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居住者の省エネに対する意識及び省エネ行動とエネルギー消費量

第5章 住宅居住者の省エネに対する意識とエネルギー消費量

5.6 居住者の省エネに対する意識及び省エネ行動とエネルギー消費量

省エネ意識に対するエネルギー消費量を 図 5.14 に示す。ただし,省エネ意識[平均 点]が4以下のエネルギー消費量は電力消 費量のみの回答者が若干みられ,他のエネ ルギーが無回答のために極端に低い回答者 から全電化住宅などの使用実態に沿った回 答者が混在している。

省エネ意識[平均点]が4~5と高い住 宅のエネルギー消費量は低い傾向にあり,

文献 16)による関東のエネルギー消費量 43.0GJ/年・世帯以下となっていた。省エネ 意識[平均点]が4以下では,太陽光発電 や床暖房などの住宅設備機器が設置されて いる住宅では多くのエネルギーを消費して いるのがわかった。また,最大エネルギー 消費量は 110GJ/年・世帯と関東のエネルギ ー消費の3倍弱にも達していた。電気エネ ルギー消費量のみで 50.1GJ/年・世帯と多 くのエネルギーを消費していた住宅などで は,家電製品などの使い方を考える必要が ある。

(b)家族人数に対する年間エネルギー消費 量は,省エネ意識[平均点]が4~5と高 い住宅では 10GJ/年人以下が多くなってい た。しかし,省エネ意識[平均点]が4以 下では,最大 36GJ/年人と多くのエネルギ ーを消費していた。(c)延床面積に対する年 間消費エネルギー消費量でも,省エネ意識

[平均点]が4~5と高い住宅では 300MJ/

年㎡となっていたが,省エネ意識[平均点]

が4以下では,700 MJ/年㎡と多くのエネル ギーを消費していた。

図 5. 15 に各種設備機器の設置状況によ るエネルギー消費量を示す。

0 20 40 60 80 100 120

ネルギー消費量 GJ/年]

(a)年間エネルギー消費量

太陽光発電

太陽光発電+

全電化住宅 床暖 全電化+床暖

太陽光発電

+全電化住宅

+床暖 北海道

関東 東北

※文献25)による 家庭用エネルギー消費原単位

※電力消費量データのみ

0 10 20 30 40 50

エネルギー消費量 GJ/年人

(b)家族人数に対する   年間エネルギー消費量

太陽光発電 太陽光発電+

全電化住宅 全電化+床暖

床暖

太陽光発電

+全電化住宅

+床暖

※電力消費量 データのみ

2 3 4 5

0 200 400 600 800 1000

省エネ意識[平均点]

ネルギー消費量 MJ/年㎡]

(c)延床面積に対する   年間エネルギー消費量

全電化+床暖 床暖

太陽光発電+

全電化住宅 太陽光発電

+全電化住宅

+床暖 太陽光発電

※2次エネルギー換算値

1)電気 3.6MJ/kWh  2)都市ガス 46.1MJ/m3 3)LPガス 101.4MJ/m3 4) 灯油 37.3MJ/L

※電力消費量データのみ

図 5. 14 省エネ意識に対するエネルギー消費

電 力 消 費 量 の み 太 陽 光 発 電 太 陽 光 発 電 + 全 電 化 床 暖

床 暖 + 全 電 化

太 陽 光 発 電 + 床 暖 + 全 電 化

76

0 5 10 15

0 20 40 60 80 100 120

エネルギー消費 GJ/年]

省エネ意識[平均点]が4以上

省エネ意識[平均点]が3以下

家庭における各種機器の数[台]

1.なし(エアコンのみ) 2.石油ファンヒーター 3.ガスファンヒーター 4.電気ファンヒーター 5.石油ストーブ 6.ガスストーブ 7.電気ストーブ 8.石油FFストーブ 9.ガスFFストーブ 10.石油煙突式ストーブ

11.電気オイルヒーター 12.灯油の温水式床暖房 13.ガスの温水式床暖房 14.電気式床暖房 15.電気カーペット 16.電気こたつ 17.練炭こたつ 18.豆炭こたつ 19.セントラル冷暖房の 室内側の放熱器機 20.ハロゲンヒーター

1.電気炊飯器 2.ガス炊飯器 3.電子レンジ 4.ガスオープン 5.食器洗い機 6.食器洗乾燥機 7.食器乾燥機 8.電気ジャーポット 9.ディスポーザー 10.生ごみ処理機 (電気を使うもの)

