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ア  平成 19 年8月 7 日、那覇防衛施設局は沖縄県に方法書を提出 した。

      イ  当該方法書は300頁余りであるが、「対象事業の目的及び内容」

が 7 頁しかなく、軍用機の種類、飛行ルート、飛行回数、時間帯 など航空機騒音の予測に必要な重要な情報がなく、埋立土砂の購 入先も不明であるなど問題点が多かったため、欠陥方法書との批 判を受けた。沖縄県知事(仲井眞弘多)は「代替施設の建設位置 等についての地元との調整が整わない中、方法書が提出されたこ とは遺憾である」とのコメントを発表し、方法書の受理を保留し

190 た。

しかし、那覇防衛施設局は手続を進め、平成 19 年 10月 22 日 には住民等意見概要書を県へ送付した。行政手続法により、県は、

送付された意見概要書を拒否することはできず、また、これを受 け付けることにより、知事意見を述べる期限(沖縄県環境影響評 価条例:送付の日から 60 日以内、環境影響評価法:送付の日か ら 90日以内)が発生するため、県は、平成 19年 10月 22日付け で方法書を正式に受理した。

      ウ  飛行場事業について、平成 19 年 12 月 17日に沖縄県環境影響 評価審査会(以下「審査会」という。)から答申がなされ(36 項 目 208 件)、沖縄県知事(仲井眞弘多)平成 19年 12月 21 日に沖 縄県環境影響評価条例に基づく方法書への意見を述べた(36 項目

233 件)。

      知事の方法書への意見は、「当該方法書における環境影響評価の 項 目 及 び 手 法 を 選 定 す る に 当 た り 考 慮 し な け れ ば な ら な い 事 業 特性としての当該事業の内容は、方法書への記載事項としては環 境影響評価法 …及 び沖縄県環 境影響評価条例…で規定する事項 が記載されているとは言え、方法書において示された環境影響評 価 の 項 目 及 び 手 法 が 適 切 な も の で あ る か 否 か を 判 断 で き る 内 容 が十分記載されているとは言い難い。例えば、主要な諸元である 飛行場区域、作業ヤード及び埋立土砂発生区域の面積も不明であ り、また、飛行経 路などの運用 形態等が記載されていないこと、

更に、陸上飛行や航空機装弾場及び大型岸壁など方法書に記載の

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ない内容が新聞等で報道されるなど問題が多く、審査するに足る ものとなっていな いと考えてい る。このような状況から 沖縄県 環境影響評価審査 会…において は、『方法書についての質問書を 事業者に送付したが、「決定しておらず具体的に示すことは困難」

との回答があまりにも多く、的確に答申することは困難である。』、

『当該事業に係る 方法書手続き は、事業内容がある 程 度決定し た上で、再度実施するべきものと思料する。』 旨の答申がなされ ており、事業者においてはこのことを真撃に受け止める必要があ る。」と指摘し、「本意見は、個別具体的に述べることは困難であ ることから総体的に述べたものである。そのことを踏まえた上で、

当該事業に係る環境影響評価については、当該事業に係る計画の 熟度が上がり 事業 の内容が具 体化す ることに応じて、環境 影響 評価の項目並びに 調査 、予測及び 評価の手法を適宜見直す必要 がある。」としていた。

      エ  埋立事業については、平成 20年1月 18日に審査会から答申が なされ、沖縄県知事(仲井眞弘多)は同月 21 日に環境影響評価 法に基づく方法書への意見を述べた。

      飛行場事業についての知事意見と同様の問題点を指摘し、「沖縄 県環境影響評価審査会…においては、『方法書について 35 項目 76 問の質問書を事業 者に送付した が、「決定しておらず具体的に示 すことは困難」との回答があまりにも多い』との答申を行い、昨 年 12 月 21 日の飛行場及びその施設の設置の事業に対する知事 意見では、方法書は『審査するに足るものとなっていない』と述

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べたところである。こうした知事意見を考慮し、事業者において は当該事業について 150 頁余の事業内容の追加説明資料を示し たが、その時期が本意見の直前であったことから十分な審査期間 が確保出来ず、的確に意見することは困難な状況である。法及び 条例における方法書の手続は、事業者としてある程度具体的な事 業計画を想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始 されるものであることから、当該事業に係る方法書の対象事業の 内容、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法につ いて書き直しをする必要がある。」とした。

(2)  準備書

ア  平成21 年4月1日、沖縄防衛局は準備書を提出した。

イ  飛行場事業について、平成 21年 10月2日に審査会から答申が なされ(28 項目 153 件)、沖縄県知事(仲井眞弘多)は平成 21 年10月13日に沖縄県環境影響評価条例に基づき準備書への意見 を述べた(28項目 186 件)。

    埋立事業について、平成21 年 10月2日に審査会から答申がな され(31 項目 259 件)、沖縄県知事は平成 21年 10月 13 日に環 境影響評価法に基づき準備書への意見を述べた(32 項目 316 件)。

