、投錨や土砂災害の影 響によりケーブル損傷が発生しやすいため、外装ケーブルを使用することが一般的である。

費用積算においては、一般的に使用される一重外装ケーブルを適用した場合で積算し、算出を行 う。ただし、一部離島4においては、区間長(ケーブル長)が遠距離かつ深海となるため、無外装ケー ブルを適用した場合で積算し、算出を行う。

○イニシャルコスト

●算出方法

「ケーブル単価」*「区間長」

無外装ケーブル:水密を保つためのポリエチレン、電力供給用の銅被などのみで構成されたケー ブル。ケーブル断の可能性の低い深海部分に用いられる。

外装ケーブル:光ファイバーを保護するため、ケーブル周囲を鋼帯などで覆い、強化したケーブ ル。ケーブル断の可能性の高い浅海部分に用いられる。

●計算方法

○「ケーブル単価」

4 小笠原諸島、南北大東島を指す。

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