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肝動脈内投与では、全身性の毒性評価に必要な十分に高い曝露が達成できない。従って、

代替投与経路である皮下投与を用いて、ミリプラチンの生殖発生への影響を検討した。SD 系ラットを用いて受胎能及び胚・胎児発生に関する試験、及び出生前及び出生後の発生並 びに母動物の機能に関する試験、 NZW種ウサギを用いて胚・胎児発生に関する試験を実施 した。

なお、ミリプラチンはヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(懸濁用液)に分散した懸 濁液(ミリプラチン懸濁液)として投与し、対照として、生理食塩液投与群(生食対照群)

及びヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル投与群(懸濁用液対照群)を設けた。

(1) ラット受胎能及び胚・胎児発生に関する試験【表 2.6.7.12-1参照】 GLP適用 先に実施した「雌における受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(用量設定)」

(表 2.6.7.11-1参照)及び「ラットにおける胚・胎児発生への影響に関する試験(用量設定)」

(表 2.6.7.11-2参照)では、 50 mg/kgを昀高用量に設定した。これは、ラットで昀大血清中 総白金濃度が得られる投与液濃度( 2.5 mg/mL)に、皮下投与において技術的に可能な昀大 量と考えられ、かつ 2週間に 1回の間歇投与であることを考慮した投与容量( 20 mL/kg)を 乗じたものである。いずれの試験においても 50 mg/kgまでの投与では、親動物に対して一 般症状、体重及び摂餌量に影響はなかった。剖検においてミリプラチン投与群の投与部位 である皮下組織に浮腫又は嚢胞を認めたが、懸濁用液対照群でも同様に認められているこ とからミリプラチンに起因するものではないと考えられた。更に、生殖能に対しても雌の 交尾率及び受胎率に投与の影響は認められず、胚・胎児に対しても胚・児致死作用及び催 奇形作用は認められなかった。従って、交配前から胎児の硬口蓋閉鎖までを通してミリプ ラチンを投与しても、評価は可能と考えられたため、受胎能及び初期胚の発生に及ぼす影

響と胚・胎児の発生に及ぼす影響をあわせて評価する試験として以下のように「受胎能及 び胚・胎児発生に関する試験」を実施した。

すなわち、雌雄 SD系ラットにミリプラチン懸濁液を皮下投与し、受胎能及び胚・胎児発 生に及ぼす影響の有無を検討した。投与頻度は、 2週間に 1回とし、雄は交配前 28日間、

交配期間中及び交配期間終了後の剖検日まで 4回、雌は交配前 14日間、交配期間中及び妊 娠 17日までの期間に 3又は 4回の投与を行った。投与量は、上記用量設定試験と同様に、

高用量については 50 mg/kgとし、中間用量及び低用量については、投与容量を公比 2で除 した 25及び 12.5 mg/kgを設定した。

その結果、親動物の一般毒性学的影響として、雌雄共一般症状として外皮系腫瘤が認め られ、剖検においては油状物が貯留していた。これらの変化は懸濁用液対照群においても 同様に見られていることからミリプラチンに起因するものではないと考えられた。雄では、

体重及び体重変化に生食対照群と比べ有意な高値が散見されたが、 50 mg/kg 群と懸濁用液 対照群との比較では差は認められなかったことから、ミリプラチンに起因するものではな く、皮下に残存した投与液の絶対量との関連が考えられた。摂餌量に影響は認められなか った。精巣及び精巣上体重量では、懸濁用液対照群とミリプラチン投与群の間に差はなか った。生食対照群と比較して、懸濁用液対照群及びミリプラチン投与群で精巣上体の絶対 及び相対重量の低値が散見されたが、後述のごとく受胎能に影響は認められず、ラット反 復皮下投与毒性試験の精巣及び精巣上体の病理組織にも影響は認められなかったことより、

毒性学的意義のない変動と考えられた。雌では、交配前の体重及び体重変化に生食対照群 と比べ有意な高値が散見されたが、懸濁用液対照群との比較ではミリプラチンの 50 mg/kg 群に差は認められなかったことから、これらの変化はミリプラチンに起因するものではな く、皮下に残存した投与液の絶対量との関連が考えられた。妊娠期間の体重変化は、生食 対照群と比較して懸濁用液対照群で低値であり、 50 mg/kg 群では、更に低値となった。 50

mg/kg群の妊娠期間の摂餌量は懸濁用液対照群と比較して有意な低値が認められ、ミリプラ

チンに起因した影響が示唆された。生殖に及ぼす影響に関しては、親動物の平均性周期、

交尾成立動物数、平均交配所要日数、授胎(妊娠)動物数、黄体数、着床数及び着床前死 亡率に影響は認められなかった。また、次世代に対して催奇形作用及び胚・児致死作用は なく、胎児の発育にも影響は認められなかった。

