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研修員報告 〈水泳/競泳 中村 真衣〉

(2)受入関係者

①Bill Rose(Head Coach)

②Bill Voigt(Swim Program Development Director)

③Richard Hunter(13/14 Division Director)

④Sarah Dawson(11/12 Division Director)

⑤Bryan Dedeaux(10 & Under Division Director)

⑥Siga Rose(8 & Under Division Director)

(3)研修日程 Saddleback College

①通常研修 平成25年9月8日〜平成26年9月7日

 ・Mission Viejo Nadadoresにてコーチングトレーニング方法の習得  ・サドルバックカレッジにて語学(英語)の修得

②特別研修 平成25年9月8日〜平成26年9月7日(期間内に臨時実施)

 ・全米水泳指導者研修会(ASCA)コーチクリニックへの参加  ・全米ジュニア選手権大会への視察

 ・全米選手権大会への視察  ・カリフォルニア州内大会視察

Ⅳ.研修概要

(1)研修題目の細目

① Mission  Viejo  Nadadoresに て ア メ リ カ の コーチング、トレーニング方法の研修

② アメリカ国内、州内の大会を視察し、競技会 や選手の様子等の研修

③ 指導者研修会に参加し、アメリカでのコーチ ング、トレーニング法の習得

④ 全米選手権を通じ、アメリカのレベルを視察

⑤マスターズ水泳クラスの練習に参加

⑥サドルバックカレッジにて語学(英語)の習得

(2)研修方法

①アシスタントコーチとして参加

 下記のレベル別クラス1〜5の練習方法について、各担当コーチのアシスタントと して参加し、実際の練習を視察、指導する事で、低学年からトップに至るまでのトレー ニングの方法について学ぶ。

  1…ノービスデビジョン(8歳以下)

  2…10アンダーデビジョン(10歳以下)

  3…11、12デビジョン(11、12歳)

  4…13、14デビジョン(13、14歳)

  5…ナショナルデビジョン(中高校生のトップクラス)

MVNコーチングスタッフ

平成 25   年度・短期派遣︵水泳/競泳︶

②選手が参加する、アメリカ国内また州内の水泳大会を視察。

③全米水泳指導者研修会(ASCA)コーチクリニック参加

④マスターズ水泳クラスの練習に参加その実情を視察

⑤語学(英語)習得またアメリカの文化や習慣を学ぶ。

(3)研修報告

 1)第一クール(秋季シーズン)

①渡米

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致決定当日の9月8日に出発。

祝賀ムードに沸く中、夕方無事にミッションビエホに到着。

②研修開始

 到着後2日目から早速研修を開始。右も左もわからない不安顔でプールサイドに 立っていた私に優しく声をかけてくれたのが日系二世のコーチ「Emi  Yamaguchi」

さん。以後、彼女は私の留学生活にとって重要な存在となった。

③グループシステム(クラス分け)

 日本のスイミングスクールと同様、MVNも下記の表のようなクラスに分かれて いる。

     

※グループシステム表

■NOVICE DIVISION(5歳〜8歳) ■11 ‑ 12 DIVISION (11 〜 12歳)

NOVICE 1 MON/WED/FRI 4: 15 ‑ 5: 15 PM TEACHING POOL

GOLD MON ‑ FRI 3 : 15 ‑ 6 : 30 PM SIERRA POOL NOVICE 2 TUES/THURS/FRI 4: 15 ‑ 5: 15 PM TEACHING POOL SAT 9 : 00 ‑ 10 : 30 AM 50 M POOL

■TRANSITION DIVISION(9歳以上)

BLUE MON ‑ FRI 3 : 15 ‑ 6 : 30 PM SIERRA POOL TRANSITION BLUE 1 MON/WED/FRI 5: 15 ‑ 6: 15 PM TEACHING POOL SAT 9 : 00 ‑ 10 : 30 AM 50 M POOL TRANSITION BLUE 2 TUES/THURS/FRI 5: 15 ‑ 6: 15 PM TEACHING POOL

SILVER 1 MON ‑ FRI 5 : 00 ‑ 6 : 45 PM 50 M POOL TRANSITION GOLD 1 MON/WED/FRI 6: 15 ‒ 7: 30 PM TEACHING POOL SAT 10 : 30 ‑ 12 : 00 PM 50 M POOL TRANSITION GOLD 2 TUES/THURS/FRI 6: 15 ‑ 7: 30 PM TEACHING POOL

SILVER 2 MON ‑ FRI 5 : 00 ‑ 6 : 45 PM 50 M POOL

■8 & UNDER DIVISION (8歳以下) SAT 10 : 30 ‑ 12 : 00 PM 50 M POOL

GOLD MON ‑ FRI 4: 15 ‑ 5: 45 PM DIVE WELL ■13 ‑ 14 DIVISION  (13 〜 14歳)

