「浦安市観光振興計画」の取りまとめにあたって
浦安市は東京に隣接する住宅都市として急速に発展してきました。恵まれた東 京への交通条件と海辺にひろがるリゾート的な立地環境とが相まって、浦安に 憧れる若いファミリー層も多いと聞きます。その一方で浦安という水辺のまち に脈々と受け継がれてきた生活文化は次第に姿を消しつつありますが、新しい 住宅地に芽吹いた生活の風景と、古くからのまちなかに根を下ろしてきたどこ か懐かしい生活の風景、両者が隣り合っていることが現在の浦安というまちの 大きな魅力の一つだと言えるのではないでしょうか。
しかし自分たちが暮らす地域に眠っている魅力に気がつくのはなかなか難し いものです。それらの魅力が住民にとっては“ あたりまえ” になっていること が多いためです。
ここで目を転じると、国が「観光立国推進基本法」を制定し、それに基づく「観 光立国推進基本計画」が閣議決定されました。千葉県も「(仮称)千葉県観光立 県推進条例」の取りまとめを進めています。いわゆる観光地だけに限らず、“ 観 光” を地域の活性化にうまく活用していこうという大きな流れが全国各地で生 まれているのです。
この「浦安市観光振興計画」は、このような社会的背景も鑑み、これからの浦 安のまちづくりにおいて観光という要素を活かしていく、大きな方向性(基本 計画)を示したものです。そのポイントは、境川を初めとする水辺の空間を活 かして住民にも来訪者にも魅力的なまちづくりを進めることと、「まちづくりの 担い手」として、市民の皆様にも積極的に活躍していただこうという二点に集 約されます。「水辺で輝く浦安の観光まちづくり −市民も楽しめる観光の実現 −」という当計画のサブタイトルも、この考え方を反映させたものです。
当計画の取りまとめに際しては、1年半の長きにわたって計12回の「計画策 定委員会」を開催し、「産業観光振興」「文化振興」の両分科会においても8回 ほどの会議を開き、具体的な取り組みのアイディアや浦安が長期的に目指すべ き姿についても議論しました。また、市民の皆様からはパブリックコメントと いう形でのご意見も頂戴しております。
すでに当計画の提案内容のうち、一部については「うらやすの魅力発見! 観 光キャンペーン 2008」という形で実行に移されています。「水辺で輝く浦安の 観光まちづくり」を現実のものとしていくためには、個々の提案内容について さらに吟味を重ね、個別の課題を解決して行かねばなりませんが、同キャンペ ーンが一つのきっかけとなって、次のステップに進むことができるのではない かと考えています。
最後になりましたが、計画取りまとめにご協力下さった計画策定委員の皆様方 に心より感謝申し上げるとともに、計画実現に向けて、あらためて市民の皆様 の声を受け止める場が設定されることを期待いたします。
浦安市観光振興計画 目 次
<本 編>
第1章 今なぜ観光なのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1−1 計画策定のねらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1−2 地域社会・経済の活性化につながる観光振興・・・・・・・・・・・・・・・・3
1−3 国や県の観光振興の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1−4 浦安市の観光振興の取り組みと当計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・6
1−5 浦安市が新たに観光振興に取り組む意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第2章 浦安の観光を取り巻く現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2−1 浦安の観光にとっての「強み」(プラスとなる内的要因)・・・・・・・・・・・ 10
2−2 浦安の観光にとっての「弱み」(マイナスとなる内的要因)・・・・・・・・・・14
2−3 浦安の観光にとっての「機会」(プラスとなる外的要因)・・・・・・・・・・・17
2−4 浦安の観光にとっての「脅威」(マイナスとなる外的要因)・・・・・・・・・・21
2−5 浦安の観光を取りまく環境(まとめ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
第3章 浦安市の観光振興の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
3−1 浦安市の観光振興の基本的方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
3−2 浦安市の観光振興の目標像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
第4章 観光振興のための取り組み体系・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
4−1 3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・33
4−2 生活文化の掘り起こしと観光面での活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
4−3 気軽に立ち寄り、めぐって楽しめる都市環境の整備・・・・・・・・・・・・・37
4−4 旬の情報発信と新しい都市イメージの定着・・・・・・・・・・・・・・・・・39
第5章 地域別の取り組みと活動のイメージ・・・・・・・・・・・・・・・ 41
5−1 浦安を輝かせる3つの「水辺の軸線」の計画・・・・・・・・・・・・・・・・42
5−2 市民が生活する3つの「まちなか」の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・43
5−3 工業ゾーンとアーバンリゾートゾーンの計画・・・・・・・・・・・・・・・・44
5−4 浦安で観光を楽しむ方々の活動イメージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
第6章 計画推進の取り組み体制とスケジュール・・・・・・・・・・・・・ 49
6−1 計画の推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
3
■
浦安市観光振興計画
第1章 今なぜ観光なのか
1−1 計画策定のねらい
浦安市で「観光」と言えば、全国及び海外から年間およそ 2, 500 万人のお客 様が訪れる東京ディズニーリゾート(TDR)がまず思い浮かびます。「最も満足 した観光地」を調査した結果によると、著名な観光地や老舗の温泉地に混じっ て「舞浜」が全国で第 13 位
*
にランキングされています。このように TDR に焦 点を当てて考えた場合、浦安市は観光の面でも十分に元気だと言えるでしょう。
しかし「(TDRに代表されるような)魅力的な特定の施設に多くのお客様がや ってくる」ことだけが地域における観光のあり方ではありません。特に最近は 旅行者の指向性が多様化して、何げない“ まちなか” の魅力に目を向ける人が 増え、これまで観光地だと思われていなかった地域にも訪れるようになってい ます。地域側からしてみると、このような機運を捉え、住民自らが自分たちの 足元に眠っている魅力要素にあらためて注目すること、さらにそれらに磨きを かけて活力ある地域づくりにつなげていくことが期待されます。
浦安市郷土博物館内の展示 東京メトロの鉄橋 浦安魚市場
浦安市でもすでに、市民を中心として“ まちなか” の観光につながる様々な 取り組みがスタートしています。平成17年には、観光に携わる人材育成の取 り組みとして、約100名の市民が受講した「観光ボランティアガイド養成講 座」が開催され、翌年 4 月にはこの受講者を中心に本市初のボランティアガイ ド団体である「ぶらり浦安ガイド」が発足しました。
