第 5 章 砥粒の化学的な作用が SiC 加工に及ぼす影響
5.3 マンガン系砥粒による SiC 加工に及ぼす影響
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Table 5.2 実験条件
加工試料 単結晶4H-SiCウエハSi面 {0001}
50mm×t430m
使用研磨機 片面CMP加工装置ベルジャー 定盤回転速度 [min-1] 30 min-1,60 min-1,90min-1
加工圧力 [kPa] 19
パッド IC1000-xy
加工時間 [min] 30
加工雰囲気 Air 0,300, O2 0,300, N2 0,300
スラリー MnO2
砥粒濃度 [%] 3,5,10
粒径 [µm] 0.4
pH 7,9,10,11,11.5,12 流量 [mL/min] 4
Fig.5.3 密閉型片面CMP加工装置
(a) 密閉型片面CMP装置モデル図,(b)実体の外観写真 (b)
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5.3.2 定盤回転速度によるSiCウエハ加工レートへの影響
まず,定盤回転速度を変え,SiC ウエハ片面の加工に及ぼす影響を調査した.
定盤の回転速度を 30 min-1,60 min-1,90min-1の三つに設定して,常圧 Air 中で,
実験を行った.
結果を図 5.4 に示す.縦軸は SiC ウエハの加工レートを,横軸は定盤回転速 度を表す.SiC ウエハの Si 面を加工した場合,定盤の回転速度の増加にしたが って,加工レートは上昇した.
Fig.5.4 定盤回転速度による加工レートの影響
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5.3.3 スラリー砥粒濃度によるSiCウエハ加工レートへの影響
スラリー中の砥粒の濃度による SiC ウエハへの影響を調べるため,砥粒濃度 が 3wt%,5wt%,10wt%の三種類のスラリーを作成して,常圧 Air 中で,実験 を行った.
実験結果を図 5.5 に示す.縦軸は SiC ウエハの加工レートを,横軸はスラリ ーの砥粒濃度を表す.砥粒濃度が 3wt%の時,加工レートは 15nm/hであった.
また,砥粒濃度の増加により,機械的な除去が促進された.
しかし,砥粒濃度 10wt%の場合に沈殿が発生し,ポンプ及び管路を塞ぎやす いことから,以下の実験ではすべて砥粒濃度が5wt%のMnO2スラリーを用いて 行った.
Fig.5.5 砥粒濃度による加工レートの影響
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5.3.4 スラリーpHによるSiCウエハ加工レートへの影響
MnO2スラリーの pHを 7から 12まで変化させて,CMP実験を行った.実験 結果を図 5.6に示す.縦軸は SiCウエハの加工レートを,横軸はスラリーの pH を表す.MnO2スラリーでの加工レートは,特に pH が 10 以上の領域において 大きく上昇した[13].一方,pH7の場合,沈殿が発生していた.そこで, MnO2
スラリーの pHを 7 と 11 に調整し,それぞれの沈殿の様子を観察した.図 5.7 にその結果を示す.pH7 のスラリー (a) は 6 時間静置した後,砥粒の沈殿が観 察された.一方pH11に調整したスラリー (b) では (a) に比べて沈殿が抑えられ ていた.pHを大きくすることにより分散性が良くなり沈殿が抑えられた.加工 レートが上昇する一因と考えられる.
Fig.5.6 MnO2スラリーにおける加工レートとpHの関係
6 8 10 12
0 20 40 60
R em ov al ra te n m /h
MnO
2Slurry pH
Polishing pad : IC1000−xy Pressure : 19kpa
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図5.8に示すマンガン及びシリコンのpHと酸化還元電位のダイアグラムから わかるように,アルカリ性において pH をより大きくすることで,酸化マンガ ン砥粒が水和反応し,分散性が高くなるとともに,Si 面とも反応するものと推 測される[11].これらの複合要因により SiC 基板の加工レートが大きく向上し ているものと思われる.
Fig.5.7 MnO2スラリーを6時間静置させたときの様子 (a) pH7 (b) pH11
Fig.5.8 マンガンのpHと酸化還元電位の関係
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5.3.5 加工雰囲気によるSiCウエハ加工レートへの影響
加工部加工雰囲気を変化させて,CMP実験を行った.実験結果を図 5.9に示 す.縦軸はSiCウエハの加工レートを,横軸は加工雰囲気を表す.
高圧雰囲気中の加工レートは常圧 Air の加工レートより高く,気圧が上昇す ると加工を促進させる.O2雰囲気中で加工レートが最も大きくなった.その理 由は,高圧 Air,高圧 O2雰囲気下では,スラリー中の溶存酸素量が増加すると 考えられる.また,N2雰囲気の効果はあまり見られない.
Fig.5.9 加工雰囲気がSi面加工に及ぼす影響
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