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研究開発成果 研究開発成果 研究開発成果  研究開発成果

ドキュメント内 [制度名] (ページ 38-45)

8.1 事業全体の成果のまとめ事業全体の成果のまとめ事業全体の成果のまとめ事業全体の成果のまとめ 8.1.1     新規触媒の基礎研究  新規触媒の基礎研究新規触媒の基礎研究新規触媒の基礎研究

    固体触媒の設計に関する共通基盤技術を確立するために酸化物単結晶と粉末 のように形状の異なる触媒を用いて各種評価を行い、以下の手法の触媒設計への 有効性を確認した。

1.  コンピューター技術による触媒反応モデルの構築  2.  薄膜作製装置で作製した膜による触媒評価 

3.  各種表面分析機器による In‑situ での薄膜の触媒性能評価 

上記の結果を用い、酸化スズ触媒によるメタン酸化のメカニズムを計算化学と表 面分析を駆使して解明した。さらに酸化スズ酸素原子の活性を制御することによ り選択酸化生成物(メタノール・ホルムアルデヒド)を得ることに 

成功した。即ち、触媒開発を設計的に進める方法を開発した。 

 

8.1.2     新規触媒の研究開発  新規触媒の研究開発新規触媒の研究開発新規触媒の研究開発 1. 光触媒の研究開発 

目標の太陽光 1%の変換効率を目指し、さらには中間評価時に指摘された 可視光利用を図るため、以下のように「多層薄膜光触媒」を構築した。 

 

多層薄膜光触媒は図 8.1.1 のように

3 層 p-I-n タンデム型アモルファス

シリコン太陽電池で構成される半 導体薄膜と水素発生電極薄膜触媒

(CoMox)と 酸 素 発 生 電 極 触 媒

(FexNiOy)で構成される。

太陽光シミュレーターの照射下で、

太陽光受光面積 0.5 ㎝×0.5 ㎝のサ ンプルを用い、表 8.1.1 に示すよう に水素生成における光エネルギー 変換効率約2.8%を得た。

図 8.1.1.  多層薄膜光触媒模式図 太陽光

-

-+ + OH-O2

H+

H2

H2

O2

水(電解液)

触媒(水素発生)

導電性基板 半導体薄膜 触媒(酸素発生)

表 8.1.1  作製した多層薄膜光触媒モジュールによる水分解時の諸特性 モジュール面積 0.25 cm2

太陽電池部変換効率 4.0 % H2生成効率 2.8 %

生成水素量 10.8 µmol/h 生成酸素量 3.7 µmol/h

電解電圧 1.76 V 電解電流 2.26 mA/cm2

      2  選択酸化触媒の研究開発

        メタン等低級アルカンを外部加熱を必要としない 1 段プロセスでメタノ ール・ホルムアルデヒド等有用含酸素化合物へ転換するための選択酸化触媒 の開発。中間評価までは殆ど成果が得られなかった。この為中間評価時点で は、メタン転化率を指定せずにメタノール・ホルムアルデヒド生成選択率

80%以上、収率360g/㎏触媒・時以上と比較的穏やかな目標となった。

図 8.1.2 に示すように平成9年度以降、メタン転化率10%の時のメタノー ル・ホルムアルデヒドの選択率が大きく改善された。

      これは微量のNOを添加することにより達成されたものである。

       

 

(メタン転化率 : 10%)

(メタン転化率 : 10%)(メタン転化率 : 10%)

(メタン転化率 : 10%)

101010 10 20 2020 20 303030 30 40 4040 40 50 5050 50 60 6060 60 80 8080 80 909090 90 100100100 100

70 7070 70

年    度度    別別    進進    捗捗    

中間中間中間 中間 評価 評価評価 評価

平成平成平成 平成

4444年度年度年度年度 5年度年度年度   年度         6666年度年度年度年度            7777年度年度年度年度            8888年度年度年度年度                    9999年度年度年度   年度         10101010年度年度年度年度    11111111年度年度年度年度            12121212年度年度年度   年度         13131313年度年度年度年度

図 8.1.2  新規触媒の研究開発  選択酸化触媒 

000 0 10 1010 10 20 2020 20 303030 30 40 4040 40 50 5050 50 60 6060 60

000

0 1000100010001000 2000200020002000 3000300030003000 4000400040004000 5000500050005000 6000600060006000 7000700070007000 8000800080008000

S ele ct ivi ty / % S ele ct ivi ty / % S ele ct ivi ty / % S ele ct ivi ty / %

Space velocity / h Space velocity / h Space velocity / h Space velocity / h

-1-1-1-1

図 5.2.2.4 Selectivity variation at the level of 10% CH4 conversion as a function of space velocity (SV) with CH4 (55.6%) + O2(27.7%) +NO2(0.5%) in He (balance).