また、ホテル情報や市内の歴史資源などの来訪者に対する観光情報の発信拠 点として、新浦安駅前に「浦安市観光インフォメーション マーレ」が「ぶら り浦安ガイド」発足と時を同じくして開設されました。
2
ジャパン・キャンペーン」の一環として通訳ボランティアガイドを養成するた めの「訪日外国人受入接遇研修」が開催されたところです。この研修には、市 民ボランティアの方々を中心として約100名が受講されています。
また、昨年2月から4月にかけて、ジェイアールグループと連携した観光キ ャンペーンの一環として「うらやすデスティネーションキャンペーン(DC)」 を実施し、参加された市民の間で来訪者との交流を楽しもうとする気運も高ま っています。特に、ジェイアール主催の「駅からハイキング」は、本市を訪れ た方と、ボランティアとして参加された市民の双方でたいへんに好評を博した ため、ジェイアールとして異例ともいわれている昨年に引き続いての開催とな りました。
これら、浦安市内での“ まちなか” の観光に取り組もうとする様々な動きや 今日の社会背景を踏まえて新しい観光の姿を描くことは、地域資源の活用と住 民主体の地域づくりという2つの側面においてたいへん意義深いものであると 考えられることから、当計画を策定し、浦安という独自の風土を活かした、他 に例を見ないユニークな観光振興を図っていきたいと考えております。
*:「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)調べ。調査時期は2007年7月。
1―2 地域社会・経済の活性化につながる観光振興
観光振興が地域に与える効果は、大きく経済的効果と社会的効果に分けるこ とができます(図表−1)。
観光振興による経済的効果とは、既存産業の観光的な活用・観光に関連した 新規産業の立地や雇用機会の拡大、それに伴う住民所得の増大などに代表され るものです。観光産業が世界経済に対しておよぼす影響は2007年度で世界の国 内総生産(GDP)のおよそ 10.4%
*
に、観光産業への就業人口は世界の全雇用 者のおよそ8.3%
*
にそれぞれ相当すると言われます。
一方、観光振興が地域におよぼす社会的効果も大きなものです。定住人口の 増加が見込めない地域が多い中で、交流人口の拡大を目指す地域が増えている 背景には、観光による社会的な効果への期待もあります。具体的には、地域住 民と観光客が交流する機会の創出や、観光客・住民の双方にとって魅力的な地 域としての基盤整備(景観、交通網など)が促進されること、対外的な地域イ メージの向上などがあげられます。
図表−1 観光振興が地域におよぼす効果
資料:(財)日本交通公社
*:関連産業、関連投資、税収等を含む数値。世界旅行産業会議(World Travel & Tourism
Council)による。
地域環境の 保全と創造 地域文化の
伝承と保存
人材の育成 観光客との
交流
新規定住者 の増加
地域イメージ の向上
インフラ整備 進展
他産業への 波及
雇用機会の 拡大
住民所得の 増大
社会的効果 経済的効果
既存産業の 活性化
新規産業の 立地誘導
4
1―3 国や県の観光振興の取り組み
以下に示すとおり、すでに国や千葉県も積極的に観光振興に取り組んでいま す。浦安市において観光振興を進めるに当たっても、このような大きな社会的 潮流を踏まえておくことが大切です。
(1)「観光立国」を目指す国の取り組み
2002 年2月の小泉前首相による施策方針演説で観光振興が取り上げられ、こ れ以後、国家をあげて観光振興に取り組む「観光立国」の大きな流れが形づく られています。2006 年 12 月には「観光基本法」を全面改正した「観光立国推 進基本法」が成立し、2007年1月より施行されました。
「観光立国推進基本法」には以下の基本理念と基本的施策が掲げられています。
<観光立国推進基本法の施策の基本理念>
① 地域における創意工夫を活かした主体的な取り組みによる 「住んでよし、訪れてよしの国づくり」が重要である ② 国民の観光旅行の促進が図られなければいけない ③ 国際的視点に立たなければならない
④ 行政・住民・事業者らの相互の連携確保が必要である <観光立国推進基本法の基本的施策>
① 国際競争力の高い魅力ある観光地の形成
② 観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成 ③ 国際観光の振興
④ 観光旅行の促進のための環境の整備
また、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ、計画的な推進を図ること を目的として「観光立国推進基本計画」が2007年6月に閣議決定され、以下の 項目が基本方針として掲げられています。
<観光立国推進基本計画の基本的な方針>
① 観光が有する意義を最大のものとするため、国民の国内旅行及び 外国人の訪日旅行を拡大させるとともに、国際相互理解の増進や 諸外国の期待に応えるため、国民の海外旅行を発展させていく ② 将来にわたる豊かな国民生活の実現のため、観光の持続的な発展を 推進していく
③ 観光の発展を通じ、地域住民が誇りと愛着を持つことのできる 活力に満ちた地域社会を実現していく
(2)千葉県の観光振興の取り組み
2004 年 3 月に千葉県の中長期的な県政の方針である「あすのちばを拓く 10 のちから(改訂版)」が示されました。ここでは「10のちから」の1つとして、 「観光客を魅惑するちから(観光立県)」が取り上げられています。また、同計 画に基づくアクションプランにおいて「観光立県千葉の実現」が戦略プロジェ クトの1つとして位置づけられ、同年10月には「観光立県ちば推進ビジョン」 が策定されました。さらにオール千葉県で観光振興に取り組んでいく道筋を明 らかにするため、現在「(仮称)千葉県観光立県推進条例」の策定作業が進めら れています。
6
この他にも、2005 年 10 月には茨城県と共同で「外客来訪促進計画」を策定 しています。2007年2月から4月にかけて、千葉県では初となるJRグループ による「ちばデスティネーションキャンペーン」が開催されました。
1―4 浦安市の観光振興の取り組みと当計画の位置づけ
浦安市では2004年3月に「浦安市産業振興ビジョン」が策定されており、こ のビジョンの一部門をなす「観光振興ビジョン」は、浦安固有の資源を活かし、 拠点の整備とネットワーク化を図ることにより、交流人口の増大に結びつける ことを目的としています。
また、より上位のまちづくりの基本指針として「浦安市総合計画」を策定し ています。この「総合計画」はまちづくりの将来目標と基本方針を示す「基本 構想」と基本構想実現のための具体的な施策の方向性を示す「基本計画」で構 成されます。現在、「第2期基本計画」の策定作業が進められており、ここでは 「健康・福祉」「教育・生涯学習」「市民活動・交流」「暮らし・環境」「街づく り」「都市経営」の6テーマで検討が進められ、観光関連分野については「市民 活動・交流」分科会にて議論されています。
今回策定する「浦安市観光振興計画」は「浦安市産業振興ビジョン」を踏ま え、また「第2期基本計画」とも整合性を取り、2008年から5年間の観光振興 の方向性と、特に短期間(3ヶ年を想定)に重点的に取り組むべき内容を示すも のです。
図表−3 浦安市の観光振興の取り組み
浦
安
市
計
画
総
合
計
画
観
光
部
門
計
画
浦安市 総合計画
浦安市産業振興ビジョン (2004年3月)
【まちづくりの基本目標】
人が輝き躍動するまち・浦安
(第2期基本計画 を策定中)
観光振興ビジョン
実施計画 基本構想
基本計画
(基本計画を 踏まえ策定)
浦 安 市 観 光 振 興 計 画 【観光振興の施策の体系】
