6.2.1 6.2.1 6.2.1
6.2.1
最適設計法の 考え方 最適設計法の 考え方 最適設計法の 考え方 最適設計法の 考え方
海岸・ 港湾構 造物 の 消波材に ついて ,LCC を最小化 する最 適設 計 法の概要 を示す.
まず,LCC として計 上 する費用 には, 初期 建 設費と補 修費, 維持 管 理費,撤 去費等,
さらに供 用期 間中に 発 生する全 ての費 用を 計 上する必 要があ る. こ こでは, 防波堤の
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消波材を 対象に して い るため,LCCとして 計 上する費 用には 初期 建 設費と被 災に伴う 補修費の みを計 上す る ことにす る.そ の計 上 費用は, 次式で 与え ら れる.
LCC =C1+CR (6.1) ここに,C1:初 期建設 費,CR:期 待補修 費(設計 供用 期間の補 修費の 平均 値 )である.
つぎに ,最適 設計 法 の概念に ついて ,図 6 1 を用いて説 明する . 図の横軸 は消波 材 の種別( 種類 と質量 ) であり, 縦軸は 消波 構 造物の各 種費用 (初 期 建設費, 補修費,
総費用) であ る.消 波 材の質量 を大き くす る ほど被災 を受け にく く なり補修 費は減少 するが, 一方 で消波 材 の単価が 高くな るた め 初期建設 費は増 加す る ことにな る.最適 設計法と は,消 波材 の 全種別の 中で LCC が最小にな る消波 材種 別 (図中の ○に対応 する種別 )を選 定す る ものであ る.
図6 1 最適 設計法 の 概念図
6.2.2 6.2.2 6.2.2
6.2.2
費用計算の概 要 費用計算の概 要 費用計算の概 要 費用計算の概 要
初期建 設費と 補修 費 について は,一般に 積 算する工 事価格 とし て ,図6 2(( 社)日 本港湾協 会 5))に示 す 各種費用 を用い てい る .直接工 事費は 工事 の 目的物を 施工する に当たり 直接 消費さ れ る材料費 ,直接 経費 お よび労務 費であ り, 間 接工事費 は直接工 事の対象 物に 施工さ れ るもので なく, 各工 事 種目に対 し共通 して 使 用される 共通仮設 費および 現場管 理費 で ある.
直接工 事費と 間接 工 事費に関 して,供 用期 間中の総 補修費 を考 え るとき,第5章に おいて明 らか にした よ うに補修 を行う タイ ミ ングが重 要とな る. 軽 微な被災 で幾度も
8 6 4 2 0
費 用
5 4
3 2
1 0
消波材の種別(種類,質量)
総費用(LCC)
初期建設費 補修費
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補修を繰 り返 すのか , 破壊限界 の直前 にな っ て補修す るのか によ っ て,補修 費は当然 のごとく 大き く変わ っ てくる. この時 ,直 接 工事費の みを補 修費 と して計上 すると,
補修規模 (被 災した 被 覆材の数 )にの み依 存 すること から, 補修 費 としては 補修回数 に関係し なく なって し まうとい う欠点 をも っ ている. そこで ,補 修 工事費に 間接工事 費を含め るこ とによ っ て,補修 回数に よっ て 異なる工 事費が 計上 さ れること になる.
具体的に は,小 規模 な 工事(600 万 円以下 等 )では工 事費全 体に お ける間接 工事費の 比率が高 く,大規 模な工 事(20 億円 以上等)では 間接工事 費の比 率が 低 くなって おり,
小規模な 工事 を何回 も 繰り返す 場合よ りも , 大規模な 工事を 数少 な く行う方 が経済的 に有利に なる 場合が 存 在するこ とにな る. し たがって ,ここ では 間 接工事費 を含めた 計算を採 用して いる .
図 6 2 工事価 格の構 成
6.2.3 6.2.3 6.2.3
6.2.3
最適設計法の フロー 最適設計法の フロー 最適設計法の フロー 最適設計法の フロー
本章に おいて は ,LCCのうち期待 補修 費を モンテカ ルロ法 によ っ て求める .モ ンテ カルロ法 とは ,確率 論 的な現象 のシミ ュレ ー ションを 行うも ので あ り,計算 機で一様 乱数を用 いて 不確定 な 現象を繰 り返し 再現 試 行し,そ の結果 から 現 象の特性 値や確率 分布を推 定す る手法 で ある.こ こでは ,モ ン テカルロ 法を用 いて 供 用期間中 の期待補 修費およ び補修 費の 標 準偏差を 求める .図 6 3 に最適設計 のフロ ー チャート を示す . また,図 6 3 中の期 待 補修費の 算出に 関す る 詳細なフ ローチ ャー ト を図 6 4に示 す.
以下に, 各手順 の概 要 を述べる .
