• 検索結果がありません。

第 4 章 港湾コンクリート構造物に適用した電気防食システムの維持管理

4.2 鉄筋表面の環境改善効果を考慮したコンクリート中鉄筋の電気防食設計

4.2.3 解析および試験方法

( 1) 解 析 方 法

1) Cl-濃 度 の 経 時 変 化

電 気 防 食 を 適 用 し て い る コ ン ク リ ー ト 中 の Cl-濃 度 の 一 次 元 (x 軸 方 向 ) の 濃 度 変 化 は , (4.2.1)式 の よ う に 考 え る こ と が で き る 6

CC l-:Cl-濃 度 ,x: コ ン ク リ ー ト 表 面 か ら の 距 離 ,t: 時 間 ,z: 荷 電 数 , DC l-: 見 か け の Cl-拡 散 係 数 ,F: フ ァ ラ デ ー 定 数 ,E: 環 境 電 位 勾 配 , R: 気 体 定 数 ,T: 絶 対 温 度

電 気 防 食 適 用 前 の コ ン ク リ ー ト 中 の Cl-濃 度 分 布 は , フ ィ ッ ク の 第 2法 則 を CC l-(x,0)= 0,CC l-(0,t)=CC l-,0( 一 定 ) の 条 件 下 で 得 ら れ る(4.1.2)式 に よ っ て 求 め る こ と が で き る . 本 解 析 で は ,(4.2.2)式 を も と に 下 記 の 解 析 条 件 を 設 定 し , 求 め ら れ る 分 布 を 初 期 条 件 と し た .

x C RT D zFE x

D C t C

Cl

Cl

 

 

Cl

2 Cl 2 Cl

 

 

 

D t

erf x C

t x C

Cl

i

,

Cl ,0

1 2

Cl

(4.2.1)

(4.2.2)

98

【 解 析 条 件 】

CC l-(0,t)=10kg/m3( コ ン ク リ ー ト 表 面 濃 度 ),CC l-(∞,t) =0kg/m3DCl -=3.0×10-8cm2/s,t:20年 後

(4.2.1)式 を 差 分 方 程 式((4.2.3)式)に 変 換 し , 下 記 の 解 析 条 件 下 で 各 位 置 に お け る Cl-濃 度 の 経 時 変 化 を 求 め た .

【 解 析 条 件 】

鉄 筋 位 置 :x=5cm,CC l-(0,t)=10kg/m3CC l-(∞,t)=0kg/m3DC l-=1.0×10- 8cm2/s, E=-30mV/cm(x≦5cm),E=0mV/cm(x>5cm),T=298K

2) pH 経 時 変 化

電 気 防 食 を 適 用 す る こ と に よ る コ ン ク リ ー ト 内 部 の OH-濃 度 の 時 間 変 化 は , 一 次 元 で の 物 質 移 動 を 考 慮 し ,(4.2.4)式 お よ び(4.2.5)式 で 与 え る こ と と す る .

≪ 鉄 筋 位 置 ≫

≪ 鉄 筋 位 置 以 外 ≫

CO H-: 濃 度 ,x: コ ン ク リ ー ト 表 面 か ら の 距 離 ,DO H-: 見 か け の OH-拡 散 係 数 , t: 時 間 ,z: 荷 電 数 ,F: フ ァ ラ デ ー 定 数 ,E: 環 境 電 位 勾 配 ,R: 気 体 定 数 , T: 絶 対 温 度 ,i: カ ソ ー ド 電 流 密 度 ,d:pH 定 義 層 の 厚 み

       

 

 

2

Cl 1 1 Cl

Cl Cl i

, ,

2 , ,

x

t x C t x C t x t C

D t t x

C

Cl i i i

1

,

Cl

  ,

Cl

  , ,

Cl

C x t

x

t x C t x C RT zFE

i i

i

 

 

zFd i x

C RT D zFE x

D C t

C

 

 

OH

2 OH OH 2 OH OH

x C RT D zFE x

D C t

C

OH

OH

 