CHCHCH CH2222OOOO

CH CH CH CH3333OHOHOHOH

COCO COCO2222

CO CO CO CO

CH CH CH CH3333NONONONO2222

図 8.1.3 に空間速度(SV)の変化に対するメタン転化率10%の時の生 成物の選択率の変化を示す。メタノール・ホルムアルデヒドの合計選択率と して約70%弱の値が得られた。 

 

8.1.3     派生的成果  派生的成果派生的成果派生的成果

        高周波パルスプラズマ反応技術の開発 

      従来のパルスプラズマ技術の10倍以上の電力効率(2.4mmol‑CH /KJ)でメタンをアセチレン等に変換できる技術を開発し、特許を申請 した。 

      我が国のアセチレンは主にカーバイド法で生産されている。この方法で は、多量の炭酸ガス(12.7トンCO/トンアセチレン)を排出してい るが、本法では、アセチレン生産1トンあたり8.6トンのCO削減が 実現する。 

 

図 8.1.3 

8.1.4     成果発表  成果発表成果発表成果発表

        学術誌論文発表:105件(表 8.1.4 を参照) 

        特許申請:5件(表 8.1.5 を参照) 

        新聞、TV、ラジオ報道:10件以上   

 

8.2 研究開発項目毎の成果研究開発項目毎の成果研究開発項目毎の成果研究開発項目毎の成果 8.2.1     新規触媒の基礎研究  新規触媒の基礎研究新規触媒の基礎研究新規触媒の基礎研究

        触媒設計の共通基盤として、計算化学・表面化学の有効性を以下のように 確立した。

(1)クラスターモデルを用いて局所密度汎開数ソフト(DMol)を用 いる計算化学と X 線光電子分光装置(XPS)等の表面分析装置を用 いて測定した結果の一致 

      1.イルメナイト型複合酸化物のLiNbO単結晶を用いてXPSで 価電子帯を測定した。一方同軸型直衝突イオン散乱分光装置(CA ICISS)を用いてLiNbOの最外表面が酸素であることを 確認してからLi15Nb22のクラスターモデルを作製し、

価電子帯のスペクトルをシミュレーションした。XPSの結果と計 算化学のシミュレーションの結果はよく一致した。

      2.LiNbO上の吸着実験の結果はクラスターモデルを用いたNO 吸着のシミュレーションの結果により、よく再現された。 

      (2)LiNbO単結晶とLiNbO粉末上のNO吸着実験の結果から 薄膜触媒のモデル触媒としての有効性を確認した。 

      XPSで測定したLiNbO単結晶上のNO吸着結果とLiNbO

粉末上のNO吸着の実験の差は粉末触媒の酸素の拡散が容易である ことを考慮すれば説明されることを明らかにした。 

 

8.2.2     新規触媒の研究開発  新規触媒の研究開発新規触媒の研究開発新規触媒の研究開発 1.光触媒の研究開発 

(1)酸化チタン修飾による紫外線照射下での効率向上      チタンホウ素混合酸化物をゾルゲル法により生成した。 

    表 8.2.1.に示したようにNaCOの添加量とともに水素の生成 量は増加した。さらにNaCOの量にかかわらず、H/Oの生 成比は2であった。 

     

glass SnO2

p i

n p

i n p

i n ZnO

Ag SUS

H2

O2

Light FexNiyOz

CoxMoy

Ni Ag

表 8.2.1 チタン・ホウ素複合酸化物による水分解反応

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

反応液 気体生成速度(μmol・h-1)   水素/酸素 水素 酸素

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

純水 11.0 5.6 2.0 炭酸塩水溶液(a) 234 117 2.0

炭酸塩水溶液(b) 915 458 2.0

炭酸塩水溶液(c) 1872 936 2.0

炭酸塩水溶液(d) 2156 1078 2.0

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

触媒はTi/B比=1:1,873Kで焼成したもの。

(a) Na2CO3;0.266mol 、(b)Na2CO3;0.532mol (c) Na2CO3;0.798mol 、(d) Na2CO3;0.931mol

光源:400W高圧水銀灯、触媒量:0.300g、反応液量:300ml

 

