108
b) 抽 出 し た 沖 波 波 高 に 対 し て 波 浪 変 形 計 算 を 行 い , 構 造 物 設 置 位 置 で の 波 浪 諸 元 を算出す る.波 浪変 形 計算の算 定誤差 を考 慮 して,波 浪諸元 を決 定 する.
c)1回の高 波の作 用時 間(こ こで は 2時間 と した)にお ける有 義波 高と作用 波数か ら,後述す る被災 度算 定式によ って被 災度 を 求める.こ のとき,当 該年まで の相 当波数を 算出し た後 ,相当作用 波数と 当該 年 の作用波 数を足 し合 わ せ,被災度算 定式に代 入して 累積 被 災度とす る.
d) 累 積 被 災 度 が あ ら か じ め 設 定 し た 補 修 判 定 基 準 を 上 回 る 場 合 は 補 修 を 行 い , そ のときの 補修費 を算 出 して累積 補修費 に加 算 する.
e)a) ~d) を 高 波 発 生 回 数 分 お よ び 供 用 期 間 の 年 数 分 繰 り 返 し , 供 用 期 間 中 の 総 補修費を 算出す る.
f) 期待 値の 変 動が 小 さく なる よ うに a) ~e)を 繰り 返 し, 総 補修 費の 平均 値 とし
て期待補 修費を 算出 す る.合わ せて総 補修 費 の標準偏 差も求 める .
4.LCC の算定
2,3で算 出した 初期建 設費と期 待補修 費を 足 し合わせ て,LCCを算 出する.
5.最適 消波材 の決定
1~4を選 定した 消波材 の種別( 各トン 型)ご とに行い ,その 中で LCCが最小とな った種別 が対象 地点 で の最適な 消波材 と判 定 される.
6.3
6.3
6.3
る.一例 として ,鳥 取 における 単価を 表
図 6 5 シーロ ックの 形 状(左 が
6.3.2 6.3.2 6.3.2
6.3.2
防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出
LCC算定におけ る防 波堤に関 わる条 件と し ては,防波堤 設置水 深( 消波工法 先水深 )
を10.0m,天端高 は大 阪を
条件は, 天端幅 をブ ロ ック トン型(t)
1 2 3 4 5 6 8 10 12 15 20 25 30 40 50 60 70 80 100
109
る.一例 として ,鳥 取 における 単価を 表6 1 に併記し ている .
シーロ ックの 形 状(左 が 1t~30t, 右 が40t~100t
表6 1 シー ロック の 種類
防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出 防波堤に関す る諸条件と初 期建設 費の算出
算定におけ る防 波堤に関 わる条 件と し ては,防波堤 設置水 深( 消波工法 先水深 )
を除 く 3地点 で5.5m,大阪 で 2.5mと した .消波工に 関する
条件は, 天端幅 をブ ロ ック 2 個並 び,天 端高 は防波堤 と同一 ,法 面 勾配を 実質量(t) 代表径(m) 単価(千円)(鳥取)
0.99 0.76 26.80
1.99 0.95 35.70
2.98 1.09 43.85
3.97 1.20 51.45
4.97 1.29 68.55
5.99 1.38 75.35
7.96 1.51 97.65
9.96 1.63 112.45
11.99 1.73 123.35
14.97 1.87 152.40
20.04 2.06 186.20
24.96 2.21 221.45
30.05 2.36 251.95
39.97 2.59 331.40
49.77 2.79 388.40
59.69 2.96 474.95
70.06 3.12 566.80
79.99 3.26 632.65
99.72 3.51 744.85
標準型 標準型 標準型 標準型
B B B B 型型型型
100t)
算定におけ る防 波堤に関 わる条 件と し ては,防波堤 設置水 深( 消波工法 先水深 ) と した .消波工に 関する 個並 び,天 端高 は防波堤 と同一 ,法 面 勾配を 1:1.5 とし
単価(千円)(鳥取)
110
た.ブロ ックの 積み 方 は,2層整 積と乱 積( 全断面被 覆)の 2 種類 とする. また, 沖 合から防 波堤設 置位 置 までの海 底は1/30 の一 様勾配と してい る.
つぎに ,消 波ブロ ッ クの各ト ン型に 対す る 断面積内 のブロ ック 個 数は,以 下の式に より算出 される .
( )
v n= A× 1−
α
(6.2)
こ こ に ,A: 消 波 工 の 断 面 積 ,α: 空 隙 率 ,v: 消 波 ブ ロ ッ ク の 体 積 で あ る . な お , シ ーロック の空隙 率は , 積み方に 関係な く 0.5 一定であ る.初 期建 設 費は,ブ ロック個 数とブロ ック単 価を 掛 け合わせ たもの に,間 接 工事費を 加える こと に より求め られる.