ウ  沖縄県環境影響評価条例に基づく準備書への意見及び環境影響 評価法に基づく準備書への意見のいずれにおいても、沖縄県知事 の意見は、「当該事業に係る環境影響評価方法書…で示された 事 業特性としての事 業内容は、環境影響 評価法 …及び沖 縄県環境 影 響 評 価 条 例 … で 規 定 す る 方 法 書 へ の 記 載 事 項 が 記 載 さ れ て い

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たとは言え、環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか 否 か を 判 断 で き る 内 容 が 十 分 記 載 さ れ て い る と は 言 い 難 い も の であった。そのため、方法書に係る追加・修正資料を提出させた ところであるが、それにもかかわらず、当該事業に係る準備書は、

新たに事業内容が追加、修正され、ジュゴン等に対する複数年の 調 査 が 実 施 さ れ て い な い な ど 方 法 書 に つ い て の 知 事 意 見 に 十 分 に対応せずに作成されている。また、準備書で示された調査結果 の解析、取りまとめや予測、評価の結果も十分とは言えないもの である。さらに、住民等から、手続のやり直しや、準備書に対す る 追 加 修 正 資 料 の 作 成 及 び 当 該 追 加 修 正 資 料 に 係 る 住 民 意 見 の 聴取といった強い要望も出されている。従って、当該事業に係る 環境影響評価は、 当該事業の実 施に伴う環境影響について 、必 要となる調査を追 加・ 補足し、こ れまでに行った調査結果を総 合的に解析して、再度、精度の高い予測及び根拠の明確な評価を 行い、環境への負荷を可能な限り回避、低減するために環境保全 措置を十分に検討して、地域の自然環境及び生活環境の保全に万 全の措置を講じる必要がある。」と指摘していた。

(3)  環境影響評価書

ア  沖縄防衛局は、平成 23年 12 月 28日、「普天間飛行場代替施設 建設事業に係る環 境影響評価書 」( 以下「環境影響評価書」とい う。)を勤務時 間外の午前4時 過ぎに守衛室に持ち込んで提 出し た。

イ  沖縄県環境影響評価審査会答申

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(ア)  審査会は、沖縄県知事(仲井眞弘多)の諮問を受け、平成 24

年2月8日付で、答 申(「 普天間 飛行 場代替施設建設事業に係 る環境影響評価書の審査について(答申)」)をした。その結論 は、「 名護市辺野 古沿岸域を事業 実施区域とする当該事業は、

環境の保全上重大な問題があると考えられ、評価書で示された 環境保全措置等では、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然 環境の保全を図ることは、不可能と考える」というものであっ た。

(イ)  この答申に至る経緯は、次のようなものであった。

沖縄県環境影響評価条例では、方法書、準備書、評価書に対 し、知事が意見を述べる際、審査会の意見を聞くことができる との規定がある(条例第 10 条第2項、同第19 条第2項、同第 22 条第2項)。また、条例では、法対象事業に係る方法書、準 備書に対して知事が意見を述べる際に、審査会の意見を聞くこ とができるとする規定(条例第10条第2項、同第 19条第2項)

を準用している(条例第 49条第2項)。しかし、法対象事業の 評価書に対しては免許等権者(本件の場合は土木建築部・農林 水産部を所管する知事)が意見を述べることになっているため、

条例の準用はない。

    本件において、埋立事業は「法対象事業」、飛行場事業は「条 例対象事業」であるところ、上記の条例の仕組みから、各事業 にかかる評価書について、飛行場事業に対し知事が意見を述べ る際は審査会の意見を聴くことができるが、埋立事業について

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免 許 等 権 者 が 意 見 を 述 べ る 際 は 審 査 会 の 意 見 を 聴 く こ と が で きない。

当時は法改正の全面施行前であったことから、免許等権者は、

埋立事業について、環境大臣の助言を求めることができなかっ たが、本件埋立事業は重要な案件であったため、外部の専門家 に意見を聴くことが望ましかった。一方、埋立事業と飛行場事 業は不離一体の事業で、環境影響評価の図書は両事業を合せて 作成され、手続も併せて行われたことから、環境影響という観 点から両事業を区別して審査することは困難で、また、その意 義もなかった。そのため、県は、審査会に対し、飛行場事業に ついて諮問するものの、審査会の審議は、飛行場事業と埋立事 業とを区別せずに行われた。そして、審査会からの飛行場事業 の答申において、埋立事業に関する意見は、答申の「付帯意見」

という形式でなされた。

ウ  環境影響評価条例に基づく知事の意見

同年2月 20 日、沖縄県知事(仲井眞弘多)は、沖縄県環境影 響評価条例第 22 条第1項に基づき飛行場事業に係る環境影響評 価書に対する意見 を述べたが(「普 天間飛行場代替施設建 設事業 に係る環境影響評価書に対する知事意見について」)、その結論は、

「名護市辺野古沿岸域を事業実施区域とする当該事業は、環境の 保全上重大な問題があると考える。また、当該評価書で示された 環境保全措置等では、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環 境の保全を図ること は、不可能と考える」というもの であった。