1.FAX 2.ふとん乾燥機 3.衣類乾燥機 4.空気清浄機 5.加湿器 6.電気毛布 7.掃除機 8.浄化槽

空調関係 厨房関係 その他

図 5. 15 各種設備機器の設置状況によるエネルギー消費量

5.7 まとめ

本研究では,栃木県における省エネに対する意識及び行動とエネルギー消費量を明らかにすることが できた。以下に得られた知見を示す。

1) 省エネライフスタイルの実行度では,空調・換気関係において,エアコン,ファンヒーター,電気 カーペット,こたつでは「使用時間を短くする」と 70~80%が回答し省エネに努めている。しかし,

エアコンの設定温度において,「冷房設定温度を高くする」,「暖房設定温度を低くする」ことがで きておらず,エネルギー消費量増加が懸念される。省エネライフスタイルの実行度から回答者の省エ ネ意識を把握した。また,省エネライフスタイルの実行度の回答をもとに行った主成分分析では,保 有機器及び各省エネライフスタイルの実行度の省エネに寄与する影響度を把握することができた。

2) 空調及び給湯・厨房,照明・家電製品の設置・使用状況において,空調関係では,栃木県の住宅に おいて室内熱環境及び快適性を維持するため省エネ意識の低い回答者は快適な環境を得るため,エア コンの設定温度を冷房時では 28℃より低くし,暖房時では 20℃より高くしていた。また,給湯・浴室 において,「入浴時間がバラバラ」で自動湯張り機能を連続使用したり,湯温設定を高温に設定して いる回答者が多く,設置機器の性能及び設定によりエネルギー消費量が増加してしまうことが分かる。

住宅の構造及び熱環境,各種設備機器の設置及び性能,使用状況による主成分分析では,省エネ意識 の平均点に関係なく,それぞれの住宅の空調機器の設定温度や使用状況により大きく影響していると いえる。また,風呂の湯張りの電源の入れ方や風呂・給湯温度の設定のできる機器や使用状況により 大きく影響していることがわかった。

3) 省エネに対する意識及び行動とエネルギー使用量では,省エネ意識の平均点が4~5と高い住宅の エネルギー消費量は低い傾向にあり,文献 16)による関東のエネルギー消費量 43.0GJ/年・世帯以下と なっていた。省エネ意識[平均点]が4以下では,太陽光発電や床暖房などの住宅設備機器が設置さ

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れている住宅では多くのエネルギーを消費しているのがわかった。また,最大エネルギー消費量は 110GJ/年・世帯と関東のエネルギー消費の3倍弱にも達していた。電気エネルギー消費量のみで 50.1GJ/年・世帯と多くのエネルギーを消費していた住宅などでは,家電製品などの使い方を考える必 要がある。

謝辞

宇都宮大学 秋山光庸 名誉教授,宇都宮大学 浦井勇技術職員,栃木県住宅供給公社並びに調査に御 協力頂いた住戸の方々に記して謝意を表します。

参考文献

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2)森教子,森山正和,漆原慎:エネルギー供給形態の異なる戸建住宅のエネルギー消費量と節約行為に よる省エネルギー効果に関する研究,日本建築学会計画系論文集,第 565 号,pp.99-106,2003 年 3 月 3)前真之,鍋島美奈子,鎌田元康:生活時間のパターン分類―都心部集合住宅居住者のライフスタイル

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10)湯淺和博,劉正賢,吉野博,長谷川兼一:低負荷型ライフスタイルによる住宅のエネルギー消費量削 減の可能性,日本建築学会環境系論文集 第 642 号,pp.1019-1024,2009 年 8 月

11)佐藤豊,郡公子:栃木県の戸建住宅における省エネに対する意識及び行動とエネルギー消費量に関す る研究,空気調和・衛生工学会大会学術講演梗概集,pp.2193-2196,2007 年 9 月

12)佐藤豊,郡公子:栃木県の戸建住宅における省エネに対する意識及び行動とエネルギー消費量に関す る研究 その2省エネに対する意識の差と生活行動及びエネルギー消費量,空気調和・衛生工学会大

78 会学術講演梗概集,pp.1509-1512,2008 年 8 月

13)佐藤豊,郡公子:栃木県の戸建住宅における省エネに対する意識及び行動とエネルギー消費量に関す る研究 その3省エネに対する意識及び住宅設備のエネルギー消費量に与える影響の検討,空気調 和・衛生工学会大会学術講演梗概集,pp.525-528,2010 年 9 月

14)村上周三,坊垣和明,絵内正道,吉野博,飯尾昭彦,赤林伸一,鉾井修一,渡辺俊行:第4回住宅用 エネルギーシンポジウム「住宅用エネルギー消費と温暖化対策」,2005 年 6 月

15)中上英俊:「温暖化対策診断モデル事業」,2002 年 10 月 16)住環境計画研究所:家庭用エネルギーハンドブック 2009 年