SATURDAY  TBA TBA

GOLD

MON ‑ FRI 5 : 00 ‑ 7 : 30 PM 50 M POOL

BLUE MON ‑ FRI 4: 15 ‑ 5: 45 PM DIVE WELL SAT 9 : 00 ‑ 11 : 00 AM 50 M POOL

SILVER MON ‑ FRI 3: 15 ‑ 4: 30 PM TEACHING

BLUE

MON ‑ FRI 5 : 00 ‑ 7 : 15 PM 50 M POOL

■10 & UNDER DIVISION (10歳以下) SAT 9 : 00 ‑ 11 : 00 AM 50 M POOL

GOLD

MON ‑ FRI 5: 00 ‒ 7: 00 PM 50 M POOL

SILVER 

MON ‑ FRI 6 : 15 ‑ 8 : 15 PM 50 M POOL

SAT 10 : 30 ‑ 12 : 00 PM 50 M POOL SAT 10 : 00 ‑ 11 : 45 AM DIVE WELL

BLUE MON ‑ FRI 3: 30 ‒ 5: 15 PM DIVE WELL ■NATIONAL DIVISION (中高校生のトップクラス)

SAT 10 : 30 ‑ 12 : 00 PM 50 M POOL

NATIONAL

MON ‑ FRI 5 : 00 ‑ 6 : 30 AM 50 M POOL

SILVER  MON ‑ FRI 5: 15 ‑ 6: 45 PM DIVE WELL MON ‑ FRI 3 : 30 ‑ 6 : 15 PM 50 M POOL

SAT 8: 45 ‑ 10 : 00 AM DIVE WELL SAT 6 : 30 ‑ 9 : 00 AM 50 M POOL

RED MON ‑ FRI 5: 15 ‑ 6: 45 PM DIVE WELL

④NOVICE DIVISION(5歳〜8歳)

 研修の最初はノービスデビジョンに参加。子供達は日本と違いとても自由に練習 をしている様に感じた。泳力が初心者レベルのクラスで、練習と言うよりも遊びな がら水を楽しんでいる!と言った感じの練習内容である。

 話を聞かない子、団体行動がとれない子がいるのはどの国も同様、しかしそれで もコーチ達は子供達を叱りつけたり、無理やり振り向かせたりせず子供自身の本意 任せ、あくまでも自由が基本、そんな風景を目の当たりにした。日本とは違い親は プールサイドで子供達の練習風景を見学する事が可能であり、練習中であっても親 は子供達に注意をしたりする。この自由感がなんともアメリカ的で日本の指導方法 との格差を感じた。

⑤8 & UNDER DIVISION(8歳以下)

 8歳以下のゴールドクラスの練習時間は1 時間半。

 「8歳以下の頃どのような練習していたの か?日本の子供達はどんな練習しているのだ ろう?」…そんな思いを巡らせながらの参加。

 水中練習の前に陸上でのドライランド「走 る、腹筋、背筋、腕立て伏せ、ジャンプ、縄 跳び等」を行うが、その出来不出来は二の次 でコーチ達は子供達が意欲的に楽しんでいる

かどうかを最優先としている。水中練習は水深5mのダイビングプールで行われ、

大人でもその深さに怖さを覚えるのに、子供達の何の躊躇もなく普段どおり泳ぐ姿 に日本との違いを感じた。コーチ達は子供達に泳法指導をするものの、泳ぎのよし あしよりも子供達の自発性や積極的な練習参加を求めているとの事だった。

 2)第二クール(冬季シーズン)

①言葉の壁

 アメリカ留学半年が経過、当初私が思い描いていた以上に「言葉の壁」は大きく、

コミュニケーションが上手く取れない事に自己嫌悪に陥り、自信を無くしていた。

しかし半年という時の流れは凄いもので、この頃から生活に慣れ精神的にも安定し てきた。

②各種行事 ア)Halloween

 アメリカの年末はとにかく行事が多い。

MVNでも10月末にHalloween partyがあり子 供達も思い思いの衣装でプールにやって来 る。日本でもハロウィンが定着しつつあるが、

何故か日本の場合は大人が派手に仮装し楽し

練習前の陸上でのドライランド風景

コーチにお菓子をねだる…子供達

平成 25   年度・短期派遣︵水泳/競泳︶

んでいる。アメリカではあくまでも子供が主役であり、ご父兄が用意したお菓子を みんなでプールサイドで食べる姿はいかにもアメリカらしい。トップクラスの選手 やコーチ達もみんなでHalloweenを楽しんでいる。

イ)Thanksgiving

 11月28日はサンクスギビンデー。直訳すると「感謝祭」日本では馴染みの薄い文 化だが普段離れている家族がひとつに集まりターキーを食べながら神々に収穫の恵 みを感謝する日で、サンクスギビングデー前後の数日はクラブも休みとなる。

