5.2 5.2 5.2
5.2 波及効果波及効果波及効果波及効果 5.2.1
5.2.1 5.2.1
5.2.1 新規触媒の設計技術新規触媒の設計技術新規触媒の設計技術 新規触媒の設計技術
本プロジェクトにおいては、新規触媒の設計技術として計算化学、表面化学を用 い、連続する反応を個々の素反応ごとに解析し、新規触媒に求められる要素を明ら かにした。さらにこれらの必要な要素に最適な触媒の選択にも計算化学、表面化学 を用いた。この手法は本プロジェクトの中の選択酸化触媒の開発に大変有効であっ た。この手法は、光触媒の励起状態の取扱いが計算化まではまだ十分に整備されて いないという問題があるが、他の多くの化学反応の新規触媒の開発に取って替わり、
今後広く採用される手法だと思われる。
6.
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出量もわずかではあるが抑制されることが明らかとなった。この結果、実用化 の可能性はあると考える。
7.
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7. 中間・事後評価の評価項目・評価基準、評価手法及び実施時期 中間・事後評価の評価項目・評価基準、評価手法及び実施時期 中間・事後評価の評価項目・評価基準、評価手法及び実施時期 中間・事後評価の評価項目・評価基準、評価手法及び実施時期
研究開発開始より5年を経過した平成9年度に、産業技術審議会評価部会のも とに設置された環境調和型触媒技術研究開発評価委員会による中間評価が行わ れた。中間評価の結果を受けて、研究開発内容の見直しを行い、新規触媒の基礎 研究は、メタン選択酸化触媒及び水分解水素生産光触媒開発の支援に重点を置く 方向にシフトした。指摘事項について以下に示す。
7.1 7.1 7.1
7.1 プロジェクトの意義に関する評価プロジェクトの意義に関する評価プロジェクトの意義に関する評価プロジェクトの意義に関する評価
地球環境保全のため、クリーンなエネルギーの安定的な確保や低環境負荷の生産 プロセスへの転換が非常に重要になっているが、これら地球環境問題への対応には、
革新的な技術の開発が不可欠である。本プロジェクトは、エネルギー、物質の変換 過程に重要な役割を果たす触媒に着目して、技術的可能性を追求するものであり、
その目的は明確である。
具体的には、水素製造のための光触媒及びメタノール等合成のための選択酸化触 媒を課題として取り上げている。水素及びメタノールは、いずれも輸送・貯蔵しや すいクリーンなエネルギーとして期待できるとともに、環境適応性の高いプロセス の実現を目指していることから、この課題選択は適切であったと判断される。
本プロジェクトにおいては、光触媒、選択酸化触媒といった具体的な触媒開発と、
計算化学、表面科学等の触媒の基礎研究とを同時進行させるという構成をとってい るが、高性能高効率の触媒の開発には、触媒の基盤研究の支援が不可欠であり、こ の狙いや構成は適切と判断される。国際的に見ても先進的、意欲的なものとして評 価できる。
本プロジェクトは地球環境問題に係る我が国の国際貢献に資するものであり、か つ、研究開発に長期間を要し、実現可能性の見通しが容易でない技術を対象として いるため、国家プロジェクトとして実施することが妥当である。
他方、地球環境問題への貢献という明確な目的をもっている以上、長期的な研究 開発であっても、実用化を見通した技術開発の戦略を明確にすることが必要である。
また、同種の研究開発プロジェクトとの関係について、今後とも整理していくこと が必要である。
本プロジェクトの立案の際には調査検討が不十分であった面もあり、環境調和型 触媒技術の概念や将来の適用分野に関しては今後十分検討し、さらに明解にするこ とが必要と考えられる。
7.2 7.2 7.2
7.2 研究目標に関する評価研究目標に関する評価研究目標に関する評価研究目標に関する評価
計画内容は具体的であり、概ね妥当と言える.全体として、非常に難しい研究開 発であり、スケジュールや予算の面でやや厳しい感がある。
1.要素研究テーマ「新規触媒の基礎研究」
目標設定は概ね妥当と言える。ただし、計算化学、表面科学から触媒設計を行う ことは、現時点ではまだ難しい状況であるため、具体的な触媒開発を支援するもの、
との位置付けをより鮮明にし、触媒開発における結果をより精密に解明するため、
ないしは、目標とする反応に対する考え方を得るために行うとした方が妥当であろ う。
2.要素研究テーマ「新規触媒の研究開発(1)光触媒」
