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提案する更新設計法の考え方

第 3 章 港湾鋼構造物に適用した電気防食システムの維持管理

3.3 流電陽極法を適用した港湾鋼構造物の更新設計

3.3.3 提案する更新設計法の考え方

本 文 で 提 案 す る 更 新 設 計 法 ( 新 設 計 法 ) の 概 念 図 を 図-3.3.2 に 示 す . な お , 電 流 低 減 率 は 0.50 と し , 本 文 お よ び 図 中 に 出 て く る 電 位 は , 海 水 銀/塩 化 銀 電 極 基 準 (Ag/AgCl[sw]) で 示 し て い る . 流 電 陽 極 方 式 を 適 用 し た 海 水 中 の 鋼 材 に 対 す る 電 気 防 食 で は ,(3.2.2)式 が 成 立 す る .陽 極 の ア ノ ー ド 分 極 が 小 さ い こ と か ら ,一 つ の 設 計 条 件 が 決 ま る と Ea,Sc,Rs a

は ほ ぼ 一 定 と み な す こ と が で き , 適 用 さ れ て い る 電 気 防 食 特 性 を カ ソ ー ド 電 流 密 度 と カ ソ ー ド 電 位 か ら 構 成 さ れ る 平 面 上 に お い て 1 本 の 直 線 ((3.3.3)式 ) で 示 す こ と が で き る (1 つ の 設 計 条 件 に 対 し て 1 本 の 直 線 式 が 対 応 す る )10 )

𝐸c− 𝐸a= 𝐼 ∙ 𝑅sa (3.3.2)

𝐸c= 𝑖c∙ 𝑅sa+ 𝐸a 𝑖𝑐= 𝐼

𝑆𝑐 (3.3.3)

Ec: カ ソ ー ド 電 位 ,Ea: ア ノ ー ド 電 位 ,I: 発 生 電 流 , Rs a: ア ノ ー ド 接 水 抵 抗 ,ic: カ ソ ー ド 電 流 密 度 ,Sc: カ ソ ー ド 表 面 積

カ ソ ー ド 電 位 と カ ソ ー ド 電 流 密 度 は ,Ec-icプ ロ ッ ト 上 を 時 間 の 経 過 と と も に 卑 電 位 , 低 電 流 密 度 方 向 ( 左 下 方 向 ) に 移 動 す る 。 更 新 前 の 電 気 防 食 の 直 線 が 図-3.3.2 の b 線 と し て 得 ら れ る が ,カ ソ ー ド 電 位 が-800mV( ア ノ ー ド 電 位 と の 電 位 差 250mV)の 時 の 電 流 密 度(ic b) が 設 計 防 食 電 流 密 度 で あ り ,ic b の 1/2( 電 流 低 減 率 ) に 相 当 す る 電 流 密 度 が 平 均 電 流 密 度 ic 1( 定 常 カ ソ ー ド 電 流 密 度 ) と し て 設 計 さ れ て い る . し た が っ て , 平 均 電 流 密 度 に 対 応 す る カ ソ ー ド 電 位 Ec 1は 設 計 上 は-925mVと な り ,こ の 電 位 よ り 貴 電 位 で あ れ ば 流 れ て い る カ ソ ー ド 電 流 密 度 は 設 計 上 の 平 均 カ ソ ー ド 電 流 密 度 (ic 1) よ り 大 き く , 卑 電 位 で あ れ ば 小 さ い こ と に な る . 本 文 で は Ec1(-925mV) に 相 当 す る 電 位 を 維 持 管 理 電 位 と 称 す る . 陽 極 更 新 時 に 設 計 防 食 電 流 密 度 が 低 減 す る の は , カ ソ ー ド 電 位 が-925mV よ り 卑 と な っ て い る 場 合 で あ り , 以 下 の よ う な 設 計 法 が 考 え ら れ る .

電 気 防 食 に お い て カ ソ ー ド 電 位 が-925mV( 図-3.3.2 の ◇ ) よ り 卑 電 位 で あ る 場 合 , そ の 時 の ic2で カ ソ ー ド 電 位 が-925mV と な る よ う に ア ル ミ 陽 極 を 設 計 す る こ と と し ,点(0,ア ノ ー ド 電 位 ) と 点 (ic2,-925) を 結 ん だ 直 線 式 (a 線 ) で 示 さ れ る 新 た な Ec-icプ ロ ッ ト を 更 新 後 の 電 気 防 食 特 性 と す る も の で あ る . こ の 直 線 の-800mV に 対 応 す る カ ソ ー ド 電 流 密

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度 (ica) が 更 新 後 の 設 計 防 食 電 流 密 度 と な り , 更 新 時 の カ ソ ー ド 電 流 密 度 (ic2) を 2 倍 し た 値 と な る .

な お , カ ソ ー ド 電 位 が-925mV よ り も 貴 電 位 で あ る 場 合 に は 現 行 の 設 計 法 を 適 用 す る こ と に な り , 電 流 低 減 率 と ア ノ ー ド 形 状 の 見 直 し を 行 う 必 要 が あ る . ま た , 耐 用 年 数 に 達 す る 前 に ア ル ミ 陽 極 の 寿 命 を 迎 え る た め , 定 期 点 検 に よ っ て 防 食 状 態 と 陽 極 寿 命 を 把 握 し , 更 新 計 画 を 立 て る 必 要 が あ る .

図 -3.3.2 新 し い 更 新 設 計 法 の 概 念 図

ア ル ミ 陽 極 の 更 新 の 流 れ は 図-3.3.3 に 示 す 通 り で あ る .は じ め に 対 象 施 設 の 詳 細 調 査( 施 設 の カ ソ ー ド 電 位 の 計 測 と ア ル ミ 陽 極 の 消 耗 量 調 査 )11に よ っ て 電 気 防 食 シ ス テ ム の 状 態 確 認 を 行 い , 施 設 の カ ソ ー ド 電 位 と ア ル ミ 陽 極 の 残 寿 命 を 考 慮 し て 陽 極 更 新 の 実 施 が 判 断

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さ れ る . こ こ で , ア ル ミ 陽 極 を 更 新 す る こ と に な っ た 場 合 , 現 行 の 設 計 法 と 新 設 計 法 の ど ち ら を 適 用 す る か の 判 定 が 行 わ れ , 詳 細 調 査 時 に 測 定 し た 施 設 の カ ソ ー ド 電 位 (Ec) が 設 計 上 の 維 持 管 理 電 位(-925mV)よ り も 貴 電 位 を 示 す 時 に は 現 行 の 設 計 法 ,卑 電 位 を 示 す 時 に は 新 設 計 法 が 適 用 さ れ る . い ず れ の 設 計 方 法 に お い て も , ア ル ミ 陽 極 の 消 耗 量 調 査 よ り 平 均 発 生 電 流 密 度 を 求 め , 現 行 の 設 計 法 に お い て は こ の 電 流 密 度 を も と に 電 流 低 減 率 を 決 定 し な け れ ば な ら な い . ま た , 現 行 の 設 計 方 法 を 適 用 す る 際 , 施 設 の 陽 極 寿 命 が 設 計 寿 命 を 下 回 っ て い た 場 合 に は , 設 計 防 食 電 流 密 度 の 見 直 し も 必 要 と な る .

図 -3.3.3 陽 極 更 新 設 計 の フ ロ ー チ ャ ー ト

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