第 3 章 SiC ウエハの加工実験
3.5 SiC 表面状態についての表面分析および考察
3.5.2 浸漬時間の違いによる表面状態の変化について
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(a) Si 2p (b) C 1s
(c) O 1s (e) Mn 2p Fig.3.21 KMnO4を添加したスラリーに 12時間浸漬させたSiCチップの元素分析
KMnO4を添加したスラリーに 1時間浸漬させた SiCチップ元素分析の結果を 図 3.22示す.Si 2pにおいては 101 eV付近に小さいピークが存在するが,エッ チング時間の経過とともに100 eV付近にピークがシフトしていることが確認で きる.C 1sにおいては285 eV付近にピークが存在するが,エッチング時間の経 過とともに283 eV付近にピークがシフトしていることが確認できる.
110 100
Binding energy eV
Intensity cps
Si 2p : 98.40~99.80 eV
Etching time (s) 5 1020 3040 60 80 100 120 140160 180 240 300
1000
300 290 280
Binding energy eV
Intensity cps
C 1s : 283.80~285.18 eV
Etching time (s) 510 20 3040 60 80 100 120140 160 180 240 300
1000
540 530
Binding energy eV
Intensity cps
O 1s : 531 eV
Etching time (s)
5 1020 3040 6080 100120 140160 180240 300
2000
660 650 640
Intensity cps
Binding energy eV
Mn 2p(3/2,1/2) : 638.50~641.00 eV, 649.50~650.20 eV Etching time (s)
5 1020 3040 6080 100 120 140 160 180 240 300
2000
69
Si 2p と C 1s のピークシフトに関しては浸漬時間 24 時間および浸漬時間 12 時間で確認された同じ傾向が確認できる.O 1s については最初に 529~535 eV にかけて広いピークが確認できる.エッチング時間の経過とともに全体的にピ ークが減少しているが,特に 530 eV 付近に関してはエッチング時間 30 s 程度 で消失していることが分かった.
(a) Si 2p (b) C 1s
(b) O 1s (d) Mn 2p Fig.3.22 KMnO4を添加したスラリーに
1時間浸漬したSiCチップの元素分析
540 530
Binding energy eV
Intensity cps
O 1s : 531 eV
Etching time (s)
105 2030 4050 6090 120150 180240 300
1000
110 100
Binding energy eV
Intensity cps
Si 2p : 98.40~99.80 eV
Etching time (s) 5 10 20 30 40 50 60 90 120 150 180 240 300
1000
300 290 280
Binding energy eV
Intensity cps
C 1s : 283.80~285.18 eV
Etching time (s)
5 10 20 30 40 50 60 90 120 150 180 240 300
1000
660 650 640
Intensity cps
Binding energy eV
Mn 2p(3/2,1/2) : 638.50~641.00 eV, 649.50~650.20 eV Etching time (s)
5 10 20 3040 5060 12090 150180 240300
1000
70
Mn 2pについては,最初に 642 eVおよび 654 eV付近にピークが存在してい るが,エッチング時間 60 s 程度でピークが消失していることが確認できる.O 1sおよび Mn 2pの分析結果から,浸漬時間1時間では SiC表面における反応が まだ完結していないと考えられる.
KMnO4を添加したスラリーに5分間浸漬させたSiCチップの元素分析結果を 図3.23に示す.これまでのKMnO4を添加したスラリーに浸漬したSiCチップ で確認された異なる傾向が見受けられる.まず,Si 2pについては初め100.5 eV 付近にピークが存在し,エッチング時間の経過によるピークの変動はほとんど 見受けられない.C 1sについても同様に283 eV付近にピークが存在し,エッチ ング時間の経過によるピークの変動は見受けられない.これまでの条件におい てKMnO4を添加したスラリーへ長時間浸漬したSiCチップにおいては,Si 2p およびC 1sでは初め小さなピークしか確認できず,エッチング時間の経過とと もにピークが出現した.一方,今回のKMnO4を添加したスラリーに5分間浸 漬させたSiCチップにおいては,Si 2pおよびC 1sのピークの変動はコロイダ ルシリカスラリーに浸漬させたSiCチップにおいて確認された傾向に類似して いる.
O 1sのピークについても同様で,532 eV付近に突出したピークが存在し,エ ッチング時間の経過とともに減少しエッチング時間60 s程度で消失している.
このような傾向はコロイダルシリカスラリーに浸漬させたSiCチップにおいて 確認された傾向と同様のものである.
さらに,今回の KMnO4を添加したスラリーに 5 分間浸漬させた SiC チップ においては Mn 2pが全く検出されていないことから,確認されたピークの変化 にMnは関与してはいるものの,Mnに由来する反応生成物は存在しないと考え られる.このことから,KMnO4を添加したスラリーに浸漬した SiCチップの表 面における反応はコロイダルシリカスラリーに浸漬させた SiC チップと同様の 反応が起きていると考えられる.加えて,KMnO4を添加したスラリーに 1時間 浸漬したSiCチップにおいてMn 2pが検出されており,O 1sにおいて異なる変 化が確認できたことから,KMnO4を添加したスラリーに長時間浸漬することに より SiC チップの表層部分において Mn に由来する反応生成物が生じていると 考えられる.
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(a) Si 2p (b) C 1s
(b) O 1s (d) Mn 2p Fig.3.23 KMnO4を添加したスラリーに
5分間浸漬したSiCチップの元素分析
また,O 1sにおいてピークが消失するのにエッチングで60 sを要しているこ とから,KMnO4を添加することにより短時間でも反応が生じていると考えられ る.すなわち,KMnO4を添加することは反応速度,深さ方向への反応の進行度 のどちらともにも影響があると考えられる.以上の結果から,スラリーへの短 時間の浸漬でも化学反応がある程度起きていることが確認できた.
110 100
Binding energy eV
Intensity cps
Si 2p : 98.40~99.80 eV
Etching time (s) 5 10 15 2030 40 50 60 90 120 180 300
1000
300 290 280
Binding energy eV
Intensity cps
C 1s : 283.80~285.18 eV
Etching time (s) 5
10 15 20 30 40 50 60 90 120 180 300
1000
540 530
Binding energy eV
Intensity cps
O 1s : 531 eV
Etching time (s) 105 1520 3040 5060 12090 180300
1000
660 650 640
Intensity cps
Binding energy eV
Mn 2p(3/2,1/2) : 638.50~641.00 eV, 649.50~650.20 eV Etching time (s)
5 10 15 20 30 40 50 60 90 120 180 300
1000
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