①舞浜アーバンリゾートの振興 ②観光漁業等の振興
1―5 浦安市が新たに観光振興に取り組む意義
市民の観光に対する意識と来訪者の指向性を踏まえ、浦安市が新たに観光振 興に取り組む意義は、大きく以下の5つの視点で整理することができます。
① 観光振興をきっかけとした地域の独自性・地域らしさの見直し
・自分たちが生活する浦安のまちを外部からの来訪者に訪れてもらうことが、 市民が今まで気づくことがなかった浦安の魅力をもう一度見直して磨き上げ ることにつながります。
・特に浦安への居住歴や世代が異なる住民が、普段あまり触れることのない自 らの居住地以外の浦安の魅力を知るきっかけにもなります。
② 観光活用をとおした地域文化の継承
・日常の暮らしの中で積み重ねられてきた地域の生活文化は、生活様式の変化 や世代交代によって失われつつあります。観光には、経済性や利便性を重視 する日常生活の中だけでは支えることができなくなったこれらの生活文化の 要素を活用し、次の世代に継承していくという意義もあります。
・浦安では境川や元町地域を中心に地域の来歴と結びついた要素が多く残され ています。これらの要素に対して観光的な価値付けを行うことで、次の世代 に伝えていくことも可能にもなります。
③ 観光振興をとおした地域産業の活性化
・観光は新たな地域産業の創出や活性化に寄与します。特に浦安のようなまち なかでの観光は、食の魅力づくりや情報提供の面でそうした可能性を有して います。
・東京湾からの新鮮な食材や地域に伝わる食文化を活用した名産品づくりをは じめ、観光振興が既存の地域産業等の活性化につながります。
・まちなか観光にまつわる情報提供やガイドの実施など、新しいサービスの提 供を通して、観光振興が新たな産業の創出につながる可能性があります。
④ 観光まちづくりによる都市基盤の充実
・浦安のような都市を舞台とした観光では、住民の暮らす生活空間と、来訪者 が興味を持って訪れ楽しむ空間とが重複することになります。来訪者の視線 を意識したまちづくりを進めることで、住民が自分たちのまちを見直し、美 しく心地よい空間づくりにつながります。
8
が容易に把握できることなどの実現にもつながります。このように、観光振 興は来訪者のためのみならず、住民にとっても暮らしやすい社会基盤を形成 することにつながります。
⑤ 多様な取り組み主体による市民活動の場を確保
・観光振興は様々な政策の中でも、住民によって支えられる部分が大きい分野 です。例えば、環境美化など来訪者を受け入れる舞台づくり、浦安の魅力の 発掘と情報発信、来訪者に対するおもてなしやガイドなど、住民が観光振興 に携わる場面は数多く考えられます。
・浦安のように住民の活力が高い都市部においては、様々な観光振興の取り組 みが市民活動の受け皿としても機能し、さらなる地域活性化に寄与しうるも のと考えられます。
以上にあげた5つの観光振興の意義は、いずれも「観光まちづくり」の考え 方につながっていくものです(図表−4)。「観光まちづくり」とは、来訪者(観 光客)の視点に立った「観光地づくり」と生活者(市民)の視点に立った「ま ちづくり(地域づくり)」を融合させて捉えようとするものです。
観光振興策は、ともすると観光客や観光事業者のみを対象にした取り組みで、 一般的な市民生活との接点が少ない施策だと思われがちです。しかし実際には まず市民が暮らす上で魅力的な地域を目指すことが大前提であり、その結果と して観光客にとっても魅力的な地域を実現するという手順が大切です。このよ うな意味において、観光振興策は市民生活の充実という観点からも重要な施策 であり、決して市民生活との関係性が希薄なものではありません。
図表−4 観光まちづくりの視点
資料:(財)日本交通公社
結果として、 来訪者にとっても
魅力的な地域へ
来訪者(観光客)の視点
観光地づくり
生活者(市民)の視点
まちづくり
(地域づくり)
まずは、 生活者が楽しめる
地域を目指す
地域らしさの 見直し 地域文化の
継承 地域産業の
活性化 都市基盤の
充実 市民活動の
第2章 浦安の観光を取り巻く現状と課題
今後の浦安の観光振興の方向性を考えるにあたっては、浦安の観光がどのよ うな状況に置かれているのか、客観的な観点から確認しておくことも大切です。 ここでは各種データをもとに、浦安の観光を取り巻く環境について、内的要因 (浦安が内部に抱えている「強み」と「弱み」)と外的要因(浦安を取り巻く社 会的な状況に起因する「機会」と「脅威」)に分けて分析します。
<内的要因>
<外的要因> ● 「弱み」とは…
目標を達成する上で障害となりうる内部の要素のことです。ここでは、浦安が内 部に抱えており、観光振興のために障害となりうるマイナスの要素を指します。
● 「脅威」とは…
目標を達成する上で障害となりうる外部の要素のことです。ここでは、浦安の観 光振興のマイナスとなるような要素のうち、社会の状況、市場の動向など、浦安 だけではコントロールできない要素を指します。
● 「機会」とは…
目標を達成するために貢献する外部の要素のことです。ここでは、浦安の観光振 興のためにプラスとなる要素のうち、社会条件や市場の指向性など、浦安だけで はコントロールすることができない要素を指します。
● 「強み」とは…
10
2−1 浦安の観光にとっての「強み」(プラスとなる外的要因)
(1)まちなかの魅力
① 都市と密接な関係にある多様な水辺空間の魅力
・かつては地域住民の生活や産業に密着していた境川や、漁船や遊漁船が係留 されている「堀江ドック」と旧江戸川、海辺の生き物や鳥類等の貴重な生息 地として「日本の重要湿地500」(環境省)にも指定されている三番瀬など、 浦安には多様な水辺空間が存在しています。
・東京湾岸には水辺空間を擁する地域が多数ありますが、浦安の場合は市域の 三方を水辺空間で囲まれていること、そして各水辺空間がそれぞれ異なった 表情を持つことが特徴です。観光振興の面でも、それぞれの特性に応じた水 辺空間の魅力づくりが課題となります。
② 伝統的文化の要素が残る元町地域
・元町には堀江フラワー通りのように、旧大塚家住宅や旧宇田川家住宅などの 旧住宅や、銭湯や寺社など昔ながらの地域資源が残っているエリアがありま す。浦安市では、埋め立て地を造成して新規宅地としたため、元町エリアに は比較的まとまった形で生きたままの伝統的文化の要素が残っていることが 特徴です。
・市民アンケートの結果 *
からも、89. 4%の人が元町の存在を「知っている」と答 えています。また、元町のイメージでは「浦安の昔ながらの生活文化が残っ ている」や「寺社や歴史的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ」との意 見が多く、浦安の伝統的文化の要素が残る地区として重要な地域であると市 民が認識していることがわかります。
・市民からも浦安の地域らしさを感じさせる重要なエリアとして認識されてい る元町地域とそこに残された伝統的文化の要素の活用は、観光振興と市民活 動を有機的に結びつける上でも重要な課題です。
*付属資料編の資料3を参照。「行ったことがある」「知っているが行ったことはない」と回答し
③ 特徴的な顔を持つ5つのエリア
・浦安では昔ながらの漁師町の面影を残した「元町」、総合開発計画に基づいて まちづくりが行われた「中町」、リゾート風のまち並みが広がる「新町」、鉄 鋼工場が広がる「工業ゾーン」、東京ディズニーリゾートとホテル群を中心と した「アーバン・リゾートゾーン」など市内のそれぞれのエリアが特徴的な 顔を持っています。
・また、各エリアの性格が明確なことも手伝って、これらの景観が映画やドラ マのロケ地としても取り上げられ、全国に対して浦安の風景を情報発信する ことにもつながっています。
(2)東京ディズニーリゾートの存在
① 国内随一のアーバンリゾートを形成する舞浜エリア
