改革開放以来、中国政府は積極的かつ穏当に流通体制改革を推進し、物流企業の経営自主 権を徐々に拡大し、市場に配置された資源の基礎的な役割を果たさせ、物流分野における対外 開放と物流の近代化を積極的に推進してきた。20 年余りにわたる改革開放を経て、中国の物流分 野は本質的な変化を遂げ、流通ルート、流通主体、流通方式、経営業態から運行メカニズムや管 理体制に至るまですべてが根本的に変化した。現在、中国の商品市場は初歩的な規模を備え、
市場メカニズムが打ち立てられ、流通主体が多元化し、物流の設備と技術が絶えず改善され、近 代化流通方式はゼロからスタートして急速に発展し、対外開放のレベルが絶えず向上し、「多ルー ト、少ポイント、開放式」の物流構造が一応の形成を見、市場化を標識とした商品の物流システム がほぼ確立した。2004 年、中国の卸売・小売貿易と飲食業全体の増加値は 1 兆 98 億 5000 万元 で、1978 年の 38.04 倍、同従業員数の全国就業人口に占める割合は、1978 年の 2.84%から 2002 年には 6.74%に増加した。2004 年中国の社会消費財の小売総額は 5 兆 3950 億元で、1978 年の 34.6 倍になった。
1. 中国の卸売業の発展
(1) 中国の卸売業の全体的な状況 1) 商品販売規模
中国経済の持続的かつ急速な発展は、中国の消費市場の規模をも持続的かつ急速に拡 大させ、商品の流通量は比較的速いスピードで増加し、卸売業は物流の各ポイント中の重要 ポイントとして、その商品販売規模が急速に拡大している。2003 年全国の卸売市場の商品売 上額は 2 兆 1616 億 7000 万元で、1998 年に比べて 60.7%、2002 年に比べると 12.7%の増 加となった。そのうち、消費財の卸売市場の売上額は1兆 1004 億 6000 万元で、1998 年に比 べて 31.1%、2002 年に比べると 6%増加した。生産手段の卸売市場の売上額は 1 兆 612 億 1000 万元で、1998 年に比べて 110%、2002 年に比べると 20.7%【1】増加した。2003 年、全 国の一定基準以上の卸売業者【2】の商品売上額は 3 兆 8924 億 3000 万元で、2000 年以来、
全国の一定基準以上の卸売業者の商品売上額の増加はスピードアップの様相を呈している。
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2000 年〜2003 年の同商品売上額の増加率は、2000 年 19.2%、2001 年 7.3%、2002 年 12.5%、2003 年 20.1%となっている。2003 年における一定基準以上の卸売業者の売上額の うち、鉱産品、建材および化学工業製品が 41.1%、機械設備、金物電器および電子製品が 16.3%、たばこ製品が 13.2%を占めた【3】。
中国の一定基準以上の卸売業者の商品売上額の変化
22409.6 22614.64
26947.4 28935.52 32420.42
38924.3
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
【1】データの出典は国家工商行政管理総局《工商行政管理統計集》
【2】一定基準以上の卸売業者とは、年末現在で従業員 20 人以上、年間売上額 2000 万元 以上の業者を指す。
【3】データの出典は国家工商行政管理総局《工商行政管理統計集》
2) 卸売企業の数
2004 年末現在、全国の一定基準以上の卸売業法人企業は 1 万 483613 社、個人の卸売 業者は 2045609 戸となっている。卸売業務市場への参入許可の環境が絶えず緩和され、市 場が絶えず拡大してきたため、中国の卸売業は数のうえでも増加し、また企業規模も常に拡 大を遂げてきた。1999 年に比べて 9.9%減少している。近年来、全国の一定基準以上の卸売 業法人企業数は年ごとに減少傾向にあり、その主な原因は卸売企業間の統合、買収、再編 で、1999 年〜2003 年、全国の一定基準以上の卸売業法人企業数は、1999 年 1 万 6382 社、
2000 年 1 万 5393 社、2001 年 1 万 5258 社、2002 年 1 万 5262 社、2003 年 1 万 4937 社と なっている。また同時期における卸売業の産業活動組織数は、1999 年 2 万 3720、2000 年 2 万 3956、2001 年 2 万 5227、2002 年 3 万 1628、2003 年 2 万 7856 となっている。
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全国一定基準以上の卸売業法人企業数の変化
