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第3章 ごみ処理基本計画

第7節 災害廃棄物処理計画

2.2 災害発生時の協力体制の確保

災害発生時における関連機関等との連携の枠組み(案)を下図に示します。

災害発生時は、本枠組み(案)に沿った上で円滑な協力体制を確保します。

◆図表

3-42

災害発生時の提携のスキーム

(1)周辺自治体への協力要請

本町の組織・体制を整備するとともに、できるだけ早く正確な被災状況等の情報を把握し 県と共有します。また、周辺自治体と調整し、災害発生時の相互応援態勢を整備します。

なお、現在締結している周辺市町等との災害時の相互援助協定は以下のとおりであり、

本町において災害が発生した場合は、協定に基づいて協力要請を行います。

◆図表

3-43

連携体制

協定名 協定締結の相手方 協定締結年月日

災害時における相互応援協定 鹿島市、白石町、太良町、諫早市

(207号沿線自治体) 平成24118 佐賀県・市町災害時相互応援協定 県及び県内市町 平成24330

佐賀県 状況報告

江北町 状況報告

協力支援

他都道府県 協力支援要請

協力支援要請

協力支援

協力支援要請

周辺自治体 協力支援

協力支援要請

関連機関・団体・

ボランティア 協力支援

協力支援要請 住民

広報・啓発 協力 災害時の連携体系

(2)民間団体等への協力要請

本町は、災害対策活動を円滑に実施するため、一般廃棄物収集運搬業者、江北町建友会、

一般社団法人佐賀県産業廃棄物協会等へ協力要請を行います。

また、仮置き場所の用地が不足するときは、必要に応じて仮置きが可能な土地を所有して いる方にも協力要請を行います。

(3)ボランティア等への協力要請

災害廃棄物等の撤去等については、多くの人員が必要となるため、民間からボランティア を募り、協力要請を行います。

2.3 的確な情報収集の実施

災害廃棄物について迅速な対応を行うためには、被災状況の情報を的確に収集することが 重要です。以下に、収集すべき情報として考えられるものを示します。

◆建物の被災状況(地震時:全壊・半壊等、水害時:床上・床下浸水等)

◆ごみ処理施設、し尿処理施設等の被災状況

◆道路網の被災状況

◆利用可能な施設、機材、車両、人員等の状況

◆がれき・粗大ごみ等の発生量の予測及び処理方法・仮置き場の状況

2.4 住民への広報を実施

災害発生時、廃棄物の排出方法を住民に理解してもらい、かつ協力を要請する必要があり ます。

住民への広報として、災害発生前においてはホームページや広報紙、行政放送等を活用し て周知を図ります。災害時においては、電気等のライフラインが途絶える事もあるため、主 としてラジオ、公共の掲示板、広報宣伝車等を利用して、ごみの排出方法や場所、排出時期、

し尿等の収集依頼方法や収集日程などを広報します。

2.5 廃棄物の分別の徹底

災害時に発生する廃棄物は多種多様なものとなるため、可能な限り最終処分する廃棄物を 少なくすることを目的に、分別の徹底を周知します。

なお、実際に災害が発生した場合は被災の状況にあわせて、分別区分の簡素化を図るなど 臨機応変に対応します。

3.災害廃棄物の処理方法等

3.1 仮置場

災害廃棄物は、大量に発生することが想定され、処理に長期間を要する場合があることか ら、災害の種類、規模に応じて、生活環境及び環境保全上支障のない場所に仮置き場を確保 する必要があります。

発生した災害廃棄物を仮置きできる面積を確保することができ、搬入車両や重機が容易に 通行でき、場合によっては中長期に亘って使用できる場所を選定する方針とします。

◆図表

3-44

仮置き場の考え方

区分 短期間 中・長期間

考え方 【一次仮置き場】

災害廃棄物を早急に撤去するために 被災地区に近い場所に設置

【二次仮置き場】

災害廃棄物の処理や処分の状況によ って、中長期に亘って保管等が必要と なった場合に設置

選定場所 公園、グランド、公共施設、駐車場、空き地、多目的広場

◆図表

3-45

仮置き場のレイアウトイメージ

道 路

入口 出口

車両導線 不燃ごみ

エリア

混合ごみ エリア

資源ごみ エリア

可燃ごみ エリア 分別

分別

分別

作業スペース等

車両導線

がれき類 エリア

(分別スペース含む)

車両導線

可燃性粗大 エリア

粗大ごみ エリア

不燃物粗大 エリア

処理困難物 車両導線 エリア

分別

分別

作業スペース等

3.2 仮置き場の運営方法

仮置き場については、以下に示す点に留意しつつ運営する計画とします。

なお、水害廃棄物については、水分を含んだ廃棄物となるため、腐敗や悪臭等にも配慮す る必要があります。

◆搬入・搬出する災害廃棄物を適正に処理します。

◆仮置き場内での作業員や重機等の動線を決め、災害廃棄物を効率的に受け入れます。

◆設定した分別区分に従い、適正な作業を行います。

◆災害廃棄物の処理の優先順位を定め、受入面積を確保します。

◆火災等の自己に十分配慮した作業を行います。

◆粉じん・騒音・悪臭などに配慮した作業を行います。

◆火災等に配慮し消化器の配置や消防との連携を図り、二次災害の発生防止に努めます。

◆消毒剤や消臭剤を用いて、悪臭や害虫の発生を防止します。

◆場合によっては、公共水域への汚水の流入防止措置を実施します

3.3 処理方法

(1)家庭ごみ(粗大ごみ含む)