・「東京ディズニーランド・東京ディズニーシー」(以下、TDR)の年間総入場 者数は国内で年間30万人以上を集める 12のテーマパーク全ての入場者数の 約57%を占めています。このことから、TDRがいかに大規模な集客の核であ るか、あらためてわかります。
・またTDR周辺の舞浜エリアを中心として、多様で大容量の宿泊施設が整備さ れており、TDRと合わせて国内随一のアーバンリゾートを形成しています。 ・TDRを核とする舞浜エリアを訪れようとする人たちに対して浦安の情報をど
う伝えるかも、これからの浦安の観光の大きな課題です。
図表5−1
元町地域の認知度と来訪経験
行っ たこ とがある 83.6% 知っ ているが行っ た
こ とがない 5.8%
知ら ない 5.1%
無回答 5.5%
図表5−2 元町地域のイメージ
47.3%
29.2%
24.5%
23.1%
20.2%
4.7%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 浦安の昔ながら の生活文化が残っ ている
寺社や歴史的建築が多く、浦安にとって大切な場所だ
フ ラワー 通り(商店街)の活性化の必要を感じる
銭湯や昔から の商店が多く懐かしい感じがす る
ぶら ぶら 散歩す るのが楽しい場所である
ぼっ たらや玉子フ ライなど 浦安独自の食文化がある
12
図表−6 年間 30 万人以上の来訪者があるテーマパークに占める TDR のシェア
56.8%
19.1% 4.5%
3.6% 3.4%
1.6% 0.9%
3.1% 2.3%
1.7% 2.1%
0.9%
東京デ ィズ ニー ラン ド・ 東京デ ィズ ニー シー ユ ニバー サル・ スタジオ・ ジャパン
ハウステ ン ボス 志摩スペイン 村 パルケエスパー ニャ
スペー スワー ルド サン リオピ ュー ロ ラン ド
東映太秦映画村 倉敷チボリ公園
ラグー ナ蒲郡 ラグナシア ポルトヨー ロ ッパ 野外民族博物館 リトルワー ルド 博物館 明治村
(3)市民の活力 ① 盛んな市民活動
・浦安では2008年2月現在、125の団体が市民活動団体として登録されていま す
*
。活動内容は多岐にわたりますが、このうち3割弱の団体は何らかの形で 「まちづくり・地域づくり」の活動に関わっていると見られます。
・代表的な活動例として、公園の花壇の整備や芝の手入れ、まちのゴミ拾いな どがあげられます。このような活動も、観光振興にとって重要な都市基盤の 一つである景観の整備につながるものです。今後はこれら市民の活力を観光 振興の面でもより積極的に活かすことが課題です。
② 高齢化率が低く若いまち
・浦安の年齢別人口構成は20∼30歳代が最も多く、全体の約37.0%を占めてい ます。高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)は10.1%で、全国20.8%、
千葉県17.5%(H19高齢社会白書)と比較しても高齢化率は低く、「若いまち」
であることが分かります。若い活力を観光振興の担い手として積極的に活か すことが期待されます。
図表−7 浦安の人口
資料:浦安市HP (http://www.city.urayasu.chiba.jp)より(財)日本交通公社作成
(4)広域連携
① 「千葉ベイエリア観光連盟」による広域観光の推進
・浦安、市川、船橋、習志野、千葉、市原の6市でプロモーションツアーやパ ンフレットの製作などの事業を展開し、ベイエリア地域の観光の連携を図って います。
・広域連携によって情報発信力は着実に増すと考えられますが、この中で浦安 の特性を明確に打ち出していくことが課題になります。
4377 4535 3757 3346
5354
7268 8012
8571 6861
4858 4136
5639 4032
3199 2052 1134 911
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 4321
4620 3789
3319 5466
6828 7701 7947
6033
4329 4382 5533
3858 2955
1972 1497 1993
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000
人 人
80歳以上
70歳 60歳 50歳 40歳 30歳 20歳 10歳 0歳
14
2−2 浦安の観光に関する「弱み」(マイナスとなる内的要因) (1)まちなかの魅力
① 活用の余地がある食の魅力
・浦安にも「ぼったら」や「玉子フライ」などなど、地域独自のメニューがあ りますが、市民の間でもあまり知られておらず、外部には充分アピールしき れていないと言えます。
・また、浦安魚市場では小売業者や地元客に新鮮な食材を提供しており、場内 には食堂もありますが、現状では地域外からの来訪者にはあまりアピールし ていないと思われます。
・今後は場内で提供する新規メニューの開発などと合わせて、来訪者向けにア ピールするなどさらに魚市場を活用することも課題の一つです。
② 環境改善の余地がある水辺空間
・浦安の豊富で多様な水辺空間は都市の魅力になるものですが、境川ではヘド ロの沈殿やゴミの投げ捨てが見られます。また貴重な水辺である三番瀬につ いては現状では触れあいにくい状況にあるなど、今後の課題も多いと言えま す。
・市民アンケート結果からも境川は様々な形で市民に親しまれていると言えま すが、「水質浄化の必要性を感じる」という意見も多くあげられています。ま ずは市民により一層親しまれる境川を目指し、さらに観光面でも活用するた めに水質浄化や安心して水辺で遊べるような基盤整備などが必要です。
図表8−1
境川の認知度と来訪経験
行っ たこ とがある
78.7% 知っ ているが行っ た
こ とがない
10.8%
知ら ない
5.8%
無回答
4.7%
図表8−2
境川のイメージ
41.2% 29.2% 18.8% 18.1% 14.1% 9.7% 9.0% 1.8%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 水質浄化の必要性を感じる
散歩や休憩など 市民の憩いの場になっ ている 安全に水辺に近づけるような環境が整備されている 浦安の歴史や文化を感じるこ とができる ま ちなかで手軽に釣りを楽しめる貴重な場所だ 特に印象はない 水辺の自然に触れるこ とができる その他
(2)交通網と情報提供
③ 来訪者にとってわかりづらい市内の公共交通体系
・「市街地情報環境ブック」(浦安市)によると、浦安駅や新浦安駅を中心に市 内を巡るバス路線があり、バス停から 300m の範囲内で市域の大部分はカバ ーされています。しかし、浦安駅前のバス停がロータリーと離れていて分か りづらい点や、バス停までの案内が不十分な点など、来訪者の視点から市内 交通の利便性を考えると使い勝手の面で改善の余地があると考えられます。 ・郷土資料博物館など集客の可能性がある施設へのアクセスや案内機能の強化
とあわせて、今後は特に来訪客の利便性を考慮した公共交通の仕組みが必要 であると考えられます。
④ まだ弱い浦安駅周辺の観光案内機能
・JR新浦安駅前には観光案内所「新浦安駅前プラザ(マーレ)」がありますが、 東京メトロ東西線浦安駅前で得られる情報はまちなか案内図や主要な見所ま での時間表示等に限られています。
16
ある , 5 .3 % ない, 9 4 .7 %
0% 20% 40% 60% 80% 100%
(3)観光実態・観光特性
① TDR客の浦安市内への回遊率の低さ
・「浦安産業振興ビジョン」(浦安市)によると、TDR来園客のほとんど(94.7%) は 浦 安 市 内 の 他 エ リ ア を 訪 問 し て
いません。
・TDR への来園客を何らかの形で 浦 安 市 内 の 他 エ リ ア へ と 回 遊 さ せ る 仕 組 み づ く り を 進 め る こ と も今後の検討課題です。
