「浦安市が観光振興に取り組む意義」(第1章)と「浦安の観光を取りまく環 境」(第2章)を踏まえ、これからの浦安市の観光振興の基本的な方向性と将来 的な目標像について整理します。
3−1 浦安市の観光振興の基本方針
浦安市が観光に取り組む意義、浦安の観光を取りまく環境を踏まえ、浦安市 の観光振興の基本方針として、あらためて以下の5点に整理することとします。
図表−21 浦安市の観光振興の基本方針
特に関連が強いもの 関連が強いもの
① 市民が主役となって推進する観光振興
宿泊施設や立ち寄り型の観光施設など、いわゆる観光産業が主要産業ではな い浦安のような地域で観光振興に取り組む際には、取り組みの中心となる推進 役の 顔 が見えにくいことがしばしばあります。
浦安においては、観光振興が自らの地域の魅力を見直す取り組みであること、
来訪者だけでなく市民にとっても魅力的な地域を目指すものであること等を意 識して、まずは市民自身が楽しみながら、主役となって観光振興を推進するこ とを目指します。同時に行政や観光関連団体の役割を明確にし、市民活動を強 力にバックアップする姿勢も必要になります。
「ちばデスティネーションキャンペーン」の盛り上がりから観光に対する浦 安市民の意識も変化し、「観光立国推進基本法」でも市民が主体となって観光振 興を担うことが観光立国実現のために重要であると触れられていることも踏ま え、まずは市民が「できること」から始め、市民ひとりひとりが観光振興の担 い手になることが期待されます。特に市民の活力が高い浦安市においては、市 民活動団体の活動を中心として何らかの形で観光振興に携わることが可能です。
② 住民のよりよい生活環境の実現につながる観光振興
何げないまち並みの魅力が多様化する観光客の価値観とマッチしていること から、浦安の観光でも まちなか と呼ばれる空間の活用が1つのポイントに なると考えられます。しかし観光振興は来訪者のための取り組み、あるいは観 光事業者のための取り組みにとどまるものではありません。さらに まちなか は浦安市民が日常生活を営む大切な空間であることに十分な配慮をする必要が あります。
そのために、まずは市民が暮らす上での魅力につながる取り組みを観光の視 点からも探っていくことが大切です。特に快適な環境づくりや景観形成、移動 の利便性の向上などは観光客と市民のニーズが一致する部分です。
市民が自信と誇りを持って暮らしている地域こそ、来訪者にとっても魅力的 であるという考え方にたち、浦安では市民のよりよい生活環境の実現につなが る観光振興を目指します。
③ 既存の生活文化とまちなかの空間を大切にする観光振興
浦安では元町地域、なかでも境川沿いのエリアを中心として、地域の記憶を 現在に伝える生活文化がところどころに残されています。このような地域資源 は、まちなかの何げない魅力に着目し始めるなど、興味対象が多様化している 観光客の指向性ともうまくかみ合うものだと言えます。
しかし、こうした生活に根ざした魅力要素は、生活者の世代交代や都市空間
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の近代化に伴って時代とともに失われてしまう可能性も高いものです。浦安で は、こうしたまちなかの地域資源を観光面でも積極的に活用することによって、
そこに息づく歴史や文化を保存し、次の世代へと継承することを目指します。
④ 文化や産業に寄与して地域活性化につながる観光振興
観光振興は地域にとって社会的効果(地域の文化面への寄与)と経済的効果
(地域の産業面への寄与)をもたらします。浦安市の観光振興は、市民生活に 対して直接的に影響をおよぼす社会的効果と、様々な産業に波及する経済的効 果の双方を視野に入れ、文化、産業両面への振興につなげていきます。
⑤ 浦安市全体の地域イメージ・都市イメージの定着につながる観光振興
「訪れてみたい」地域として、あるいは「住んでみたい・暮らしてみたい」
地域として対外的にアピールし、地域活性化につなげるためには、浦安という 地域の姿を継続的に情報発信していくことが欠かせません。特に
TDR
を中心と する舞浜地区以外にも様々な魅力があるということを全国に対して発信・定着 させていくことは、浦安という地域の存在を様々な側面で高めていく上でとて も重要だと考えられます。浦安市では観光振興を通じて浦安のイメージを明確 に打ち出していきます。
3−2 浦安市の観光振興の目標像
前節で示した基本方針に基づき、浦安市の観光振興の目標像を以下のように 設定します。
『水辺で輝く浦安の観光まちづくり』
−市民も楽しめる観光の実現−
この目標像にこめたのは、境川、旧江戸川、三番瀬(東京湾)という3つの 水辺に囲まれていることが浦安という地域の大きな特性であり、これらの水辺 に育まれた浦安の独自性〜古くからのまち並みとその中に息づく生活文化、あ るいは新しく生まれたまち並みとそこで展開されるフレッシュな生活〜を大切 に活かして、まずは市民が楽しめるような「観光まちづくり」を進めていこう というメッセージです。
第1章で触れたとおり「観光まちづくり」とは、住民が中心的な役割を果た しながら魅力的な地域づくりを進めるものです。必ずしも来訪者を特別にもて なすことだけ意識する必要はありません。市民が自身の足元に眠る地域の魅力 を発見・創出することを基本に、それらにひと手間加えて磨きをかけた浦安と いう地域が来訪者にも魅力的になることを目指します。
図表−22 目標像実現の考え方
また、来訪者に対するキャッチフレーズとしては、
2007
年春の「ちばデステ ィネーションキャンペーン」を踏襲し、「こっちこーまうらやす 〜会いに来て あなたの知らない浦安に〜」を活用していきます。31