研究所提案型共同研究では、以下に掲げるテーマに取り組みます。
1.プラズマ流体平衡・安定性
磁場閉じ込め核融合プラズマの平衡、安定性、非線型発展、プラズモイド挙動等における性質を解明することを目 指し、LHDをはじめとするトロイダルプラズマで観測される現象の物理的機構を明らかにすることを中心とした解析 を行います。
2.高エネルギー粒子
環状プラズマにおける高エネルギー粒子物理に関する理論研究を行います。特に、アルフベン固有モードなどの高 エネルギー粒子駆動型不安定性や高エネルギー粒子を対象とした自己組織化物理と波動・粒子相互作用に関する理論 共同研究を推進します。
3.統合輸送解析
理論モデルや大規模シミュレーションからの演繹、実験的経験則や統計的手法などに基づいて、コアプラズマの挙 動を予測するための統合輸送シミュレーション体系の構築を目指します。理論モデルなどの検証・改良やLHD 実験 への適用を行うため、他の研究グループと連携して共同研究を推進します。
4.新古典・乱流輸送
ジャイロ運動論及びドリフト運動論にもとづき、LHDをはじめとする磁場閉じ込めプラズマにおける乱流輸送なら びに新古典輸送現象の理論研究を推進します。また、トロイダルプラズマにおける乱流輸送の構造形成機構の理論研 究を行います。LHDプラズマにおける乱流揺動や輸送特性について実験との比較、運動論的モデルや実験結果との比 較による乱流輸送モデルの拡張を進めます。
5.周辺プラズマ
不純物を含めた総合的周辺プラズマ輸送コードの開発を目指し、ストカスティック、スクレイプオフ及びダイバー タ領域のモデリング研究を行います。コア部の輸送に関わるプラズマ境界付近から第一壁までの、各領域を支配する 物理機構の理解を進めます。
6.プラズマ壁相互作用
周辺プラズマもしくはプラズマからの輻射場と炉壁のプラズマ壁相互作用をナノスケールの原子分子挙動の観点か ら明らかにするためのモデリング、実験とシミュレーションの比較を通しての物理機構解明を行います。
7.多階層複合物理
様々な時空間スケールで特徴づけられる個別階層のプラズマ現象を、階層の垣根を越えて統一的に解明することの できるモデルの研究を進めると同時に、それらの基礎となる非線形、非平衡、開放系として特徴付けられるプラズマ 基礎過程の解明を進めます。
8.シミュレーション科学基盤
シミュレーション研究を推進する上で基盤となるスーパーコンピュータの効率的利用に関する研究、シミュレーシ ョン結果、実験データの可視化研究、特にバーチャルリアリティを用いた仮想空間活用研究を進めます。
② 応募者提案型共同研究
基礎プラズマ物理、核融合プラズマ(トーラス、レーザー、ミラー、コンパクトトーラス等)、炉心プラズマ、周 辺及びダイバータ・プラズマ(原子・分子過程、壁相互作用を含む)、先進的核融合方式等、核融合プラズマの理論 一般に対する共同研究を公募します。更に、新しい学問領域の開拓に貢献できる斬新な着想に基づく共同研究を公募 しております。
3-(2) プラズマシミュレータ共同研究
シミュレーション共同研究を実施するための共同利用施設である「プラズマシミュレータ」は、大規模並列型計算 サーバ、フロントシステム、データ解析サーバ、可視化処理サーバ、外部記憶装置、ファイルサーバを中心に構成さ れるシステムです。大規模並列型計算サーバは富士通製PRIMEHPC FX100 2592ノードで構成されています。そのう
請できなかった理由を明記してください。使用時間の追加申請、外部記憶装置容量の追加申請などについては、核融 合科学研究所のウェブページ(http://www.nifs.ac.jp/)の共同研究の項から必要な申請書をダウンロードして記入し、
