1. 統一的計画による発展観の確立
科学的発展観は、中国の今後の発展における長期的戦略である。科学的発展観とは、人間を 中心とした、全面的にバランスの取れた持続可能な発展のことである。科学的発展観の核心と根 本的要求は、統一的計画(国家の利益と各方面の利益を兼ねること)にある。国家の発展方針か ら見た場合、中国における統一的計画に関する基本的内容は、次の 5 つの事項となる。即ち、(1)
都市と農村の発展における統一的計画、(2)地域的発展における統一的計画、(3)経済的社会 的発展における統一的計画、(4)人間と自然とのバランスにおける統一的計画、(5)国内の発展と 対外開放における統一的計画である。具体的には、中国の流通産業に関する統一的計画の内容 に関しては、都市の流通業の発展と農村の流通業の発展における統一的に計画すること、また、
流通業の国内的発展と対外開放を統一的に計画し、真の内外取引の一体化を実現すること、さら に、流通規模の拡大、発展速度と流通業の品質・効率の向上を統一的に計画すること、となる。
(1) 都市流通業の発展と農村における流通業の発展を統一的に計画する
中国の長年に亘る都市と農村の二元化した社会経済構造は、都市と農村の流通業における格 差を大きなものとしている。こうしたことは具体的には、農村の購買力と消費能力の低下、農村にお ける水道、電機、道路等のインフラ設備の未整備、消費環境の格差、農村の市場システム建設の 遅れ、現代化された流通ネットワークの未整備、農村市場秩序の混乱、深刻化するコピー商品や 劣悪商品といった問題に表れている。こうした状況を改善するため、今後、中国の流通業の発展に おいては、統一的に計画されたバランスのとれた発展と共に、農村に対する大幅な政策的転換を 行い、農村の流通業の発展に対して政策的支援を強化していくようにしなければならない。また、
農村の地域的流通業の発展に対する指導を強化すると共に、都市の流通の農村の流通に対する 輻射作用を拡大し、都市を以て農村を成長させ、都市を以て農村をリードしていく。
小都市の流通業の同時的発展を重視する。「第 11 期5ヵ年計画」期間において、中国は行政区 画のるテスト・ポイントにおける改革を起動し、統一的計画による都市と農村の発展に対する要求 に応じて、大・中の都市と小都市におけるバランスのとれた発展方針を堅持することで、それぞれ の特色ある集約的都市化の道を歩むようにしていく。こうした集約的都市化の道は、人口の脱非農 業化、非農業人口、非農産業の一定地域への集中を増加させることとなる。こうした新たな小都市 は、流通業と併せて提起される新たな要求に対して、大・中の都市とは異なり、また、既存の農村・
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村落、鎮とは区別された特質に基づいて、流通の構造を科学的に計画していかなければならない。
同時に、小都市を基盤として農村の消費製品市場を開拓して行く必要がある。小都市や新興都 市の開発建設に対しては、商業流通施設の開発建設を強化すると共に、多元化した商品経営主 体と多様な商品経営方式を積極的に育成していく。また、農村市場に対するサービスを育成し、
国内外の流通主体が小都市や新興都市に経営ネットワークを展開するよう支援していく。
(2) 流通業の地域的発展を統一的に計画する
中国の国土は広く、東部地域、中部地域、西部地域の 3 つの地域経済の発展レベルには明らか な格差が存在している。今後における中国の流通業の発展は、国家の西部地域開発、中部地域 の発展、東北地域の旧工業基地の再興等一連の重大な地域発展政策を巡り、各地域の優勢を 充分に発揮させると共に、短所を長所で補い、互いに協力しあう形で、共同発展していくようにしな ければならない。流通業の発展の重点は、中西部地域を支援すると共に、東部地域・沿海地域と いった発展地域の流通企業が中西部地域に投資するよう誘導し、現代的経営理念や流通方式を 中西部地域に導入していくことにある。