太陽光エネルギーの変換効率を指標と設定することは妥当といえる。1%という 目標値は、当面目指すべき目標としては概ね妥当なものである。しかし、本来は、
まず既存及び新規競合技術等との対比の上で実用化のために必要な値を本プロジ ェクトの最終目標として明らかにし、その第一ステップの目標として定義すべきで あった。さらに、太陽電池のエネルギー変換効率や太陽電池による水素製造との比 較も重要である。目標達成のためには、可視光応答性の触媒開発を明確に目標に挙 げることが不可欠と言える。
要素研究テーマ「新規触媒の研究開発(2)選択酸化触媒」
二酸化炭素排出量および経済性の両面を指標として目標値を設定している点、メ タンから 1 段プロセスで合成するための触媒開発をするという点は評価できる。た だし、ホルムアルデヒドをメタノールと同等に重視しているのは問題があり、応用 範囲が広く技術開発の意義の大きいメタノール合成に重点を移す必要があろう。目 標としては、選択率とともに転化率の向上を目指すべきと考えられる。目標水準の 選択率 80%は極めて高いが到達可能なものであり妥当と言えるが、エネルギー効率 の点で現行プロセスに対して革新的とは言えない。しかし、プロセスの優位性は単 純なエネルギー効率だけで判断できるものではなく、実用化に向けては、プラント の製造コスト等他の種々の要因を含めたトータルプロセスとしての優位性を考慮 し、さらに革新していくべき点を明確にすべきである。
7.3 7.3 7.3
7.3 研究開発体制研究開発体制研究開発体制研究開発体制
産学官が連携し、RITEにおいて集中的に研究を行っている現在の体制は妥 当であり、外部からの意見が入る仕組みも出来ている。しかしながら、外部の民間 企業や大学のポテンシャルを生かし切れていない。また、研究員の大半が2〜3年 の短期であり、本プロジェクトのような長期的な見通しに立つべき課題の場合、適 当とは言えない。
今後は、適切な専門性を有した研究者の配属、研究者の増員、外部の研究機関と の協力等による研究体制の強化が必要である。また、独創性、新規性を注入するた めに、産学を主体的に参加させることも検討すべきである。また、RITEの評価 委員会に、研究項目にもっと近い第一線の研究者を加えることも必要になろう。
7.4 7.4 7.4
7.4 プロジェクトの成果に関する評価プロジェクトの成果に関する評価プロジェクトの成果に関する評価プロジェクトの成果に関する評価 1.要素研究テーマ「新規触媒の基礎研究」
触媒の基盤技術としては、達成度は決して低くなく、かなり重要な成果が上がっ ている。しかし、触媒の開発研究に有用な知見を提供するという点では不十分であ り、光触媒と選択酸化触媒の開発における意義が不明な部分もある。今後、基礎研 究の成果を触媒開発に生かして行くためには、計算モデルの適切な選択及び計算の 精度の改善、触媒を模擬した固体表面モデル及び触媒表面の解析が重要になろう。
2.要素研究テーマ「新規触媒の研究開発(1)光触媒」
ほぼ順調計画を達成しており、紫外光領域での作用する新しい触媒の開発等、達 成された成果も全体として高い評価が与えられる。必須としている可視光の利用に ついては、萌芽的成果はあるものの、詳細な研究はこれからであり、今後はより積 極的に可視光応答性の材料の開発に邁進する必要があろう。また、これまでの触媒 探索に加え、基礎研究の支援も得て、もっと理論的な面からの解析と予測をすべき と考えられる。
3.要素研究テーマ「新規触媒の研究開発(2)選択酸化触媒」
主目標であるメタノール合成触媒開発の達成度は不十分である。他方、ホルムア ルデヒド合成に付いては、新しい触媒の開発等、中間期としての目標をほぼ達成し ている。しかし、触媒の設計概念と触媒性能との対応が必ずしも明確でないので、
成果の意義は限られており、学術的貢献度、独創性、新規性、波及効果も余り高い とは言えない。転化率が極めて低い点やメタン転化率を上げようとすると選択率が 低下する点の解決も必要となろう。今後は、メタンからのメタノール合成という最 も波及効果の大きい目標を中心に研究を展開すべきであろう。
4. 実用化の見通し、成果普及、広報体制
光触媒や選択酸化触媒の開発については、非常に難度の高い課題であるため、現 時点では、実用化の見通しはまだ立てられないと言える。ただし、光触媒について は、有害物の分解除去等、他の分野に応用される可能性も考慮する価値があろう。
成果普及や広報は学会発表、論文、新聞記事等を通してかなり積極的に行われて いる。
5.総合評価
環境に適合したエネルギーや生産プロセスを実現するための触媒技術を開発し