16382 15393 15258 15262 14937 23720 23956 25227
31628
27856
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000
1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
法人企業数 産業活動組織数
3) 就業者数
改革開放以来、中国の卸売業は新しい発展段階に入り、発展の過程で曲折はあるものの、
全体的な発展の趨勢は強大である。特に 90 年代中期以降、国家による積極的な財政貨幣 政策の実施と物流業の地位の高まりによって、卸売業の急速な発展が促され、卸売業の就 業者数も常に増加してきた。統計の都合で、全国の卸売業の現在の就業者数はわからず、
卸売・小売貿易、飲食業の就業者数の変化を示すことしかできない。2002 年末現在、中国の 卸売・小売貿易および飲食業の就業者数は 4969 万人で、1995 年に比べて 15.8%増加した。
全国の一定基準以上の卸売企業の就業者数を見ると、2003 年末現在で、全国の一定基準 以上の卸売企業の就業者数は 178 万 7000 人で、1999 年に比べて 29.7%減少した。
中国における一定基準以上卸売企業 就業社数の変化(万人)
254.4
231.9
198.3 194.5
178.7
0 50 100 150 200 250 300
1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
-84/297- 4) 投資
2003 年の全国の卸売企業の登録資金は 1 兆 8615 億 5000 万元【4】であった。2003 年中 国の卸売業の基本建設投資額は 204 億 3000 万元で、1998 年に比べて 32.4%増加した。近 年来、物流費用を下げ、流通の効率を上げることが、物流業発展の重要な課題となっており、
インフラへの投資の増加速度も加速している。2001 年、2002 年および 2003 年の中国の卸売 業の基本建設投資はそれぞれ 10.7%、10.5%および 7.1%であった。基本建設投資が比較 的急速に増加しているのと同時に、中国の卸売業の設備更新・技術改造投資も穏やかに増 加しており、2003 年、中国の卸売業の更新改造投資額は 35 億 9100 万元で、1998 年に比べ て 53.5%増加した。
中国卸売業の基本建設投資額の変化(億元)
154.34 159.41 155.93 172.58 190.71 204.28
0 50 100 150 200 250
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
【4】データの出典は国家工商行政管理総局《工商行政管理統計集》
5) 企業収益
企業規模の拡大、商品販売規模の比較的急速な成長に伴い、企業規模の効果がいっそ うはっきりと現れてきた。90 年代中期以降の発展を見ると、1998 年、中国の一定基準以上の 卸売企業の商品売上利益は最も低調で、1999 年から安定的な成長の軌道に乗り始めた。
2003 年、中国の一定基準以上の卸売・小売企業の商品売上利益は 1368 億 8000 万元で、
1998 年に比べて 92.1%、2002 年に比べると 23.2%の増加となった。一定基準以上の卸売企 業が実現した商品売上利益のうち、たばこ、エネルギー、金属等の伝統的な大口製品の卸売 業の貢献が最も大きく、2003 年、一定基準以上の卸売企業のうち、たばこ製品の卸売業者が 実現した商品売上利益は 512 億 8000 万元で 37.5%を占め、商品売上利益は 1998 年に比 べて 93.8%増加した。石油および石油製品の卸売業が実現した商品売上利益は 1998 年に 比べて 199.4%増加し、金属および金属鉱の卸売業の実現した商品売上利益は 82 億 1000 万元で 6%を占め、商品売上利益は 1998 年に比べて 224.5%増加した。
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中国における一定基準以上卸売企業の 商品売上利益の変化(億元)
712.4 740.4 862.4 820.4
1111.5
1368.8
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
2003 年の一定基準以上の卸売企業の商品売上利益のうち、国有企業は 696 億 3000 万 元で 50.9%を占め、有限責任会社は 245 億 2000 万元で 17.9%を占め、株式会社は 200 億 4000 万元で 14.6%を占め、個人経営企業は 57 億 5000 万元で 4.2%を占めた。