中西部地域の市場建設と発展を重点的に育成し、支援していくことが必要である。中西部地域 の市場の優勢に対しては、既存の業態や新興市場の形式を組み合わせた発展モデルを採用する と共に、一群の現地の資源製品の集散を主とする専業的卸売市場を重点的に発展させる。東部 地域の優良で廉価な日常製品を中西部地域に販売すると同時に、中・西部地域の資源製品や特 色のある農業副産物を全国市場や国際市場に売出すことを促進していく。また、東部地域と中西 部地域の市場が相互に連動する関係を構築する。特に、中枢に位置する中部地域の優位性を発 揮させると共に、鉄道、道路、水路、航空路等の総合的、立体的な現代的物流システムを大いに 発展させ、中部地域の発展を促進させていく。
既に形成されている珠江デルタ地域、長江デルタ地域、北京―天津―河北地域といった三大経 済地域はそれぞれ異なる特徴を有しているが、その中で、珠江デルタ地域の一人当たり平均 GDP が最も高く、GDP の増加速度も長江デルタ地域や北京―天津―河北地域と比べて、それぞれ 5.14、5.81 ポイント上回っている。また、長江デルタ地域は、流通業の発展レベル(大型流通企業 の数、現代的流通方式の実現率等の分野において)が最も高く、北京―天津―河北地域は消費 市場、外資利用、輸出入の面において、三大経済地域の中で増加速度が最も速い。三大経済地 域の流通業の発展はそれぞれ地域的な優位性を有している。長江デルタ地域、珠江デルタ地域、
北京―天津―河北地域といった 3 つの主要な経済地域における商品市場の一体化を重点的に 推進すると共に、地域的商品市場の統一的計画や配置的調整を強化することで、地域内の商品 市場の役割を全体的に発揮させ、それにより商品市場の資源が地域内において優越的に配置さ れるようにする。さらに、三大経済地域内の政策的協力を強化していく。市場主体間の協力を推進 すると同時に、ネットワークが地域を跨えて拡張するよう再構築・経営し、市場の一体化の形成に
-64/297- 向けたテンポを加速していく。
(3) 流通業の国内的発展と対外開放を統一的に計画し、内外貿易の一体化を継続的に促進 する
今後、中国は WTO のルールに基づき、全方位的な対外開放を展開し、国際経済システムにより 大々的に深いレベルで組み入れられるようになる。卸売や小売業による投資は、目下、中国にお いては、対外投資を行う業界の中で比較的高く、約 15%となっている。但し、投資する企業数、投 資額、競争力はいずれも国際的レベルから程遠いものとなっている。こうしたことから、今後は外資 を大々的に吸収、導入していくと共に、関連措置を採用することで、中国の流通企業が海外にお いて新たな産業に投資出来るよう鼓舞、支援を行っていく。
また、中国の流通業は今後、依然として国内の発展を基盤にし、国内取引を大いに発展させて いく必要がある。国内貿易(取引)の役割は、生産の誘導、消費の促進、内需の拡大、就業機会の 増加等の面に突出的に表され、国民経済の価値を実現する確かな手段となっている。国内取引 は細分性、分散性、サービス性を有し、人々の生活と密接であるという特質を有している。このこと は、国内取引が人々の消費レベルや生活レベルの向上、バランスのとれた社会を構築するという 戦略において重要な位置を占めることを決定している。
内外取引の一体化は、市場経済体制と行政管理体制の改革における内在的要求であり、大市 場、大流通を確立し、流通産業の国民経済における地位と役割を向上させる前提条件であるほか、
経済のグローバル化に対する挑戦であると共に、世界の取引体制に合致するための必要な手段 であり、内容となっている。内外取引の一体化は、社会主義市場経済システム建設の段階的目標 であり、「第 11 期 5 ヵ年計画」の商務工作における全体目標を達成するための基礎的条件と主要 な内容でもある。国内取引は基礎であり、海外取引はその延長であるとして、内外取引が密接に 関連するものとして捉え、「大取引、大流通、大市場」に基づくシステムを共同して構築していくこと が必要である。また、内外取引企業の業務の融合を積極的に促進させ、内外取引が一体化した 市場主体の育成を加速していく。さらに、各レベルにおける政府の内外取引におけるバランスのと れた管理を強化し、流通の体制改革を進化すると共に、真に国内取引と海外取引を一体化させ、
二つの資源、市場を充分に活用していくようにする。
(4) 流通業の規模拡大、発展速度を統一的に計画し、流通業における品質、効率・利益との 関係を高める
発展は第一の任務であり、中国の流通業の発展は GDPの成長速度に適応していくと同時に、適 度にそれを上回っていく必要がある。但し、こうした発展は、資源節約型、低コスト、高い効率によ