4.2.1 標準物質から伝達される校正用試料(真度評価用試料)の検討
実施計画通り標準物質から伝達される校正用試料の作製は終了し、作製された校正用試
料は表 4.2-1の通りである。
表4.2-1 標準物質・校正用試料一覧
試料名 測定項目 濃度など 認証値及び表示値 単位
M 143.3±0.4
H 155.8±0.5
M 4.61±0.03
H 5.65±0.03
M 104.1±0.6
H 119.3±0.7
M 9.54±0.08
H 11.71±0.1
M 2.01±0.04
H 3.25±0.05
L 3.57±0.08
M 6.64±0.14
H 9.81±0.21
M 12.1±0.3
H 26.4±0.7
HH 45.4±1.1
M 0.86±0.05
H 1.92±0.06
HH 6.61±0.13
M 5.76±0.04
H 9.05±0.06
HH 12.39±0.09
Ⅰ 143.5±0.8
Ⅱ 178.7±1
Ⅲ 224.2±1.2
CK 455±10
ALP 436±13
LD 430±8
AMY 355±9
P-AMY
(参考値) 166±5
常用参照標準物質:ChE
JCCLS CRM-002b ChE 1レベル 512±2 U/L
230 mmol/mol
(13.3) %
456 mmol/mol
(25.1) %
M 5.54
H 8.15
M 3.35
H 4.86
L 0.5(スパイク値)
M 1(スパイク値)
H 4(スパイク値)
Na L 133.3
H 154.8
K L 3.80
H 5.70
Cl L 94.2
H 117.3
総Ca L 8.03
H 10.84
総Mg L 1.35
H 3.00
IP L 2.50
H 4.72
UN L 7.4
H 42.1
CRE L 0.48
H 3.78
UA L 3.90
H 11.89
GA L 228 mmol/mol
(13.2) %
H 393 mmol/mol
(21.9) %
TP L 5.25
H 8.19
ALB L 3.37
H 5.30
L H
TCHO L 165.3
H 256.1
標準物質
電解質測定用常用標準物質 JCCRM 321-5
Na
mmol/L K
Cl 総ca
mg/dL 総Mg
無機リン測定用常用標準物質
JCCRM 324-1 IP mg/dL
含窒素・グルコース標準血清 (JCCRM 521-8)
UN
mg/dL CRE
UA
コレステロール・中性脂肪常用標準物質
JCCRM 223-24 TCHO mg/dL
常用参照標準物質:JSCC常用酵素
JCCLS CRM-001b 1レベル U/L
グリコアルブミン測定用標準物質候補品
GA 08S GA
M H
総タンパク・アルブミン測定用標準物質候補品 TPALB 08S
TP
g/dL ALB
CRP測定用標準物質候補品
CRP 08S CRP mg/dL
校正用試料候補品
ISE用校正物質候補品
ISE 08C mmol/L
金属・無機リン・含窒素項目測定用校正物質候補品
MULTI-MPN 08C mg/dL
g/dL
コレステロール測定用校正物質候補品
TC 08C mg/dL
mg/dL CRP
タンパク項目測定用校正物質候補品 MULTI-PRO 08C
設定なし
4.2.2 検量あるいは校正サイクルの比較検討
実施計画どおり特定健康診査 8項目を除く主たる生化学22項目について、6社6機種の 自動分析装置について検討実験を行った。
実験結果より、測定値の精確さはいずれの測定装置においても維持されていた。さらに 検量サイクルの差はなかった。
4.2.3 校正システムの条件設定
自動分析装置においては、初回検量後に校正用試料を測定し、その測定値が表示値に対 して許容範囲内であることを確認する。もし許容限界を超えている場合は、検量係数に校 正用試料の表示値/測定値を乗じて校正する。また、精度管理において系統誤差が想定され る場合は、検量係数に校正用試料の表示値/測定値を乗じて校正する。
4.2.4 自動校正システムの評価
主たる生化学項目(Na, K, Cl, 総Ca, 総Mg, IP, TP, ALB, T-BIL, UN, CRE, UA, TCHO, CK,
ALP, LD, AMY, ChE, LIP, P-AMY, CRP, GA )のいずれの項目も許容誤差限界を満たしてい
た。
4.2.5 自動校正システムマニュアル作成
自動分析装置において検査試料の種別を識別することができ、校正用試料を認識して測 定した後にその測定結果に基づき、キャリブレータにより検量係数を校正することが可能 なデータ処理機能を備えた装置に適用する。
5 スタディの今後の課題及び展開
「校正用試料」を使用した校正による効果の可能性を確認した。効果はキャリブレータ で検量した後の標準物質の測定値とその認証値との差であるバイアスの認証値に対する割 合が、許容誤差限界を超えるような場合において、「校正用試料」を使用した校正の実施で それが低減することであった。本校正システムを導入することにより正確な測定値を得て、
装置間差、システム間差を縮小することの有効性は示唆されたので、校正用試料と標準物 質等が互いに類似した組成、性状、反応性等を有した今回の試験方法を、日常検査で患者 試料の測定をする現行のシステムに適用して、実際に誤差が縮小する検証が今後必要にな ると考えられる。