(2)可視光下での水分解への取り組み 

上記のようにチタン・ホウ素+NaCOの組み合わせにより水素生成量 は増大したが、変換効率は0.1%であった。 

中間評価での可視光領域での水の分解の研究開発を進めるようにとの指示 の下、可視光を狙った以下の3つの取り組みをした。 

(ⅰ)多層薄膜型光触媒 

        (ⅱ)2層式光触媒水分解水素発生触媒        (ⅲ)粉末型可視光対応光触媒     

 

これら3つの取り組みの中で水素、

酸素が2:1で生成したのは、図 8.2.1.

に示したような積層型アモルファスシ リコン太陽電池に水素発生側触媒膜C oMox、酸素発生側触媒膜FexN iOyを用いた多層薄膜型光触媒だけ であった。この時の太陽光変換効率は 2.8%であった。 

         

  図 8.2.1.触媒積層太陽電池デバイス断面図 

 

(3)光触媒水分解水素製造プロセス概念設計 

      粉体型、薄膜型光触媒それぞれについて水素製造プロセスの概念設計を 行うと共に経済性の評価を行った。これらのフィージビリティスタディの 結果、小規模の場合での太陽光変換効率10%、20%での実用化の可能 性を明らかにすることが出来た。 

 

2.選択酸化触媒の研究開発 

    (1)微量のNOを添加剤とするメタノール・ホルムアルデヒドの生成  図 8.2.2 のようにNOを反応ガスに添加すると0.5%程度 で含酸素化合物の選択率が大きく向上することが明らかとなっ た。このNOあるいはNO添加効果について最適化を図ると共 に計算化学を用いて、NO、NOの役割を明らかにし、収率約 7%弱に達した。(転化率 10%で選択率 69%) 

0.0 0.0 0.0 0.0 10 10 10 10 20 20 20 20 3030 3030 4040 4040 5050 5050 6060 6060 70 70 70 70

0.00.00.0

0.0 0.200.200.200.20 0.400.400.400.40 0.600.600.600.60 0.800.800.800.80 1.01.01.01.0 1.21.21.21.2

Selectivity / %Selectivity / %Selectivity / %Selectivity / %

NO NO NO NO2

222 / vol% / vol% / vol% / vol%

CH CH CH CH2222OOOO CHCH

CHCH3

333OHOHOHOH CO COCO CO

CO COCO CO2

222

CH CH CH CH3333NONONONO2222

図 5.2.2.2 Selectivity variation as a function of NO

2 concentration at 10% CH4   conversion with CH4(55.6%) + O2 (27.7%) + NO2 in He (balance).

   

       

図 8.2.2

 

  (2)Sn−xGe系固体触媒添加効果(NO、0.5vol%) 

   

酸化スズの表面酸素の反応性を 制御するにはSn原子をGeで 一部置換することにより可能で あることを計算化学的に明らか にし、実際にゾルゲル法により 作成した触媒では、予想された 収率向上が確認できた。条件の 最適化により、更に収率向上が 見込める。 

     

図 8.2.3 Variation of the maximum yield of C1‑oxygenates(HCHO+CH3OH) over  Ge/SnO2 catalysts 

 

(3)選択酸化プロセスの実用化可能性調査 

        表 8.2.2.に示したようにCH/O=2、SV=7500h−1で得たメ タノール・ホルムアルデヒド選択率66%がCH/O=10で維持される とすると現行のプロセスに比較しても十分実用化の可能性がある。CH/ O=10では酸素プラントの建設コストが大幅に削減できることの効果が大きい。

また、酢酸+アルデヒド合成のケースが更に利益は大きく、特に海外立地で有利 である。 

 

表 8.2.2.選択酸化プロセス実用化可能性調査 

1.国内立地 プラントコスト 年間コスト 年間販売額 収益

CH4/O2 総額 酸素プラント 億円/年 億円/年 億円/年 2 メタノール、アルデヒド合成 736 401 364 230 -134

(CH4リサイクルなし) 10 308 86 150 230 79

従来技術 522 0 203 210 7

2 酢酸、アルデヒド合成 696 106 312 363 50

(CH4リサイクル95%) 10 548 87 270 363 92

従来技術 804 0 297 343 45

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