6.3.3 6.3.3 6.3.3
6.3.3
波浪諸元の決 定 波浪諸元の決 定 波浪諸元の決 定 波浪諸元の決 定
1 回 の高波 におけ る 波浪諸元 のうち ,沖 波 の有義波 高につ いて は ,対象地 点ごとに 設定した 波高 の極値 分 布関数を 用いて 一様 乱 数に対応 する波 高の 値 を与える .本章で は,大阪 を除く 各地 点 での極値 分布関 数と し て合田 6)が示 した地 域 共通分布 関数を用 い,各 地点に 設定 され ている50 年確率 波高 H50と 裾長度γ50により ,式(6.3),(6.4)で 尺度母 数A と位置 母数 Bを与える.
10 50
50 50
1 1
y H y
A −
= − γ
(6.3)
−
− −
=
50 10
50
50
1
1 1 1
y H y
B γ
(6.4)
ここに ,y10,y50:再 現期 間 10年 ,50年 に対す る 基準化変 量で ,極値 分布 関数が Weibull 分布の場 合,再 現期 間R 年は次式で 与え られ る.
yR =
[
ln( λ
'R) ]
1k (6.5) ここに ,λ': 高波 の平 均発生率 ,k:極値 分布 関数の形 状母数 であ る .表 6 2に各 地点 に対する 極値分 布関 数 ([ ]内 は形状 母数),H50,γ50,A,B およ びλ'を 示す.大阪で の極 値分布 関 数につい ては適 当と 思 われる資 料が得 られ な かったた め,全国 港湾海洋 波浪 情報網 に よる波浪 データ のう ち ,港湾空 港技術 研究 所 資料の全 国港湾海 洋波浪観 測年 報とし て 公開され ている 高波 一 覧表のデ ータを 用い て 極値分布 関数の推 定 6)を 行った .ただ し ,大阪港 での波 浪観 測 データが ないた め, 代 わりに神 戸港のデ ータを用 いた .上記 年 報のうち 港湾空 港技 術 研究所の ホーム ペー ジ で公開さ れている
NOWPHAS1991~20107)を使用 した. 神戸港 での高波 データ (波 高 の閾値 1.0m,デ
ータ数 247,有 効統計 年数( 後述 )16.9年 )に対して 最小 2乗法に よる極値 分布関 数
111
の推定 6)を行 い,最 適 合の分布 関数と その 母 数,H50およびγ5 0を 求 めた. 表 6 2 は,
それらの 結果も 合わ せ て示した .ただ し,λ'の値につ いて は6.4で 述べる.
表 6 2 極値 分布関 数 に関する 条件
周期に ついて は, 小 舟ら 8)や全 国港湾 海洋 波浪観測 資料 25 か 年 統計資料 9)を参考 に各地点 の沖波 波形 勾 配を設定 し,次 式に よ り与える .
T = H ( 1 . 56 H
0L
0)
(6.6) ここに,T:( 有義波) 周期,H:抽出し た沖 波の(有義) 波高,H0/L0:沖 波波形 勾配 である.沖 波波 形勾配 は,茨城:0.02,大阪:0.04,鳥 取:0.03,高 知:0.02とした . 上記の 方法 で抽出 し た沖波の 波高と 周期 に ついては ,それ らの 推 定誤差を 考慮する こととし ,高橋 ら 10)に ならって 波高と 周期 に それらの 10%の標 準偏 差をもつ 正規乱 数を付加 する.ま た,上述のよ うに1 回の高 波の作用 時間 を2時間(3600秒)とし , これを周 期で除 して 作 用波数を 与える .6.3.4 6.3.4 6.3.4
6.3.4
潮位変動の考 慮 潮位変動の考 慮 潮位変動の考 慮 潮位変動の考 慮
防波堤 設置 水深に は ,潮位変 動を考 慮す る ため,高 波の発 生ご と に異なる 潮位を付 加 す る . 本 章 で は , 河 合 ら 11)に な ら っ て 潮 位 の 出 現 確 率 分 布 を 三 角 形 分 布 と し , 表 6 3に 示した 各地点 で の朔望平 均満潮 位(H.W.L.),朔望平 均干潮 位(L.W.L.)お よび それらの 平均値 を用 い る.すな わち,H.W.L.と L.W.L.の出 現確 率が 最小で,平均値 の 確率が最 大とな る三 角 形分布に 従う乱 数を 一 様乱数か ら発生 させ て 潮位を与 える.
6.3.5 6.3.5 6.3.5
6.3.5
波浪変形計算 波浪変形計算 波浪変形計算 波浪変形計算
6.3.3に述べ た方法 に より決定 した沖 波諸 元 にもとづ き,波 浪変 形計 算を行っ て防波
堤設置位 置での 波浪 諸 元を求め る.波 浪変 形 計算には ,合 田 6)が 提 案した以 下の略算 式を用い る.
地点 分布関数 H50 (m) γ50 A B λ'
茨城(鹿島港) ワイブル[1.0] 9.1 1.20 0.94 2.48 22.6 大阪(神戸港) ワイブル[1.0] 4.1 1.23 0.48 0.96 14.7 鳥取(鳥取港) ワイブル[1.4] 7.9 1.13 1.33 2.61 20.7 高知(室津港) 極値Ⅰ型 10.9 1.25 1.35 2.68 8.8
112
表6 3 潮位 に関す る 条件