以上より、ミリプラチンの親動物の一般毒性学的影響に関する無毒性量は雄動物で 50

mg/kg、雌動物で 25 mg/kg、生殖に及ぼす影響及び胚・胎児の発生に関する無毒性量はいず

れも 50 mg/kgと考えられた。

このときの血清中ミリプラチンの濃度は、以下のとおりであった。雄の一般毒性学的無 毒性量及び雄の生殖に対する無毒性量については、ラット反復皮下投与毒性試験( 1ヵ月)

の血清中総白金濃度を基に 650 ng /mLであると考えられ、これは、前期第 II相臨床試験に おける昀大曝露量(血漿中総白金濃度として 54 ng/mL)の約 12倍に相当する。雌について は、一般毒性学的無毒性量である 25 mg/kgでは血清中総白金濃度として 250 ng/mL、生殖に 及ぼす影響及び胚・胎児の発生に関する無毒性量である 50 mg/kgでは 516.7 ng/mLであり、

前期第 II相臨床試験における昀大曝露量(血漿中総白金濃度として 54 ng/mL)のそれぞれ 約 5倍及び約 10倍に相当する。

(2) ウサギ胚・胎児発生に関する試験【表 2.6.7.13-1参照】GLP適用

ミリプラチン懸濁液を雌 NZW種ウサギの胎児の器官形成期の間に曝露させ、妊娠動物及 び胚・胎児の発生に及ぼす影響を検索した。

ウサギ胎児の器官形成期(妊娠 6~18 日)の間に持続的に高い血清中総白金濃度が得ら れ、かつ、評価可能な母動物数が得られる投与条件を検索するため、検討試験を実施した。

まず、投与容量を 5 mL/kgと一定にし、投与液濃度を変化させて、非妊娠ウサギに単回皮下 投与し、血清中総白金濃度を検討した結果(表 2.6.7.11-3参照)、投与後 13日までは持続的 に全身曝露されること、及び昀大血清中総白金濃度を示す投与液濃度は 2.5 mg/mLであるこ とが明らかとなった。次に、「非妊娠雌ウサギにおける単回皮下投与による血清中白金濃度 検討試験(追加試験)」(表 2.6.7.11-4参照)を行い、 2.5 mg/mLの濃度の投与液を 5 mL/kg 及び 10 mL/kgの投与容量で投与した場合の血清中総白金濃度を比較した。その結果、単回 投与において、投与容量の増加に伴って血清中総白金濃度が上昇することが明らかとなっ た。そこで、投与液濃度を 2.5 mg/mLとし、ウサギ皮下投与における昀大投与容量と考えら れる 10 mL/kgを乗じた 25 mg/kgを昀高投与量に設定し、「ウサギにおける胚・胎児発生へ の影響に関する試験(用量設定)」(表 2.6.7.11-5参照)を実施した。その結果、帝王切開所 見並びに生存胎児の外形、骨格及び内臓観察にミリプラチンに起因する影響は認められな かったが、投与容量 5 mL/kg以上では、無摂餌状態が継続し、流早産を来たす可能性が示唆 されたため、妊娠動物を用いた追加試験を実施するのが適切と考えられた。そこで、投与 容量を 2.5 mL/kg以下として、ウサギ胎児の器官形成期(妊娠 6~18日)により高い曝露量 が得られる条件を検索するため、投与時期を含めて検討を実施した。すなわち、先に実施 した「非妊娠雌ウサギにおける単回皮下投与による血清中白金濃度検討試験」(表 2.6.7.11-3 参照)及び「非妊娠雌ウサギにおける単回皮下投与による血清中白金濃度検討試験(追加 試験)」(表 2.6.7.11-4参照)の結果から、昀大血清中総白金濃度を得られる条件の投与液濃

度(2.5 mg/mL)において、ウサギの場合は血清中総白金濃度は投与初期から緩やかに上昇

し、投与後 7日においてほぼプラトーに達し、投与後 13日間は持続的に全身曝露すること が確認されていたため、妊娠 0 日に 1 回投与する群(胎児の器官形成期に血清中総白金濃 度がプラトー付近に上昇し、器官形成期間中、高濃度で維持することを期待)並びに妊娠 0 及び 14日の 2回投与する群(プラトーに達した血清中総白金濃度が投与後 13日以降低下 した場合でも、追加投与によって器官形成期の間、高濃度を維持することを期待)を設定 し、「ウサギにおける胚・胎児発生への影響に関する試験(用量設定追加試験)」(表 2.6.7.11-6 参照)を実施した。その結果、妊娠 0及び 14日に 2回投与した群では妊娠末期から無摂餌 状態が継続する母動物が見られ、体重及び摂餌の抑制が認められた。一方、妊娠 0 日に 1 回投与した群は体重及び摂餌の抑制はなく、かつ、胎児の器官形成期の間、持続的に高い 血清中総白金濃度が得られた。また、妊娠 0日に 1回投与した場合、同じ容量を妊娠 6日

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