ウ)Christmas

 12月24・25日はアメリカで一番盛り上がるクリスマス。クリスチャンである人々 は朝から家族で教会に行き祈りを捧げる。私は日本から合宿に来ていた立石諒選手 とコーチと一緒に日本人だけでクリマスパーティーを行った。

③American Red Cross

 10月末から約1ケ月の間「American  Red  Cross」資格取得講習会に参加。日本 でも「救急蘇生法適任者」の資格を取得している私だが、救助法や心肺蘇生法など の英語での講習会はむずかしいと感じた。

④テニス大会

 11月4日〜8日までMVNのプールの横にあるテニスコートでNEC車椅子テニス マスターズ大会が行われた。日本からも何人かの選手が参加しており、国枝慎吾選 手も参加。残念ながら国枝選手にお会いする事は出来なかったが、5日間の大会期 間中1日だけクラブの子供達と見学に行った。アメリカでは子供の頃は水泳以外に テニスや野球、フットボール、サッカーなど複数のスポーツを習わせる。これはア メリカの子供教育の代表的な例と言えよう。

⑤ターキークラシック水泳大会

 サンクスギビングデーの前週、競技大会にあわせ現役オリンピックスイマーやオ リンピアンをゲストに招き、サイン会等が行われ盛り上がりをみせた。

⑤−1 社会貢献活動 NEGU(Never Ever Give Up !)

 「NEGU」とはNever Ever Give Upの略称  である。2012年1月5日にMVNの女子選手  が 脳 腫 瘍 の 為12歳 と い う 若 さ で こ の 世 を 去った。彼女は自らの病気を知りながら常 に「Never  Ever  Give  Up !」をスローガン に掲げて病気と懸命に戦いながら生き抜い た。アメリカでは小児がんと闘う子供達の為 に「NEGU」という基金を立ち上げ、水泳大 会などでトップアスリート達がボランティア

で募金活動を行い、社会貢献の一助をなして NEGUブース

いる。

⑤−2 冬でも屋外プール

 年末でも大会は続く。カリフォルニアが暖かいとは言っても12月ともなればかな り寒い。しかしそんな中でも子供達は寒そうな様子ひとつ見せず懸命に泳ぐ。はた して日本の子供達がこのような寒く冷たい過酷な環境下で泳ぐ事が出来るのだろう かと、頭を横切った。日本の小学校では、水温+気温が50度を超えなければ入水さ せないというルールがあると聞いた事がある。

(例)外気温20度+水温20度では40度のため、プールは禁止。

 それを思うとアメリカの子供達はタフで12月7日〜8日(土・日)2日間で行わ れた大会では、初日はバケツをひっくり返す程のドシャ降りの雨にもかかわらず、

子供達は文句一つ言わずに、レースに臨んでおり、その姿に感心させられた。

⑤−3 親のボランティア

 大会運営は選手の親達が互いに協力し合っての運営となる。しかも大雨の中での 運営は本当に大変だ。しかし「雨にも負けず…!」。その姿に感銘を受けた。2日 目は晴れたものの、外気温はとても低く真冬の中での大会となった。(何度も復唱 するが)本当にアメリカの選手たちはタフである。

⑥日本からも合宿に

 ロンドンオリンピック男子200m平泳ぎ「銅メダリスト」の立石諒選手が、2013 年11月中旬からMVNに強化合宿に来た。立石選手は毎年この時期MVNを合宿地に 定めていて、今年で4年目との事。

⑦Emi Yamaguchi

 2015年新しい年を迎え、今まで研修していた「NOVICE DIVISION (8歳以下)」

のチームから、「10  &  UNDER  DIVISION(10歳以下)」ブルーとゴールドチーム を研修。ブライアンコーチについて指導法を勉強させてもらった。また、渡米直後 から4ケ月間色々と指導してくれたEmi コーチと離れる事になった。彼女は日系ア メリカ人で片言の日本語は話せるが大部分は英語。色々と通訳をしてくれたり、指 導研修に付き合ってくれた恩人である。そんな彼女に本当に感謝している。

⑧ブライアンコーチ

 自分が9〜 10歳の時どのような練習をしていたのか比較をしながら見よう思っ たのだが、全く自分が9〜 10歳の時の練習を覚えておらず比較が出来なかった。

しかしかなり高いレベルの練習を選手達に与えていた。特に9〜 10歳のトップク ラスのゴールドチームは距離的にも相当ハードであり、写真のようにシュノーケル を使ってボディーポジション、頭の位置、目線などを徹底的に教えていた。私も経 験のない練習をこなしている姿を見ていると流石アメリカだと感じた。トレーニン グアイテムもかなり充実している。この上のチームになるとシュノーケルを使って