1. 中国流通業のマクロ的発展環境
国内と海外の経済環境が示すところによると、中国の経済発展は供給量の欠乏を解決することを 主要な目標としており、数量の増加、総量の拡張を主な特徴する段階は既に基本的に終了してい る。粗放型の経済成長方式も日増しに継続していくことが困難となってきている。今後も経済を発 展させていくためには、新たな思考を有することが必要であり、必ず科学的な成長観を確立すると 共に、経済の構造を優越的にレベルアップすることに着目し、経済構造の戦略的調整を行なわな ければならない。また、国民経済の全体的資質と効率を向上させ、経済と社会の持続可能な発展 を実現していかなければならない。
中国は巨大な発展の潜在力を有する国家である。過去 20 年余りに亘り急速な経済成長を維持 してきたものの、中国の一人当たり平均所得は依然として非常に低いレベルにあり、世界で 110 番 目に位置している。中国の都市化率は 43%しかなく、人口の半数は工業化によってもたらされる都 市文明を直接的に享受する機会を持たない。13 億の生活レベルを向上させるための強い願望、
都市化と工業化による大きな発展の可能性は、将来の中国経済の発展に大きな需要をもたらすも のとなる。国務院発展研究センターが中国の経済成長の可能性と見通しに対して行った分析と予 測結果によると、「第 11 期五ヵ年計画」の時期(2006−2010 年)における中国のGDP年平均成長 率は 8%程度を持続し、今日のレートで計算した場合、2010 年の一人当たり平均所得レベルは 1700 米ドルに達し、2020 年には一人当たり平均所得レベルは 3200 米ドルを超えるとされている。
今後の中国経済の発展過程において、国際環境の影響は益々大きなものとなる。中国は資源 賦存のバランスがとれていない国である。労働力資源は豊富であっても耕地、水、鉱物資源等の 自然資源が相対的に欠乏している。経済の総量が不断に拡大するに伴い、海外資源に対する依 存度が不可避的に上昇することとなる。中国は国際的分業の末端に位置しており、自らの刷新能 力を高める努力を行うと共に、先進的技術の導入が中国の将来の技術的進歩の重要な基礎とな る。こうした基本的な国情から、中国は開放による発展の道を拡大し、経済のグローバル化に積極 的に参加することを通じて、自国の発展を推進するしか歩む道がない状況となっている。
日増しに成長する中国経済は、世界に対しても大きな影響を与えるものとなっている。中国は既 に世界第三位の貿易大国であり、近年、中国の世界の貿易と経済成長に対する貢献度は益々高 まっている。中国に対する輸出の増加は、多数の国家にとって経済成長の主要な要因となってい る。WTO のメンバーとなって以後、中国は新たな貿易交渉に積極的に参加し、より開放的で、一
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段と自由で、一層安定したグローバルな貿易システムの建設に取り組んでいる。発展途上国であり ながら、中国の外貨準備高は既に 6000 億米ドルを超え、累計の対外投資額も 377 億米ドルとなり、
将来的投資先としての中国の潜在力が初歩的に垣間見られるようになっている
(1) リスクが増加し、競争が激化する国際的経済環境
目下、中国は複雑で変化の激しい国際経済環境の中にあり、リスクは大きくなり、競争も激化して いる。但し、世界経済環境における三つの基本的趨勢については、短期間内に変化することはな い。
第一に、経済のグローバル化の趨勢が強化される。経済のグローバル化における制度的基礎は、
「グローバル経済の市場化」或いは「市場経済のグローバル化」にある。国際経済組織、特に多国 籍企業の急速な成長は、経済のグローバル化を加速させる重要な組織的原動力となっている。
第二に、情報技術を核心とする新たな科学技術革命が急速に進展する。これは必ず生産、生活、
消費のスタイル、企業の経営方式、政府の管理方式等に対して大きな影響を与えるものとなる。
第三に、グローバルな産業構造調整のテンポが加速化し、国際的競争がさらに激しくなる。新た なに起こる世界の産業構造に対する大規模な調整局面においては、中国は産業構造の優越的レ ベルアップを急がなければならず、若干の分野については、垂直的分業による序列から水平的分 業による序列へと移行し、比較優位を引き続き維持すると共に、改革と発展のプロセスを加速化さ せていかなければならない。