研究支援係にお送りください。利用の手引きなど詳しくは、関連ホームページ(http://www.ps.nifs.ac.jp/)をご覧くだ さい。また、初めて利用される方のための手続きもこのホームページに掲載します。なお、応募および利用者登録に 当たっては、研究代表者、研究協力者ともに、大学等所属機関が発行する公式の e-mail アドレスをご使用ください。
情報セキュリティの観点から、フリーe-mail アドレスの利用をお断りします。同様の理由で、本研究課題では、「1 ユーザーにつき1つの利用者コード、1つの利用者コードにつき1ユーザーでの利用」が規則となっています。1つ の利用者コードを 複数のユーザーで使用する(使い回す)ことは禁止されています。 また、1人のユーザーによる 複数の利用者コードの使用もお断りしています。
なお、大規模並列型計算サーバの計算資源は、ノード時間(=使用ノード数*経過時間)で割り当てます。大規模 並列型計算サーバの利用にあたっては、必要とするノード時間を申請してください。関連する情報は、プラズマシミ ュレータ利用案内(http://www.ps.nifs.ac.jp/index.htm)に随時掲載されますのでご覧ください。また、プラズマシミュ レータの使用時間追加等の年度途中申請も共同研究委員会を介して行われます
2019年度より最大のリソースグループであるlargeジョブ(1921ノード〜2160ノード、10時間以内)
の利用について事前審査を導入します。年度を4ヶ月ごとの3期に分けて(第I期:4月~7月、第II期:8月~11 月、第III期:12月~3月)、第II期と第III期におけるlargeジョブの利用が事前審査の対象となります。第I期で はこれまでと同様に審査なしでlargeジョブを利用できます。審査では2つの観点、「数値実験炉研究プロジェクトの 推進に大きく貢献する課題」、「学術的に特に優れた成果が期待できる課題」の双方またはいずれかに優れた課題を 採択するものとします。各課題の計算資源が80万ノード時間以上となるように、1 期ごとの採択課題数を4件程度 とします。これは80万ノード以上の利用を申請要件とするものではありません。一般共同研究委員会が審査を行い、
採択課題を決定します。利用申請用紙には研究の準備・進捗状況や関連するこれまでの研究成果について記入してい ただくとともに、翌年度のプラズマシミュレータシンポジウムでlargeジョブ利用課題の成果を報告していただきます。
第II期と第III期の利用申請締め切りはそれぞれ6月末と10月末です。
本共同研究の応募ではlargeジョブで利用する予定の計算資源をあらかじめ含めて申請してください。第II期・第
III期でのlargeジョブの利用予定がある場合は、「研究の目的」欄にlargeジョブの利用予定について説明してくださ
い。
① 研究所提案型共同研究
本共同研究では、「数値実験炉研究プロジェクト」を中心として、これまでに所内外の共同研究者の積極的な参加 の下、以下に掲げる8つに大別される研究課題と担当する研究グループを設定し、研究を推進します。
1.プラズマ流体平衡・安定性シミュレーション
LHDプラズマで観測される現象の物理的機構の解明を中心として、トロイダルプラズマにおける普遍的なMHD的性
質の解明を目指します。特に、プラズマの安定性、自己組織化現象、崩壊現象、磁気島の影響、ペレット溶発現象等 に注目した解析を行います。さらに、モデル方程式の拡張も行い、流れの効果や微視的効果についても調べます。
2.高エネルギー粒子シミュレーション
環状プラズマにおける高エネルギー粒子物理に関するシミュレーション研究を行います。特に、アルフベン固有モ ードなどの高エネルギー粒子駆動型不安定性、核燃焼プラズマにおける高エネルギーアルファ粒子挙動と新古典輸 送・両極性径電場形成、LHDにおけるNBI/ICRF加熱について研究します。あわせて、予測精度向上と長期予測を目指 した手法開発を行います。
