・0・981日
5.2 画像処理方法 .1全方向周辺分布
本章では、画像処理の一手法である周辺分布を利用して、「流れや運動」の解析を行 う。周辺分布とは、一方向に画素を走査し、その画素の輝度を集計したものを言う[47]。
水平方向の周辺分布恥は、画像の座標(x,y)における輝度をクn.とするとき、
・′
∑′‑
(5.1)で計算される。なお、走査する方向は水平・垂直方向がよく利用される。周辺分布は文 字認識や欠陥部分抽出に用いられている[46][4軋周辺分布の例を図5.3に示す。同図
は水平方向に集計した周辺分布で、水平方向に走査して孔が多く並んでいる位置にグラフ のピークが出ている。
本研究では、周辺分布を0度から179度まで集計する。各角度毎に周辺分布の標準偏
差を計算し、角度一周辺分布の標準偏差のグラフを作成する。このグラフを、ここでは全 方向周辺分布と言うことにする。図5.3の紋様について、30度方向に周辺分布を集計した 結果を図5.4に示す。図5.3と図5.4を比べて分かるように、ある方向に画像を走査して紋 様を構成する単位構造やその要素が並んでいる場合、図5.3のように周辺分布のばらつき
が大きくなり、逆にそれらが揃っていない場合には図5.4のようにばらつきが小さくなる。周 辺分布データのばらつきが大きければ、その標準偏差の値は大きくなる。従って、全方向 周辺分布でピークの位置が流れの方向であると言うことができる。
伊勢型紙
周辺分布の値 図5.3 周辺分布の例(水平方向に積分した値)
伊勢型紙
100000 90000 80000 70000 60000 50000 40000 30000 20000 10000 0
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0 100 200 300 400 500
図5.4 30度方向の周辺分布
5.2.2「運動」の分類と検索
本研究で用いた「運動」の分類と検索方法を、図5.5に示す。 分類は画像データか ら全方向周辺分布を計算し集積することで行う。
検索は、分類し蓄積したデータと、検索したい画像から求めた全方向周辺分布との類似 検索をすることによって行う。類似度を評価する方法としては幾つか提案されているが、本 章でも第4章で利用したパターンマッチングを利用する[17]。なお本章では、パターンマッ チングを次のように行う。
いま、全方向周辺分布データf,gがあるとする。このデータを180次元のベクトルと考え ベクトルf,gを作る。画像の類似度rを、式(5.2)のように、ベクトルのなす角度の余弦で定 義する。
全方向周辺分布のデータを指定する.
図5.5 単位構造の分類と検索
r=COS(β)=譜
(5.2)ただし、(ちg)はベクトルfとgの内積を表す。
定義から類似度rは、‑1≦r≦1である。fとgが同じ方向にあるとき、つまり、同じ格好 をしているとき、fとgのなす角度は0となり、類似度は1となる。また、f=‑gであるような 場合、fとgのなす角度は180度となり、類似度は‑1となる。