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影響に対する考え方

為替は、1a)海外販社へ供給する際の為替の影響と、1b)海外通貨で契約した商品の為替変動での影響、そして、

3a)仕入先からの円貨建ての仕入、に主に影響を及ぼす。

仕入から商品販売までの流れのなかで下表のように、1a)は良品計画単体から海外販社への外貨建て取引で、為 替リスクを海外販社ではなく単体が負っているというもので、円安時にプラスとなる。1b)は海外通貨で契約し た商品仕入の部分が相当し、円安時にマイナスとなる。また円での契約についても間接的に影響が出るが、後述 の3a)にて説明を試みたいと思う。

仕入から販売までの通貨別の流れ(2015年1月の取材時点)

(サイトは約1ヶ月) (サイトは約3ヶ月)

外貨建て(約4割) 外貨建て(1~2割) 外貨建て(約10割)

(契約はドル、約2割)

(契約は円、約2割)

円貨建て(約6割) 円貨建て(8~9割)

海外販社

1a)

3a) 1b)

為替の影響を受ける取引

出所:会社ヒアリングによりSR推計

季節商品が主に為替の影響を受けるが、円建て契約の定番商品も影響はあり(上記3a))

同社の商品は大きく分けると、季節商品(生活雑貨の一部と衣服雑貨)と定番商品に分けられる。季節商品は半 年毎に春夏物、秋冬物として企画し商談を進めていく。季節商品の海外からの仕入分については基本的には外貨 建て契約であり、為替リスクを同社が負うことでコスト低減を図っている。一方、定番商品は季節商品よりも商 品サイクルが長くなることから、円建て契約で為替リスクは同社が負わない建前となっている。但し、急激に円 安が進行して取引先が厳しい状況に陥った際には、同社に対して値上を要望することがあると思われる。

単体売上総利益率の推移

40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 34%

36%

38%

40%

42%

44%

46%

48%

50%

52%

54%

Mar-10 Mar-11 Mar-12 Mar-13 Mar-14 Mar-15 Mar-16

単体 衣服雑貨

生活雑貨 円/USD(右軸)

出所:会社資料よりSR作成

また、海外事業の拡大とGSCMの展開を背景として、従来は単体原価に含まれなかった商品仕分コストや物流コス トにおいて単体負担部分が増加するといったことが起きている。これは、商品が生産地から店舗で販売されるま でのプロセスがより最適な形に変更されたことで、起こったもの。GSCMの進展・海外事業の拡大などビジネスモ デルが転換しつつあることが主因と考えられる。

具体的な例(下表参照)をあげると、a)従来は中国で生産した商品を日本に輸出し、国別に仕分して世界各国の 店舗に輸出していたが、b)現在は中国で生産した商品を中国(広州/上海)のGDCにおいて国別に仕分し、中国

れた分、従前より高くなる。加えて、円安により円換算での原価が膨らむことが売上総利益率の低下に繋がると いうものである。

生産から店舗まで((*)下表は中国での店舗の例。実際には世界各国の店舗への輸出している)

b) USD10.0

a) USD10.0 (JPY10,000) b) USD11.0 (JPY12,100) b) USD11.0

a) USD11.0

(*)

出所:会社資料よりSR作成

2016年2月期の為替の影響額

営業収益及び仕入高の通貨別構成比(2016年2月期)

円建て売上高83%

外貨建て売上高15% 外貨建て営業収入2%

円建て仕入高34%

USドル建て仕入高17%

為替連動円建て仕入高9%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

営業収益 仕入高

為替の影響について

FY02/16

(十億円) 構成比 内訳 通貨種

営業収益

232.0 100.0%

35.0 15.1%

外貨建て売上高 各国通貨

4.0 1.7%

外貨建て営業収入 各国通貨

193.0 83.2%

円建て売上高

売上原価

142.0 61.2%

24.0 10.3%

USドル建て仕入高

USD

40.0 17.2%

為替連動円建て仕入高 円(為替変化に遅行)

78.0 33.6%

円建て仕入高

営業総利益

90.0 38.8%

シミュレーション 10%円高時 10%円安時

(十億円) 構成比 差異 構成比 差異

営業収益

228.1 100.0% 0.00ppt 235.9 100.0% 0.00ppt

31.5 13.8% -1.28ppt 38.5 16.3% +1.23ppt

3.6 1.6% -0.15ppt 4.4 1.9% +0.14ppt

193.0 84.6% +1.42ppt 193.0 81.8% -1.38ppt

売上原価

135.6 59.4% -1.76ppt 148.4 62.9% +1.70ppt

21.6 9.5% -0.88ppt 26.4 11.2% +0.85ppt

36.0 15.8% -1.46ppt 44.0 18.7% +1.41ppt

78.0 34.2% +0.57ppt 78.0 33.1% -0.56ppt

営業総利益

92.5 40.6% +1.76ppt 87.5 37.1% -1.70ppt

FY02/16

(十億円) 概要 売上比 経常利益比

営業外為替差損

2.0 0.65% 6.12%

0.3

買掛金為替予約 (残高約100億円)

0.10% 0.92%

1.7

a)  USドル建て仕入高 (サイト約1ヶ月)

0.55% 5.20%

b)  各種外貨建て売上高 (サイト約3か月)

c)  各種外貨建て営業収入 (サイト約3か月)

出所:会社資料よりSR作成

注:上記の「為替連動円建て仕入高」は為替変化に遅行するため、急激な円高・円安時には各々減益・増益要因となり得る

連結未実現利益の計画以上の増加

会計上の問題ではあるが、円安は未実現利益にも影響をおよぼす。海外事業で販売する商品は良品計画単体が供 給しており、2016年2月期は、これが未実現利益の影響による連単差の拡大をもたらした。海外販社が販売する商 品は良品計画単体が供給しており、為替状況・在庫回転率に応じて売上総利益の連単差に影響を与え、未実現利 益による連結調整が生じ得る。要因は、以下の3要素が影響してくるため

【量】 海外販社での新規出店集中時に、一時的に良品計画単体に供給差益が発生するが、グループ外に販売 するまでは、連結上は売上総利益とならない

【利益率】 海外販社へは外貨建てで単体から商品を仕入れており、円安により商品在庫に含まれる利益部分が膨 らむが、グループ外に販売するまでは連結上は差益(売上総利益)とならないため、良品計画単体の 差益高は連結決算の過程で在庫に振り替わる

【時間軸】 2016年2月期前半は、海外販社の仕入増加及び円安を背景に、良品計画単体において【量】×【利益 率】=【高い利益率】で計上した売上総利益が、海外事業の在庫回転率(約2回転)の【時間軸】後 に実現したことで、2016年後半に実現利益として、売上総利益率をQ3は1.1ポイント、Q4は1.3ポイン ト押し上げた(通期では約0.6ポイント増)

同社は、2017年2月期までに売上高3,000億円(うち海外売上高1,000億円)、経常利益350億円、ROE15%、世界 店舗数888店舗を目指す。