3.統合輸送シミュレーション
環状磁場閉じ込めプラズマの物理機構解明を進めるため、統合輸送シミュレーション体系の構築に取り組みます。
理論モデルや大規模シミュレーションからの演繹、実験的経験則や統計的手法などに基づいて、コアプラズマの挙動 予測を目指します。LHD実験などへの適用による理論モデルなどの検証・改良作業を、共同研究者と連携しつつ進展
させます。
4.新古典・乱流輸送シミュレーション
ジャイロ運動論及びドリフト運動論にもとづき、LHDをはじめとする磁場閉じ込めプラズマにおける乱流輸送なら びに新古典輸送現象の理論・シミュレーション研究を推進します。プラズマシミュレータを利用した大規模計算によ り LHDプラズマの乱流揺動や輸送特性を評価し、実験結果との比較、実験結果の理解及びその予測へとつながる研 究、それに必要とされるシミュレーションコードの開発・整備を行います。また、トロイダルプラズマにおける、輸 送現象についての理論体系構築及び数値シミュレーションを流体的描像を用いて研究します。特に、乱流輸送(帯状 流、ストリーマー、非局所輸送、磁場揺動、多スケール相関、ドリフト波)の構造形成機構の理論シミュレーション 研究、LHD実験結果における輸送物理解明を行います。
5.周辺プラズマ輸送シミュレーション
LHDのSOL、境界層プラズマのモデリングを行い、統合的周辺プラズマ輸送コードを目指して、1)EMC3コード、
EIRENEコードによるSOLプラズマの研究、2)流体モデルによる境界層プラズマの研究、3)PICコードによる運動
論効果の研究、4)モンテカルロコードによるプラズマの接する壁からの不純物生成の研究、5)高速イオン損失に よる壁熱負荷の研究、を推進します。
6.プラズマ壁相互作用シミュレーション
ダイバータ板の損耗、プラズマ不純物分子発生、炉壁表面での再堆積、水素同位体蓄積、プラズマからの輻射場と 材料の相互作用のメカニズムを、ナノスケールで解明を目指します。原子の低エネルギーでの化学的相互作用を詳細 に扱う分子動力学法と、高エネルギー散乱を高速で計算する二体散乱近似の二種類の方法、さらに、電子の振る舞い を量子力学的に扱う密度汎関数法を用いて、素過程から大規模スケールまでの多角的なシミュレーション研究を行い ます。
7.多階層複合物理シミュレーション
ミクロからマクロまでの多階層の時空間領域、様々な複合的な物理過程を含むプラズマ現象の統一的な理解を目指 します。連結階層モデルをはじめとした、複数の時空間スケールを同時に扱うことができる新しい多階層シミュレー ションモデルの開発研究を進めます。また同時に、拡張MHDモデルや粒子モデルのような様々なシミュレーション手 法、大きな時空間領域を効率的に計算するための領域分割法、適合細分化格子法(AMR)などを駆使したシミュレー ション研究を推進します。
8.シミュレーション科学基盤
シミュレーション研究を進める上で基盤となる並列化手法などのスーパーコンピュータ利用技術、新しい計算技法、
シミュレーション研究支援用周辺機器などの利用技術の研究、ならびにシミュレーション結果の認識、実験・装置設 計との連携研究において重要である三次元仮想現実表現に代表される可視化技術を発展させるための研究を推進しま す。
② 応募者提案型共同研究
「① 研究所提案型共同研究」で提案されている課題以外で、幅広い意味での数値実験炉研究の目的に添ったもので、
核融合プラズマをその中心とした自然科学の様々な研究分野で行われているシミュレーション関連の研究課題や新し い学問領域としてのシミュレーション科学の発展に貢献し得る課題の申請を対象とします。更に、計算科学の観点か ら、新しいアルゴリズムの開発や新しい並列化技法(FFT等のノード間の全対全通信を必要とするデータ入れ替えの 新手法、並列化疎行列ソルバー等)に関する共同研究も対象となります。