 

OH

2 OH 2 OH

(4.2.3)

(4.2.4)

(4.2.5)

99

【 解 析 条 件 】

鉄 筋 位 置 :x=5cm,DO H-=1.0×10- 7cm2/s,

x=5cmの 時 :CO H-(5,0) =1.0×10-7M,x≠5cm の 時 :CO H-(∞,t) =1.0×10- 2M,

i=-10mA/m2d=0.05cm,E=-30mV/cm(x≦5cm),E=0mV/cm(x>5cm),

T=298K

上 記 の 解 析 条 件 は 以 下 の 点 を 考 慮 し て 決 定 し た .腐 食 し て い る 鉄 筋 を 想 定 し て CO H-(x,0) は 鉄 筋 表 面 を 1.0×10- 7M(pH7) と し , そ れ 以 外 の 部 分 を 1.0×10- 2M(pH12) と し た . ま た ,DO H-は Cl-と OH-と の 移 動 度 7 )の 比 を 考 慮 し ,DC l-の 3倍 の 値 を 用 い た .(4.2.4)式 ,(4.2.5) 式 を 下 記 ((4.2.6)式 ,(4.2.7)式 ) の 差 分 方 程 式 に 変 換 し , 上 記 解 析 条 件 下 で 各 位 置 に お け る OH-濃 度 を 算 出 し ,pH=14+logCO H-の 関 係 よ り pH に 換 算 し て 経 時 変 化 を 求 め た .

≪ 鉄 筋 位 置 ≫

≪ 鉄 筋 位 置 以 外 ≫

( 2)rc r i t値 の 評 価 試 験

発 錆 さ せ た 試 験 片 を 数 種 類 の 異 な るCl-濃 度 の 試 験 溶 液 中 に 浸 漬 し ,Ca(OH)2お よ びNaOH の 添 加 に よ っ て pH を 上 昇 さ せ た 時 の 腐 食 速 度 の 変 化 を AC イ ン ピ ー ダ ン ス の 周 波 数 特 性 と , 自 然 電 位 の 経 時 変 化 に よ り 評 価 し た . 試 験 片 の 形 状 は 図-4.2.1 に 示 す と お り で あ り , 材 質 は SS400(JIS G 3101) で あ る .SS400の 化 学 成 分 を 表-4.2.1 に 示 す . 室 温 , 大 気 開 放 下 の 海 水 を 用 い て 1~2 週 間 ,任 意 の イ ン タ ー バ ル で 乾 湿 を 繰 り 返 す こ と に よ り ,試 験 片 の 供 試 面 全 体 に 錆 を 発 生 さ せ た . 試 験 溶 液 の pH 上 昇 は , は じ め に Ca(OH)2の 添 加 に よ っ て

   ,  2   ,  , 

,

OH OH i1 OH 2 i OH i1

OH i

 

 

x

t x C t x C t x D C

t t t x C

    C   x t

zFd i x

t x C t x C RT

zFE , , ,

OH i OH i

1 OH i

 

 

 

 

       

 

 

2

1 OH i OH i

1 OH i i OH

OH

, ,

2 , ,

x

t x C t x C t x t C

D t t x C

    C   x t x

t x C t x C RT

zFE , , ,

OH i OH i

1 OH i

 

 

(4.2.6)

(4.2.7)

100

Ca(OH)2の 飽 和 水 溶 液 状 態 と し , そ れ 以 上 の pH 上 昇 は NaOHの 添 加 に よ り 調 整 し た . AC イ ン ピ ー ダ ン ス に よ る 評 価 は ,図-4.2.2 に 示 す 等 価 回 路 に よ っ て 行 っ た .計 測 に よ っ て 得 ら れ た デ ー タ を ナ イ キ ス ト 図 に プ ロ ッ ト し ,CPE(Constant phase element)を 取 り 入 れ た 等 価 回 路 に よ っ て カ ー ブ フ ィ ッ テ ィ ン グ を 行 い , 腐 食 抵 抗 (Rcor r) を 推 定 し た . 測 定 装 置 は 図-4.2.3 に 示 す よ う に ,ポ テ ン シ ョ/ガ ル バ ノ ス タ ッ ト ,周 波 数 特 性 分 析 器(FRA),パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ ー か ら な る 計 測 系 と , 試 験 片 ( 試 料 極 ), 対 極 , 照 合 電 極 (sat.KCl Ag/AgCl電 極 ,SSE)か ら な る 電 解 系 に よ っ て 構 成 さ れ て い る .測 定 条 件 は ,振 幅:±20mV,