② TDRに代表される地域イメージ
・(財)日本交通公社が「浦安」、「舞浜」それぞれの観光地イメージを調査した 結果、「にぎやかで楽しい」、「みるものが多くバラエティに富んでいる」、「そ の地ならではの活動や楽しみがある」といった回答が両者に共通して上位に 並びました。これらはTDRの存在を念頭においた結果と考えられます。 ・実際の空間のスケールとしては「浦安」>「舞浜」>「TDR」という包含
関係がありますが、イメージの上では「浦安」≒「舞浜」≒「TDR」とい う関係性になっていると言えます。
・この結果はTDRの強い存在感を裏付ける一方で、TDRの他の様々な魅力 要素が浦安という地域のイメージとまだ結びついていないことも示していま す。浦安というまちの姿を幅広く知っていただくことも、大きな課題です。
図表−10 「舞浜」と「浦安」のイメージ比較
資料:浦安市 「浦安市産業振興ビジョン」より
(財)日本交通公社作成 図表−9 東京ディズニーリゾート来訪客の浦安市内 の他エリアの訪問経験
6.1% 1.0% 17.0% 26.5% 3.8% 0.6% 0.8% 4.5% 20.6% 17.1% 18.8% 3.7% 0.6% 32.2% 11.9% 6.5% 3.6% 7.0% 17.4% 20.3% 2.8% 1.0% 0.4% 3.3% 22.4% 15.7% 12.4% 1.8% 1.1% 30.9% 8.6% 3.2%
0 % 1 0 % 2 0 % 3 0 % 4 0 % 自然や風景がすばらしい
歴史や文化がすばらしい 他にない見どころがある みるものが多くバラエテ ィに富んでいる 町並みがすばらしい 祭りや伝統芸能や特産品がある いい温泉がある おいしい食べ物がある その地ならではの活動や楽しみがある 色々な活動や楽しみがある いい宿泊施設がある 気候がよく 居心地がよい 地域の人とのふれあいがある にぎやかで楽しい 独特の雰囲気がある 清潔さや美しさが保たれている
2 0 0 1 舞浜 2 0 0 7 浦安
出典:( 財) 日本交通公社「旅行者動向」
2−3 浦安の観光にとっての「機会」(プラスとなる外的要因)
(1)市場の動向 ① まち歩きブーム
・(財)社会経済生産性本部「レジャー白書2005−特別レポート− インバウ ンド 日本の魅力再生」によると、「新しいツーリズムへの参加率と参加希 望率」ではまち歩きに関連する旅も上位にランクインしています。
・このような動きも意識して、浦安では元町地域に残る文化的資源を保存す るとともに、その価値を伝えることのできる「ぶらり浦安ガイド」のよう な人材の育成や、まち歩きを楽しめるような仕組みづくりも課題です。
図表−11 新しいツーリズムへの参加率と参加希望率
出典:(財)社会経済生産性本部 余暇創研
「レジャー白書2005−特別レポート− インバウンド 日本の魅力再生」
2 9 .5 2 4 .0 2 2 .9 2 2 .9 1 7 .7 1 7 .4 1 7 .4 1 6 .7 1 6 .6 1 1 .3 1 1 .1 1 0 .8 9 .5 9 .0 8 .1 7 .3 4 .7 4 .6 3 .3 3 .0
1 9 .2 2 2 .8
4 1 .4
6 2 .4 1 7 .7
1 7 .6 2 2 .2
2 3 .0 2 6 .0 1 1 .6
1 3 .1 2 2 .6 1 0 .8
2 5 .1 1 1 .2
9 .2 1 1 .4 1 0 .4
1 1 .1 1 0 .9
0 10 20 30 40 50 60 70
お台場など 大都市の新しい観光スポットの訪問 各地の伝統祭りや行事への参加・ 見学 世界遺産など 日本を代表す る 文化財を訪れる 旅 温泉で3 日以上滞在してゆっくりす る 旅( 湯治など) 酒蔵での酒づ くり見学や試飲などを楽しむ旅 漆器・ 陶芸など 職人によ る 伝統工芸の見学 歌舞伎・ 能など の舞台鑑賞 大正ロ マン 、昭和レトロ などの雰囲気のある まち なみ歩き 街道歩き( ウォー キ ン グ) を楽しむ旅 茶道・ 華道など の伝統文化の体験や講習参加 米作りや果物の収穫など の農業体験 ガイドとともに自然の魅力を体験す る 旅 七福神めぐりなど 、地域周辺での行楽 地域の食材を活かした郷土料理を楽しむ旅 織物( おりもの) など、庶民の生活文化の見学・ 体験 「 よ さこいソー ラン 」 など新しい地域イベン トへの参加や見学 TVドラマや映画のロ ケ地を見学・ 訪問す る 旅 各地の礼状を巡礼す る 旅 農家など に滞在し、田園生活を楽しむ体験 里山保全、森林ボラン ティアなどの身近な環境や文化を守る 運動
%
参加率
18
② 20 代∼40 代に支持されるロケ地めぐり
・( 財) 日本交通公社「旅行者動向」によると、ドラマや映画のロケ地を訪ねる 「ロケ地めぐり」は、まだ実施率は低いものの、40 代を中心に認知度が高ま っており、今後の参加希望も高くなっています。
・すでに浦安は多くのドラマ・映画のロケ地として取り上げられています。旅 行者の参加希望も踏まえ、浦安市内のロケ地を訪れるような楽しみ方につい て分かりやすく情報発信するとともに、ロケ地としてのさらなる魅力づくり に取り組んでいくことも大切です。
③ 都市部における水辺空間の高い集客力
・お台場地区や豊洲のアーバンドックなどの商業空間、また、葛西臨海公園な どのレクリエーション空間も含め、都市に近接する水辺空間は都市に潤いを 与え、その空間的な魅力を高めます。
・浦安にも境川や旧江戸川、三番瀬(東京湾)など多様な水辺空間が存在しま す。都市部での「水辺志向」も意識して、水辺を擁するまちとしての浦安の 特徴を強くアピールすることも課題です。
④ 産業観光への注目
・近年、産業遺産や工場、産業製品等の見学や体験を目的とした「産業観光」 が新しい形の観光として注目されつつあり、観光立国推進基本計画も「産業 観光の推進」に触れています。
・浦安には水産品の加工技術の他、国内最大規模の鉄鋼流通基地である「鉄鋼 団地」も存在します。これら地域の産業に根ざした要素は、産業体験の素材 としてTDRを訪れる修学旅行生や、ものづくりに興味を持つ人へアピール する可能性も考えられ、新たな観光活用の検討も今後の課題となります。
図表−12―1 最近話題の旅行「ロケ地巡りツアー」
認知と経験(年代別)
図表−12−2
最近話題の旅行「ロケ地巡りツアー」 今後の参加意向(年代別)
1 2 .3 1 2 .7 1 2 .8 5 .2 4 .5 5 .1
2 7 .4 2 8 .5 3 0 .1 2 5 .3 1 6 .8 1 5 .3
3 0 .0 3 7 .5
4 0 .6 4 4 .4 5 0 .5 5 3 .4
3 0 .3 2 1 .3
1 6 .5 2 4 .9 2 8 .2
2 6 .3 0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 % 2 0 代
3 0 代 4 0 代 5 0 代 6 0 代 7 0 代
ぜひ 行っ てみたい 行っ てみたい あまり行きたくない 全く行きたくない
1 .8 2 .9 3 .4 4 .3 3 .2 6 .4
7 5 .1 6 8 .3 6 8 .3 5 8 .7 4 7 .4
5 3 .6
2 3 .1 2 8 .8 2 8 .2 3 7 .0 4 9 .4
4 0 .0
0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 % 2 0 代
3 0 代 4 0 代 5 0 代 6 0 代 7 0 代
行ったこ とがある 知っているが行ったこ とはない 知らない
(2)東京ディズニーリゾート(TDR)の存在 ① 世界規模で多様な顧客を抱えているTDR
・TDRは幅広い年齢層から支持され、全国及び海外から年間2,500万人規模の 来訪者があります。まちなかも含めて浦安の姿を知っていただく上でも、こ れらの来訪者の存在は大きいと言えます。