家庭ごみの発生量については、災害発生時も平常時とほぼ同様であるとされています。

しかし、粗大ごみについては、特に水害が発生した際には短期間に多量の廃棄物が発生し ます。同時に、畳等は腐敗し悪臭が発生する場合もあることから、迅速な対応が必要となり ます。

以下に、災害発生時の収集運搬・処理方法に関して基本的な考え方を示します。

◆一時期に大量に発生する廃棄物を保管できる仮置き場を設けます。

◆災害により被害が想定される場所への収集ルートを検討します。

◆路上の廃棄物を優先的に収集します。

◆腐敗や悪臭を放つ生活系ごみや畳等は早期に処理します。

◆不燃物は、破砕や資源選別を徹底します。

(2)災害廃棄物

震災時では、建物の倒壊や消失等によりがれきが多量に発生します。同時に、損壊家屋等 の解体に伴い、廃材や鉄筋を含むコンクリート殻等が長期的に発生することとなるため、が れきの処理については通行上支障のあるものを優先的に処理する計画とします。

また、発生したがれきについては、再利用可能なものは極力活用し、どうしても使用でき ないものを焼却処理または埋め立て処分する方針とします。

なお、解体家屋の廃材については再利用や再資源化が可能なものが多く含まれていること

【分別区分案】

木くず、コンクリート塊、金属くず、有害廃棄物(アスベスト等)、

その他可燃物及び不燃物、分別不可能な混合物

(3)適正処理困難物

適正処理が困難な廃棄物は、基本的には排出者の責任で受入可能な処理施設で処分します。

家電リサイクル法対象品目についても、平常時と同様の取り扱いとしますが、引取場所の被 災状況や個人での対応が困難な災害であった場合は、仮置き場にて一時保管や収集を行いま す。

4.災害廃棄物の推定方法

4.1 災害廃棄物の発生量の算出方法

災害廃棄物の発生量は「災害廃棄物対策指針」(環境省 平成

26

3

月)に示された推計 式及び原単位をもとに算出するものとします。なお、本計画においては、具体的な被害状況 の推定は困難であることから、参考とする発生原単位を整理します。

【算出式】

災害廃棄物発生量(t)

= 地震による倒壊棟数×発生原単位+津波による浸水世帯数×発生原単位

◆図表

3-46

災害廃棄物の発生原単位

区分 南海トラフ巨大地震 首都直下地震

全壊 117t/棟 161t/棟

半壊 23t/棟 32t/棟

床上浸水 4.60t/世帯 -

床下浸水 0.62t/世帯 -

4.2 津波堆積物の推定

津波が発生した際の堆積物の発生量は「災害廃棄物対策指針」(環境省、平成

26

3

月)

に示された下式にもとづいて、発生時に推定を行うものとします。

津波堆積物 = 津波浸水面積(m2) × 発生源単位(0.024t/m2

4.3 火災焼失に伴う建物の減量率の推定

火災焼失に伴う建物の減量率は「災害廃棄物対策指針」(環境省、平成

26

3

月)に示さ

◆図表

3-47

火災焼失による減量率の発生原単位

区分 木造建物 非木造建物

34%減 16%減

78t/棟(≒117t/棟×66%) 98t/棟(≒117t/棟×84%)

4.4 水害廃棄物の発生量の推定

水害が発生した際には浸水家屋より大量の粗大ごみが発生することが考えらます。

発生量は、「水害廃棄物対策指針」(環境省、平成

17

6

月)に示された下式にもとづい て、災害発生時に推定を行うものとします。

水害発生量 = 被災家屋数 × 発生源単位(2t/家屋)

4.5 し尿収集必要量の推定

災害時におけるし尿収集必要量は「災害廃棄物対策指針」(環境省 平成

26

3

月)に示 された推計式をもとに推計します。

し尿収集必要量

=災害時におけるし尿収集必要人数×1日1人平均排出量

=(①仮設トイレ必要人数+②非水洗化区域し尿収集人口)×③1人1日平均排出量

①仮設トイレ必要人数=避難者数+断水による仮設トイレ必要人数 避難者数 :避難所へ避難する住民数

断水による仮設トイレ必要人数={水洗化人ロ-避難者数×(水洗化人口/総人口)}

×上水道支障率×1/2 水洗化人口 :平常時に水洗トイレを使用する住民数

(下水道人口、コミニティプラント人口、農業集落排水人口、浄化槽人口)

総人口 :水洗化人口+非水洗化人口 上水道支障率 :地震による上水道の被害率

1/2 :断水により仮設トイレを利用する住民は、上水道が支障する世帯のうち約1/2 の住民と仮定。

②非水洗化区域し尿収集人口=汲取人ロ-避難者数×(汲取人口/総人口)

汲取人口 :計画収集人口

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