測 定 周 波 数 :10mHz~10kHzで あ る .

表 -4.2.1 rc r i t値 の 評 価 試 験 に 用 い た 試 験 片 の 化 学 成 分 (mass%)

図 -4.2.1 rc r i t値 の 評 価 試 験 に 用 い た 試 験 片 の 形 状

図 -4.2.2 AC イ ン ピ ー ダ ン ス 解 析 に 用 い た 等 価 回 路

101

図 -4.2.3 AC イ ン ピ ー ダ ン ス 測 定 装 置

( 3) 新 設 計 法 の 検 証 試 験

新 設 計 法 の 妥 当 性 を 確 認 す る た め , コ ン ク リ ー ト 試 験 体 に よ る 電 気 防 食 試 験 を 実 施 し た . コ ン ク リ ー ト の 配 合 を 表-4.2.2 に 示 す . コ ン ク リ ー ト 試 験 体 の セ メ ン ト に は 普 通 ポ ル ト ラ ン ド セ メ ン ト を 使 用 し ,細 骨 材 に は 川 砂 ,粗 骨 材 に は 川 砂 利 を 用 い た .水 セ メ ン ト 比 は 0.50, 目 標 ス ラ ン プ は 10±2.5cm, 目 標 空 気 量 は 4±1%と し た . ま た , 鉄 筋 の 腐 食 を 促 進 す る た め ,10kg/m3の NaCl を 練 り 混 ぜ 水 に 添 加 し た . コ ン ク リ ー ト 試 験 体 の 形 状 は 図-4.2.4 に 示 す よ う に 幅 ×高 さ ×長 さ =100mm×100mm×200mmで あ り ,上 面 か ら 30mmの 位 置 に φ13mm の 鉄 筋 を 設 置 し , 上 面 を 除 く 周 囲 5 面 を エ ポ キ シ 樹 脂 で 被 覆 し た . コ ン ク リ ー ト 打 設 後 , 30 日 間 の 湿 潤 養 生 を 行 い ,( 独 ) 港 湾 空 港 技 術 研 究 所 の 暴 露 試 験 場 (1 日 に つ き 3 時 間 ×2 回 海 水 を 噴 霧 ) に 1 年 間 暴 露 し た . 暴 露 終 了 後 , 試 験 体 の 上 面 か ら 10mmの 位 置 に 通 電 す る た め の リ ボ ン メ ッ シ ュ 電 極 を 設 置 し , 試 験 体 底 面 の 樹 脂 を 剥 が し た 後 ,30mm の 高 さ に 水 道 水 を 張 っ た 試 験 水 槽 に 試 験 体 を 設 置 し た .

コ ン ク リ ー ト 試 験 体 は 2 体 作 製 し , ガ ル バ ノ ス タ ッ ト を 用 い て そ れ ぞ れ 10mA/m2 と 30mA/m2の 定 電 流 カ ソ ー ド 通 電 を 行 っ た . 通 電 前 に は コ ン ク リ ー ト 抵 抗 と 鉄 筋 の 自 然 電 位 を 測 定 し , 通 電 中 に は 復 極 量 測 定 (24h) を 定 期 的 に 実 施 し た .

102

表 -4.2.2 コ ン ク リ ー ト の 配 合

図 -4.2.4 検 証 試 験 に 用 い た コ ン ク リ ー ト 試 験 体 の 形 状

103