資料:オリエンタルランド HP(ht t p: //www. ol c. co. j p)より( 財) 日本交通公社作成
② 話題提供につながるTDRの新規設備投資
・TDRでは定期的な設備投資を行っており、2∼3年に1度新規アトラクショ ンのオープン、リニューアルが行われています。また、シーズンに応じたイ ベントも開催されます。TDRのこれらの動きは非常に注目度の高いニュース と言えます。TDRと浦安のまちなかを直接結びつけて情報発信することは難 しい面もありますが、今後の重要な取り組み課題だと言えます。
中部・甲信越, 11.3% 近畿, 7.2%
東北, 3.5% その他圏内, 6.7%
海外, 3.6%
関東, 67.7% 大人( 1 8 ∼3 9 歳) ,
5 2 .0 %
大人( 4 0 歳以上) , 1 6 .2 % 小人( 4 ∼1 1 歳) ,
2 0 .0 %
中人( 1 2 ∼1 7 歳) , 1 1 .8 %
図表−14 TDR来園者の年代別比率
図表−13 TDR来園ゲスト数の推移
図表−15 TDR来園者の地域別比率
※ 2001 年度以降は東京ディズニーランド ( TDL) 東京ディズニーシー( TDS) の 2 パー ク合算データ
9,933,000 10,013,000 10,675,000 10,665,000 11,975,000 13,382,000 14,752,000 15,876,000 16,139,000 15,815,000 16,030,000 15,509,000 16,986,000 17,368,000 16,686,000 17,459,000 16,507,000 17,300,000 22,047,000 24,820,000 25,473,000 25,021,000 24,766,000 25,816,000 1983年度
1984年度
1985年度
1986年度
1987年度
1988年度
1989年度
1990年度
1991年度
1992年度
1993年度
1994年度
1995年度
1996年度
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
大人( 1 8 ∼3 9 歳) , 5 2 .0 %
大人( 4 0 歳以上) , 1 6 .2 % 小人( 4 ∼1 1 歳) ,
2 0 .0 %
中人( 1 2 ∼1 7 歳) , 1 1 .8 %
単位:人 TDL 開園( 4月)
20
③ 修学旅行によるTDR来訪
・2006年度に修学旅行でTDRへ来園した児童・生徒数は824,000人、学校数
は8,872校に上ります*。1日平均して24校が利用している計算となります。
・これらの学校団体はTDRとその他の観光地あるいは観光要素を様々な形で 組み合わせて修学旅行を組み立てていると思われます。浦安としても、これ らの児童・生徒を対象として、普段の学校教育だけでは触れることができな い体験プログラム等を用意し、市内への回遊率を高めることも検討課題です。
*オリエンタルランド公式HPhttp://www.olc.co.jp/company/guest/profile.htmlより
(3)交通条件による強み
① 京葉線、東西線を利用する多くの通勤・通学客による高い認知度
・浦安は都心部から近距離圏内にあり、特に千葉県住民が東京メトロ東西線や JR京葉線を利用して都心部へ通勤・通学する径路上に位置しています。こ のことから、浦安はこれらの人々から高い認知度を得ていると考えられます。 ・今後はこれらの通勤・通学客に対して、駅名としての「浦安」「新浦安」「舞
浜」だけでなく、より具体的な浦安というまちの姿を知ってもらうための取 り組みを進めることが重要です。
② 羽田、成田空港や都心部からの至便な交通アクセス
・浦安は都心部まで30分圏内に位置するだけでなく、羽田、成田両空港へのア クセスにも恵まれています。
・バスや電車を利用して1時間程度で両空港へ到達できる強みを生かし、日本 各地からの東京観光や海外からの日本観光の最後の宿泊拠点としてアピール することも考えられます。
図表−16 浦安への交通アクセス
至和光市
至大宮
至北千住
池袋
上野
至中野
至吉祥寺 新宿
渋谷
至中目黒
恵比寿
大崎 品川
浜松町 銀座 有楽町
大手町
東京
茅場町
八丁堀 新木場
舞浜 新浦安
浦安 西船橋 至新松戸
成田空港
至千葉
至海浜幕張 都心部まで. . . .30分以内
成田空港まで. . .60分程度 羽田空港まで. . .60分程度
羽田空港第2ビル 飯田橋
東京モノレール りんかい線
J R京葉線 J R山手線
J R武蔵野線 日比谷線
有楽町線
東西線 J R中央線
図表- 17 宿泊観光レクリエーションの推移 参加回数(参加者平均)20∼29 歳の男女
2−4 浦安の観光にとっての「脅威」(マイナスとなる外的要因)
(1)市場の動向 ①若い世代の旅行離れ
・(社)日本観光協会「平成18年度版 観光の実態と志向」によると、宿泊観光 レクリエーションの参加回数で見ると、1994 年度では 20∼29歳の男性の参 加率が2.54回であるのに対し、2005年度では1.75回となっています。 ・また、女性の場合も 1994 年度では 3.09 回であるのに対し、2005 年度では
1.95回となっており、若者の旅行回数は年々減少傾向にあると言えます。
2.54 2.46
2.19 2.35
1.91 2.20
2.28
1.94 1.99 1.75 3.09
2.53 2.45
2.24 2.49
2.10 2.53
2.21 2.14
1.95
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5
1994 1996 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 単位: 回
男性
女性
出典:(社)日本観光協会「平成18年度版 観光の実態と志向」
②国内宿泊旅行市場の全体的な落ち込み
・国土交通省「平成 18 年度 観光白書」によると、国民の宿泊観光旅行回数、 宿泊数はバブルの崩壊と共に減少したことをきっかけにその後も減少し続け ています。
22
図表−18 国民一人あたりの宿泊観光旅行回数
1 .3 5
1 .1 8 1 .2 8
1 .2 6 1 .4 1
1 .5 4 1 .7 3
1 .5 7 1 .6 4
1 .6 2
1 .4 9 1 .5 1
1 .6 3 1 .6 2 1 .5 5
1 .5 2
1 .4 2 1 .4 1
1 .2 8
1 .1 8
4 ,9 4 8 5 ,5 1 6
6 ,8 2 9 8 ,4 2 7
9 ,6 6 3 1 0 ,9 9 7
1 0 ,6 3 4
1 1 ,7 9 11 1 ,9 3 4 1 3 ,5 7 9
1 5 ,2 9 8
1 6 ,6 9 51 6 ,8 0 3
1 5 ,8 0 6 1 6 ,3 5 8
1 7 ,8 1 9
1 6 ,2 1 6 1 6 ,5 2 3
1 3 ,2 9 6 1 6 ,8 3 1
2 ,3 2 7
2 ,0 6 22 ,1 5 5 2 ,3 5 5
2 ,8 3 5
3 ,5 3 63 ,5 3 33 ,5 8 2
3 ,4 1 03 ,4 6 83 ,3 4 5 3 ,8 3 7
4 ,2 1 84 ,1 0 6 4 ,4 3 8
4 ,7 5 74 ,7 7 2
5 ,2 3 85 ,2 1 2 6 ,1 3 8
0 0 .2 0 .4 0 .6 0 .8 1 1 .2 1 .4 1 .6 1 .8 2
1 9 8 5 1 9 8 61 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 91 9 9 0 1 9 9 11 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 71 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 22 0 0 3 2 0 0 4 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000