1.消波 材の設 定
消波材の 代表径 や密 度 ,空 隙率等 の消波 材の 諸元を設 定し ,対 象と なる消波 材の種 別を設定 する.
2.初期 建設費 の算出 工事価格
工事原価
直接工事 費
間接工事 費
一般管理 費
共通仮設 費
現場管理 費 材料費 直接経費 労務費
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抽出した 消波材 の代 表 径に対し て単価 を設 定 する.代 表径か らそれ ぞれの型 に応じ た天端幅 を求め ,天端 幅と水深 から初 期断 面 を求める .初期断 面と 空隙率か ら単位 幅におけ る消波 材の 数 量(単位 幅あた りの 個 数)を算 出する .算 出 した数量 に消波 材の単価 を乗じ て初 期 建設費の 直接工 事費 を 算出する .
3.期待 補修費 の算出
あらかじ め供用 期間 と 補修判定 基準を 設定 す る.また ,消波 材に被 害を与え るであ ろう高波 が年 1回発生 すると仮 定した 場合 と ,後述す るよ うに年 間 発生回数 を考慮 した場合 とに分 けて , 以下の手 順で期 待補 修 費を算出 する.
a) 対 象 地 点 ご と に 設 定 し た 沖 波 波 高 ( 有 義 波 高 ) の 発 生 確 率 分 布 と 一 様 乱 数 を 用 いて,1回の高 波にお ける沖波 波高を 抽出 す る.周期(有義 波周期 )は,地 点ご とに設定 した沖 波波 形 勾配によ り求め る.そ の際,沖 波波高 と周期 の推定誤 差を 考慮する .
図 6 3 最適設 計のフ ロ ー 期待補修 費の算 出
消波材の 設定
初期建設 費の算 出
LCCの算 出
初期建設 費用 CIの算 出 (単価×数 量+諸 経費 ) 消波材の 諸元( 代表 径 ,密度, 空隙率 )
消波材の 単価設 定
初期断面 の決定
消波材の 数量を 算出
供用年数 間の総 補修 費 を NR回 繰り 返した 平均値( 期待補 修費 )を算出
LCC=初 期建設 費 CI+ 期待補修 費
代表径の数
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図 6 4 期待 補修費 算 出の詳細 フロー
補修費を 算出し 累積 補 修費に追 加
波浪変形 計算に より 構 造物設置 点の波 浪諸 元 を計
1 回の高 波中の 代表波 高と波数 から被 災度 を 算出 し,累積 被災度 に追 加
期待補修 費 と 総補 修 費の標準 偏差を 算出 供用年数 間の総 補修 費 を算出
沖波波高 の発生 確率 分 布から一 様乱数 を用 い て 1 回の高 波の波 高を抽 出
年間の高 波発生 回数 の 決定
YES
YES
YES
YES
NO
NO NO
(累積被 災度, 累積 補 修費をゼ ロクリ
NO
累積被災 度が補 修 判定基準 を超え た
年間の高 波発生 回数に達 した
供用年数 に達し た
供用年数 の繰り 返 し回数に 達した
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b) 抽 出 し た 沖 波 波 高 に 対 し て 波 浪 変 形 計 算 を 行 い , 構 造 物 設 置 位 置 で の 波 浪 諸 元 を算出す る.波 浪変 形 計算の算 定誤差 を考 慮 して,波 浪諸元 を決 定 する.
c)1回の高 波の作 用時 間(こ こで は 2時間 と した)にお ける有 義波 高と作用 波数か ら,後述す る被災 度算 定式によ って被 災度 を 求める.こ のとき,当 該年まで の相 当波数を 算出し た後 ,相当作用 波数と 当該 年 の作用波 数を足 し合 わ せ,被災度算 定式に代 入して 累積 被 災度とす る.
d) 累 積 被 災 度 が あ ら か じ め 設 定 し た 補 修 判 定 基 準 を 上 回 る 場 合 は 補 修 を 行 い , そ のときの 補修費 を算 出 して累積 補修費 に加 算 する.
e)a) ~d) を 高 波 発 生 回 数 分 お よ び 供 用 期 間 の 年 数 分 繰 り 返 し , 供 用 期 間 中 の 総 補修費を 算出す る.
f) 期待 値の 変 動が 小 さく なる よ うに a) ~e)を 繰り 返 し, 総 補修 費の 平均 値 とし
て期待補 修費を 算出 す る.合わ せて総 補修 費 の標準偏 差も求 める .
4.LCC の算定
2,3で算 出した 初期建 設費と期 待補修 費を 足 し合わせ て,LCCを算 出する.
5.最適 消波材 の決定
1~4を選 定した 消波材 の種別( 各トン 型)ご とに行い ,その 中で LCCが最小とな った種別 が対象 地点 で の最適な 消波材 と判 定 される.