(2) 現段階における中国の卸売業発展の主な特徴 1) 中国の卸売業は転換発展期にある
建国以来、中国の卸売業は複雑な発展過程を経てきた。計画経済期には、中国は高度に 集中した、区画ごとに設置された一、二、三級の卸売ステーションを顕著な特徴とする生活手 段および生産手段の卸売システムを作りあげた。この卸売システムは卸売企業に対して卸売 対象、供給地域、価格の割引率を固定するという政策を実行し、同時にまた、卸売企業として 国有および集団企業しか経営を認めなかった。1978 年中国は経済改革と対外開放を実施し、
中国の経済が計画体制から市場経済体制へと徐々に転換するにしたがって、各種の高度に 集中した区画行政式の卸売システムが、商品の流通の発展を著しく阻害し、国民経済の発 展を阻害するに至ったので、国家はこの卸売システムに対して改革を行い、たちまち伝統的 な三級の卸売システムを徹底的に打破した。その後の発展のなかで、小さな卸売ステーション は、卸売会社が「国有民営」の政策の下、「転換、貸出、売却、請負」などの方法で、他の業 務経営に転換させたり、市場に向けて自主経営を行う卸売企業に転換させたりした。また大き な卸売ステーションは卸売会社との合併、再編など整理・再編成の措置を経て、大規模な国 有卸売企業として組織され、国家の経済と人々の生活にかかわる重要な製品の卸売業務の 経営をすることとなった。
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1984 年から、各地で次々に取引対象は「どこの土地の公私だれでも」で、卸の量で価格を 決める「工業品貿易センター」が設立され、卸売業を営み始めた。しかし工業品貿易センター は、取引ポイントの削減や時間、空間、数量、所有権の分離といった問題を根本的に改善す ることができず、まもなく市場から姿を消した。
改革開放後、市場と経営権の開放によって、郷鎮企業、個人経営企業、自営業者が急速 に発展し、農産物・副産物、水産品、生鮮品の生産量も急速に増加した。商品の生産者が多 く、商品の種類も多く、生産のロットサイズが小さいという市場の特徴に適応し、生産と販売の 矛盾を調整するため、農産物・副産物の卸売市場と工業品卸売市場が時運に乗じて生まれ た。1993 年党の第 14 期三中全会の《社会主義市場経済体制確立の若干の問題に関する決 定》において、「現有の商品流通システムを改革し、商品市場をさらに発展させ、重要な産地、
販売地あるいは集散地に、大口の農産品、工業消費財および生産手段の卸売市場を建設 する」と示された。このときから、中国の卸売市場は急速な発展段階に入ったのである。2003 年末現在、中国には 7454 カ所の消費財卸売市場と 6711 カ所の生産手段の卸売市場がある
【5】。
【5】データの出典は国家工商行政管理総局《工商行政管理統計集》
1992 年、中国の商業分野が対外開放され、外資系小売企業の進出と国内資本の小売企 業の規模の拡大により、小売企業の商品買付センターの発展が促され、それによって、大型 小売企業の卸売業務の発展も促進された。2002 年、上海一百は日本丸紅株式会社と合弁 で卸売企業―上海百紅貿易有限公司を組織し、外資による中国の卸売業への進出の幕開 けを告げる旗印となった。
計画経済体制下の卸売システムを打破し、市場経済の発展に適応した新しい卸売システ ムを確立するため、20 年余りにわたって中国は積極的な探求と実践を行ってきた。国家によ るたゆまぬ改革措置の推進の下、また、市場経済における資源配置の最適化機能の調節の 下、新しい卸売システムを確立して卸売業発展を促進する過程で、多くの実績と経験を得、
多種類の所有制、多種類の方式による卸売企業の共同発展構造をほぼ形作ったと言わねば なるまい。また、物流の効率を向上させ、生活、生産消費を満足させることについては、製品 構成を調整し、国民経済における物流業の地位の向上に積極的に貢献した。近年来、中国 の卸売売上額と小売売上額の比率は 3:1 程度で、卸売売上額の比率は下降の形勢にある が、このことは卸売ポイントの減少と物流効率の向上を意味している。しかし、近代化された大 規模物流システムを確立するには、中国の卸売業は効率的にも機能的にも先進国と比べて まだ大きな格差があり、現代物流の発展要件に適応した、効率がよく、機能が高い卸売シス テムの形成にはまだ一定の距離がある。現在、中国における物流業の地位は日増しに高まり、
物流は商品の流通コストの低減と流通効率の向上の必要に迫られており、国際的な物流業と リンクして協力を強化する新しい形勢の下、中国の卸売業も新しい転換発展期に入った。転 換発展の核心はすなわち、伝統的な大型国有卸売企業の改革を加速し、近代的な大型卸