国民1人当たりの宿泊観光旅行回数( 回) 日本人海外旅行者数( 千人)
訪日外国人旅行者数( 千人) ( 回)
( 千人)
※ 国民の国内宿泊観光旅行については、2003年 度からTSAに基づく統計となったため、上図で の同数値は2004年度までの表記となっている。
出典:国土交通省 「平成 17 年度 観光白書」
1.7 1.71 1.77 1.73 2.81 2.78 2.89 2.77 1 .5 2 2 .5 3
2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6
国民1人当たりの国内宿泊観光旅行回数(回) 国民1人当たりの国内宿泊観光旅行宿泊数(回) (回、泊)
(暫定値)
(2)地域間競争の激化
①都心部の再開発・新規開発による競合目的地の増加
・「旅行者動向2006」(前出)によると、都市観光(街や都市で楽しむ旅行)で 行ってみたい旅行先では東京都が圧倒的なシェアを占め1位であり、ここ数 年、このシェアは増加傾向にあります。背景には近年の相次ぐ再開発による 都心部の魅力増大があげられます。
・再開発地域(表参道ヒルズ、東京ミッドタウン、丸の内地区など)を中心と した都心と近距離圏にある浦安は、互いに競合する目的地であると考えられ ます。
図表−19 都市観光で行ってみたい旅行先
2 7 .6
1 6 .8
6 .0
5 .5
5 .0
2 2 .0
1 1 .9
8 .4
7 .5
6 .5
2 0 .9
1 2 .6
3 .8
8 .8
4 .5
0 10 20 30
東京都
米国
フ ランス
大阪府
イタリア
(% )
2 0 0 6 2 0 0 4 2 0 0 2
出典:(財)日本交通公社「旅行者動向2006」
②下町的情緒を残す近隣エリアの観光振興
・東京23区内でも観光振興の取り組みが活発化しており、台東区、葛飾区、品 川区などが近年観光振興計画を策定するなどしています。
24
2−5 浦安の観光を取り巻く環境(まとめ)
以上の分析結果より、浦安の観光を取り巻く環境について、以下の図のよう に整理することができます。次ページに示すように、「強み」や「機会」を活か し、同時に「弱み」を克服すること、「脅威」をカバーすることが今後の浦安の 観光振興の基本的な取り組みの方向性につながります。
環境分析を踏まえた浦安の観光振興の考え方
【強み× 機会】… 機会をとらえて強みをさらに活かす
【強み× 脅威】… 強みによって脅威をカバーする
【弱み× 機会】… 機会を活かして弱みを克服する
【弱み× 強み】… 強みを活かして弱みを克服する
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・地域づくりに関わる市民の活力(浦安の強み)と若いまちとしての活力(浦安の強み)を活 かす。
・舞浜のイメージ≒浦安のイメージとなってしまっている(浦安の弱み)ので5つの特徴的な エリア(浦安の強み)についてさらに情報発信することによって、浦安独自のイメージを確 立する。
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・分かりづらい公共交通体系(浦安の弱み)を克服し、まち歩きのブーム(浦安にとっての機 会)に対応する。
・まち歩きのブーム(浦安市にとっての機会)、多数の通勤・通学客の存在(浦安にとっての
機会)を活かし、画一的な地域イメージ(浦安の弱み)を克服する。 浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・高い知名度(浦安の強み)を活かして、競合する目的地の存在(浦安にとっての脅威)に対 応する。
浦安の観光を取り巻く環境分析にあてはめると…
・多様な水辺空間の魅力(浦安の強み)と都市部の水辺への注目(浦安にとっての機会)を活
かす。(あわせて水質悪化や親水空間の不足(弱み)を克服する)
27
第3章 浦安市の観光振興の基本方針
「浦安市が観光振興に取り組む意義」(第1章)と「浦安の観光を取りまく環 境」(第2章)を踏まえ、これからの浦安市の観光振興の基本的な方向性と将来 的な目標像について整理します。
3−1 浦安市の観光振興の基本方針
浦安市が観光に取り組む意義、浦安の観光を取りまく環境を踏まえ、浦安市 の観光振興の基本方針として、あらためて以下の5点に整理することとします。
図表−21 浦安市の観光振興の基本方針
特に関連が強いもの
① 市民が主役となって推進する観光振興
宿泊施設や立ち寄り型の観光施設など、いわゆる観光産業が主要産業ではな い浦安のような地域で観光振興に取り組む際には、取り組みの中心となる推進 役の“ 顔” が見えにくいことがしばしばあります。
浦安においては、観光振興が自らの地域の魅力を見直す取り組みであること、 来訪者だけでなく市民にとっても魅力的な地域を目指すものであること等を意 識して、まずは市民自身が楽しみながら、主役となって観光振興を推進するこ とを目指します。同時に行政や観光関連団体の役割を明確にし、市民活動を強 力にバックアップする姿勢も必要になります。
「ちばデスティネーションキャンペーン」の盛り上がりから観光に対する浦 安市民の意識も変化し、「観光立国推進基本法」でも市民が主体となって観光振 興を担うことが観光立国実現のために重要であると触れられていることも踏ま え、まずは市民が「できること」から始め、市民ひとりひとりが観光振興の担 い手になることが期待されます。特に市民の活力が高い浦安市においては、市 民活動団体の活動を中心として何らかの形で観光振興に携わることが可能です。
② 住民のよりよい生活環境の実現につながる観光振興
何げないまち並みの魅力が多様化する観光客の価値観とマッチしていること から、浦安の観光でも“ まちなか” と呼ばれる空間の活用が1つのポイントに なると考えられます。しかし観光振興は来訪者のための取り組み、あるいは観 光事業者のための取り組みにとどまるものではありません。さらに“ まちなか” は浦安市民が日常生活を営む大切な空間であることに十分な配慮をする必要が あります。
そのために、まずは市民が暮らす上での魅力につながる取り組みを観光の視 点からも探っていくことが大切です。特に快適な環境づくりや景観形成、移動 の利便性の向上などは観光客と市民のニーズが一致する部分です。
市民が自信と誇りを持って暮らしている地域こそ、来訪者にとっても魅力的 であるという考え方にたち、浦安では市民のよりよい生活環境の実現につなが る観光振興を目指します。
③ 既存の生活文化とまちなかの空間を大切にする観光振興
浦安では元町地域、なかでも境川沿いのエリアを中心として、地域の記憶を 現在に伝える生活文化がところどころに残されています。このような地域資源 は、まちなかの何げない魅力に着目し始めるなど、興味対象が多様化している 観光客の指向性ともうまくかみ合うものだと言えます。
29
の近代化に伴って時代とともに失われてしまう可能性も高いものです。浦安で は、こうしたまちなかの地域資源を観光面でも積極的に活用することによって、 そこに息づく歴史や文化を保存し、次の世代へと継承することを目指します。
④ 文化や産業に寄与して地域活性化につながる観光振興
観光振興は地域にとって社会的効果(地域の文化面への寄与)と経済的効果 (地域の産業面への寄与)をもたらします。浦安市の観光振興は、市民生活に 対して直接的に影響をおよぼす社会的効果と、様々な産業に波及する経済的効 果の双方を視野に入れ、文化、産業両面への振興につなげていきます。
3−2 浦安市の観光振興の目標像