経済のグローバル化の趨勢に適応するために、中国は開放の拡大を通じて、改革と発展を推進 する戦略を採用してきた。過去四半世紀の期間内において、中国は閉鎖的な発展状態から急速 に世界経済システムに組み入れられてきた。1993 年以後、中国は一貫して海外の直接投資を最 も多く吸収する途上国であり、中国の安定した政治情勢、質の高い低廉な労働力、完備されたイ ンフラ設備、膨大な国内市場により海外の投資家を吸収してきた。多国籍企業は対中国投資を通 じて中国における販売を拡大するか、或いは労働集約型製品の加工輸出基地を建設してきた。最 新の見積もりによると、海外の直接投資の存量は 2600 億米ドルに達するとされている。海外の直 接投資は大々的に中国の対外貿易を発展させ、中国の対外輸出総額は 1978 年の 206 億米ドル から、2004 年には 1.15 万億米ドルにまで増加し、世界第三位となった。この対外輸出額の内、外 資が投資した企業による輸出は全体の半数を上回っている。
1) 引き続き進展する経済のグローバル化の趨勢
経済のグローバル化とは、商品、サービス、情報、生産要素等の国境を越えて流動する規 模が不断に拡大し、その形式も不断に発展する中で、各国が国際分業を基礎にして、世界 的規模で資源の配置効率を高めていくプロセスを意味する。経済のグローバル化が進展する に伴い、各国間の貿易、投資、生産要素等の流動する範囲が拡大し、そのことが各国経済の
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相互依頼のレベルを日増しに深めると共に、世界各国の経済生活に大きな影響を与えるよう になっている。人類社会が新世紀の世界経済の発展を歩むことについて見てみると、世界経 済の発展のペースに伴って、経済のグローバル化の潮流がその独自の方式により全世界を 猛烈な勢いで席巻していることに気付かされる。
第一に、国際経済組織の努力により経済のグローバル化にとって良好な発展環境が整え られたほか、先進国の多国籍企業の活動が依然として経済のグローバル化による発展の主 要な原動力となっている。また、技術的進歩、情報やネットワーク技術の発展も経済のグロー バル化を促している。IMF、世界銀行、WTO は世界的レベルで商品の貿易障壁を削減する 一方、段階的にサービス貿易分野を開放し、投資の利便化を実現する努力を懸命に行って いる。WTO は 2001 年 11 月にカタールの首都であるドーハで開催された第 4 回大臣クラス会 議において、新たな多国間貿易交渉をスタートさせた。今後の交渉結果は、必ず WTO 枠内 の商品貿易、サービス貿易、投資活動にとってさらに多くのチャンスをもたらすものとのなる。
第二に、先進国の多国籍企業はその資本、技術上の独占的優勢を利用して、企業の利潤 を最大化すると共に、生産、経営、研究・開発等の活動をグローバルなレベルで展開している。
多国籍企業は海外での直接投資を通じて、完成し標準化された段階にある技術を世界の各 地に輸出すると共に、各国間の経済的交流や世界的産業構造の移行プロセスを大いに加速 化させ、国際分業の発展を進化させている。
第三に、ハイテク技術である。特に情報やネットワーク技術の開発と応用は、各国間の距離 を大幅に縮小させ、情報、資金の移転をさらに迅速なものとさせている。
第四に、地域経済の一体化した発展と経済のグローバル化が相互に補完する関係となっ ていることである。EU は現在、新たな加盟国の受け入れ、その地域経済グループの勢力範囲 の拡大し、その世界政治経済における地域を高めることに奔走している。20 世紀の初めにユ ーロは誕生したが、現在では既に米ドル、日本円と肩を並べる世界的な通貨となっている。
2002 年にユーロの対ドルレートが大幅に引き上げられたことで、ユーロは重要な貿易、投資の 通貨に発展した。これに対し、東南アジア諸国では 1997 年に起こった金融ショックの洗礼を 受けた後、経験と教訓を総括した上で、目下のところ、健全な経済発展の道を歩んでいる。
2) 加速する地域経済の一体化のプロセス
地域経済の一体化は、世界経済の発展の必然的結果であり、現代の社会生産力の発展 と生産関係の変化の客観的反映であり、客観的要請である。地域経済の一体化は経済のグ ローバル化の進展に伴い不断にその発展がレベルアップする。世界各国の間には生産力の レベル、経済構造等の面において大きな較差が存在しており、完全なグローバル経済の一体