前節で示した基本方針に基づき、浦安市の観光振興の目標像を以下のように 設定します。
『水辺で輝く浦安の観光まちづくり』 −市民も楽しめる観光の実現−
この目標像にこめたのは、境川、旧江戸川、三番瀬(東京湾)という3つの 水辺に囲まれていることが浦安という地域の大きな特性であり、これらの水辺
に育まれた浦安の独自性∼古くからのまち並みとその中に息づく生活文化、あ
るいは新しく生まれたまち並みとそこで展開されるフレッシュな生活∼を大切
に活かして、まずは市民が楽しめるような「観光まちづくり」を進めていこう
というメッセージです。
第1章で触れたとおり「観光まちづくり」とは、住民が中心的な役割を果た しながら魅力的な地域づくりを進めるものです。必ずしも来訪者を特別にもて なすことだけ意識する必要はありません。市民が自身の足元に眠る地域の魅力 を発見・創出することを基本に、それらにひと手間加えて磨きをかけた浦安と いう地域が来訪者にも魅力的になることを目指します。
図表−22 目標像実現の考え方
31
第4章 観光振興のための取り組み体系
この計画は、2008年度から2012年度までの5年間を対象とします。なかで も2008年度から2010年度までの短期3ヶ年を中心としてどのような取り組み を進めるか(=短期重点プロジェクト)を中心に、第3章で設定した目標像達 成のため、浦安市が取り組む観光振興策の体系を以下に示します。(中期・長期 の取り組みについては、当計画では大きな方向性のみ示しています)
観光振興の4つの柱については、これまでの分析結果(第2章)及び基本方 針(第3章)を踏まえ、以下のように考えます。また、それぞれの柱のもとに 取り組む短期重点プロジェクトの体系について次ページに示します。
図表−23 浦安市の観光振興のための4つの柱
3 つ の 水 辺 空 間 の 魅 力 ア ッ プ と 体 験 の 充 実
生 活 文 化 の 掘 り 起 こ し と 観 光 面 で の 充 実
気 軽 に 立 ち 寄 り 、 め ぐ っ て 楽 し め る 都 市 環 境 の 整 備
旬 の 情 報 発 信 と 新 し い 都 市 イ メ ー ジ の
定 着
<根拠となる分析結果>
●多様な水辺空間の魅力(浦安市の強 み)と都市部の水辺への注目(浦安市 にとっての機会)を活かし、水質悪化や 親水空間の不足(浦安市の弱み)をカ バーする
浦 安 市 の 観 光 振 興 の た め の 4 つ の 柱
<根拠となる分析結果>
●弱い食の魅力(浦安市の弱み)を克 服し、他都市での観光振興の動き(浦 安市にとっての脅威)に対応する ●各エリアが持っている特徴的な顔(浦 安市の強み)とまち歩きブーム(浦安市 にとっての機会)を結びつける ●高い知名度(浦安市の強み)を活かし て、競合する目的地の存在(浦安市に とっての脅威)に対応する
<根拠となる分析結果>
●分かりづらい公共交通体系(浦安市 の弱み)を克服し、まち歩きのブーム (浦安市にとっての機会)に対応する
<根拠となる分析結果>
●地域づくりに関わる市民の活力(浦安 市の強み)と若いまちとしての活力(浦 安市の強み)を活かす
●まちあるきのブーム(浦安市にとって の機会)、多数の通勤・通学客の存在 (浦安市にとっての機会)を活かし、画 一的な地域イメージ(浦安市の弱み)を 克服する
以下に示す分析結果(第2章参照)を踏ま え、それぞれの柱を設定しています
それぞれの柱に沿って取り組みを進め ることは、以下の基本方針(第3章参
照)に適うものです
<対応する基本方針>
●住民のより良い生活環境の実現 につながる観光振興
●既存の生活文化とまちなかの空 間を大切にする観光振興
●文化振興、産業振興の双方で地 域活性化につながる観光振興
<対応する基本方針>
●市民が主役となって推進する観光 振興
●既存の生活文化とまちなかの空 間を大切にする観光振興
●文化振興、産業振興の双方で地 域活性化につながる観光振興
<対応する基本方針>
●住民のより良い生活環境の実現 につながる観光振興
●既存の生活文化とまちなかの空 間を大切にする観光振興
<対応する基本方針>
●市民が主役となって推進する観光 振興
●浦安市全体の地域イメージ・都市 イメージの定着につながる観光振興
1
2
3
32
33
4−1 3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実
3つの水辺∼旧江戸川・境川・東京湾∼に囲まれて発展してきた浦安では、 食材の供給や交通路としての機能、あるいは心のやすらぎを与える景観の創出 など、様々な面で市民の生活と水辺空間が密接に結びついていました。食材供 給や交通路としての機能は現在衰退しつつありますが、これらの水辺空間が浦 安にとって「顔」となっていることは相違ありません。また、都市部における 水辺空間の存在は来訪者にとっても大きな魅力となります。浦安市の観光振興 では、こうした水辺空間に着目し、その魅力づくりを進めていきます。
● 短期重点プロジェクト
短期重点プロジェクトとしては、「境川の活用」と「東京湾と旧江戸川の魅力 づくり」の2点に取り組みます。
【1−1】境川の活用
まちなかを横切って流れる境川は、浦安を特徴づける3つの水辺空間の中でも、 特に市民の日常生活との関わりが深い空間だと言えます。境川との関係性の中 で培われてきた生活文化を市民があらためて見直して次の世代に伝えていくこ とを狙いとして、空間としての魅力アップ(水質浄化、親水空間の整備)と体 験の魅力アップ(多様な体験要素の創出)の双方に取り組みます。
まずは、クリーンアップ運動等を推進しつつ、市民が境川に親しむ機会を増や していきます。また、来訪者にも境川の魅力を楽しんでもらうための取り組み を進めます。
【1−2】東京湾と旧江戸川の魅力づくり
埋め立てによって海岸線がまちなかから沖合へと遠のいたこともあり、浦安の 海辺は境川に比べると、市民の日常生活からやや離れた存在になっています。 しかし、東京湾の最奥部の貴重な自然環境として「三番瀬」への社会的注目が 高まっていることや、海辺の空間がレクリエーションの場としての高い可能性 を秘めていること等から、市民、来訪者双方が楽しむことのできる海辺の魅力 づくりを進めます。また、旧江戸川についても同様の観点から注目していきま す。
現状では水辺に近づくことも難しく、市民や来訪者にとって開かれた場として いくためには時間を要します。そのため、まずは海に触れあうための場の整備 などについて、基礎的な調査・検討を進めていきます。
【具体的な取り組み案】
・境川まつりの実施検討 ・精霊流しや流しびな等文化的イベントの実施 ・境川での乗船体験の充実 ・境川での水上交通実現に向けた検討
【具体的な取り組み案】
・三番瀬の活用 ・海岸部への観光拠点施設の設置可能性検討 (飲食・物販など)
・旧江戸川沿いの距離標識設置検討 ・大型バスも利用可能な観光立ち寄り施設の設置検討 ・水上バス導入の可能性検討 … など
● 中長期的展開のイメージ
「3つの水辺空間の魅力アップと体験の充実」に関する中長期的な取り組み としては、短期に引き続き境川周辺の空間としての魅力アップ、体験の魅力ア ップに取り組むことが考えられます。また、短期で着手した基礎的な調査・検 討の結果を踏まえ、水辺空間まわりの施設整備について、実現に向けたより具 体的な検討段階に進むことが考えられます。
水辺空間との関連が深い施設である浦安魚市場についても来訪者が利用しや すいあり方の検討を行うことや、水質浄化が実現することを前提として、水辺 での様々なレクリエーション活動が楽しめる場を提供することも考えられます。
短期の取り組みの考え方 中長期の取り組みの考え方
3
つ
の
水
辺
空
間
の
魅
力
ア
ッ
プ
と
体
験
の
充
実
●境川に親しむ機会の創出
●境川での体験の多様化
●水辺への施設導入に関する
基礎的な調査・検討
●水辺の魅力づくりの
さらなる推進
●施設導入に向けた
具体的な検討 1